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個人株主のコメントを、テキストAI分析サービス「TopicScan︎」で分析。金融機関初のサービスをみずほ信託銀行が提供。

個人株主のコメントを、テキストAI分析サービス「TopicScan︎」で分析。
金融機関初のサービスをみずほ信託銀行が提供。

個人株主のコメントを、テキストAI分析サービス「TopicScan︎」で分析。金融機関初のサービスをみずほ信託銀行が提供。

OVERVIEW

証券代行機関として企業のIR/SR(インベスターリレーションズ/シェアホルダーリレーションズ)活動を支援しているみずほ信託銀行が、金融機関では初となる生成AIを活用した個人株主コメントの分析サービスを開始しました。活用したのは、エモーションテックのテキストAI分析サービス「TopicScan︎®(トピックスキャン)」。株式を発行する企業においては、従来から株主アンケートにより、個人株主のコメントを集めることはできていましたが、非定型かつ大量のコメントの分析には非常に時間と労力がかかることから、その分析と活用が課題になっていました。本サービスでは、生成AIを利用し、大量の個人株主コメントから頻出する話題(トピック)を抽出し、トピックに言及する際の感情の良し悪しを自動で分析・レポート化することで、定量的に可視化することができるようになります。みずほ信託銀行は本サービスを多くの企業にご活用いただくことで、個人株主との対話支援と高度な株主戦略立案のサポートを進めています。

INDEX

  1. 個人株主の増加を背景に企業のニーズが高まるコメント分析・可視化。
  2. 個人株主アンケートを実施した企業の声をきっかけに、金融機関で初となるサービスを提供。
  3. 生成AIを利用し、大量のコメントから頻出トピックを抽出。感情の良し悪しを自動で分析・レポート化。
  4. 個人株主と企業の橋渡し役として、日本の株式市場を活性化したい。

個人株主の増加を背景に企業のニーズが高まるコメント分析・可視化。

個人株主の増加を背景に
企業のニーズが高まるコメント分析・可視化。

2022年度の個人株主数は9年連続で増加し6,982万人※となり、過去最多を記録。NISA(少額投資非課税制度)の活用が定着してきたことや、増加する株式分割等により、個人投資家が取引しやすい投資環境が整ってきていることが要因ですが、2024年1月開始の新NISAにおいて個人投資家にとってのメリットが大きくなったこと等から、今後もさらに個人株主数は増加していくことが予想されています。また一方で、このような時代の変化を背景に、個人株主のコメントを分析し、可視化したいという企業側のニーズも高まりを見せています。

これまで企業は、収集した大量のコメントを定量化して把握するには非常に時間と労力がかかることから、個人株主を対象としたアンケートの分析と活用に課題感がありました。そうした悩みを受けて、みずほ信託銀行はエモーションテックが提供する「TopicScan」を活用した生成AIによる個人株主アンケートの分析サービスを提供。企業に自分の想いを伝えたい個人株主と、個人株主の想いを受け止め、意見を迅速にくみ取り、経営にいかしたい企業。その間にあるコミュニケーションの効率化・円滑化の促進に取り組んでいます。

※日本取引所グループによる「2022年度株式分布状況調査」より

個人株主アンケートを実施した企業の声をきっかけに、金融機関で初となるサービスを提供。

個人株主アンケートを実施した企業の声をきっかけに、金融機関で初となるサービスを提供。

生成AIによる個人株主のアンケート分析サービスの提供を発案したきっかけは、みずほ信託銀行と業務提携を行っているエモーションテックとコラボレーションし、企業に対する株主の愛着や信頼度を分析する「EmotionTech IX」を株主アンケート調査に組み込んだことです。

もともとみずほ信託銀行では「スマート行使」と呼ばれる、スマートフォンやタブレット端末のカメラで議決権行使書に記載している二次元コードを読み取ることで、簡単に議決権を行使できるサービスを提供しており、ここにはアンケート機能も備えることができます。実際にアンケートを行うと、スマート行使で議決権行使を実施した個人株主のうち9割程度からアンケートの回答を得られたことから、個人株主は企業に対して対話を行いたい気持ちが非常に強いことを、みずほ信託銀行は理解していました。

それもふまえ、スマート行使を実施するタイミングで個人株主の声をより深く分析することができるよう、「EmotionTech IX」を提供しているエモーションテックとコラボレーションすることで、2023年4月より「株主アンケート調査(EmotionTech IX)」を提供開始。

このサービスによって株主アンケートを実施した複数の会社にヒアリングを行ったところ、そのうちの一社から、「100文字以上の個人株主コメントが1万件近く寄せられたが、ここからどのような手順で分析を進めればいいかわからずに困っている」「株主の方がこんなに熱い想いを込めて書いてくれているのに、その声を有効に活用できないのは申し訳ない」「どうにかして分析して、可視化できないか?」というご相談をいただきました。そこでみずほ信託銀行が着目したのが、2023年4月にエモーションテックが提供を開始していた生成AIによるコメント分析サービス「TopicScan」でした。

