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2022年5月17日

株式会社みずほフィナンシャルグループ

サステナビリティアクションの強化について

株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長:木原 正裕)は、グループ全体で戦略と一体的にサステナビリティへの取り組みを積極的に推進しています。今般、さらなる推進のため、執行・監督で議論を重ね、機会・リスクの両面から、以下の5点に対するサステナビリティアクションを強化しました。

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1. サステナビリティ推進態勢
  • サステナビリティ基本方針の見直し
  • 中長期にわたる優先課題としてのマテリアリティの見直し
  • サステナビリティ推進委員会新設、サステナブルビジネス推進体制強化
2. 気候変動対応
  • (1)「2050年ネットゼロに向けた<みずほ>のアプローチ」・「ネットゼロ移行計画」策定
  • (2)GHG排出目標の見直し(Scope1,2)、新規設定(Scope3/電力セクター)
  • (3)シナリオ分析の高度化・対象範囲拡大
  • (4)炭素関連セクターのリスクコントロール高度化
3. 人権尊重の取り組み
  • 人権方針の改定
4. 環境・社会リスクへの対応
  • 環境・社会に配慮した投融資の対応強化
  • 責任ある調達への対応強化
5. エンゲージメントを起点とした機会・リスクへの対応
  • エンゲージメントを起点としたソリューション提供強化、リスク管理高度化

1. サステナビリティ推進態勢の強化(別紙1)

これまでの取り組みを踏まえ、「サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」を改定し、<みずほ>におけるサステナビリティの定義について、以下のように再整理しました。環境・経済・産業・社会における価値と、<みずほ>における価値の同時実現を目指すことを明確化するものです。

<みずほ>における「サステナビリティ」
環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄、ならびに<みずほ>の持続的かつ安定的な成長

また、再整理したサステナビリティを実現していくため、「<みずほ>と、お客さま、社員、経済・社会をはじめとするステークホルダーの持続的な成長・発展にとっての中長期にわたる優先課題」として、マテリアリティ(サステナビリティ重点項目)の見直しを行いました。

体制面では、グループ全体でのサステナビリティのさらなる推進に向け、外部有識者の意見を踏まえ、サステナビリティに関連する事項について審議・調整を行う目的で、執行側に「サステナビリティ推進委員会」を新設しました。2021年度は2回開催し、2050年ネットゼロに向けた<みずほ>のアプローチ、ファイナンスポートフォリオを通じたGHG排出(Scope3)目標設定、気候変動リスク管理等について議論しました。

さらに、多様化するお客さまのニーズに応えるため、専門部署を設置・拡充する等、顧客セグメント特性・ニーズに応じたサステナブルビジネス推進体制を一層強化しています。

2. 気候変動対応の強化

(1) 「2050年ネットゼロに向けた<みずほ>のアプローチ」・「ネットゼロ移行計画」策定(別紙2)

今般、環境方針で掲げる気候変動の取り組み姿勢を具体的に進めていくため、気温上昇を1.5℃に抑制するための努力を追求し、2050年の脱炭素社会の実現に向けて目指す姿・行動(アクション)を示す「2050年ネットゼロに向けた<みずほ>のアプローチ」、および取り組みの方向性を示す「ネットゼロ移行計画」を策定しました。

(2) GHG排出削減目標の設定・見直し

GHG排出削減目標の設定・見直し
  • 当社グループ1の国内外のGHG排出(Scope1,2)2目標の見直し
    2030年度カーボンニュートラル
  • ファイナンスポートフォリオを通じたGHG排出(Scope3)2中期目標の設定(別紙3)
    電力セクター:2030年度排出原単位138~232kgCO2/MWh

Scope1,2のGHG排出量削減に向けては、国内の自社契約大規模物件から優先して使用電力の再エネ化を進めていきます。

ファイナンスポートフォリオを通じたGHG排出(Scope3)の2050年ネットゼロに向けて、<みずほ>は、2021年10月にNZBA3に加盟しており、他のセクターについても、順次目標設定を進めていきます。

(3) シナリオ分析の高度化・対象範囲拡大

<みずほ>では従来、TCFD提言に基づき、気候変動に関する様々な将来の状態に対する計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるために、シナリオ分析を実施しています。

今般、TCFD提言における炭素関連資産の定義拡大を踏まえ、分析対象セクターに鉄鋼を追加するとともに、1.5℃を含む複数のシナリオを用いて分析を行っています。なお、分析方法・結果等の詳細は、今後TCFDレポート2022(6月発行)で開示する予定です。

