国内外のイノベーションと産業活性化への取り組み
イノベーションの加速
〈みずほ〉は優れた技術やアイデアを持つイノベーション企業に対し、貸出・エクイティ両面からの資金供給に加え、ビジネスマッチングや産学官連携を通じたビジネス開発、各種セミナー等による教育・メンター支援に積極的に取り組んでいます。みずほ銀行にイノベーション企業支援部・イノベーション企業審査室・イノベーション企業法人部を、みずほ証券にはイノベーション企業戦略部を設置し、推進体制を整備・強化しています。こうした支援を通じて、日本の持続可能な経済成長、雇用創出につながる金融支援に貢献していきます。
資金供給
金融機関には、リスクシェアや産業・業界知見の提供、ガバナンス構築のサポート等、幅広い観点から企業を支援する役割が期待されています。日本企業が成長資金を必要とするさまざまな場面において、企業との共同投資や資本増強等の資本性資金の供給を通じて企業の成長を支援することで、日本経済・社会の産業競争力強化に貢献していきます。
2024年度の取り組み
- 株式会社SkyDriveへの出資について~トランジション領域における空の移動革命に向けた取り組み~
- 航空の脱炭素化を目指してSAF利用促進プロジェクトを開始~成田空港で「Scope3 環境価値」取引の実証試験を実施します~
- AALTO HAPS Limitedへの出資について~本邦金融機関初となるHAPS事業者向け出資コンソーシアムへの参画~
- 【八丈島スマートアイランド化の推進】先端AI技術を活用したザトウクジラの来遊状況把握と観光振興への活用可能性の検証の取り組み強化について
- Apollo Global Management, Inc.グループが運営するトランジションファンドへの出資について
- スパークス・グループによる「宇宙フロンティア2号ファンド」の設立について
- みずほ銀行と横浜市との間でカーボンニュートラルポートの形成を支援する金融フレームワークの検討に関する覚書を締結
- Bison Low Carbon Ventures Inc.への出資について~トランジション領域における二酸化炭素回収・貯留の取り組み~
- エクセルギー・パワー・システムズ株式会社への出資について
- デジタルグリッド株式会社とのコミットメントライン契約締結およびディープテック・スタートアップ等への資金供給の強化について
2023年度の取り組み
- 台湾・工業技術研究院との日台産業連携の更なる推進に向けた業務提携に関する覚書の締結について
- Ideation3X Pte. Ltd.への出資について
- スペースワン株式会社への出資について
- 株式会社JUNTEN BIOへの投資について~「みずほベンチャーデットファンド」の初号案件~
- 株式会社センシンロボティクスへの出資について
- 特別区長会との「ゼロカーボンシティ特別区」の実現に向けた連携協定の締結について
- みずほ銀行によるアストロスケールへの出資について~清水建設を価値共創パートナーとする宇宙産業の持続的な発展への支援~
- Oishii Farm Corporationへの出資について~価値共創投資枠の初号案件~
- 株式会社Photo electron Soulへの出資について
- UPSIDERとみずほフィナンシャルグループによる合弁事業の開始およびグロースステージのスタートアップ向けデットファンドの設立について
ビジネス開発
M's Salonを通じ、未来を創造するイノベーション企業を多角的に全力サポート
M's Salonとは、みずほフィナンシャルグループのネットワーク、金融サービス提供力、コンサルティング力等をフル活用して、急成長をめざすイノベーション企業に必要不可欠な経営知識、事業遂行ノウハウ、ビジネス拡大機会、資金調達サポート等を提供する会員サービスです。
2017年より会員募集を本格的に開始し、2024年3月末現在4,000社超の会員企業にご参加いただいています。
〈みずほ〉では、事業拡大に向けた提携先や商品開発パートナーを求めるイノベーション企業*と新規事業開発や業務効率化ニーズがある大企業が一堂に会し、集中的にご商談いただく大規模マッチングイベント「M's Salonコネクト」を開催しています。
(*先進的な技術を生かした商品・サービスの提供等、イノベーティブな事業に挑戦する企業)
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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開催方法 | 対面 | 対面 | オンライン | オンライン | 対面 |
