産学連携で挑むDX人材の育成。大学生がデータ分析を基に、社会課題の解決策を考案【データサイエンスコンペティション】
2023年3月27日
- BKみずほ銀行
早稲田大学と学術交流協定書を締結。
DXが進んできた現代において、データ利活用のスキルを持った人材の必要性が叫ばれていますが、データを活用するためにはデータサイエンスが非常に重要です。
データサイエンスとは、データ分析に関する学問分野であり、統計学、数学、コンピュータサイエンス等と関連して、主にビッグデータから意味のある情報、法則、関連性等を導き出すことや、その処理の手法に関する研究です。近年、情報通信技術の発達により、ビジネス、教育、行政等、あらゆる分野で高度なデータ分析力とその応用力が求められており、研究はもちろん、DX人材の育成を見据えた教育両面において、データサイエンスに関する産学連携の重要性はますます高まっています。
みずほ銀行では、データサイエンス活用の裾野拡大をめざし、2018年に早稲田大学と研究・教育に関わる学術交流協定書を締結。本協定書の締結を通じて、研究と教育が一体となり、データサイエンスにおける共同研究やデータサイエンス教育プログラムの共同開発等、新たなビジネスを生み出すことも視野に入れた産学連携の仕組みを構築しています。
データサイエンスコンペティションの開催!
学術交流協定の一環として、みずほ銀行が提供する各種金融取引等に関する統計データ「Mizuho Insight Portal(呼称 Mi–Pot/ミーポット、以下Mi–Pot)(※)」のデータを活用した「データサイエンスコンペティション」が2022年11月に開催されました。
「データサイエンスコンペティション」は、120名以上(37チーム)が参加する大規模なイベントとなり、各チームは設定した社会課題に対し、「Mi–Pot」と様々なオープンデータを掛け合わせて、オリジナリティのある分析・解決策を発表。以下のテーマが各賞を受賞しました。
コンペティションテーマ(決勝のみ) | |
最優秀賞 | 気候変動に伴う市区町村レベルの脆弱性–水害による地域平均損失の評価– |
優秀賞 | Random Forestを用いたATM新規設置の推薦手法 |
優秀賞 | 光熱費の増加と消費行動の変容 |
教育・総合科学学術院賞 | 市区町村データを用いた投票行動の分析 |
データ科学センター賞 | 自治体政策と人口動態の相互作用によってもたらされる経済効果について |
実務家審査員賞 | 首都圏郊外の再開発が及ぼす地域の変化~人の行動に着目して~ |
実務家審査員賞 | キャッシュレス決済についての実証分析~キャッシュレス・ポイント還元事業を題材として~ |
敢闘賞 | ビッグデータの統計解析で突き止めるATMの使用ラッシュ |
敢闘賞 | 自然災害の警報予測に対する預金者の準備行動と阻害要因の分析 |
最優秀賞を受賞した「気候変動に伴う市区町村レベルの脆弱性–水害による地域平均損失の評価–」は、地域別のローンデータや預金・総資産データ等の金融統計データを活用し、万が一水害が発生した場合、深刻なダメージを受ける市区町村のリスク評価を分析したものです。また、優秀賞の「光熱費の増加と消費行動の変容」では、年収データやクレジットカードの決済統計データを活用し、年収の違いやエネルギー価格の変動が光熱費や他の消費にどのような影響を与えるかといった分析がされるなど、コンペティションを通じて様々な社会課題や環境問題に対する分析アイデアが発表されました。
みずほ銀行は、今後も本コンペティションのようなDX人材の育成に繋がる機会づくりを推進するとともに、こうした場で発表された社会課題をテーマとした様々なアイデアを、行政やパートナー企業と連携・活用することを構想しており、実社会における課題解決に繋げていくことをめざします。
※Mi–Potとは…みずほ銀行が様々な金融サービスの提供を通じ保有する年収データ、支出・消費データ、ATM利用状況等をもとに、年代・性別等の同じ分類ごとに集計して得られるデータを、視覚的に分析可能なツールを通じて法人のお客さまや自治体等へ提供するサービスです。
※なお、この統計データは、みずほ銀行が保有するデータを統計加工した後の情報であり、お客さま個人が特定されることはございません。また、個人のお客さまからのお申し出に応じ、統計加工の対象から除外させていただいております。
文・写真/みずほDX編集部