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地域課題の解決に新たなアプローチ。球磨焼酎のブランド力向上に、NFTやメタバースを活用。

地域課題の解決に新たなアプローチ。
球磨焼酎のブランド力向上に、NFTやメタバースを活用。

地域課題の解決に新たなアプローチ。球磨焼酎のブランド力向上に、NFTやメタバースを活用。

OVERVIEW

県全体でDXを推進している熊本県は、NFTやメタバースなどのweb3を用いた地域課題の解決に取り組む事業を公募しました。熊本県の地域課題の一つである、球磨焼酎のファン拡大を解決するにあたり、メインユーザーが若年層であるNFTやメタバースに可能性があると考えたみずほ銀行は、COSMIZE、Startale Labs Japan、Blue Labとともに、NFTやメタバースを活用した球磨焼酎のブランド力向上事業をご提案。その結果、熊本県から評価を受け、2023年9月より実証事業をスタートさせました。本事業の狙いは、球磨焼酎に対する利用者の自発的な貢献活動を実現し、球磨焼酎の魅力等を発信する新しい宣伝方法が確立されること。そのためにNFTの非改ざん性を活用したSNS発信等の履歴の可視化や、貢献度合いに応じて球磨焼酎が手に入るNFTを付与するなど、web3技術を活かしたファン層拡大の仕組みを構築。また、県外からも参加できるメタバース空間でのイベント開催など、web3に興味がある若年層をメインターゲットにした施策を展開しています。

INDEX

  1. みずほ銀行を含む4社協業で地域課題の解決に取り組む
  2. ファン拡大をめざして生まれた「球磨焼酎NFT」とは?
  3. 全国各地から集まった球磨焼酎のメタバースイベントとは?
  4. 将来は、ファン自らが運営するコミュニティへ

「くまもとDX推進コンソーシアム」が地域課題の解決方法を公募。みずほ銀行を含む4社が協業して参画。

熊本県では、2022年6月にデジタル化やDX推進のために、企業・教育機関・行政が情報共有・共創の場をつくることを目的とした「くまもとDX推進コンソーシアム」が設立されました。熊本県としては、とりわけブロックチェーンやNFTなどのweb3先端技術に着目しており、これらの技術を活用して従来のサービスや仕組みの変革、地域課題の解決方法の創出を図りたいと考えています。そのために、県内外を問わず、先端のデジタル技術の知見や技術活用を地域課題への取り組みに活かした事業提案を募りました。

そんな中、web3というテーマで研究を続けていた〈みずほ〉は、熊本県産のブランドの一つである球磨焼酎が持つ若年層の顧客増加の伸び悩み、という地域課題に着目。web3の興味関心層のメインが若年層であることから、課題解決に向けた親和性があると考え、みずほ銀行をはじめ、メタバース空間・NFTの作成および発行における技術支援をするCOSMIZE、ブロックチェーン・NFTにおける技術支援をするStartale Labs Japan、みずほ銀行が出資し、次世代ビジネス創出のインキュベーションカンパニーとして設立されたBlue Labの4社協業で球磨焼酎とweb3を組み合わせた、地域課題への事業を提案。NFTやメタバースを活用して、球磨焼酎のブランド認知拡大、そしてファン増加をめざした取り組みはこのようにしてスタートしました。

「くまもとDX推進コンソーシアム」が地域課題の解決方法を公募。みずほ銀行を含む4社が協業して参画。

ファンの年齢層の拡大をめざして生まれた「球磨焼酎NFT」とは?

熊本県の抱える課題の一つに、県産品のブランド化があります。球磨焼酎は、日本に4つしかない産地呼称が認められた本格焼酎のブランドの一つであり、500年の歴史を誇る日本有数の米焼酎ですが、現代の若者のお酒離れとともに、若年層の球磨焼酎への認知が低下傾向にありました。

球磨焼酎を若者に知ってもらう。その目的に沿ってみずほ銀行が提案した施策が、球磨焼酎NFTの発行です。そもそもNFTとは、ブロックチェーンを基盤にして作成された、改ざんや偽造ができないデジタル証明書の役割を持つデジタルデータのこと。データに対して書き換え不可能なIDを付与して、個々を識別できるようにし、価値を高めています。

球磨焼酎NFTでは、将来の売上に関与する一般的なNFTプロジェクトとは異なり、マーケティングに焦点を当てた展開を想定しました。まず球磨焼酎やweb3に関心のある若者に対して、本実証事業の参加券となる「ベースNFT」を発行。その後、球磨焼酎に関する情報発信や球磨焼酎のブランド力向上に貢献する活動を行った場合、その活動を証明する「パーツNFT」を配布します。そして、「ベースNFT」・「パーツNFT」の両方を持つ人には、球磨焼酎の獲得券の「特典」がある「真NFT」を交付します。

