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新しい価値を発掘し、スピーディで挑戦的な投資を。コーポレートベンチャーキャピタルに懸ける、〈みずほ〉最年少社長の想い。

新しい価値を発掘し、スピーディで挑戦的な投資を。
コーポレートベンチャーキャピタルに懸ける、〈みずほ〉最年少社長の想い。

新しい価値を発掘し、スピーディで挑戦的な投資を。コーポレートベンチャーキャピタルに懸ける、〈みずほ〉最年少社長の想い。

OVERVIEW

〈みずほ〉は新規事業・技術開発、事業領域拡大、イノベーションを加速させるべく、2023年4月、コーポレートベンチャーキャピタル(以下「CVC」)「みずほイノベーション・フロンティア株式会社(以下「MHIF」)」を設立しました。MHIFの代表取締役社長に就任した池田淳一は、現在40歳で〈みずほ〉における歴代最年少の社長です。本記事では、「ともに挑む。ともに実る。」をスローガンに掲げて変革に挑む〈みずほ〉の成長に向けて"変化の穂先"を担う池田にインタビューを実施。社長就任の背景をはじめ、投資活動に懸ける想いやこれまで投資してきた企業との取り組みの詳細、今後の展望等についてご紹介します。

INDEX

  1. 〈みずほ〉の"変化の穂先"に。MHIFがめざす新しい価値創出。
  2. 最年少社長が見据える、不確実性の先にある未来。
  3. 価値共創をめざして、金融リターンの追求に留まらない投資判断を。
  4. 投資先と〈みずほ〉の熱い想いで、スピーディな投資を実現。

〈みずほ〉の変化の穂先に。みずほイノベーション・フロンティアがめざす新しい価値創出。

〈みずほ〉の変化の穂先に。
みずほイノベーション・フロンティアがめざす新しい価値創出。

経済・社会を取り巻く環境は日々刻々と変化しつつあり、金融業界においても新しい事業領域への取り組みや既存事業のプラットフォーム革新の必要性が高まっています。そんな中、〈みずほ〉は2023年4月3日、新規事業や技術の開発、事業領域の拡大、イノベーション加速などグループ各社における事業・技術開発促進等を目的としてMHIFを設立しました。

MHIFは、〈みずほ〉の投資専門子会社です。銀行法による議決権保有規制の緩和を受けて〈みずほ〉は投資専門子会社を通じて一定の要件を満たすスタートアップ等に対する柔軟な投資活動が可能となりました。取締役としてベンチャーキャピタル「WiL」の創業者・伊佐山元氏も参画。金融のみならず非金融分野を含む幅広い領域に対して積極的関与を行い、新たな価値の創出に挑むとともに〈みずほ〉の事業プラットフォームの拡充をめざします。また、社内のビジネスコンテストで生まれた社員発アイデアの具体化も後押ししていきます。

今回、〈みずほ〉歴代最年少で社長に就任した池田にインタビューを行い、MHIF設立までのストーリーをはじめ、投資活動に懸ける想いや今後の展望について話を聞きました。

深く考え、深く潜る。最年少社長が見据える、不確実性の先にある未来。

深く考え、深く潜る。
最年少社長が見据える、不確実性の先にある未来。

─まずは、〈みずほ〉において、MHIFが担う役割について教えてください。

MHIFの役割は、〈みずほ〉内のイノベーションを加速させることです。具体的には、スタートアップ等の外部企業との綿密な連携を通じて、グループの様々なビジネスの種が花開くための後押しをします。ここには新規事業開発だけでなく、既存ビジネスの領域拡大や高度化、新たな技術への挑戦も含みます。MHIFはエクイティ投資の枠組みではありますが、率先して新しいことに取り組むことで、社員一人ひとりが挑戦しやすい環境を作る風土醸成の役割も担っていると考えています。今回、若輩ながら私が社長に就任したのも、失敗を恐れずにトライアンドエラーを積み重ねていこうという社内の機運を受けてのこと。MHIFは挑戦に向けた心理的ハードルを下げるという点で全社の役に立っているのではないかと感じています。

─MHIFに関わることになったきっかけを教えてください。

社内のビジネスコンテスト「みずほGCEOチャレンジ」事務局の運営に携わったことが直接のきっかけとなりました。今も兼任している事務局の仕事は案件の具体化に向けた各種サポートを行うというミッションなのですが、そのためのリソースをいかにして確保するかという課題が常に付きまといます。コンテストを何年も行なっていると、実証実験の段階を経て、本格的な開発に進む案件も出てくるのですが、そのときに桁の違う開発資金をどのように工面するかという難題に直面して、なかなか妙案のない状況になりました。ちょうどそんな時、社内でCVCを設立するという話が耳に入り、ぜひ「みずほGCEOチャレンジ」も投資先候補に加えて欲しいと打診し、そこから私もCVCの企画・運営に携わることになりました。

─今回の社長抜擢で、ご自身のこれまでのキャリアをどのようにいかせると考えますか?