前回 今回(太字が今次変更)
移行リスク 分析対象セクター 電力ユーティリティ
石油・ガス、石炭
自動車
(いずれも国内・海外)
電力ユーティリティ
石油・ガス、石炭
自動車
鉄鋼
(いずれも国内・海外)
シナリオ IEA4 World Energy Outlook 2020
のSDS5シナリオ/STEPS6シナリオ
NGFS7のNetZero2050(1.5℃)/
Below 2℃/Delayed Transition/
Current Policiesシナリオ
物理的リスク 分析対象 急性リスク
慢性リスク
急性リスク(再評価を実施
慢性リスク
シナリオ IPCCのRCP8.5シナリオ(4℃)
RCP2.6シナリオ(2℃)
NGFSのCurrent Policiesシナリオ
(慢性リスクは昨年と同様)

(4) 炭素関連セクター リスクコントロール(別紙4)

<みずほ>では従来、炭素関連セクター(電力ユーティリティ、石油・ガス、石炭)におけるリスクコントロールとして、お客さまの属するセクターと移行リスクへの対応状況の2軸でリスクを評価し、高リスク領域を特定しモニタリングする態勢を構築しています。

今般、TCFD提言における炭素関連資産の定義拡大を踏まえ、対象セクターを拡大して定性評価を再実施した結果、従来の電力ユーティリティ、石油・ガス、石炭に加え、生産時のCO2排出量が多い、鉄鋼、セメントを移行リスクが高いセクターと特定しました。更なるリスクコントロールの高度化を目的として、炭素関連セクター リスクコントロールの対象にこの2つのセクター(鉄鋼、セメント)を追加しました。また、対象セクターのお客さまの移行リスクへの対応状況について、エンゲージメントを通じて年に1回以上確認すること、ならびにその確認基準等を「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」に明示しました。

2セクター追加後の高リスク領域の信用エクスポージャー(Exp)は1.6兆円(2022/3末時点速報値)と、昨年度の1.8兆円(2021/3末時点、電力ユーティリティ、石油・ガス、石炭のみ)から減少しています。

3. 人権尊重の取り組み強化(別紙5)

人権尊重の重要性の高まりや、金融機関・グローバル企業としての人権課題の変化を踏まえ、以下の通り、人権方針を改定しました。

人権方針の改定趣旨
  • <みずほ>にとって重要な人権課題の見直しを行い、人権尊重へのコミットメントを強化
    ✓特に、強制労働、児童労働、人身取引は、その深刻性を踏まえて、事業及びサプライチェーンから排除することを目指し、人権デューデリジェンスを強化していく
  • 国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や、「OECD人権デュー・ディリジェンス・ガイダンス」を踏まえて、人権デューデリジェンスにおける考え方を明確化

各業務における人権尊重への取り組みを強化するため、環境・社会に配慮した投融資の取組方針、調達に関する取組方針もあわせて改定し、人権デューデリジェンスを継続して強化していきます。

4. 環境・社会リスクへの対応強化

(1) 環境・社会に配慮した投融資(別紙6)

<みずほ>では、投融資等を通じた環境・社会に対するネガティブなインパクトを回避・低減するため、「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」を制定しています。

今般、人権の尊重、気候変動への対応、生物多様性保全への対応強化の観点から、ステークホルダーからの期待・目線も踏まえ、以下の通り同方針を改定しました。

主要改定内容8
セクター横断的に投融資等を禁止する対象
  • 強制労働・児童労働に加えて、人身取引を引き起こしている案件を対象に追加
セクター横断的に投融資等に留意が必要な対象
  • 紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業を対象に追加
強制労働・児童労働・人身取引に対する取組方針【新設】
  • 事業及びバリューチェーンからの強制労働・児童労働・人身取引の排除を目指し、人権デューデリジェンスを強化、取組方針を新設
移行リスクセクターに対する取組方針
  • 対象セクターに鉄鋼、セメントを追加
  • 対象セクターのお客さまの移行リスクへの対応状況について、エンゲージメントを通じて年に1回以上確認すること、ならびにその確認基準を明示
  • 初回のエンゲージメントから1年経過しても、お客さまに移行リスクへの対応意思がなく、移行戦略も策定されない場合には、取引継続について慎重に判断を行う旨、対応方針を強化
石炭火力発電
  • 石炭火力発電事業を主業とする企業について、現在<みずほ>と与信取引がない企業とは、与信取引を開始しない旨を追加
  • 既存発電所のリプレースメント案件も、新設案件と同様の取り扱いとする対応方針の厳格化
石炭採掘(一般炭)
  • 一般炭採掘事業を主業とする企業について、現在<みずほ>と与信取引がない企業とは、与信取引を開始しない旨を追加
石油・ガス
  • パイプライン事業を資金使途とする投融資等を行う場合には、適切な環境・社会リスク評価を実施する旨を追加
大規模農園
パームオイル
木材・紙パルプ
  • FPICの尊重やNDPE等の方針策定について、取引先のサプライチェーンでも同様の取り組みがなされるよう、サプライチェーン管理の強化、トレーサビリティ向上を要請する旨、対応方針を強化
  • (木材・紙パルプセクターについて)森林伐採事業に投融資等を検討する際には、国際認証(FSC認証またはPEFC認証)を求める旨を追加

