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挑戦しないことを恐れる組織に。〈みずほ〉がめざす新しい姿とは

挑戦しないことを恐れる組織に。〈みずほ〉がめざす新しい姿とは

挑戦しないことを恐れる組織に。〈みずほ〉がめざす新しい姿とは

OVERVIEW

「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスとして掲げるみずほフィナンシャルグループ(以下〈みずほ〉)。挑戦を通じて「ありたき世界」を実現していくためにも新たなイノベーションを生み出すインキュベーション機能は欠かせない。〈みずほ〉等が出資しインキュベーション事業を営むBlue Lab社長でみずほFG グループCDOの梅宮真氏と、著名なベンチャーキャピタリストで〈みずほ〉が設立したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるみずほイノベーション・フロンティア 取締役 兼Blue Lab取締役の伊佐山元氏に、〈みずほ〉の描く未来図とそれに向けた挑戦について語ってもらった。

INDEX

  1. 「ありたき世界」へ 挑戦と変化の企業文化を
  2. 案件の多さが特徴、「とがった」サービスへの出資も
  3. インキュベーションに取り組む「型」を作る

「ありたき世界」へ挑戦と変化の企業文化を

「ありたき世界」へ
挑戦と変化の企業文化を

─イノベーションを生み出す組織とはどのようなものでしょうか。そのための取り組みも含めてお伺いできますか。

伊佐山:長年シリコンバレーで起業家を応援してきた経験からすると、イノベーションを起こす人は変化の激しい世の中で今のやり方に満足せず、新しい方法に好奇心を持っている人です。そういう人を応援し、変化を肯定する企業文化も、イノベーションには欠かせません。大企業では人事も重要ですね。挑戦をした人が失敗したとしても、トライすることに価値を認め失敗から学ぶ人が昇進できれば、大きな組織でもイノベーターは生まれます。

梅宮:〈みずほ〉は「ともに挑む。ともに実る。」というパーパスを掲げていますが、特に前半の「ともに挑む。」の部分が大切です。そういう姿勢で取り組んできた結果、最近は組織内でも挑戦に寄り添う企業風土が根付いてきましたが、失敗を許容する部分はまだこれからですね。世の中が大きく変わる中、未知の世界で新しいものを作り出すには挑戦しかありません。それは〈みずほ〉に限らず、私たちのお客さまや日本の社会も同じです。未来の「ありたき世界」のために一緒になって変えていきたいという思いを、このパーパスに込めています。

伊佐山:デジタル領域も重要です。金融の分野はデジタル技術のためにシームレスになっている典型的な分野であり、だとすればデジタル化は避けて通れません。欧米ではもうATMをほとんど見かけなくなっていますし、電子マネーでの支払いも当たり前になりつつあります。メガバンクといえど今までの発想では活躍の幅が狭まってしまうでしょう。もっと生活者のニーズを踏まえたサービスを作っていかなければなりません。

梅宮:「ありたき世界」に向けて、まずは10年後の〈みずほ〉がどういった世界をめざしていくのか考える必要があります。デジタルはその実現のために使う手段です。一方で将来の姿を描く点ではまだ不十分です。新しい価値や夢を持てるものを世の中に示し、そのうえで手段としてデジタルをどう使っていくか考える必要があります。

案件の多さが特徴、「とがった」サービスへの出資も

案件の多さが特徴、「とがった」サービスへの出資も

─イノベーション創出に向けた取り組みの1つとして、みずほイノベーション・フロンティアについて教えていただけますか。

伊佐山:2023年4月に設立したCVCで、投資枠100億円からスタートしています。新規事業や技術開発、事業領域の拡大などが目的で、イノベーションを起こせそうなスタートアップ、〈みずほ〉とのシナジーが期待できる企業等に出資します。普通はファンドを作ってもなかなか案件が来ないものですが、〈みずほ〉は様々な企業とのつながりが深く、持ち込みが多いのが面白いですね。〈みずほ〉のグループ内からのアイデアも対象で、機動力を生かしながらいいものを作っていきたいです。

梅宮:私たちは社員発の新規事業創出をめざす「みずほGCEOチャレンジ」というビジネスコンテストを開いています。そこで出たアイデアの実現に際し、みずほイノベーション・フロンティアから出資することも考えられます。

伊佐山:これまでのところ投資先は環境系と新しい金融サービスの2分野が中心です。後者はグループ内でも当然取り組みますが、スタートアップとも手を組む考えですし、前者は〈みずほ〉の取引先である大企業からの需要が想定できます。ただこれらの分野は誰もが問題意識を持っているところで、今後はもっと「とがった」サービス、皆が納得しなくてもイノベーターが強い思いを抱いているプロジェクトへの投資も増やすつもりです。無難な投資は本体が行えばよく、CVCという枠を使うのなら特徴のある事業への投資でポートフォリオを組むことが大事だと思います。