まず、先のヒアリングを行った企業に「TopicScan」を使ったPoC(概念実証)を提案し、ご了承のもと、提供いただいたコメントデータの分析を実施。人の手、人の目では分析が難しい大量のデータを分析・可視化したうえで、株主名簿管理人としての経験から把握している個人株主の動向や傾向といったノウハウに基づいたみずほ信託銀行のアドバイザリーを添えたレポートをご担当者にご覧いただいたところ、従来の分析では難しかった重要な話題(トピック)ごとの反応や感情が定量的に数値化され、しかもビジュアルで分かりやすく簡潔にまとめられているので社内でも検討資料として活用しやすいと、非常に良い反応をいただきました。

さらに「一般的には『株価』というトピックはネガティブなインパクトが強いとされているが、今回のPoCで分析したところ、当社の個人株主においては、ポジティブに捉えている人もいることが分かった」「『配当金』というトピックの分析では、個人株主は増配をそれほど求めていないことが分かった」等、細やかな分析の結果、自社の個人株主が持っている固有の傾向や特徴に気が付くことができたという評価も受けています。

このようなPoCの結果からサービスの実現可能性はもちろん、企業のニーズに応えられる可能性が高いと判断し、本格的なサービス化に向けてプロジェクトを推進。エモーションテックのロイヤルティ分析の技術・知見に、名簿管理人としてのノウハウを持っていたみずほ信託銀行のノウハウを掛け合わせた、新しいサービスの提供に至りました。

その後、スタートからわずか数ヵ月という短期間でスピーディにサービス化を進め、2023年12月にサービスの本格的な提供を開始。個人株主のコメント分析に生成AI技術を取り入れたサービスを提供するのは金融機関として初の取り組みであり、また株主との対話支援領域における先進性と鋭い着眼点が注目を集めたことから、多くのマスコミに驚きをもって取り上げられました。

生成AIを利用し、大量のコメントから頻出トピックを抽出。感情の良し悪しを自動で分析・レポート化。

生成AIを利用し、大量のコメントから頻出トピックを抽出。
感情の良し悪しを自動で分析・レポート化。

みずほ信託銀行が個人株主の分析サービスのために採用したエモーションテックのテキストAI分析サービス「TopicScan」は、アンケートのコメントやレビュー、クチコミ等のテキストデータをアップロードするだけで、顧客の声を分析できるサービスです。生成AIの活用にあたっては、セキュリティやプライバシーの問題という懸念がありますが、これを解消するために、Microsoft社の「Azure OpenAI Service」を採用。これによって、高いセキュリティ環境と厳格なコンプライアンスを保証し、信頼性と可用性を実現しています。

「TopicScan」を活用した個人株主分析サービスでは、株主アンケートのデータから重要な話題(トピック)を自動で抽出。一つひとつのコメントに対してトピック分類ラベルと感情ラベルを自動的に付与します。さらに全体としてどのようなトピックがどの程度ポジティブまたはネガティブに語られているか、グラフやビジュアルを使って可視化したレポートを、豊富な経験と知識を持ち、業務を熟知したみずほ信託銀行担当者のアドバイザリーとともに企業へご提供します。このサービスを通じて、企業は大量に寄せられた個人株主のコメントを定量的・効率的に把握することができ、経営戦略を立案する際の個人株主の声の活用はもちろん、自社の施策の結果を個人株主がどのように捉えているのかまで、把握ができるようになります。

個人株主と企業の橋渡し役として、日本の株式市場を活性化したい。

個人株主と企業との関係構築や対話を促進する個人株主コメント分析サービスですが、現状に満足することなく、今後も機能面での強化をめざした取り組みは続いていく予定です。例えば、個人株主情報の高度化もその一つで、アンケートで収集したコメント等のデータを株主名簿のデータベースに保存し、どのような属性や状態の株主がいるのか、より精度を高めて実態を把握できるようになることで、IR/SR活動の改善や事業の見直し等に結び付けることも可能になります。

このようにコンサルティングの質の向上と効率化には、デジタル技術の活用が必要不可欠であり、みずほ信託銀行では今後もより一層の強化をめざしています。デジタル技術を使って人力で行っていた業務の効率化や人力ではできなかったサービスを提供する。そして株主と企業の活発な対話の機会や仕組みを創り出す。こうした取り組みを通じ、日本の株式市場全体のさらなる活性化につなげていきます。

「TopicScan®」は株式会社エモーションテックの登録商標です。

文・写真/みずほDX編集部

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