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みずほグローバルサービシーズインディアの取り組み。

テクノロジーも人材も。国境を越え、ともに育む、
みずほグローバルサービシーズインディアの取り組み。

OVERVIEW

人口や経済の成長が著しいインド。準公用語が英語であり、IT人材が豊富な点等、様々な魅力から、海外拠点の事務処理やシステム開発等をインドに集約する動きが加速しています。〈みずほ〉では2020年3月に「みずほグローバルサービシーズインディア」を設立。海外貿易事務等のオフショア拠点として、国や地域を跨いでグローバルにサポートしており、「人材の"泉"、テクノロジーの"泉"」を合言葉に、インドの優秀なIT人材の確保はもちろん、AIをはじめとするデジタルテクノロジーの活用を通じて、グループ全体の生産性向上に取り組んでいます。

INDEX

  1. 1
    貿易事務等のオフショア拠点をインドに集約。
  2. 2
    豊富なIT人材や先進テクノロジーが湧き出す国、インド。
  3. 3
    デジタル技術と、人の力の融合で、多彩な海外拠点の業務をサポート。
  4. 4
    MGSの更なる成長をめざして。インドと日本の連携で、信頼をともに育む。

画像上段:東京本部(グローバル管理統括部等)と委託拠点のシンガポールのメンバー 画像下段:チェンナイ支社設立時のセレモニー

画像上段:東京本部(グローバル管理統括部等)と委託拠点のシンガポールのメンバーが合同でムンバイ本社を訪問
画像下段:チェンナイ支社設立時のセレモニー

貿易事務等のオフショア拠点をインドに集約。
〈みずほ〉の生産性をグローバル規模で向上させる。

〈みずほ〉は日本やアジア地域だけでなく、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界各地にネットワークを拡大し、様々な国のお客さまに対し、きめ細やかなサービス・サポートを提供しています。一方で、海外拠点の拡充とともに貿易等を中心に、関連する事務処理作業も増加。さらには、トランザクションバンキングの増強や、その規制対応、基幹システム更改等、重要な課題に対応するための人材確保が不可欠でした。そこで、こうした膨大な事務処理作業やバックオフィス業務を担えるグローバル拠点の開発に着手。2020年3月、アジアの中でも発展が著しいインドの地に「みずほグローバルサービシーズインディア(以下「MGS」)」を設立しました。

MGSはインド現地で英語力のある人材を採用し、貿易書類の確認や信用格付、RPA開発・保守等、お客さまとの取引の推進に不可欠な各種業務を担当しており、APAC(アジア太平洋地域)はもちろんですが、ニューヨークやロンドン等、様々な地域の拠点をサポートしています。こうした地域を跨いだ業務の受注は、設立した2020年当時、日本のメガバンクとしては初の挑戦であり、MGSが一手に担うことで、グローバルネットワーク全体でのコスト効率の最適化や、出し手側のリソース確保、業務効率の向上等につなげています。

また、MGSはインドの豊富なIT人材の力を活用し、先端テクノロジーの導入も積極的に行っており、具体的にはAI–OCRによる貿易事務の自動化もその一つです。AI–OCRとは、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)に、AIを融合させた最先端の技術のことを指します。MGSでは従来よりも多種多様なフォーマットへの対応力や、レイアウト解析精度等を大幅に向上させたAI–OCRを採用しており、貿易書類は取引先ごとにフォーマットや記載内容が千差万別であるため、経験やスキル等、属人的になりやすかった事務作業の効率を大幅に改善しています。このように、単に事務作業を受託するだけではなく、先端技術の活用を牽引する拠点である、ということもMGSの大きな特長であり、事務業務のグローバルな集約地としてテクノロジー活用を推進することで、これまで100人で行っていた業務を70人程度で効率的に運営できるような世界観の実現をめざしています。

MGS本社があるムンバイの街並み

MGS本社があるムンバイの街並み

豊富なIT人材や先進テクノロジーが湧き出す国、インド。

MGSは、なぜインドを設立の地に選んだのでしょうか。そこには、様々な理由があります。

インドは現在、14億を超える人口を抱え、中国を上回る世界最大の人口を有する国へと成長しました。人口増加は、特に若年層が多く、その平均年齢は約28歳と若い労働力を有し、準公用語も英語であることから、英語力を備えた豊富な人材が、特にIT産業での発展を強力に支えています。政府もまた「デジタルインディア」プログラムを実施し、国内外の企業がデジタル技術を活用するためのインフラ整備を推進。こうした環境下で、インドは世界的なIT大国としての地位を確立し、ソフトウェア開発やデジタルサービスの分野で強力なプレーヤーとして存在感を増しているのです。

MGSはインドのムンバイとチェンナイにオフィスを構えていますが、これらの都市には、多くのグローバル企業が、近年ではグローバル・ケイパビリティセンターとも呼ばれるオフショア開発拠点を設置しており、IT関連業務のアウトソーシング市場は年々拡大を続けています。さらに、インド政府はIT分野の成長を後押しするために、全国的な5Gインフラの整備や、スマートシティ開発、更なるIT関連の人材育成プログラムの強化も推進。IT企業にとってインドがさらに魅力的な国になることをめざしています。

