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SX特別企画

INTERVIEW

〈みずほ〉CSuOが語る、
2023年のSX最新動向と日本社会の展望
(前編)

メインイメージ:CSuO牛窪

日本国内においても、年々注目が高まるサステナビリティ・トランスフォーメーション(以下、SX)。「必要性は感じているが、何から始めたら良いのか分からない」「〈みずほ〉と一緒に取り組むメリットを知りたい」といったお声をよく伺うようになりました。そこで、お客さまのSX実現に向けた第一歩を踏み出すきっかけになればと、グループCSuO(Chief Sustainability Officer)牛窪 恭彦にインタビューを実施。その模様を前後編に分けてお届けします。本記事は前編です。

後編はこちらから

今必要なのは、前向きなSX。
環境・社会課題への取り組みを、
自社の成長機会に。

サステナビリティを巡る課題は幅広く、気候変動対応に加え、自然資本や資源循環、人権と多岐にわたります。これらの潮流はグローバルかつ不可逆なものであり、今や大企業のみならず、中堅・中小企業を含めたあらゆる組織が企業経営を行う際に避けては通れないテーマとなっています。特に、喫緊の課題である気候変動を例にあげると、2050年にカーボンニュートラルを実現することが日本の大きな目標であり、小さな行動から着実に進めていくことが求められています。世界が目指すべき方向を考えるうえでは、2021年に開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)がポイントです。このとき、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて+1.5℃以内に抑えるために、世界のCO2排出量を「2030年に2010年比45%削減」「2050年頃までに実質ゼロ」にする必要があるという合意がなされました。しかし、現状のまま進んでいくと、2040年頃には手遅れになってしまうともいわれています。また、ロシア・ウクライナ情勢がもたらしたエネルギー需給のひっ迫や価格の高騰を踏まえると、脱炭素社会実現とエネルギー安定供給の最適解を追求しながらトランジション(持続可能な社会への移行)を進めていくことは、世界全体の共通課題であり続けるでしょう。

繰り返しになりますが、こうした多くの課題に対し、政府はもちろん、大企業から中堅・中小企業、個人までが一丸となり、連携・協力して取り組みを進めていくことが必要です。しかし現時点では、上場企業であっても具体的なアクションへの落とし込みまで行えている組織は決して多くありません。企業におけるサステナビリティ実現に向けた取り組みは、放置しておくと大きなリスクになるという一面がある一方で、新しい技術やビジネスモデルの構築等を通じて、大きな機会に変えていけるという面も持ち合わせています。各社がいち早く、持続可能な社会の実現と企業価値向上に向けた事業・経営変革、すなわちSXを遂げることが、今後の企業競争力・産業競争力の源泉となります。

セカンドイメージ:CSuO牛窪

「社会の役に立つ」 創業以来、
脈々と受け継がれる想いを胸に、
SXという新たな挑戦へ。

時代の先を読み、お客さまや世の中の変化を捉えること。〈みずほ〉は、いつの時代も日本の産業構造転換を支え、社会をリードしてきました。そして、明治維新や戦後復興にも匹敵するほどの大きな転換期を迎えた今日においても、その役割は変わりません。私たちはサステナビリティの分野ほど、挑戦しがい、やりがいのある領域はないと思っています。2050年の「ありたき姿」を描き、2030年までの課題、そして今取り組むべきことと、未来から逆算するバックキャスティング思考で、お客さまや政府等と向き合い、SXの中心的なプレイヤーとして力を尽くしていきたいと考えています。

サステナブルな社会の実現を目指し、新たな解決策の実行・実現に向けて資金の流れを作り出していく。そのために2023年4月、〈みずほ〉は2030年度までのサステナブルファイナンス目標を100兆円、そのうち環境・気候変動対応ファイナンス目標を50兆円に引きあげました。これは、目の前に立ちはだかる難題に本気で取り組んでいくという、私たちのゆるぎない決意の表れです。

金融のみならず、
金融を超える機能もワンストップで。
お客さまはもちろん、社会やセクターの課題も意識したオーダーメイド型の伴走。

〈みずほ〉では、お客さまの持続的な成長や企業価値向上、産業の競争力強化を念頭に置き、企業のSX実現に向けた取り組みを多角的にサポートしています。「環境・産業への知見」「人材」「顧客基盤」という3つの強みをフル活用することで、金融から金融を超えた分野まで一気通貫した、ストーリー性のあるソリューションを提供。ファイナンス面では、マーケットの潮流を汲んだストラクチャーの構築を得意とし、国内公募債やシンジケートローンマーケットでリーディングポジションを獲得してきました。サステナブルファイナンスの分野でも、投資家、外部評価機関や関係省庁との連携、海外ネットワーク等を通じたグローバルなサステナブルファイナンスに関する知見獲得に積極的に取り組み、お客さまのニーズを敏感にとらえた「サステナビリティ・リンク・ボンド」や「トランジションローン」等、数々の「国内初」「業界初」案件を創出しています。また、リサーチ&コンサルティングユニットでは、お客さまのサステナビリティに関わる経営・事業戦略上の幅広い課題に対して、「金融を超えた」ソリューションを提供することが可能です。特に産業調査部は、60年以上の歴史を持つ他社にはないユニークな組織であり、これまでお取引先の財務部門のみならず、企画部門・事業部門等とも議論し、事業戦略に対する提案を行ってきた実績があります。お客さまの課題に対して、自社のみでなく、その外側にある産業・社会を含めてどのようにトランジションを図るかという視座で議論することができる点は、〈みずほ〉ならではといえるでしょう。

※記事の内容は、取材当時のものです

SX実現に向けた〈みずほ〉 ならではの強みとは。

CSuO牛窪 恭彦プロフィール画像

みずほフィナンシャルグループ 執行役
リサーチ&コンサルティングユニット長
兼 グループCSuO

牛窪 恭彦

法人営業、国内外でのマクロ経済調査等の業務経験のほか、みずほ銀行産業調査部には部長時代も含めて8年在籍。役員就任後も継続して、資源エネルギー庁、電力・ガス政策、小委員会の委員としてエネルギー政策へ関与するなど、産業界だけでなく、官公庁とも広範なネットワークを構築。2022年9月から初代グループCSuO(Chief Sustainability Officer)としてサステナビリティ戦略企画・推進の要に。