ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
「人的資本の強化」と「企業風土の変革」を通じて、〈みずほ〉がどのようにお客さまや経済・社会とともに価値を創造していくのかを包括的にご説明するため、「人的資本レポート」を発行しました。各種人事施策における取り組み詳細は、人的資本レポートをご参照ください。
日々変化するビジネスニーズに応え、イノベーションを創出し続けるためには、一人ひとりの人材力の強化に加え、あらゆる多様性を尊重し、日々の業務推進や意思決定においてDEIを推進していくことが不可欠です。〈みずほ〉では、DEIコミットメント(3つの約束)として「多様性を力に」「自分らしく働き人生を豊かに」「認め合い高め合うカルチャー」を掲げDEIを推進しています。これにより、社員一人ひとりが自分らしく輝き、〈みずほ〉の一員として働くことにやりがいと誇りを感じられる組織となり、〈みずほ〉に関わるすべての人や社会に新たな価値を生み出していきます。
〈みずほ〉では、2002年のグループ発足以来、女性活躍推進をはじめとするダイバーシティの推進に長年取り組んできました。2023年からはD&Iにエクイティ(公平性)を加えたDEIとし、新たな価値創造へ向けてグループ・グローバル一体でDEI推進に取り組んでいます。
- 〈みずほ〉のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進のロードマップ
管理職等の意思決定層における多様性の確保
多様な視点や価値観を業務推進や意思決定に取り入れるために、〈みずほ〉では、まず管理職等の意思決定層における多様性を確保するため、特に「女性」「海外現地採用社員」「キャリア採用者」の登用を重要な戦略テーマとして捉えています。
女性活躍を推進する基盤整備
女性管理職比率向上のため、業務を通じたアサインメント付与とネットワーキング強化に注力しています。部長相当職層向けへは役員メンタリングや女性新任部店長研修を行い、課長相当職層には先輩社員の登壇セッションを通じてマネジメントの魅力を知る場を設ける等、包括的な取り組みを行っています。また、中長期的に女性社員の育成・活躍を推進するための重要な指標の1つである女性新卒採用者比率も順調に推移しています。
女性社員に対するキャリア形成支援
女性が仕事とプライベートの調和を図りながら100%の能力を発揮して「やりがい」や「誇り」を感じつつ活躍していくためには、ライフステージを踏まえた女性特有の課題へのきめ細かい対応が必要であることから、2016年度より、キャリアステージごとに異なる課題に対応するため、女性社員へのキャリア形成支援策「女性向けキャリアサポートプログラム」を実施しています。
プログラム全体を通じたスキル向上、女性社員や経営層の意識の変化等により、女性が活躍できるカルチャーが醸成されてきています。結果として、2023年度実施の女性経営リーダー育成プログラムにおいて、参加者約90名のうち、17名が部長相当職として登用される等、KPIとして設定している女性管理職比率の向上にもつながっています。
- 〈みずほ〉の女性向けキャリアサポートプログラムの全体像
- 女性向けキャリアサポートプログラムの個別内容
女性活躍推進法に基づく行動計画の策定
〈みずほ〉では、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(通称:女性活躍推進法)」に基づき、全社員が多様かつ柔軟な働き方を実現し、女性があらゆる階層で活躍していくための環境整備をめざすための行動計画を策定し、目標に向けて取り組んでいます。
左右スクロールで表全体を閲覧できます
みずほフィナンシャルグループ | 行動計画(PDF/116KB) |
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みずほ銀行 | 行動計画(PDF/116KB) |
みずほ信託銀行 | 行動計画(PDF/117KB) |
みずほ証券 | 行動計画(PDF/116KB) |
みずほリサーチ&テクノロジーズ | 行動計画(PDF/117KB) |
海外現地採用社員の登用