このようなインドの成長と湧き上がる人材力は変え難い魅力であり、〈みずほ〉も拠点開発を計画する際に、様々な国のリサーチと検討を行いましたが、一連の魅力が決め手となり、MGSの設立へとつながっています。

ムンバイのMGSオフィス

ムンバイのMGSオフィス

デジタル技術と、人の力の融合で、
多彩な海外拠点の業務をサポート。

〈みずほ〉の幅広いグローバルネットワークの中で、ネットワーク全体の業務効率の改善という重要な役割を担っているMGS。その機能の底支えや底上げにつながるのが、デジタルテクノジーの活用です。先ほどご紹介したAI–OCRの導入例もその一つですが、「テクノロジーは万能ではない」という考えの元、MGSでは単に導入して終わりでなく、現地の人々の力を融合させることで課題や壁を乗り越えています。

具体的な取り組みとしては、MGS内における、AI–OCRによる書類の読み込み精度に応じたワークフロー見直しを検討。精度が十分に上がっていない取引については、2人の人間の目を介した4アイでチェック。精度が上がった取引については1人目の人間の目をAI–OCRに置換し、1人の人間の目を介した2アイチェックの体制とし、人による確認作業を最低限に減らせるよう努めつつ、テクノロジーによる効率性と人の力を活用した正確性の両立の実現をめざしています。

また、インドの優秀なIT人材の力を活用して、積極的に取り組んでいるのがRPA開発・保守です。RPA(Robotic Process Automation)開発・保守とは、ソフトウェアを用いて、企業の定型業務を自動化する技術の開発や機能の保守を指します。例えば、データ入力、請求書の処理、メールの自動送信、システム間の情報連携等、反復的で手作業が多い業務がRPAによって自動化されることで、人為的ミスが減り、作業スピードが飛躍的に向上します。また、RPAはAIと組み合わせることで、より高度な判断を含む自動化にも対応できるため、企業にとって非常に有用なツールです。

現在、MGSは世界各地の拠点から、RPA開発・保守を受託していますが、当初は既存の開発業者と比べて、時差のある遠隔地にいることもあり、MGSの実力を不安視する声も多く、サポート等も最小限という厳しい状況にありました。しかし、迅速・詳細・タイムリーを意識したビジネスコミュニケーションをはじめ、インシデント管理、アクションメトリクス、課題解決計画の策定に関するガイドラインの確立、さらにはエンジニア経験の豊富な専任スタッフの配置、月次の定期レビューの実施等で、信頼を積み重ねたことで、様々なプロジェクトを受託しており、これまでに240以上のRPA開発・保守を実施。さらに、その結果、約6,000時間以上の労働時間の削減へとつながっています。現在も200以上のプロジェクトが進行中で、受託先もアジアを中心にアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア等15カ国に及んでおり、まさに〈みずほ〉のグローバルネットワークにおける業務効率改善の中核拠点として、挑戦と成長を続けています。

イズメーターを掲げる東京本部(グローバル管理統括部)の仲本、福内、柿沼、成島、プラナブ

イズメーターを掲げる東京本部(グローバル管理統括部)の仲本、福内、柿沼、成島、プラナブ

MGSの更なる成長をめざして。
インドと日本の連携で、信頼をともに育む。

MGSには、現在約300人のインド人社員が所属していますが、その規模はさらに拡大していく予定で、まずはこれまでの実績を元に、2027年度末までに社員数1,000人をめざします。また、その後の更なる発展を見据えて、現地での新卒採用の検討等も進めています。まさにインドと日本の繋がりや相互の信頼の積み重ねを背景に、成長を遂げているMGSですが、2つの国の間には「人材の"泉"、テクノロジーの"泉"」という合言葉があります。これは、インドという国が持っている、優秀な人材が湧き出す環境やテクノロジー大国としての力を例えた言葉ですが、泉のように湧き出す人材や技術の力をしっかりと活かしながら持続的な成長をともに成し遂げていこう、という想いが込められており、社内で社員数を公表する際の数値を「IZUMETER(イズメーター)」と呼ぶ等、様々な場面で「泉」という言葉が成長に向けたキーワードになっています。実際に現地社員からも「毎日がプロフェッショナルな目標に近づく助けとなり、新しい学びと豊かな経験が自分を成長させています」という声や「チームの協力的な態度と、経営陣および本社のサポート精神は、リーダーシップに対する強い自信を植え付け、前進するモチベーションを与えてくれます。」といった声が届く等、全社が一体となって、MGSの更なる発展に向けた挑戦を続けています。〈みずほ〉のパーパス、そしてブランドスローガンでもある「ともに挑む。ともに実る。」という言葉。この言葉とカルチャーを世界の舞台で体現するのがMGSであり、インドと日本の連携を今後さらに強化させることで、グローバルネットワークの更なる生産性向上に貢献していきます。

文・写真/みずほDX編集部

「みずほグローバルサービシーズインディア」についてのお問い合わせはこちら

株式会社みずほ銀行

グローバル管理統括部 業務プロセス改革チーム

成島 健太郎

kentarou.a.narushima@mizuho-bk.co.jp

みずほグローバルサービシーズインディア

Joint General Manager

Masashi Nishio

masashi.nishio@mizuho-cb.com

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