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お客さまとの面談記録や議事録のドラフトをAIが自動作成。めざすのは、業務効率化の先にある未来。

お客さまとの面談記録や議事録のドラフトをAIが自動作成。めざすのは、業務効率化の先にある未来。

OVERVIEW

〈みずほ〉は現在、生成AIを活用した「面談記録作成AI」の開発とPoC(概念実証)を進めています。「面談記録作成AI」は、お客さまとの面談時の記録が十分に活用できていないという課題感をきっかけに生まれたアプリケーションとなり、面談時の音声を生成AIでテキスト化し、文章整形を行い、お客さまとの面談記録のドラフトを自動生成することで、作業負荷の低減と業務余力の確保、データ分析・利活用に貢献することをめざしています。本記事では、このプロジェクトの立ち上げから現在取り組んでいるPoCの状況をご紹介します。

INDEX

  1. 1
    〈みずほ〉による生成AI活用の最新事例「面談記録作成AI」とは?
  2. 2
    スピーディーな開発を支えたのは、AWS社とのパートナーシップと各部門の協力体制。
  3. 3
    業務効率化に信頼の構築。生成AI活用で広がる〈みずほ〉の可能性。

面談記録作成AIの利用シーンとフロー

面談記録作成AIの利用シーンとフロー

「面談記録作成AI」はどのような課題から生まれたのか。
〈みずほ〉による生成AI活用の最新事例。

ここ数年で急速に世の中に広まった生成AI。テキスト生成AI「Wiz Chat」の国内全社員向けリリースや、事務手続照会をはじめとした照会AI「Wiz Search」の開発・PoC等、〈みずほ〉でも早い段階から業務における生成AI活用を進めてきました。そんな〈みずほ〉が現在、生成AIに関する取り組みの中で注力しているプロジェクトが「Wiz Create 面談記録作成AI」の開発です。

「面談記録」とは個人・法人のお客さまとの打ち合わせを行う際に社員が作成する議事録のことを指します。「面談記録作成AI」は〈みずほ〉版コンテンツ生成特化AIである「Wiz Create」の中の新たなアプリケーションであり、社員が対面・オンラインで行うお客さまとの面談の音声データのテキスト化から文章整形、さらには面談記録のドラフトの自動作成まで行います。具体的な使い方としては、お客さまとの面談時にタブレットPCやスマートフォンから「面談記録作成AI」を起動し面談をレコーディング。面談終了後に、自動作成された面談記録をダウンロードして編集を行います。これによって、20分程度の作業時間の削減が可能となり、制定フォーマット活用によるアウトプット品質の平準化が見込めます。
この「面談記録作成AI」によって、従来の面談における「記録作成にかかる負荷」や「記録の内容が薄くなりメモ程度となってしまう」「関連資料のみに記載されてしまい事後分析しにくい」等の課題が解決され、大きな業務削減につながることが期待されています。さらに今後、面談記録や社内の議事録を個別のデータとして残し、分析や他システムでの利活用を行うこと等も見据えて、個人や法人のお客さまとの面談はもちろん、〈みずほ〉社内で行われるミーティング等、計5つのユースケースを想定したPoCも進行中です。

「面談記録作成AI」のレコーディング画面

「面談記録作成AI」のレコーディング画面

スピーディーな開発を支えたのは、AWS社とのパートナーシップと各部門の積極的な協力体制。

今回の「面談記録作成AI」の開発は、厳格なセキュリティ基準を遵守しなければならない等、金融機関特有のシステム制限がある一方で、ビジネスの現場からは高い利便性や精度を求められ、それらを両立できる適切な要件・仕様の整理に時間を要しました。中でも、制約を遵守してセキュリティ性を高めることは利便性に影響を与えかねないため、そのバランスをどのように取るかという点で特に調整が必要でした。しかし結果的に、プロトタイプ開発の支援を行うアマゾンウェブサービスジャパン合同会社(以下「AWS社」)との強固なパートナーシップや、〈みずほ〉の海外拠点を含めた各部門の積極的なサポートによって、初版の開発完了まで1.5〜2ヶ月程度とスピーディーに進行。特に社内の各部門からの積極的な協力は、ヒアリングを通じた課題整理等に大きく貢献しました。
また、業務での利用シーンに合わせて初版プロトタイプの機能をブラッシュアップしていく中で、みずほリサーチ&テクノロジーズの豊富なナレッジを活かした技術面でのサポートがありました。この協業体制を構築できたことも今回の成功要因の一つです。

ヒアリングでは、小規模から大規模のお客さま向けに営業活動を行う〈みずほ〉の各部門の部署を横断して具体的な利用シーンを洗い出し、方針の整理を実施。主に「面談時に詳細に記録を取る余力がない」「社内で情報を整理する時間がない」といった課題や、業務効率化に加えて情報共有やデータの蓄積といった効果をめざした機能を整理しました。データ蓄積については、それぞれの部署へのヒアリングを通して、リレーショナルデータベースに登録する等、面談データを他システムに連携したいという各部署の要望を確認。情報共有や情報の再確認を行いたいという希望があることが分かってきました。
それらの課題や要望を踏まえて、「面談記録作成AI」のPoCは、「①記録:良質な音声の記録」「②テキスト化:間違いのない文字起こし、話者分離、専門用語への対応」「③整形:任意の議事録フォーマットへの整形」「④利便性:現業を妨げない手間のかからないアプリケーションの実現を高い精度で実現」という4点を高い精度で実現することを定性的な目標として行われています。またアプリケーション利用時のセキュリティに関しては、認証・通信・データ管理の面で対策がとられており、自動作成された文字起こしデータは従来の手書きのメモと同様、基本的にレコーディングを行った社員のみが閲覧できる仕組みとし、情報統制を行っています。

業務効率化だけでなく、お客さまの信頼構築まで。生成AI活用で広がる〈みずほ〉の可能性。

業務効率化だけでなく、お客さまの信頼構築まで。
生成AI活用で広がる〈みずほ〉の可能性。

「面談記録作成AI」は、各部署を横断して具体的な利用シーンを丁寧にヒアリングした上でその方針を整理。AWS社が開発した初版プロトタイプに対して、〈みずほ〉社員の要望を基にみずほ銀行 デジタル企画部主導でアップデートを重ね、様々な利用シーンで活用できる高い利便性を持たせることができました。今後、シングルサインオン、リアルタイム文字起こし、営業支援ツール等の社内外システムとの連携といった機能追加も展望しています。
このように柔軟でスピーディーな開発が行われた背景には、生成AIを積極的に活用していこうという〈みずほ〉内の潮流や各部署の協力的な体制はもちろんですが、変わることを恐れず、お互いに協力し合い新しいことに挑んでいく〈みずほ〉のカルチャー、そして「ともに挑む。ともに実る。」というパーパスを体現しようとする社員の想いが出発点にあります。
生成AIで業務効率化を実現することは最終的なゴールではありません。めざしているのはその先にある信頼関係や新たな提案等、お客さまとともに歩む未来です。〈みずほ〉はこれからも、新しい技術を取り入れ、自らも変化を遂げながら、お客さまや社会とともに成長していきます。

文・写真/みずほDX編集部

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