AIとデジタルを、仕事の心強い相棒に。
最新技術の“レシピ”を学ぶ「DXカフェ デラックス」開催。
2025年10月10日
- FGみずほフィナンシャルグループ
OVERVIEW
AIを積極的に取り入れ、業務の効率化と質の向上をめざす〈みずほ〉では、業務上のDXにまつわる課題を解消すべく、AI・デジタル活用に関心の高い社員をはじめ、本部部署や営業拠点内でDX推進のミッションを担うDXリーダーと呼ばれる社員を対象に、最新のAI・デジタル技術を体験できるイベント「DXカフェ デラックス」を開催しました。この記事では、同イベントで行われた講演の模様やコンテンツの詳細をお伝えするとともに、〈みずほ〉のDX推進にかける思いや、未来の働き方に思いを巡らせる社員の様子をレポートします。
INDEX

AIとデジタルを仕事の相棒に。
知識を深め、スキルを磨ける社内イベントを開催。
〈みずほ〉では、情報共有や新しいツールの導入、オンラインラーニング等を通して、すべての社員がAIとともに働き、使いこなすことで業務の質の向上をめざす「Work with AI@MIZUHO」の取り組みを進めています。その一環として、2025年8月25日に、みずほフィナンシャルグループ主催の社内イベント「DXカフェ デラックス」を開催しました。
このイベントでは、「あなたの仕事に、AIとデジタルという相棒を」をキャッチコピーに、カフェのメニューに見立ててDX関連のコンテンツを展開。コンテンツごとに用意されたテーブルで、バリスタ(専門家)と語り合いながら、それぞれの部署のDX推進に活用できる「秘伝のレシピ(事例・スキル・人脈)」を身につけてもらうことを狙いとしています。
当日のプログラムとしては、デジタル戦略部部長の藤井達人による講演が行われたほか、〈みずほ〉版テキスト生成AIアシスタント「Wiz Chat」の活用事例紹介ブースや、社内で使われているコラボレーションツールMicrosoft Teams(以下「Teams」)の相談カウンターを設置。さらに「Wiz Chat」等のハンズオンワークショップやPoC(Proof of Concept:実証実験)中の最新AIツールの体験会も行われました。

AI活用は脅威ではなく、飛躍のチャンス。
藤井デジタル戦略部長が語る「金融の未来」。
イベントの冒頭では、デジタル戦略部の藤井部長による基調講演を実施。〈みずほ〉のDXとAI戦略の解説に加え、これからのAI活用においてのマインド転換の必要性等について語りました。
藤井:AIによって人間の仕事が奪われると考えられがちですが、これからは、任せられる仕事はAIに任せて、人間は新たな価値創造に集中するという時代になると我々は考えます。その来るべき時代に備えて、〈みずほ〉でも、すべての社員がAIを「脅威」ではなく「飛躍」のチャンスだと捉える文化を育てていかなければいけません。例えば、プロンプト・エンジニアリングや、AI×人間のハイブリッド思考等、今後は当たり前にAIを使いこなせるスキルが求められることになります。
その前提のもと、我々もどんどん変化しつつ、人間の可能性を最大化できるようなAI活用に取り組んでいます。具体的には、2023年6月に「Wiz Chat」を全社向けにリリースして以来、様々な機能拡大を行うと同時に、オンラインセッションやナレッジシェア会等、AIに関する社内イベントを実施。2025年からは、各種生成AIツールのPoCを進めつつ、「Work with AI@MIZUHO」の取り組みを開始しました。この取り組みは、すべての社員がAIやデジタルを日常的に使いこなすことで、業務の質の向上を図るとともに、先ほど触れたように、AIを「飛躍」のチャンスであると捉える文化を醸成することを目的としています。具体的には、新しいツールの導入やオンラインセミナー、今回のような社内イベント企画等を通じて、AIの可能性と限界を知り、それぞれの業務に活用し、新たな価値の創出をめざします。
また、「AI CoE(Center of Excellence:企業内で専門知識を持つ人材やノウハウを集約した組織や部門)」として「デジタル・AI推進室」を設置し、みずほリサーチ&テクノロジーズ、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー等の専門人材を集約。生成AI アプリケーションのPoCサイクルを内製で早急に回す「内製開発ラボ」を組織しました。
この他にも、クラウド上でAIエージェントを稼働させるための基盤「Wiz Base」の整備も進めています。
藤井は最後に、〈みずほ〉が策定した銀行の未来戦略にまつわるレポートについて触れて講演を締めました。
藤井:今年の7月には「AIが変革する銀行の未来戦略」という〈みずほ〉による銀行の未来戦略レポートを全社に展開しました。人間が本質的価値を見失わずにAIと協働するビジョンを提示して、2030年以降に向けた具体的なロードマップや、営業・組織体制の変革を総合的に論じ、日本の「金融立国」実現に向けたシナリオを描いています。
このレポートは、今後、〈みずほ〉の羅針盤のような形で機能していくことを目的に作成されました。世の中では、AIが人の仕事を代替していくという論調が強くなっていますが、我々としては、人間×AIで金融業界がポジティブな進化を遂げる未来があると考えています。