(2) 責任ある調達への対応(別紙7)

人権尊重への取り組み強化を踏まえ、調達先に対しサプライチェーンにおける強制労働・児童労働・人身取引のリスク排除を要請し、<みずほ>の調達における人権デューデリジェンスを強化するため、調達に関する取組方針を改定しました。

5. エンゲージメントを起点とした機会・リスク両面への対応強化(別紙8)

<みずほ>は、中長期を見据えたお客さまの持続的な成長・企業価値向上および産業の競争力強化を念頭に置きお客さまとのエンゲージメントを進めることで、脱炭素社会への移行をはじめとするサステナビリティ推進に向けたお客さまの取り組みを、金融商品・サービスの積極的な開発・提供で支援していきます。こうした取り組みを通じ、お客さまと <みずほ>双方にとっての機会の拡大とリスク管理の強化を推進し、お客さまと<みずほ>の企業価値向上を追求していきます。

エンゲージメントを起点としたソリューション提供強化に向けた取り組み
  • エンゲージメントの拡大(のべ約2,300社)
    • ─ 責任ある投融資の観点でのエンゲージメント:約1,000社
    • ─ お客さまのサステナビリティへの取り組み推進に向けたエンゲージメント:約1,300社
  • サステナブルファイナンス・環境ファイナンス9を通じたお客さまのサステナビリティアクション支援
    • ─ 実績(速報値):13.1兆円(うち環境4.6兆円)(2019~2021年度累計)
  • 多様化するお客さまのニーズに対応した新たなソリューションの開発・提供

特に、脱炭素領域については、お客さまの取り組みが徐々に移行戦略立案、実行の具体化段階へと移ってきています。<みずほ>は、温室効果ガス排出量の把握、削減計画の策定や実行、カーボンクレジットの活用といった、脱炭素に向けた企業行動の各段階に対応したソリューション拡充や、バリューチェーン・サプライチェーン全体に対する取り組みを強化しています。今後も、お客さまの移行戦略の実行をファイナンス面から積極的に支援するとともに、<みずほ>の強みである産業・技術知見を活用することで、金融・非金融両面でのソリューション提供力のさらなる向上を図っていきます。

今後に向けて

今般のサステナビリティアクションの強化について、グループ各社の役職員にも発信・共有し、お客さまにとって価値ある対話ができるようサステナビリティへの理解促進・浸透を図るとともに、各ステークホルダーとのコミュニケーション強化に努めていきます。

また、<みずほ>は、顧客セグメント特性・ニーズに応じたサステナブルビジネス推進体制や、上流から下流までの金融・非金融両面の知見、ソリューション提供により、お客さまの持続的な成長・企業価値向上に貢献します。

さらに、情報開示の高度化への取り組みも継続し、今後、TCFDレポート(6月予定)、統合報告書(7月予定)、ESGデータブック(8月予定)、SASB Index(9月予定)などの開示を予定しています。

こうした取り組みを通じ、環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄と、<みずほ>の持続的かつ安定的な成長の同時実現を目指します。

以上

  • <注釈>
  • 1 対象:グループ7社(みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほリサーチ&テクノロジーズ、アセットマネジメントOne、米州みずほ)
  • 2 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼等)、Scope2:他者から供給された電気等の使用に伴う温室効果ガスの間接排出、Scope3:Scope1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他者の排出)
  • 3 NZBA(Net-Zero Banking Alliance):2050年までに投融資ポートフォリオを通じた温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロを目指す銀行間の国際的なイニシアティブ
  • 4 IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関
  • 5 SDS(Sustainable Development Scenario):クリーンエネルギー政策と投資が増加し、エネルギーシステムは、パリ協定を含む、持続可能なエネルギー目標、エネルギーアクセスと大気汚染に関する目標を達成するシナリオ
  • 6 STEPS(Stated Policies Scenario):現在公表されている各国の政策が実施されると想定したシナリオ
  • 7 NGFS(Network for Greening the Financial System):気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク
  • 8 主要改定内容の詳細については別紙6参照
  • 9 目標値:サステナブルファイナンス25兆円(うち環境ファイナンス12兆円),2019-2030年度累計
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