海外現地採用社員の管理職比率の維持・向上のため、海外現地採用社員の育成・サクセッションプラン策定とともに、海外と接する本社の海外リテラシー向上に取り組んでいます。本社の海外対応ポストを可視化し、海外勤務経験者の配置や集中的な語学研修を実施したほか、海外のサクセッション候補者を本社に招き、国内マネジメントと共同で経営幹部候補者向けの研修を受け、経営課題について議論する機会を提供しました。
国籍を問わない、高度な知見と専門性を持った人材活躍への取り組み
国内外のお客さまの多様で高度なニーズに応えるためには、海外各国で深い知見と高度な専門性を持つ現地採用社員の活躍が不可欠です。
〈みずほ〉では国内外の人材を採用し、その活躍を支援するため、海外現地採用社員の成長を促す仕組みやグローバルベースで多様な人材が活躍できる環境の整備に取り組んでいます。
海外現地採用社員には、短期研修やシニアマネジメント候補への本社研修、拠点をまたいだキャリア形成の支援や活躍の機会を提供するGlobal Mobility Program*1という制度を整備しており、2007年から多くの社員が利用しています。
また、国内社員に関しては、異文化理解や語学強化の研修、海外経験の拡大を通じてグローバル感覚を養うことで、海外現地採用社員の知見や専門性を尊重したうえでのグローバルな連携を促進しています。
- ※1Global Mobility Program(=拠点間異動制度)
海外現地採用社員のキャリア形成機会の提供、ビジネスニーズに応じたグローバルベースでの人材登用を目的とする拠点間異動制度(「海外⇒国内」だけでなく、「海外⇒ほかの海外拠点」の異動も含む)
キャリア採用者の獲得と定着
キャリア採用者の比率は近年大幅に増加しており、特にDX等、重点分野における戦略人材の獲得に注力してきました。その結果、キャリア採用者の管理職比率は16%に達しており、引き続きリテンションの強化や積極的な採用を進めていきます。
互いを認め合い高め合い、自分らしさを感じることができる組織の実現
〈豊かな実り〉を実現するためには、意思決定層における多様性確保に加え、社員一人ひとりが自分らしく活躍できる環境を整備し、互いを認め合い高め合うことが必要です。〈みずほ〉では、"誰もが働きやすい職場、自律的に成長できる職場"をめざし、人と人のつながりを通じた自発的な挑戦を後押しするネットワークであるERG(Employee Resource Group:社員の自発的なグループ活動)のほか、M–DIM(Mizuho Diversity, Equity & Inclusion Month:社員参加型DEI推進月間)やアルムナイネットワーク等、多様な活動が様々な場所・機会で活発に行われています。
仕事と育児の両立支援への取り組み
育児や介護との両立は働きやすい職場づくりの要であり、時間・場所に制約されない柔軟な働き方の制度整備や理解浸透を促す研修等を継続的に実施しています。育児に関しては、管理職に対する研修や、育休取得経験のある部長による登壇セッション、両立セミナーへの配偶者の招待等、周囲の理解を促進するための取り組みにも注力しています。
〈みずほ〉では、毎年約1,000名の社員が新規に育児休業を取得しており、仕事と育児の両立は働き続けるうえで「当たり前」の時代になりました。従来の職系による区分の廃止を機に、2021年度からは「育児支援制度を利用し働き続ける両立」から、「自分らしく中長期的なキャリアを描き仕事を通じて成長する両立」へと、仕事と育児の両立に関する取り組み姿勢を変更しており、この観点で研修プログラムを見直し、支援内容を刷新しました。
- 出産・育児をサポートする制度(全体像)
誰もが働きやすい職場の実現に向けた、男性の育児参画促進の取り組み
〈みずほ〉では、「男性の育児休業取得率100%」を継続して維持する水準としてKPIに定め、育児休業のうち5営業日を有給化し、管理職から子どもが生まれた男性社員へ育児休業に関する制度周知・意向確認を行う等、すべての役員・社員の意識改革・行動変容に取り組んでおり、2019年7月から、グループ主要5社の社長・頭取が、株式会社ワーク・ライフバランスが実施する「男性の育休取得100%宣言」に参加しています。
