公正な評価・処遇と年次・経験年数によらない人材登用・抜擢
「人的資本の強化」と「企業風土の変革」を通じて、〈みずほ〉がどのようにお客さまや経済・社会とともに価値を創造していくのかを包括的にご説明するため、「人的資本レポート」を発行しています。各種人事施策における取り組み詳細は、人的資本レポートをご参照ください。
2024年度より開始した〈かなで〉では、担う役割とその成果に応じた処遇を行うことで、一人ひとりのモチベーションを高め、社員の成長を促す仕組みを取り入れています。具体的には、給与については、担う役割の難易度や責任の重さに応じて決定する役割給に変更しました。賞与については、その決定要素から所属する部門・部店の業績を外し、グループ全体の業績と個々人の目標達成や業績貢献度に基づき決定します。
この仕組みにより、年次や経験年数によらず、ビジネス戦略の実現に最適な人材を登用・抜擢することが可能となりました。2024年度より〈かなで〉初年度として、各ビジネス部門が裁量を持って柔軟な人材登用を開始しています。同時に次世代育成の観点から、中堅・若手に意識的に高い役割を付与する等、持続的な組織力強化に向けた取り組みも進めています。
さらに、キャリア採用においても、役割給導入により競争力のある報酬提示が可能となり、特定領域における専門人材を含む人材市場におけるプレゼンス向上につながっています。
評価制度の詳細と成長支援の仕組み
評価制度の具体的な仕組み
〈みずほ〉の評価制度は、社員の行動・成果に対する内省の機会とし、成長につなげることを目的の1つとしています。具体的には、全社員を対象に「成果評価」「行動力評価」を実施しています。それぞれ年1回評価を実施し、評価につながった具体的なパフォーマンスや強み・課題を本人にフィードバックし、キャリア形成に向けたアクションプランについて対話を行っています。
成果評価
「成果評価」は、個人の役割を踏まえつつ、期初に組織目標からブレイクダウンされた個人の達成目標を設定し、期末にその達成度を評価する制度です。一人ひとりが目標を達成することで所属する組織の目標実現、ひいては〈みずほ〉全体の企業価値向上につながる仕組みとしています。
また、評価結果に対する納得感を確保し、一人ひとりが組織貢献に向けた取り組みに邁進できるよう、社員とマネージャー間の対話を重視し、期初時点で具体的な目標達成水準のすり合わせを行っています。また社員とマネージャー間では、目標の進捗確認や業務遂行上の改善策に関する日々のコミュニケーションが定着しており、個人目標達成に向けた高頻度かつ実効性のある機動的な対話が行われています。
行動力評価
「行動力評価」は、ランクによる評価はせずに、一人ひとりの知識・スキル、能力と〈みずほ〉の企業理念に基づくバリューの実践状況から「役割を担う力」を評価する制度です。行動力評価についても、後述の期初・期中に行う「成長コミュニケーション」と組み合わせることで、成長に向けた機会としています。また、業務に取り組む際のコンプライアンスの実践状況についても評価を行い、日々の業務における法令遵守意識の定着とその徹底を促しています。なお、「行動力評価」で把握した本人の行動状況やコンプライアンス実践状況は、次年度の役割給を判断する要素としています。
フィードバック
〈みずほ〉では、フィードバックを通じて、評価結果の納得感を高め、一人ひとりの成長につなげています。年1回の評価後に、全社員に評価結果と評価につながった根拠や本人の強み・課題をマネージャーからフィードバックし、成長に向けた対話を行っています。
さらに、社員の声を反映し、組織運営の質を上げるため、社員向けアンケートを実施し、フィードバックの実施状況・納得度を定期的に把握し、部店長へも共有しています。さらに、期初・期末時点だけでなく、業務遂行と個人目標達成に向けたコミュニケーションや、成長とキャリアに関する日々のコミュニケーションも実施しています。
フィードバックに関する社員向けアンケート結果
フィードバックについて継続的に改善を行った結果、2025年度は改善傾向となっています。

社員の成長を支援する仕組み
〈みずほ〉では、社員とマネージャー間で面談を日々意識的に行い、社員の成長を後押ししています。加えて、ミドルマネジメント層の意識・行動の変容を促すため、360度フィードバックを実施しています。
成長コミュニケーションとキャリア面談
〈かなで〉では、社員一人ひとりが成長に向けて、必要な知識・スキル、能力を伸長し、自立したキャリア形成を行うことを重視しています。キャリア自立の実現に向けて、成長に主眼を置いた本人とマネージャー間での対話の機会を設けています。具体的には、期初に本人の強み・課題を踏まえたアクションプランをすり合わせ、期中の頻度高いコミュニケーションにより、年間を通じたPDCAを実施しています。
また、「キャリアディベロップメント運営」(P.13参照)の一環として、年1回のキャリア面談を実施しており、自己認識やキャリア志望について本人・マネージャー間ですり合わせ、人材配置や育成につなげています。
360度フィードバック
〈みずほ〉の成長には、組織運営の核であり、社員の成長を引き出す主体でもあるミドルマネジメント層の意識・行動変容が特に重要です。そこで、ミドルマネジメント層に対して、360度フィードバックを通じた、自身の強み・弱みについて内省する機会を提供し、マネジメント力向上、日々の職務遂行の改善や、意識・行動変容を通じたバリューの実践につなげています。