405 商談数※ | 647 | 1,044 | 1,112 | 1,124 | 961 |
参加大企業数※ | 128 | 152 | 149 | 143 | 127 |
参加イノベーション企業数※ | 299 | 358 | 441 | 431 | 405 |
(※各商談会の平均)
日本を代表する大企業中心としたサポートカンパニー、経営力・事業遂行力に長けているメンター、親密ベンチャーキャピタル等で構成され、会員企業に対してビジネスマッチング機会や、各種セミナーを開催し、会員企業の急成長に貢献しています。
例えば、新たなテクノロジーを活用したサービスを提供し、「持続可能な開発目標」に貢献するイノベーション企業が登壇し、大企業向けにプレゼンテーションをする「SDGs × Tech Pitch」イベントを開催しています。
日本の未来を担うイノベーション企業の成長をサポートすることを通じて、日本経済や社会の発展に貢献していきます。
IPO支援体制
〈みずほ〉では、IPO(新規株式上場)を展望されるお客さまのニーズに対し、証券会社として幅広い上場支援を行うみずほ証券、株式実務のアドバイス等のサポートを含めた証券代行事務を行うみずほ信託銀行、ベンチャーキャピタルとしての投資および公開に向けたアドバイスを行うみずほキャピタル等と連携し、お客さまのニーズにあったソリューション提供を行っています。
イノベーション創出の支援
みずほ証券では、オープンイノベーションの加速、エコシステムの構築、産官学連携の拡大を企図したイベント「Innovation Field」を2016年度から毎年度開催しています。7回目を迎えたInnovation Field 2023では、"サステナブルな社会へ~革新的エコシステムの進化"と題し、"イノベーションによる持続的社会の実現"、"最先端テクノロジーが世界を変える"、"より進化したエコシステムの構築"、"金融市場環境変化への対応"をテーマとした4つのプログラムで開催しました。スタートアップ企業や大企業、ベンチャーキャピタル、官公庁からアカデミーまで、幅広いお客さまにご参加いただき、ビジネスアイデアの共有や活発なネットワーキングが行われました。
社会的起業家の活動を支援
人権、教育、健康、環境などの分野における深刻で差し迫った社会的課題の解決に、持続可能なビジネスのアプローチで取り組み、社会の変革をめざす「インパクトスタートアップ(社会的起業家)」が世界的に注目を集めています。少子高齢化や社会保障、エネルギー、地域活性化など、さまざまな課題を抱え社会課題先進国といわれる日本においても、ソーシャルビジネスに対する期待が高まりつつあります。
日本でソーシャルビジネスを進展させるため、〈みずほ〉は社会的起業家の持つ知見やノウハウを活かして、社会課題解決に寄与する取り組みを推進しています。
ヘラルボニーへの取り組み
〈みずほ〉は、知的障がいのあるアーティストが描くアート作品を建設現場の仮囲い等のプロダクトに落とし込み、社会へ提案するイノベーティブな取り組みを推進している株式会社ヘラルボニー(以下「ヘラルボニー」)と共創しています。2019年10月から2020年3月まで、知的障がいのあるアーティストのアート作品を丸の内タワーの建設現場の仮囲いに活用した街のソーシャル美術館「MIZUHO BANK GALLERY」を開催、2021年12月20日には、ヘラルボニーが契約する障がいのある作家のアート作品を起用した「みずほビジネスデビットSDGsカード」の発券を開始しました。また、2022年10月から2023年3月まで金沢21世紀美術館で開催された、ヘラルボニーによる知的障がい者の日常のルーティング音の音楽化をテーマとした展覧会に対し、みずほが協賛しました。
神山まるごと高専のファウンディングパートナーへの参画
株式会社みずほ銀行は、次世代の人材育成を目指す「神山まるごと高等専門学校」(以下「神山まるごと高専」)の取り組みに賛同し、3,000万円の寄付を行いました。
神山まるごと高専は「テクノロジー×デザインで人間の未来を変える学校」をコンセプトに掲げ、2023年4月に徳島県神山町に開校しました。同校は15歳からテクノロジー、デザイン、起業家精神を学び、卒業後の40%が起業することを目指しています。
みずほ銀行は、過去10年間にわたりスタートアップ支援を行っており、神山まるごと高専の奨学金基金の設計や運用を支援してきました。2023年4月、開校に伴い、ファウンディングパートナーとして金銭的支援を実施しました。