Twitterシェアアイコン
Facebookシェアアイコン
LINEシェアアイコン

注目されているクルマの自動運転の実現に向けて、〈みずほ〉が議論を深め、前に進める

注目されているクルマの自動運転の実現に向けて、
〈みずほ〉が議論を深め、前に進める

注目されているクルマの自動運転の実現に向けて、〈みずほ〉が議論を深め、前に進める

人がクルマを運転することが今のルールの前提になっている

今、注目されている技術の一つにクルマの自動運転があります。運転席に誰もいなくても、カーブがあれば自然に曲がり、人が飛び出してきたら急ブレーキをかけ、車庫入れもお手の物です。こうした自動運転が実現すれば、ドライバー不足が補われて、スムーズな人や物の移動が保たれます。それだけでなく、人間のミスによる交通事故の削減、燃費効率のアップ、クルマ同士の連携による渋滞の緩和など、様々なメリットがあります。これまで、身近な交通手段が少ないことに困っていた人たちにとっては移動の選択肢が増えて、暮らしの質が向上することも期待されています。

様々なことを叶える自動運転ですが、その実現には、センサーなどの部品、そして、自動運転を可能にするプログラムが必要です。今、自動車メーカーなどはこうした技術の開発を進めている最中です。

ただし、技術さえあれば、街中を自動運転車が走るようになるかというと、そうではありません。自動運転のクルマのような新しいものを既にある環境になじませるには、そのために新しいルール、つまり法律を作る必要があるからです。

人がクルマを運転することが今のルールの前提になっている

対立する意見をまとめるのに必要なのは広くて深い知識と中立公正な立場

そしてもう一つ、自動運転のクルマが当たり前の世の中になるまでには、社会実装と呼ばれるステップが必要です。自動運転のクルマは主に自動車メーカーが造りますが、そのユーザーは例えば、宅配便の会社やバスやタクシーの会社などです。そうしたユーザーの意見を聞きながら、技術的にも仕組み的にも、多くの人に使いやすいサービスに仕上げていく段階が、社会実装と呼ばれます。

『RoAD to the L4プロジェクト』は、その社会実装のためのプロジェクトです。高速道路での高性能トラックの無人運転を実現するために経済産業省が取りまとめるこのプロジェクトは、物流の担い手不足解消に挑戦するもので、自動車メーカーのほか、物流事業者やベンチャー企業、そしてグループ会社のみずほリサーチ&テクノロジーズも参加しています。

こうしたプロジェクトでみずほリサーチ&テクノロジーズに期待されているのは「議論をまとめて方向づける役割」だと、デジタルコンサルティング部課長の築島豊長は説明します。

「私たちは、自動車メーカーや物流業者といった当事者ではないので、中立公正で透明性の高い立場で議論に参加できます」

意見が対立することがあったら、出番です。ただ、中立な立場ならこうした役割が務まるかというと、そうではありません。自動車メーカーや物流業者と同程度、または、それ以上の、広くて深い知識が求められるためです。みずほリサーチ&テクノロジーズは、まだまだ日本で自動運転が話題になる前からこの分野での調査や研究を行い、経験を積んできました。技術や法制度、社会実装の詳細やプロセスを深く理解しており、多くの関係者と良好な関係を構築しています。だからこそ議論を整理し、より有意義なものへと発展させられています。

対立する意見をまとめるのに必要なのは広くて深い知識と中立公正な立場

スムーズな乗り継ぎを支えるのはスムーズなデータの連携

自動運転に関してはMaaSという言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。MaaSとは、モビリティ・アズ・ア・サービスの略。自動運転のクルマそのものではなく、そのクルマを含む、あらゆる移動手段を組み合わせた、誰もがスムーズに行きたいところへ行けるようなサービスを意味します。既にフィンランドなどでは、このMaaSが実際の世の中で使われています。

一方、日本はというと、限られた企業や自治体が実験を行っている程度。なぜ、誰もが使えるようにはなっていないのでしょうか。もちろん、法律が未整備であることも理由の一つですが、それだけではありません。

例えば、こんなシーンを考えてみてください。今いる場所から、100キロほど離れたところまで行くとして、どこでどの交通機関を使うと、最も早く、最も安くたどり着けるのか。

こうしたことを調べられるネットサービスは既に存在します。ただし、そうしたサービスが対象としているのは公共交通機関がほとんどで、カーシェアやシェアサイクルやレンタルバイクといった新しいサービスまではカバーできていないこともあります。

その原因は、各社がばらばらの形式やルールで持っているデータにあるといいます。
これらがスムーズに連携されれば、ルート検索がしやすくなり、乗り継ぎもスムーズに。現在、国土交通省ではその実現のためのガイドライン作成が進められており、みずほリサーチ&テクノロジーズはその支援も行っています。

スムーズな乗り継ぎを支えるのはスムーズなデータの連携

使われるだけではなく使われ続けることで新サービスは定着する

では、技術が揃い、ルールが整備され、関係する企業間での意見が調整できれば、日本でも自動運転のクルマが当たり前になるのでしょうか。

どのようなサービスにも、絶対に必要な存在があります。それは、お客さまです。自動運転のクルマもMaaSも、物珍しいうちだけでなく、日常的に長く使い続けられなければ、インフラとして根付くことはできないのです。

「ビジネスとして安定させるには、利用者数を増やさなければなりません。利用者を増やすには移動の総量を増やす、つまり、移動の機会を増やす必要があります。そのためには、観光や、飲食店、小売店といった、移動の目的となる産業とも連携することが求められます」

そう話すのは、デジタルコンサルティング部上席主任コンサルタントの西村和真です。自動運転やクルマといったキーワードから想像される範囲を超え、未来の社会の姿を予測して、先手を打つような仕事に取り組んでいます。

もちろん、これはそう簡単な仕事ではありません。ただ、歴史を振り返ると、困難に挑んできた人たちのお陰で今の社会は成り立っています。これからの社会を成り立たせるのも、今ここで奮闘をする人たち次第。自動運転車を当たり前のように社会に溶け込ませるための挑戦が、今日も続けられています。

PROFILE

築島 豊長

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
デジタルコンサルティング部 課長

築島 豊長

2008年に入社し、サイバーセキュリティの評価などに携わる。現在はデジタルビジネスにおける最先端技術の他、政策・法制度、業務DX・システム改革など幅広い領域を手掛ける。大学院では電気工学を専攻。

西村 和真

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
デジタルコンサルティング部 上席主任コンサルタント

西村 和真

2013年に入社。現在はデジタルビジネスにおける最先端技術の他、政策・法制度、業務DX・システム改革など幅広い領域を手掛ける。大学院では物理工学を専攻。

文・写真/みずほDX編集部

  • Twitterシェアアイコン
  • Facebookシェアアイコン
  • LINEシェアアイコン
  • リンクをコピーしました