振り返ってみると、私のキャリアは、組織の立ち上げや新規プロジェクトの創出など、「ゴールの見えない状況を何とか形にする」という不定形のミッションが大半を占めています。私一人でできることなどたかが知れていますので、案件の都度、内外の優秀な方々にご協力いただきながら検討を進めてきました。また、そのような案件がすぐに結実することは滅多にないので、地道に検討を継続しながら、機が熟すまで待つことも必要です。このような仕事への取り組み方、周囲との連携や粘り腰の姿勢がMHIFにおいてもいきてくると思います。そして、これは半ば願望ですが、これまで積み上げてきた大小様々な経験が結びついて、社名に恥じない新しいプロジェクトを生み出せることを期待しています。

─〈みずほ〉の変化の穂先を担うことを期待されるMHIFですが、仕事をする上で意識していることがあれば教えてください。

真に会社を変えるためには、トップの号令やボトムの熱気だけでなく、すべてのレイヤーで同時多発的に変化が起こることが不可欠です。ただ、これだけ大きな会社となると、変化を十分に伝播させていくのは並大抵のことではありません。そのためには、沈思黙考だけではなく、脳漿(のうしょう)を絞って考えつつも、しっかりと汗をかき、やれることはすべてやろうという気概で働いています。私は松下幸之助氏の「一商人たるの観念を忘れず」という有名な言葉を教訓として胸に刻んでいるのですが、仕事のレベルを高める努力はもちろんのこと、様々なステークホルダーの立場に立って深く物事を見つめることを心がけています。

できない理由ではなく、できる方策を。通底する〈みずほ〉の変化と挑戦への熱い想い。

できない理由ではなく、できる方策を。
通底する〈みずほ〉の変化と挑戦への熱い想い。

─MHIFは4月の設立以来様々な投資を行っていますが、それぞれの案件を通してご自身が感じたことや印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。

LUCA社はヘッジファンドやプライベート・エクイティ等、オルタナティブ投資のプロセスをワンストップで完結させるデジタルプラットフォーマーです。既存業界がレガシーを抱えているが故に変化できず取り残されてしまうという話はDX文脈でよく聞くところですが、今回、〈みずほ〉の資産運用ビジネスを担当するアセットマネジメントカンパニーは、デジタル化をむしろ奇貨として成長に結びつけようと連携を進めています。現場に強い危機感があったのだと思いますが、非常にアグレッシブな姿勢が印象に残っています。

ココナラ社は、個人の知識や経験を売買できるEC型スキルマーケットのトップティア企業です。すでに長期の減少トレンドにある国内の労働力人口を考えれば、企業の人材不足は待ったなしの社会課題です。デジタルの力でこれを解決するためにMHIFとココナラ社で合弁会社を設立する流れになりました。〈みずほ〉の名を冠した新サービスは、中堅中小企業を担当するリテールビジネスカンパニーの「マンパワーがボトルネックとなってお客さまが成長機会を逸する状況は何としても回避したい」という強い思いの表れと考えています。

UPSIDER社はスタートアップ向けの法人カードで高シェアを持つ企業で、「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」というミッションが〈みずほ〉のパーパスと共鳴して今回の案件が始まりました。UPSIDER社の与信モデルに〈みずほ〉の融資ノウハウ、金融ソリューションを掛け合わせるというある種「ど真ん中」の案件だと思いますが、スピード感を失うことなく結実できたことに、〈みずほ〉における「挑戦」の浸透を感じました。あるべき姿を共有し、「できない理由」ではなく「できる方策」を議論する。その様なとても望ましい状況を見た気がします。

Climate Impact X社は、カーボンクレジットのマーケットプレイス運営を行うシンガポール企業です。MHIFとして初の海外投資案件であるとともに、SXの取り組みを加速させている〈みずほ〉全社にとっても非常に意義深い案件となりました。海を越えて戦略的リターン創出をめざさなければならない難易度の高さはありましたが、サステナブルビジネス部のリードのもと、関係各所から前向きな協力を得ることができました。グローバルで〈みずほ〉のプレゼンスを発揮できたことは、MHIFの今後の展開に希望が持てる実例となりました。

