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「まずAIに聞く」時代の金融体験。AIOへの挑戦に迫る。

「まずAIに聞く」時代の金融体験。AIOへの挑戦に迫る。

OVERVIEW

〈みずほ〉内で、AIをはじめとした最先端の技術に関わる調査・研究やPoC(概念実証)に取り組むデジタル戦略部 デジタル・AI推進室 テクノロジー開発チームによるコラムの第2弾。
「検索」から「AIとの対話」へと、人々の情報へのアクセス方法が根底から変わる中、金融機関はAIを用いた新たなお客さまとの接点にどう向き合うべきか。この問いに対し、〈みずほ〉が戦略の柱に据えるのが「AIO(AI Optimization:AIに対する最適化)」です。
AIOで、多くの人が日常的に使うAIプラットフォーム内に、銀行への信頼できる「公式ルート」を構築し、正確な情報とサービスを届けることをめざします。本記事では、最もメジャーなAIアプリの1つであるChatGPTの公式SDK(Software Development Kit:アプリやサービスの開発を効率化するために提供される、ツールやプログラムのセット)を活用したATM検索や来店予約等の具体的なユースケースを紹介。AIOが拓く未来の金融コミュニケーションの姿に迫ります。

INDEX

  1. 1
    生成AIが当たり前になった世界で、金融は何を最適化すべきか。
  2. 2
    利用者のAIに銀行機能を近づけるアプローチとは。
  3. 3
    AIOで、AIの「使い方」と「守り方」を整える。

生成AIが当たり前になった世界で、金融は何を最適化すべきか。

ここ数年で、私たちの日常は大きく変わりました。何かを調べる時、以前なら検索エンジンにキーワードを入力していましたが、今は「AIに聞いてみる」に徐々に置き換わりつつあります。レストラン探しから旅行計画、ちょっとした文章作成、専門的な情報収集まで、人々は、あらゆる場面でAIに相談し、判断の一部を委ね始めています。

AIは、特定の1つのサービスにとどまりません。様々なAIチャットツールが同時多発的に広がり、人々は用途や好みに応じて複数のAIを使い分けています。もはや「どのサイトを見るか」よりも、「どのAIに話しかけるか」が起点になる世界が、現実のものになりつつあります。

この変化は、金融機関にとって決して小さなものではありません。お客さまが最初に相談する相手が、店舗やコールセンター、銀行の公式サイトではなく、「手元のAIチャット」になっていくとしたらどうなるでしょうか?

もしそのAIが、銀行の最新情報やサービス内容にうまくアクセスできなければ、「AIの答え」と「銀行の答え」が食い違い、お客さまの判断や体験に影響を与えかねません。

こうした動きに呼応して、私たちが戦略的に取り組んでいるのがAIOです。AIOとは、AIそのものを作ることではなく、「AIという新しい窓口に対して、銀行の情報やサービスをどう最適化するか」を考え、実装していく取り組みです。どのAIチャットから質問されても、金融機関としてふさわしい、正確で分かりやすい答えや行動につなげられるようにする。その「対AIチャネル戦略」こそが、これからの金融DXに不可欠なテーマの1つだと考えています。

利用者のAIに銀行機能を近づけるアプローチとは。

AIが新しい相談窓口になっていく世界では、「お客さまが普段使っているAIツールの方に、銀行の機能を近づけていく」というアプローチが重要になります。銀行が独自のAIを作るのではなく、利用者の生活に溶け込んだAIプラットフォーム上で、いかに自社のサービスを自然に提供できるかが問われます。

ChatGPTでは、「Apps SDK」という、ChatGPTの中で動く会話型アプリを開発するためのSDKが提供されています。この仕組みを活用することで、以下のような効果が得られると考えられます。

AI側から見れば、「みずほ銀行アプリの部品」を呼び出すための窓口。

ATM検索、FAQ検索、来店予約等、特定の機能をひとかたまりの「アプリ」として扱える。

銀行側から見れば、「どのAIチャットとも接続できる接点」。

ChatGPTのようなサービスに限らず、類似のAIチャットや今後登場するツールとも、共通のインターフェースを通じて連携しやすくなる。

セキュリティ方針や権限制御を反映しやすい共通基盤。

どのデータにアクセスさせるか、どのような手順で処理を行うかについて、銀行側のセキュリティポリシーや権限制御を一貫した形で適用しやすくなる。

私たちはこの仕組みを活用し、みずほ銀行の機能をAIにより近づける試みを始めています。具体的なユースケースを3つご紹介しましょう。

ユースケース1: ATM検索:近くのATMを、いつものAIに聞けるように

ATM検索:近くのATMを、いつものAIに聞けるように

使い慣れたAIチャットにみずほ銀行の支店やATMの場所を聞くだけで、AIがみずほのATM情報にアクセスし、近くの候補を整理して教えてくれます。

ユースケース2: FAQ検索:専門的な情報を、AIがかみ砕いて案内

FAQ検索:専門的な情報を、AIがかみ砕いて案内

「繰上返済の手数料は?」「住所変更はオンラインでできる?」といった疑問を、お客さまの言葉のままAIに投げかけると、AIがみずほ銀行の公式FAQや商品説明を参照し、要点を分かりやすく要約しつつ、元情報への導線も示します。

ユースケース3: 来店予約:相談内容の整理から予約までを対話で

来店予約:相談内容の整理から予約までを対話で

いつも利用しているみずほ銀行の支店で来店予約をAIに依頼すると、専用の予約フォームが現れてスムーズに来店予約が行えます。

AIOで、AIの「使い方」と「守り方」を整える。

これらのユースケースは、単に便利な機能を増やすためのものではありません。「AIに最適化された銀行の窓口は、どのような形がふさわしいのか」を見極めるためのトライアルです。人々が日常的に使うAIの中に、みずほ銀行につながる正式な入口をどう設けるのか?その有効性を検証している段階です。

AIチャットが生活の起点になっていく世界では、お客さまはまずAIに相談し、その流れのまま次のアクションへ進もうとします。その時AIがどこにもつながっていなければ、回答の正確さも、案内される行き先も、銀行側ではコントロールできません。だからこそ、AIの中に銀行への「正規のルート」を用意し、そこから公式な情報やサービスにつないでいくことが重要になります。

みずほ銀行では、AIがどのような質問にどう応じるべきか、どの範囲のデータを扱うべきか、回答の品質や自己解決率をどう測り、どう改善していくかといった観点をAIOの枠組みの中で整理し、今回ご紹介したようなユースケースを通じて検証を進めています。お客さまがどのAIを使っていても、その中からみずほ銀行の正式な情報やサービスに自然にアクセスできる状態を整えておくこと──それが、これからの金融にとって欠かせない基盤になると考えています。

文・写真/デジタル戦略部 デジタル・AI推進室 テクノロジー開発チーム

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