2022年度の育児・介護休業法の改正にあわせ、男性の育児休業取得推進に向けた方針を新たに策定し、全社員向けに周知しました。全社員対象のeラーニングや、子どもが生まれた社員・育児休業取得希望者・管理職向けに、男性の育児休業取得の意義等について学べる外部有識者によるセミナーを実施し、子どもが生まれた社員とその管理職にはお祝いメールを送信する等、男性社員の育児参画の促進に向けた各種取り組みを実施しています。また、育児休業を取得するうえでハードルになりやすい不安を払拭するため、ロールモデル紹介等の情報発信にも努めています。
さらに2024年7月からは、男性社員の育児参画をさらに促進するため、男性社員が育児のための休暇・休業を10日間取得することを原則とし、年次休暇等も活用した1ヵ月以上の取得を推奨しています。男性の育児への主体的参画を促し、働き方改革、業務効率化、組織風土変革等の意識変革と行動変容を進めることで、誰もが「自分らしい」キャリアを実現できる職場環境をめざしています。
企業主導型保育園
社員がスムーズに復職ができるよう、全国約750を超える企業主導型保育園の「社員枠」が利用可能です。社員の自宅近くや通勤途中駅等の保育園の利用も可能とすることで、多様化する働き方やライフスタイルに合った、保育園選びの選択肢を広げていきます。
仕事と育児の両立支援への取り組み
〈みずほ〉では、介護離職ゼロをめざし、仕事と介護を両立する社員を支援するために、法定の要件を上回る介護休業や介護にかかる短時間勤務・時差出勤等の各種制度を設けるほか、社員の悩みや不安を取り除くために各種セミナーの実施やマニュアル等の整備を行っています。
- 介護をサポートする制度(全体像)
多様な価値観を持つ社員一人ひとりが活躍できる職場へ
多彩な個が活躍するためには、障がいや性的マイノリティといった様々な多様性へ積極的に向き合っていくことが必要です。〈みずほ〉では、障がいのある社員が能力や個性を発揮できる職場環境の整備に向け、本人への支援のほか、周囲の理解促進のための施策を実施してきました。
また、LGBT+の社員に対する環境整備や啓発活動等に継続的に取り組んでおり、PRIDE指標「ゴールド」を8年連続受賞しています。加えて、組織と社員がともに理解促進に取り組む風土が育まれてきています。一方、職場におけるアンコンシャスバイアスの払拭は途上であり、今後も社員一人ひとりのSOGI(性的指向/性自認)を各人の個性として尊重しあえる組織であるために、意識啓発を実施していきます。
アンコンシャスバイアスの啓発に向けた取り組み
〈みずほ〉における機会の公平性を確保し、社員一人ひとりが自分らしくあることを実現するためには、バイアスのない意思決定や業務運営が不可欠です。〈みずほ〉では、社員に向けた学習コンテンツの提供や情報発信等を行い、アンコンシャスバイアスによる不平等性の軽減に向けた啓発を行っています。
具体的な取り組みとしては、全社員向けに、自分自身の無意識の偏見や固定概念に気づき、対処方法を考え行動へ落とし込むことを目的としたアンコンシャスバイアス研修を提供しているほか、LGBT+や障がいに対する思い込みや偏った見方を解消するための研修やハンドブックの発行も実施しています。
加えて、日々の業務において多様なメンバーをマネジメントする立場である管理職への啓発に重きを置いており、2021年度にはグループ主要5社で全管理職を対象とした受講必須のアンコンシャスバイアス研修を実施しました。さらに、一部グループ会社では、新任管理職や希望者を対象にアンコンシャスバイアスに関する内容を含む研修を毎年実施しています。受講者からは、「自分が気づいていないモノの見方・捉え方の歪みによる無意識の偏見を認識できた」「業務遂行だけでなく、日常生活や社会生活においても活用できる」等の声が寄せられており、社員の意識変革につながっています。
組織の枠を超えたネットワークの拡充(アルムナイ)
〈みずほ〉では社外の多様なフィールドで活躍する元社員(アルムナイ)とのネットワーク拡大を推進しており、アルムナイ登録者数は1,500名を超える規模へと発展しています。また、2023年度からは、現役社員とアルムナイがつながり、新たなビジネス創出と社会貢献をめざし、ビジネス連携トライアルを開始しました。同時に、退職者の再入社に対する垣根を下げるため2021年度から専用窓口を設置のうえ、人材獲得も積極的に進めています。これらの取り組みが評価され、「ジャパン・アルムナイ・アワード」グランプリを2年連続受賞しました。