挑戦を応援するCVC。グループ総力を挙げ、イノベーションでフロンティアを切り拓く。

挑戦を応援するCVC。
グループ総力を挙げ、イノベーションでフロンティアを切り拓く。

─MHIFは「純粋な金融リターンの追求に留まらない投資判断を行う」とのことですが、改めてMHIFの投資判断の基準について教えてください。

「実現可能性はあるのか」「誰がやるのか」というところも含めて、グループで考えたときに〈みずほ〉のビジネスにどのようなメリットがあるかという戦略的リターンを重視しています。事業シナジーを実現するためには、投資先にそのための体制を組んでいただくことが重要になりますが、投資先がリソースをかけるに値する構想であるのか、それを実現する覚悟が〈みずほ〉サイドで醸成されているかが前提になります。〈みずほ〉の中でそれぞれ設定されている戦略において、その案件がどのように位置づけられるかも重要です。財務リターンを軽視する訳ではありませんが、将来の種蒔きの意味も込めて、バリュエーションや期待収益だけが指標であるとは考えていないということです。

─スピーディな投資判断をする上でMHIFならではの仕組みがあれば教えてください。

意思決定に関するフローが柔軟であること、決裁権限が大胆に委譲されていることがMHIFの特長です。事前に決まっているスケジュールで動くというより、案件の必要に応じて投資委員会を臨時開催するなど、自由度の高い会議体運営と意思決定プロセスを組むことができます。スタートアップのスピードと比べたとき、〈みずほ〉が努めてスピーディに振る舞ったとしても、結果としてかなり慎重に映ってしまう。こうした自己認識をしっかり持って、先回りして動いていかなければならない、スピードは常に課題であり続けると考えています。

─MHIFで今後実現したいことを教えてください。

今後、ノウハウの蓄積やリソースの拡充を行い、MHIFがよりプロアクティブに案件の発掘から投資後のケアまで行えるように実行力を高めていきたいと思っています。CVCとしてグループと連携することが前提ですからMHIF単独で全てを決めることはないのですが、検討を加速させるサポートにおいて我々が担いうることはたくさんあります。私個人としては、前述の「みずほGCEOチャレンジ」発の案件をもっと出していきたいという気持ちに加え、デジタル企画部において生成AIタスクフォースやweb3プロジェクトチームに参加していますので、そうしたところから出たアイデアへの投資を行うことができればと考えています。

─グループ間で今後どのような戦略的リターンが生み出せるか教えてください。

直近の案件は「こういうことがやりたい」という構想が比較的明確になった状況で持ち込まれていますので、戦略的リターンは捉えやすいと思います。ただ、捉えやすいということは、効果測定が可能ないし容易であるということで、それらの案件が現業と地続きであるということです。現業への直接的な貢献が重要であることは言うまでもありませんが、そうしたものに加えて、これまでの判断軸では対処できないような案件、戦略的リターンに期待しています。自由な発想でさらに大きな構想が出てくるように、それらを受け入れる素地を整えることも並行して取り組んでいきたいと考えています。

─MHIFの働き方について特長や、どのような人とMHIFの取り組みを一緒に盛り上げていきたいか教えてください。

知的好奇心が旺盛で色んな所にアンテナを立てられる人がこの仕事に向いていると思います。MHIFでは内外様々な人たちとコミュニケーションできる恵まれた環境があります。案件も多岐に渡っていますし、やるべきこともたくさんありますので、参加いただければエキサイティングな毎日を送れるのではないでしょうか。投資先と〈みずほ〉の成長のために、ぜひ一緒にこの取り組みを進化させていきましょう!

池田へのインタビューを通じて、投資先や〈みずほ〉社員の「変えたい」「変わりたい」という想いがMHIFの投資判断の起点となっていることが見えてきました。その想いに寄り添うことは「ともに挑む。ともに実る。」の体言や、MHIFがカルチャー変革の穂先として存在感を高めることにつながります。また、DXやテクノロジー領域においても特色を持った企業への投資を通じて新たなサービスの提供ができるようになる等、MHIFは〈みずほ〉のDX戦略においても重要な存在です。今後も社員発案の新規事業への投資など、様々な取り組みが加速する予定のMHIF。これまでにない新たな価値の共創をめざして挑戦を続けていきます。

PROFILE

池田 淳一の画像

みずほイノベーション・フロンティア株式会社
代表取締役社長

みずほフィナンシャルグループ
デジタル企画部「みずほGCEOチャレンジ」事務局兼務

池田 淳一

2006年みずほ銀行に入行。法人営業を経て、産業調査部・京都営業部などでTMT(テクノロジー・メディア・テレコム)セクターのカバレッジを担当。2017年よりパナソニック株式会社に出向し、未来戦略室の立ち上げに参画。2019年より社員発の新規事業開発をめざす「みずほGCEOチャレンジ」の事務局を務めている。2023年4月より現職。

※所属、肩書きは取材当時のものです。

文・写真/みずほDX編集部

「みずほイノベーション・フロンティア」についてのお問い合わせはこちら

中山 masashi.nakayama@mizuhofg.co.jp

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