バリスタ(専門家)による、対話形式でのレクチャー
お悩み相談にワークショップ、最新AIツールまで。
楽しみながら“秘伝のDXレシピ”を習得。
会場では、「メインディッシュ」として、「Wiz Chat」やTeamsの活用方法を専門スタッフに相談できるブースが設けられたほか、文章からプレゼンテーション資料を自動生成してくれる「資料作成AI」や「Wiz Chat」のハンズオンワークショップを開催。そして、最後には「ドルチェ」として、PoC中の最新AIツールの体験会が行われました。
メインディッシュ①:選べる新鮮デリ・ビュッフェ
メインディッシュの1つ目は、「選べる新鮮デリ・ビュッフェ」と題して、多くの社員が普段から使うツールである「Wiz Chat」とTeamsの活用方法にまつわる個別相談が行われ、参加者が熱心にスタッフの話に耳を傾ける様子が見られました。
「Wiz Chat」事例紹介
メールの文面を「Wiz Chat」に考えてもらうためのプロンプトや、契約書とチェックリストの自動点検、Teams上の雑談をアイデアとして形にするAIブレスト術、海外レポートのリサーチ等、デジタル戦略部が厳選した事例を共有。社内SNSのコミュニティにおけるプロンプト共有のノウハウも伝えられました。
Teamsサービスカウンター
部署によっては活用しきれていないという声も聞こえるTeams。基本的な使い方からファイルの共同編集といったTeams活用のコツまで、専門スタッフが参加者の相談に応えました。
メインディッシュ②:ライブキッチン・ワークショップ
メインディッシュの2つ目は「ライブキッチン・ワークショップ」と題して、「Wiz Chat」の予約制ワークショップを開催。事前予約には定員の何十倍もの応募があり、ツール活用への関心の高さが伺えました。
ワークショップで入力データの整合性照会や、IDの一括管理を実践していた女性は「必要な情報を得るにはもっと難しい操作が必要だと思っていましたが、簡単にできることが分かったことが今日の大きな収穫です」と、「Wiz Chat」の更なる活用に意欲を見せていました。
ドルチェ:未来のスイーツ試食コーナー
文章からプレゼンテーション資料を自動生成してくれる「資料作成AI」や、音声から面談の記録を自動生成する「議事録作成AI」、社内の規程の検索を行う手続検索AI「Wiz Search」等、法人・個人・人事領域等の事業部門とともにPoCを進めている最新のAIツールたちが実演で紹介されました。
その中には、「資料作成AI」のPoCに参加した社員たちが実際にスライドを作成する一幕もありました。このスライド作成に参加した、普段アナリスト業務に従事する女性は「図形イメージの自動生成と情報の構造化で、頭の中のアイデアがスムーズに可視化することができました。『資料作成AI』を使うことで、これまでの作業時間が大幅に削減できそうです」と、早速今後の業務にいかすアイデアを思いついたようでした。
また、イベント参加者からは「参加者の皆さんの前向きな姿勢とやる気が強く伝わってくる素晴らしいイベントでした。自分と同じように、AIやツール活用への意欲を持った仲間が、社内にはたくさんいるんだな、ということも知れて嬉しかったです」といったイベントに対するポジティブな声をはじめ、「どのツールもとても興味深く、刺激を受けました。今日の学びを今後のスキルアップや業務の効率化につなげていきたいです」「『Wiz Chat』のプロンプト活用等、今日得た知見や熱量を自分自身の部署でも広めていけたらと思います」「実際にツールを使ってみて、DXのハードルが下がりました。今後も、効果的なプロンプト作成を試行錯誤していきたいです」といった声も聞かれ、イベントを通じて学びと刺激を受けた様子が伺えました。
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伊藤 啓太(みずほFG デジタル戦略部)
こだわったポイントは、めざす姿を伝えると同時に、AIツールの活用法まで、すべてを用意したこと。
最終的に、720名を超える社員が参加したこのイベントは、どの様な経緯や目的から生まれたのか。大盛況で人の波が絶えない中、今回の「DXカフェ デラックス」のプロジェクトマネージャーを担う、デジタル戦略部の伊藤啓太に話を聞きました。
伊藤:もともとは「Wiz Chat」を身近に感じてもらうことを目的に、「DXカフェ」と銘打って対面ハンズオンを行っていました。それが徐々に新しいAIツールも取り入れる様になり、今回、DXがもたらす未来のビジョンを共有しつつAIツールの活用を実演し、未来の働き方を提案するところまで役割が拡大しました。
〈みずほ〉には、問題意識を持って自発的にDXに取り組んでいる社員のほか、各部店内でDX推進を担うDXリーダーと呼ばれる人たちがいます。今回のイベントでは、そんなDXに取り組む意欲の高い社員を対象に、「理解(AI・デジタルを知る)」し、「イメージ(自分の仕事と結びつける)」して、「行動(一歩を踏み出す)」するという3つの体験ステップを踏んでもらい、確実な行動の変化を起こすことを狙いとしました。今後、こういったDXに関心の高い社員たちがエバンジェリスト(伝道師)となって周囲を巻き込み、〈みずほ〉の「DX推進の起点」となっていくといいなと思っています。
イベントに訪れる多くの人々が明確な目的を持っていることから、このような場が求められていた実感があると、手応えを感じていた伊藤。最後に、今後の展望についても語りました。
伊藤:今回のイベントでこだわったポイントは、〈みずほ〉がDXでめざす未来の姿を伝えると同時に、それをめざす過程で、足元で提供しているAIツールが実際の業務にどのように活用できるかを、一貫した流れで紹介している点です。
今後は、地方を含む営業拠点を対象に、オンラインでの開催等を通じて、より幅広く、さらに深く踏み込んだイベントや企画を実施したいと考えています。特に今回、定員の何十倍もの応募があったライブキッチンワークショップは、単独で頻度を増やして開催できればと思っています。
藤井や伊藤が語るように、〈みずほ〉のDXは、社員一人ひとりの手にかかっています。常にAIの活用を思考し、AIとともに、日々の業務を積み重ねていくこと。〈みずほ〉がめざす「金融の未来」に向けた歩みは、着実に進んでいます。
※所属、肩書きは取材当時のものです。
文・写真/みずほDX編集部