インキュベーションに取り組む「型」を作る

インキュベーションに取り組む「型」を作る

─Blue Labについても教えてください。

梅宮:伊佐山さんが創業したWiLと〈みずほ〉等が出資して2017年に設立した、新規事業開発に特化した会社です。他のメガバンクと比べてもこうした出島組織の設立は早かったと思いますが、実際に案件が動き出すとそのスケールアップのために営業部隊を抱えるようになる等、時間とともに事業内容が変質してきました。そこで2023年4月に原点に戻り、改めてインキュベーションに特化した会社として第2の創業に踏み切っています。まずは30人で、全員が社会課題と新規事業を考えるところから始めました。

事業の柱として考えているものの第1は、社会課題解決型の事業開発です。Blue Labでの新規事業創出はもちろん、そうした新規事業を〈みずほ〉のグループ内から持ち寄ってビジネスを創出し、また大企業・スタートアップ・アカデミアの方々がお持ちのシーズを事業化することも進めます。第2は中長期的な目標となりますが、起業家そのものを育成するようなスキルやマインドの支援に取り組みます。インキュベーションに挑戦しろと言われても、やり方が分からなければ空回りしかねません。インキュベーションの型を作っていくことが重要です。事業開発の為に、まずはお客さまの解像度を上げていき、どこの誰がこのサービスを欲しがるのかを突き詰める、その具体的な方法をBlue Labで作り上げ、それをみずほグループにまでフィードバックしていきたいですね。

伊佐山:メディアではスタートアップに注目が集まりがちですが、日本では大きな組織にも優秀な人が大勢います。〈みずほ〉の中に、お金もブランドも優秀な人材もいるんです。そうした人たちが企業内起業家となって組織を活性化し、大企業でも面白いものを作ることができるという実績を作れば、若い人も大企業に来たがるでしょう。シニア層も歓迎です。シリコンバレーでも起業家の半数は50代以上ですし、むしろ経験や人脈を持つシニアの提供するサービスの方が当たる確率が高いくらいです。

梅宮:他にも2024年にみずほ銀行とGoogle Cloud※が共同で事業構想を競うピッチコンテストを開催しました。これにはGoogleの持つノウハウの吸収を図るという狙いもあります。また〈みずほ〉としては新たな取り組みですが、グループ内でアイデアを出し合う生成AIアイデアソンも2023年に開催しました。社員からアイデアを募集し、優秀なものには賞金も出すという取り組みで、実際に利用できそうなアイデアも十数件出てきています。2000件の応募があり、挑戦を促す効果もあったと考えています。

※Google CloudはGoogle LLCの商標です。

─様々なイノベーション創出に向けた取り組みが進んでいますが、それらを通じどのような未来を作りたいと考えていますか。

伊佐山:新しいことをしてもいいんだと皆が思える素地を作ることで、失敗を恐れていた組織から挑戦しないことを恐れる組織に変えていきたいですね。これは〈みずほ〉だけではなく、日本全体の課題です。あらかじめ存在する答えを早く見つけるように教育するのではなく、答えや課題を自ら見つけてトライするように変えていかなければなりません。〈みずほ〉がそうした取り組みをすれば、日本にも大きなインパクトを与えると思います。

梅宮:私たちの「ありたき世界」は、つきつめると個人個人の幸せな生活と、それを支えるサステナブルな社会や経済になるのでしょう。私たちはメガバンクとして、そうした未来へとコミットし、また日本の産業や経済を成長軌道に戻したいと考えています。イノベーションは前に進むためのエネルギーになるので、ぜひチャレンジしていきたいですね。

PROFILE

梅宮 真 氏の画像

みずほフィナシャルグループ取締役 兼 執行役副社長 グループCDO
Blue Lab社長

梅宮 真 氏

2015年みずほフィナンシャルグループ執行役員 財務企画部長、22年同取締役 兼 執行役副社長 デジタルイノベーション担当 兼 財務・主計グループ長、23年同取締役 兼 執行役副社長 グループCDO、Blue Lab社長

伊佐山 元 氏の画像

みずほイノベーション・フロンティア 取締役
Blue Lab取締役

伊佐山 元 氏

1995年にウェブデザインとコンサルを行うArch Pacificをスタンフォードの学生と創業。2003年米大手ベンチャーキャピタルのDCM パートナー。シリコンバレーと日本を中心にベンチャー企業の発掘と育成に注力。13年にWiLを創業、17年Blue Labに出資、23年みずほイノベーション・フロンティア取締役就任

※所属・肩書は配信時点のものです。
※2024年3月18日~2024年4月5日に日経電子版広告特集にて掲載したものを転載。
掲載の記事・写真・イラスト等、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。

文・写真/みずほDX編集部

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