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スタートアップ

バイオものづくりの産業化に向けて、バイオファウンドリ事業の社会実装を支援

株式会社バッカス・バイオイノベーション

#カーボンニュートラル #バイオものづくり #トランジション出資

取り組みのポイント

  • 「バイオものづくり」の中核となる「バイオファウンドリ」企業に対してトランジション出資枠(トランジション領域におけるお客さまの新たな挑戦に伴走支援するための出資枠)を活用した出資を実施
  • 既存出資先のシンプロジェン・ちとせグループ(以下、ちとせG)と併せて、バイオ領域における俯瞰的なノウハウや専門知識の獲得をめざす
  • 獲得した知見と〈みずほ〉の顧客基盤を活用して「バイオものづくり」に関心を持つ幅広い企業を巻き込むことで産業のすそ野拡大に挑戦
  • 出資にとどまらない長期的・多面的な支援を通じてバイオものづくり産業の基幹産業化、日本の産業力強化へ挑む

OVERVIEW

次世代のものづくりの基盤である「バイオものづくり」の中核となる、「統合型バイオファウンドリ®」に着目

〈みずほ〉は、化石資源を原料とした従来の生産プロセスに代わる新しいものづくりの方法として「バイオものづくり」に注目しています。2022年12月にシンプロジェン、2024年9月にちとせGへ出資し、2025年10月には神戸大学発のスタートアップであるバッカス・バイオイノベーション(以下、バッカス)に出資しました。
バッカスは、日本において「バイオファウンドリ」の中核を担うポテンシャルを持つ企業です。同社は多様な微生物の大量培養を実現する育種基盤技術(統合型バイオファウンドリ®)を開発するなど、高い技術力を有しており、〈みずほ〉はバッカスの技術力と将来性に着目し出資を行いました。

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「バイオものづくり」とは、遺伝子技術を活用して設計された微生物などによって有用な物質を生産する技術です。地球温暖化や資源制約、さらには国際情勢の変化を背景に、従来の化石資源依存型の生産に代わる次世代のものづくり基盤として、その重要性が高まっています。
バイオものづくり産業の確立は、日本の産業力強化の観点からも極めて重要です。環境面では、原料を化石資源から再生可能なバイオマスへ転換することで温室効果ガス排出を削減し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。経済面では、高機能素材など従来にない高付加価値製品を創出し、新たな市場を切り拓くことで経済成長を牽引します。さらに経済安全保障面では、食料や医薬品原料などを国内で安定的に生産する能力を高めることで供給網の寸断リスクを低減します。この通り、バイオものづくり産業確立の意義は多岐にわたります。

そして、その「バイオものづくり」の中核インフラとして開発プロセスを担うのが「バイオファウンドリ」です。
「バイオファウンドリ」は、「Design(設計)」「Build(構築)」「Test(評価)」「Learn(学習)」という生物機能の開発サイクル(DBTLサイクル)を、ロボット技術やAIなどのデジタル技術、ゲノム編集やDNA合成などのバイオ技術を駆使して自動化・高速化する研究開発プラットフォームです。コンピュータ上で目的物質を生産する遺伝子回路を設計し(D)、ロボットが設計通りに微生物の遺伝子を組み換え(B)、構築した無数の微生物の性能を高速・大量に評価する(T)。得られた膨大な実験データをAIが解析し、次のより優れた設計へと知見をフィードバックする(L)。このサイクルを高速で回すことで、例えば、従来研究者の経験と勘に頼り10年以上を要していた開発期間を1~2年に短縮できることが期待されています。その結果、イノベーション創出を根底から支える革新的な役割を担うことが可能になります。
世界の主要国も国家戦略としてバイオ技術の強化に取り組む中、日本は世界トップクラスの発酵技術や多様な微生物ライブラリといった高いポテンシャルを持っています。日本が持つこれらの強みを活かし、この分野で世界をリードするためには、開発のスピードとスケールを飛躍的に向上させる「バイオファウンドリ」の早急な確立が必要だと考えています。

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出資にとどまらない、既存産業を巻き込んだ価値共創により、バイオものづくりを日本の新たな基幹産業へ

バイオものづくり産業の確立と発展には、中核インフラである「バイオファウンドリ」の確立だけでなく、産官学が連携するエコシステムの形成と強化が不可欠です。そして、このエコシステムを実現するには、金融の役割も重要になると考えています。
〈みずほ〉はこの社会的使命に応えるべく、単なる資金の出し手にとどまらない「価値共創のパートナー」として、「バイオものづくり」企業に複数出資しています。これら出資は、単なる財務的リターンを目的とするものではありません。エコシステムの中に入り込み、産業全体の成長を加速させるために、〈みずほ〉自らがバイオものづくり産業の「結節点」となることをめざした取り組みです。
〈みずほ〉の強みである産業知見や幅広い顧客基盤を駆使し、技術シーズと市場ニーズを繋ぐこの結節点としての機能こそ、出資にとどまらない〈みずほ〉ならではの提供価値であり、技術の社会実装のスピードアップに向けた強力な架け橋になると考えています。
これらの取り組みを通じて、〈みずほ〉は金融の枠を超え、「バイオものづくり」の日本の新たな基幹産業化と、日本の産業力強化に共に挑んでいきます。

“ お客さまの声 ”

弊社は、データ駆動型の微生物設計と高速なプロトタイピングを融合させた、統合型バイオファウンドリの構築を目指しております。此度のみずほ銀行との協業は、弊社の『デジタル×バイオ』を核にした技術・知見を、日本の製造業へ深化させるための強力な触媒となります。本協業により、みずほ銀行の専門的且つ広範な産業知見、様々なネットワークと弊社事業を融合させることで、弊社はもとよりバイオ産業の成長を加速させ、バイオが新たな産業の基盤となる『バイオトランスフォーメーション』の実現に邁進してまいります。

株式会社バッカス・バイオイノベーション

“ 〈みずほ〉の声 ”

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持続可能な社会の実現のために、一銀行員として何ができるかを模索する中で、「これだ!」と巡り合ったのがバッカスでした。同社は、古くから我々日本人が得意としてきた発酵技術と、「バイオものづくり」を社会実装するための最先端技術を有する稀有な会社です。
「バイオものづくり」は石油代替の有力技術として注目を集めているものの、まだまだ産業界での認知度は高くはありません。そこで、潜在的なニーズとバッカスの技術シーズの結節点を担うことが、〈みずほ〉の使命であると考え、バッカスへの出資に至りました。先に出資しているシンプロジェンやちとせGなどの有力なバイオ企業との連携を深め、金融の枠を超えた様々な支援を提供できるように体制を強化し、バイオ産業の創出・発展に貢献できるよう取り組む所存です。

みずほ銀行
  • 大阪営業第一部
    大森 慎也
  • 有本 圭佑

※記事の内容は、取材当時のものです

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