「ベースNFT」をきっかけにこれまで球磨焼酎を知らなかったNFTユーザーに認知拡大をし、「パーツNFT」がインセンティブとなりながらブランドへの理解を深めてもらった後に「真NFT」でリアルな試飲体験をする。こうした段階を踏んだ密なコミュニケーションができることで、球磨焼酎ファンの増加を見込めるようになりました。また、球磨焼酎の魅力やイベント告知を自身のSNSなどで発信することを「パーツNFT」取得のミッションとすることで、運営側の介在がなくとも、球磨焼酎に関する情報が拡散されていくフローを実現。それにより広告宣伝費の削減にもつなげられています。

「ベースNFT」は資産価値を持つというNFTの強みがある一方で、「パーツNFT」は転売不可にして球磨焼酎ブランドへの貢献活動を正確に測れるように設計。これにより、NFTとしての価値と球磨焼酎への興味喚起が両立できる仕組みをつくりました。

ファンの年齢層の拡大をめざして生まれた「球磨焼酎NFT」とは?

全国各地から、イベントに参加。
球磨焼酎ファンも、球磨焼酎を知らない人も呼び込んだメタバースイベント。

球磨焼酎NFTの配布にあたり、球磨焼酎の魅力をより多くの人に感じてもらえるイベントを開きたい。その考えに相応しいイベント開催地として選んだのが、参加者の所在地を選ばないメタバース空間でした。リアルイベントは球磨焼酎の試飲をはじめ、直に球磨焼酎の魅力を感じられる良さはありますが、場所が限定されてしまうことで参加者を広く募ることは難しくなります。さらに、メタバースユーザーには若年層が多く、これまで球磨焼酎を認知していない人にも意欲的にイベントを参加いただけることも狙えるため、メタバース上でイベントを開催することを決めました。

2023年10月に行った初めてのイベントでは、実証事業に関する説明だけでなく、誕生から500年を超える歴史の紹介や、自宅で気軽に試せる美味しい飲み方のレクチャーなど、参加者にとって球磨焼酎がより身近で魅力的に感じるコンテンツをセミナー形式で実施。地元の方々だけでなく、東京をはじめ、全国から150人以上を集客し、イベント参加者からは「今まで球磨焼酎を知らなかったけれど、歴史や飲み方を知って飲んでみたいと思った」「もともと、球磨焼酎のファンだったけれど、これまで知らなかったことを知れて、ますます好きになった」などのお声をいただきました。

さらに2023年12月には、メタバース空間だけでなく熊本市内の会場を借り、オフラインとオンラインを併用した形のイベントも実施。リアルな会場だからこそ可能な球磨焼酎の試飲会をはじめ、味や香りの異なる4種類の球磨焼酎の飲み比べ体験や「web3×地方創生」をテーマとしたパネルディスカッションなど、球磨焼酎やweb3に関してより深く興味関心を持ってもらえるようなコンテンツを複数用意しました。参加者は熊本県外からの方も非常に多く、全体の6割以上を占める結果となり、幅広い参加者に球磨焼酎の魅力を伝えることができました。参加者からは「球磨焼酎を実際に試飲することでより魅力が伝わった」「次年度以降もこうした最新技術を活用した球磨焼酎のPRを行なってほしい」など球磨焼酎や実証事業に関する前向きなお声を多数いただく結果となりました。

こうしたイベント開催時期以外にも球磨焼酎NFTは各種SNSへのフォローと球磨焼酎の魅力の発信や、麹造りに関するクイズへの挑戦、球磨焼酎のコミュニティへの参加などのミッションをクリアすると、NFTの取得が可能となっています。こうしたNFT獲得のミッションを設定したことで、イベントをきっかけに活性化したコミュニティが、イベント開催がないときも継続して盛り上がれるようなきっかけづくりを行えるようになりました。

全国各地から、イベントに参加。球磨焼酎ファンも、球磨焼酎を知らない人も呼び込んだメタバースイベント。

web3でどんどん拡がる、球磨焼酎の輪。
将来は、ファン自らが運営するコミュニティへ。

NFTの活用やメタバース上でのイベントを行うたびに、ファンが増えてきている球磨焼酎。このweb3を活用した事業はまだ始まったばかりですが、数年後には特定の管理者が存在しなくてもファン同士で盛り上げながら自立してコミュニティを運用するDAO(分散型自立組織)コミュニティとなることをめざしています。それにあたって、今後は「ベースNFT」と「パーツNFT」を収集した人を球磨焼酎NFTのアンバサダーに任命するなど、コアなファンの育成を視野に入れています。

地方創生や県産品のブランド化、ファンコミュニティの創出は熊本県だけでなく、多くの都道府県が持っている課題です。〈みずほ〉は、この先もweb3活用の知見を活かしながら、様々な地域課題の解決に取り組んでいきます。

文・写真/みずほDX編集部

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株式会社みずほフィナンシャルグループ

デジタルイノベーション部 宮崎

03–6838–6229

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ryuzo.miyazaki@mizuhofg.co.jp

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