トップ DX事例一覧 明日の〈みずほ〉は私たちが作る。新規事業ピッチイベントの通過者&梅宮CDOにインタビュー。 明日の〈みずほ〉は私たちが作る。新規事業ピッチイベントの通過者&梅宮CDOにインタビュー。 OVERVIEW 〈みずほ〉グループの経営トップである木原GCEO(グループ・チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)に社員自らアイデアをプレゼンして、社員発の新規事業創出をめざすピッチイベント「みずほGCEOチャレンジ」。選考を通過すると、事業化に向けた手厚い後押しを受けることができます。このイベントの通過者たちにインタビューするとともに、梅宮CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)に、「みずほGCEOチャレンジ」や〈みずほ〉のこれからについて話を聞きました。 INDEX 〈みずほ〉が取り組む「みずほGCEOチャレンジ」とは? 「金融×教育」アプリ制作にかける想い。 営業活動から生まれたアイデアで新規事業に挑戦。 会社の後押しで「挑戦する人を増やす」 一人ひとりの声とデジタルを最大限に活かす。〈みずほ〉のこれから 全社で盛り上がりを見せる「みずほGCEOチャレンジ」とは? 「みずほGCEOチャレンジ」は、社員の挑戦を応援するビジネスコンテストとして2022年よりグループ横断で開催されています。社員が発案したアイデアを木原GCEO自らが選定し、事業化に向けて必要な経営資源の割り当ても含めて具体的な後押しを行うということもあって、全社的に大きな盛り上がりを見せており、2023年は3月と7月に開催。厳正な審査を経て、「おこづかい」をテーマに、親子でコミュニケーションを図りながら、楽しく継続的に金融について学べる親子のお金コミュニケーションアプリ「Pochette(ポシェット)」と、取引先の開拓を望む企業が、面談したい企業とオンラインで"手軽に"会える次世代ビジネスマッチングサービス「会えるんです」、2つのアイデアが選定されました。本記事では、「Pochette」の発案者である小原・新倉・山浦と、「会えるんです」発案者である奈良に、新規事業に挑戦することになったきっかけや意気込みについてインタビューを実施。また、「GCEOチャレンジ」の企画・運営を手掛ける梅宮CDOに、開催にかける想いや狙い、〈みずほ〉のこれからの変化について聞きました。 忙しく働く人の子育てをサポートしたい。「金融×教育」アプリ制作にかける想い。 ─お金について学ぶアプリ「Pochette」はどのようなきっかけで始まったのでしょうか?金融教育にフォーカスした理由も教えてください。 小原:当時私が所属していた部署には子どもを育てながら忙しく働く人が多く、そういった人たちの役に立ちたいという想いが一番のきっかけでした。また、銀行には様々なリソースがあるので有効活用したいと常々考えていたことから、「金融×教育」という視点で始めました。最初は銀行の空きスペースで学童保育事業を検討していましたが、新型コロナウイルスの影響で思うように進みませんでした。一方、学童保育の現場でお金に関するイベントを何回か実施して、金融という難しいテーマでも工夫次第で子どもたちは楽しみながら学べることを実感しました。この経験から、お金について楽しく学べるアプリを作ろうという話に方向転換していきました。 ─どのような経緯で現在の3人体制となったのでしょうか? 新倉:私は保育士の資格を持っているのですが、社内報で小原さんの学童保育の取り組みを見て何か力になれたらと思い、このプロジェクトに参加しました。 山浦:元々、小原さんや新倉さんとの接点はありませんでしたが、お二人が熱心に活動していることは認識していました。私がエンターテインメント企業に金融教育をテーマにしたアプリ事業の提案をしようとしていたタイミングで、お二人も金融教育アプリに取り組もうと考えているということを知り、声をかけさせていただきました。 ─プロジェクトを進めるにあたって、特に大変だったことを教えてください。 小原:大変だったことを挙げていくと1冊の本にできる位、エピソードはたくさんあります。パートナー企業がなかなか見つからない等、長引くスランプにもう止めようかと悩んだ時期もありました。現在も、持続的な金融教育の提供には利益を出し続けなければいけないということで、ビジネスモデルのブラッシュアップに四苦八苦しています。このプロジェクトを通して様々な局面で"続けること"の難しさを実感しましたが、上司や同僚たちがいつも見守ってくれていて、困難にぶつかった時には必ず誰かが手を差し伸べてくれるのです。色々な人の助けがあってこそ、今があると思っています。 ─「GCEOチャレンジ」に応募して良かったことを教えてください。 