自然資本・生物多様性保全への取り組み
〈みずほ〉の自然資本・生物多様性との関わり
私たちの社会経済活動は、生態系サービスの恩恵を受けながら自然資本に依存しています。一方で、事業活動が自然資本に与える負の影響により、自然資本の損失が深刻化しており、企業の事業リスクとなっています。
2022年、COP15(国連生物多様性条約第15回締約国会議)にて「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、大企業・多国籍企業による自然関連の情報開示や、民間企業による自然資本・生物多様性への投資促進が目標として明示されました。さらに、「自然関連財務情報開示タスクフォース」(Taskforce on Nature–related Financial Disclosures:TNFD)では、資金の流れを自然保全・回復に転換させ、「ネイチャーポジティブ」な経済を促進していくことをめざしています。
自然資本・生物多様性の恵みを将来にわたって享受できる「自然共生社会」の実現には、国や自治体、民間企業・団体、そして市民一人ひとりが連携し、それぞれの立場で行動することが重要です。こうした認識のもと、〈みずほ〉は、経済活動の根幹を担う金融機関として、自然資本・生物多様性を保全する事業の支援や、それらに対する負の影響の軽減に取り組んでいます。
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)への取り組み
TNFDフォーラムへの参画
2022年3月、みずほフィナンシャルグループ、みずほリサーチ&テクノロジーズ及びアセットマネジメントOneは、TNFDフォーラムへ参画しました。
2023年11月、みずほフィナンシャルグループとアセットマネジメントOneは、2023年9月にTNFDが公表した開示提言(TNFD提言)の採用者(TNFD Adopter)として登録しました。
TNFDへの対応
〈みずほ〉は、気候変動と自然資本に関する取り組みを統合的にまとめた「気候・自然関連レポート」を2024年より発行しています。TNFDが提言するフレームワークに沿って、自社拠点(直接操業)や融資ポートフォリオ(バリューチェーン)に関する詳細な分析や、具体的なアクションを網羅的に説明しています。詳細は、気候・自然関連レポートをご参照ください。
融資ポートフォリオの分析(LEAPアプローチ)
〈みずほ〉は、取引先への投融資等の金融活動を通じて自然資本との関わりがあります。〈みずほ〉の融資ポートフォリオにとって重要な自然資本・セクターを特定し、自然資本への依存・影響分析と、それらがもたらす機会・リスクの把握を進めています。
LEAPアプローチによる分析

取引先のネイチャーポジティブ移行に向けた支援
〈みずほ〉は、融資ポートフォリオにおける自然資本への依存・影響分析も活用しつつ、依存・影響が大きい取引先へのファイナンス組成やコンサルティング支援を進めています。
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支援・取組内容 | 会社名 | 実績例 |
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自然関連・ブルーファイナンス組成支援 | みずほ銀行 |
「Mizuho自然資本インパクトファイナンス」実行 |
海水淡水化による飲料水自給プロジェクト向けブルーローン実行 |
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みずほ証券 |
サステナビリティファイナンス・フレームワーク策定支援(大成建設) |
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個人向け外貨建てグリーン・ブルーボンド/事務主幹事、グリーン・ブルーボンド/主幹事(東京都) |
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ブルーボンド/ジョイント・ブックランナー(中国海南省) |
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TNFD対応支援・自然関連調査 |
みずほリサーチ&テクノロジーズ |
自然資本関連のコンサルティングサービスを提供(TNFD開示支援、自然・生物多様性の定量化など) |
NEDOのバイオものづくり革命推進事業において未利用資源のアベイラビリティー調査を実施 |
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外部専門知見の有効活用・新商品開発 |
みずほフィナンシャルグループ |
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みずほ銀行 |
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みずほリース |
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みずほ銀行 |
自社拠点分析
自社の直接操業拠点における自然資本への依存・影響について分析しました。自然との接点でリスクの高い「優先地域」に該当する自社拠点はありませんが、今後も自然への負荷を軽減させるべく、自社拠点における取り組みを推進していきます。

その他の取り組み事例
オフィスにおける取り組み
金融業を主体とする〈みずほ〉で、最も多く消費する資源のひとつである紙の削減を中心に、循環型社会に向けた取り組みを推進しています。
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取り組み | 会社名 | 詳細ページ |
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グリーン購入への取り組み | グループ全体 | |
紙の使用量を削減 | ||
紙リサイクルを推進 | ||
社員食堂・喫茶のテイクアウト用コーヒーカップおよびストローをプラスチックから紙や生分解性素材に変更 | みずほフィナンシャルグループ みずほ銀行 |
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お客さまへの紙袋に森林認証紙を採用 | みずほ銀行 |
社会に向けての取り組み
啓発活動
森林ボランティアや自然資本・生物多様性に関する啓発活動を推進しています。
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取り組み | 会社名 | 詳細ページ |
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被災地の海岸林再生 | 〈みずほ〉グループ全体 | |
森林保全の社員ボランティアの実施 | ||
全国小中学校児童・生徒環境絵画コンクールに協賛 | みずほフィナンシャルグループ | |
被災地に植栽用の花を贈呈 | みずほ銀行 |
大手町の森
都市部の緑地には、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の確保、都市水害の軽減、人々の憩いの場の提供など様々な役割があります。
大手町本部のある「大手町タワー」は、敷地の約3分の1に相当する約3,600m2が「大手町の森」となっています。これは、"本物の森"というコンセプトのもと、関東各地の山林から自然の樹木を集め、多様性に富む森が再現されたもので、生物多様性に配慮した緑地づくりに取り組むオフィスビルとして、ABINC(一般社団法人 いきもの共生事業推進協議会)が運営する「いきもの共生事業所認定制度」の認証を取得しました。

