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コンタクトセンターの利用満足度向上と業務効率アップをめざして。シニア層も活用する電話のDX「AI音声ボット」。

コンタクトセンターの利用満足度向上と業務効率アップをめざして。
シニア層も活用する電話のDX「AI音声ボット」。

コンタクトセンターの利用満足度向上と業務効率アップをめざして。シニア層も活用する電話のDX「AI音声ボット」。

問い合わせ応対の質も量も向上。
お客さまを想い生まれた「AI音声ボット」とは?

みずほ証券のコールセンターは、総合ダイヤル(フリーダイヤル)に加えて、全営業店・全プラネットブース(みずほ銀行のロビー内のみずほ証券の店舗)の代表電話に対応しています。月間約17万件を受電していますが、相場変動によって繁閑差が大きいため、「つながりにくい時がある」というお声をいただいてしまうことがあり、また「休日・夜間にも対応してほしい」「WEBは苦手。電話で手続きを簡単に済ませたい」といったニーズがあることも捉えたうえで、2021年に、最適なソリューションとして導入したのが「AI音声ボット(以下、ボイスボット)」です。

ボイスボットとは、人工知能(AI)を実装した自然言語処理システムのことで、コールセンターでのお客さま対応業務を、AIによる音声対話エンジンが代行してくれるものです。多くのコールセンターで使われていた自動音声応答システムの「IVR(Interactive Voice Response)」は、お客さまが案内を聞いて該当するボタンをプッシュ操作するとあらかじめ録音してある音声が自動再生されます。一方、ボイスボットは音声合成技術を活用しているため、「IVR」のように事前に用意した音声での回答とは違って、目の前のお客さまから受けた質問に対して柔軟に応えるので、自然な会話をしているような応対をします。このようなコールセンターでのAI導入により、みずほ証券はお客さま満足度の向上とコールセンター運用の効率化をめざしました。

問い合わせ応対の質も量も向上。お客さまを想い生まれた「AI音声ボット」とは?

会話内容を分析し改善を重ねることで、導入当初の50倍近くも問い合わせ対応が可能に。

みずほ証券のコールセンター利用者は、比較的年齢層が高いため、電話以外のチャネルにいきなりシフトすることは現実的ではありませんでした。そこで、段階的にボイスボットを運用していくことを決定。最初に導入したのは、書類送付受付業務です。ボイスボットが書類送付依頼の一次対応をするため、夜間・早朝、休日を問わず24時間365日対応が可能。お客さまのご都合に合わせて、便利にご利用できます。運用フローとしては、ボイスボットが問い合わせを受けて、バック業務担当者がテキスト化されたお客さまの通話内容を確認して書類を送付するといったシンプルなものでした。しかし、単純な問答とはいえ、お客さまから受ける答えは千差万別。例えば返事ひとつとっても、「はい」「はい、はい」「うん」「えーと、そうです」など、多数あります。あらゆる会話に対応できるよう、みずほ証券はお客さまの実際のお声をもとにボイスボットをアップデートしていきました。具体的な方法として、お客さまとボイスボットの会話音声データを分析して離脱ポイントを特定し、該当する通話を聞いたうえで、エラー対策を検討。場合によっては、お客さまにインタビューを行って離脱した理由を伺って課題を明確化することもあります。改善策はABテストを行って検証し、より良い応対を模索します。そして、定例ミーティングで内容を共有し、改善するといったサイクルを行いました。ミーティングには決定権のある管理職も参加することで意思決定を迅速にできるので、軽微な機能修正であればわずか半日で実装します。

運用開始から1年6ヵ月近く経ちましたが、今も週1回定例ミーティングを実施します。このようなアップデートの積み重ねにより、導入当初は月82件の利用だったのが、2023年4月現在は月4,000件の応対をしました。コールセンター AIが機能することで、コールセンターの対人応対も、お客さま一人ひとりへ丁寧に応えられるようになり、効率化をかなえられました。

会話内容を分析し改善を重ねることで、導入当初の50倍近くも問い合わせ対応が可能に。

徹底したお客さま視点とシニアの方にも使いやすい設計が評価され、「コンタクトセンター・アワード2022」にて最優秀賞を受賞。

待ち時間の長さや、コールセンターの営業時間内に都合がつかずなかなか連絡できないなど、有人でのコールセンターの運用では解決が難しい場面があります。また、高齢者のスマートフォン利用者が増えているとはいえ、WEB上でのチャットや問い合わせフォームで質問をするのが苦手という声は少なくありませんでした。電話を架けたいときにつながって簡単に解決したい。そんなお客さまの気持ちによりそえる施策を検討した結果、24時間365日利用可能であるボイスボットの導入に至りました。

これまでに、書類送付やパスワードの初期化、アウトバウンドの折り返し対応などの自動化を実現してきました。お客さまからは「ロック解除まで早く、スピード感があった」や「時間外でも受付してくれ、更に朝早くに確認の連絡をくれたところも良かった」など好評の声をいただいています。

シニア向けの自動化は難易度が高いと言われていますが、徹底としたお客さま視点でサービス設計し、その取り組みを実行してきたことが高く評価され、みずほ証券のボイスボットが「コンタクトセンター・アワード2022」にてストラテジー部門の最優秀賞を受賞しました。

徹底したお客さま視点とシニアの方にも使いやすい設計が評価され、「コンタクトセンター・アワード2022」にて最優秀賞を受賞。

より複雑な問い合わせにも対応できるように。
現在も「AI音声ボット」は進化中!

ローンチ時から続いている毎週の定例ミーティングは、改善策だけでなく、お客さまがより便利に利用できるための施策も議論しています。現在リリースしている書類送付やパスワードの初期化など手続きの流れが決まっている内容にとどまらず、今後は、お客さまが求める回答をより柔軟にできるよう機能の拡充をめざしています。また、2023年2月より運用開始している、WEB上での操作に困っているお客さまへ能動的にサポートを提案するプロアクティブなツールについても、対象ページを順次拡大し、回答の質を高めることに挑んでいます。お客さまが快適にサービスを利用できるように、みずほ証券は、ボイスボットをはじめとするAIツールのアップデートをこれからも継続的に行っていきます。

文・写真/みずほDX編集部

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