小原:我々の理念に強く共感いただき、かつ思い描くアプリを実現できるノウハウをもったパートナー企業と出会えたことは大きいです。このアプリの事業化を実現して、企業として金融教育への社会的責任を果たすとともに、ビジネスとして継続できるようにしていきたいと考えています。 新倉:経営層が後押ししてくれるだけでなく、グループのネットワークを駆使して思いもよらなかった化学反応が起こせるのも〈みずほ〉ならではと言えます。社内の様々な人とつながることができ、自分のできること、やりたいことを持ち寄って、実際に形にできるのはとてもやりがいを感じますし、私たちの今の姿や今後の成功を見てもらって、これからチャレンジしようとしている人たちのロールモデルになれたらと考えています。 山浦:私は人間でしかできない能力を発揮し、0から1を生み出せる人材になりたいと思っています。小原さん、新倉さんのチャレンジはまさにその試金石ですので、このプロジェクトに関わることができて本当に良かったと思っています。必ず成功してほしいし、私も全力でサポートしたいです。 ※社員発案型ビジネスコンテスト「みずほGCEOチャレンジVol.3」の選定結果について 営業という仕事を続けてきたからこそ生まれたアイデアで新規事業に挑戦。 ─「企業のキーパーソンに会えるビジネスマッチングサービス」という「会えるんです」のアイデアは、どうやって生まれたのでしょうか? 奈良:約9年間、中堅・中小企業向けに営業を行う中で、ビジネスパートナー探しに難航した社長さんから「いい会社知らない?」といった相談を受ける機会が多くありました。見本市への出展等の方法もある中で、私のところに話が来るということは、彼らのニーズに応えるサービスがまだこの世の中にないということ。それなら、〈みずほ〉のネットワークを駆使して、お客さまが求める使いやすい仕組みを自分で作ろうということで、新たな取引先を探している企業が候補となる企業と「手軽」に会えるサービスを考案しました。 ─周囲からはどのようなサポートがありましたか? 奈良:アドバイスをくれる上司や同僚にも恵まれて、今の「頑張るしかない」環境に持ってこられたと思います。最初は営業目標を追いつつ並行して取り組んでいたのでかなり大変でしたが、「みずほGCEOチャレンジ」を通過したことで専門部署に異動になり、会社や事務局のサポートもあって全力で取り組めるようになりました。会社のボトムアップ支援のおかげで、自分のやりたいことが実現できています。 ─「会えるんです」の今後の展望について教えてください。 奈良:一般的に、会う相手の立場によって時間の価値が変わってきますが、「会えるんです」は現状、利用者全員が1回5分のWEB面談を行えるサービスとして検討しています。WEB面談後に相手方が「関心あり」の場合は連絡先を交換して、プラットフォーム外で面談を継続いただくイメージです。お客さまのニーズの強さの確認やサービスのルール作り等、乗り越えるべき課題が山ほどあって、ようやくスタート地点に立てたと実感しているところです。これからが正念場なので頑張っていきたいです。 まずは挑戦する人を増やす。熱意に満ちた社員が奮闘する背景には、会社の後押しが。 事業化に向けた挑戦に日々取り組んでいる通過者たち。一方で〈みずほ〉はどのような狙いで「みずほGCEOチャレンジ」を行なっているのでしょうか?梅宮CDOにこのピッチイベントにかける想いについて聞きました。 ─どのような経緯で「みずほGCEOチャレンジ」はスタートしたのでしょうか? 梅宮:これほどに変化の激しい時代だからこそ、私たち経営層は社員やお客さまと一緒に色々なことに挑戦して、一人ひとりが組織や世の中を良くすることを自分ごと化して考える必要があります。また、現場でお客さまやお取引先組織の様々な動きに触れている社員の方が、社会の変化をより機敏に捉えていることも多いはず。トップダウンで社員に会社のビジョンを具現化してもらうのではなく、ボトムアップで様々な声をくみ上げながら、ともに知恵をしぼり、次の〈みずほ〉を築き上げていこうというスタンスでこのピッチイベントを始めました。そして、これらの考え方は2023年5月に制定した新パーパス「ともに挑む。ともに実る。*」の根底にも流れています。 ─新規事業として選ばれたアイデアは、会社としてどれくらい応援してくれるのでしょうか? 梅宮:もちろん全力でサポートしますし、成功を強く願いますが、一方でそんな簡単なものではないことも理解しています。新規事業が成功する確率は「千件に三つ」と言われるくらい低いので、とにかく挑戦し続けることが大切。また、困難に直面した際に周囲の協力は不可欠です。色々な専門性や視点を持った人がアイデアを持ち寄ったり、議論をしたりすることで〈みずほ〉の中で新しい関係性ができていくことも、この取り組みの価値だと思います。 * 新パーパス「ともに挑む。ともに実る。」…お客さまの挑戦を支え、自らも変革に挑戦しながら、豊かに実る未来を共創していく決意を託した言葉。社員の間でも"自分ごと"として浸透するように、複数回の社員アンケートやワーキンググループによる活動等を通して様々なアイデアを集め、経営層との双方向コミュニケーションから誕生。 社員一人ひとりの声とテクノロジーを最大限に活かす。変わり続ける〈みずほ〉のこれから。 ─「みずほGCEOチャレンジ」は今後、どのような展開を見せるのでしょうか? 梅宮:同じ組織にいるとどうしても考え方や視野が固定されてしまいがち。現在の「みずほGCEOチャレンジ」は社員限定ピッチイベントですが、今後は外部の方も交えてもう少しオープンに開催できたら、社員の刺激にもなるのではと思います。 ─これからの〈みずほ〉がどのような変化を遂げるのか、梅宮さんの構想をお聞かせください。 梅宮:「みずほGCEOチャレンジ」を通じて、社内の空気が少しずつ変わってきていると感じています。現在、人事制度を通じて社員一人ひとりの働きがいや働きやすさを追求していますが、そこに「みずほGCEOチャレンジ」を掛け合わせて、誰もが手を挙げて挑戦できるカルチャーを作っていきたいと考えています。今の時代、何をするにしてもデジタルの活用は欠かすことのできない視点です。生成AIが大きなインパクトを与えたように、技術を使いこなさないと生き残れないという危機感もあります。メガバンクグループとして、社内はもちろん、お取引先や産業構造も含めて日本全体の非効率的な部分をどう変えていくかが私に課されたミッションです。立場に関係なく発言でき、経営層もそれをしっかりと受け止めて変わっていく。言うは易く行うは難し。だからこそ、私自身が率先して変わって行きたいです。 「何事も頭で考えるだけでなく、まず踏み出すことが大事」と力を込めて語る梅宮CDO。社内に留まらず、日本の社会や経済まで上向きに変えていこうという大きな想いを元に、時代の一歩先を見据えて変化を続けるとともに、社員の挑戦をこれからも後押ししていきます。 PROFILE 株式会社みずほフィナンシャルグループ 取締役 兼 執行役副社長(代表執行役)グループCDO 梅宮 真 2017年にグループCFOに就任し、財務戦略、財務・税務、IRを統括。2022年にはCFOに加え、デジタル・イノベーション分野も統括し、2023年からはCDOとしてデジタル戦略を担当。新規事業開発のBlue Labの代表取締役社長も務める。他にみずほ銀行 副頭取執行役員 / みずほ信託銀行 副社長執行役員を兼務。 株式会社みずほ銀行 個人業務部 小原 綾子 2007年にみずほ銀行に入行。国際営業部や直投支援部にて、日本企業の海外進出を多数支援。国際戦略情報部ではミャンマー・ヤンゴン支店立ち上げ支援等に携わる。2017年より外為営業部で営業及びデータ分析業務に携わり、2023年3月「みずほGCEOチャレンジ」に通過。同年5月より現職。 株式会社みずほ銀行 個人業務部 新倉 康幸 2006年にみずほ信託銀行に入行。みずほ信託銀行で確定給付年金の資産運用/管理、みずほ銀行で確定拠出年金の制度運用/設計にかかる事務・システム企画業務に従事。営業店・本部へ新規システムを導入する等、社内DXを推進。2023年3月「みずほGCEOチャレンジ」に通過し、同年5月より現職。 株式会社みずほ銀行 コーポレート&インベストメントバンキング業務部 価値共創チーム 山浦 康二 2008年にみずほ銀行に入行。京都での法人営業を担当後、ビジネスソリューション部、産業調査部、営業第十八部(現情報通信・リテール第二部)を経て、2020年より現職。現在は2023年4月に発足した価値共創チームにて、お客さまの社会課題への対応や新規需要の創出、新たな事業モデル実現への挑戦を支援。 株式会社みずほ銀行 法人業務部 奈良 真羽汰 2014年にみずほ銀行に入行。都内営業部店や地方営業部店にて、中堅・中小企業のお客さまを中心に渉外活動に従事。2023年3月「みずほGCEOチャレンジ」に通過し、同年5月より現職。 ※所属、肩書きは取材当時のものです。 文・写真/みずほDX編集部 新しい記事へ 記事一覧ページへ 過去の記事へ 記事一覧ページへ 関連リンク 〈かなで〉グループ5社共通の新たな人事の枠組みについて RECOMMEND 2024年10月10日 【みずほポシェット連載vol.1】次世代を担う、子どもたちのために。金融教育事業に挑む新会社を設立。 2024年2月9日 新しい価値を発掘し、スピーディで挑戦的な投資を。コーポレートベンチャーキャピタルに懸ける、〈みずほ〉最年少社長の想い。 2022年12月27日 役職員一体で取り組む、〈みずほ〉のカルチャー変革