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2021年5月13日
株式会社みずほフィナンシャルグループ

MIZUHO Sustainability Action

サステナビリティアクションの強化について

株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長:坂井 辰史)は、世界各国の脱炭素化・ネットゼロ表明など気候変動への対応強化や、バリューチェーンでの環境・人権配慮の重要性増大などの社会環境の変化、さらには<みずほ>の戦略・取組状況、およびステークホルダーからの評価・期待を踏まえて、執行・監督で議論を重ね、機会・リスクの両面から、以下3点に対するサステナビリティアクションを強化しました。

1. 気候変動
  • パリ協定の目標と整合するポートフォリオへの転換を明確化
  • カーボンニュートラルに向けた当社グループのGHG削減目標を設定
  • 移行リスクへの対応強化 (エンゲージメントの拡大・炭素関連セクターのリスクコントロールの高度化等)
2. バリューチェーンにおける環境・社会リスク
  • 環境・社会に配慮した投融資の対応強化
  • 責任ある調達への対応強化
3. サステナブルビジネス
  • エンゲージメントを起点としたソリューション提供の強化

1. 気候変動への対応強化

今般<みずほ>では、気候変動への対応強化として、(1)環境方針で2050年に向けた長期の目標・目指すべきゴールを明確化し、(2)当社グループの温室効果ガス(GHG)排出削減目標設定と(3)リスク管理強化を行いました。今後、目指すべきゴールに向けた具体的な道筋(パスウェイ)の明確化を進めていきます。

(1)パリ協定の目標と整合するポートフォリオへの転換を明確化(別紙1)

当社は昨年4月に「環境方針」を制定し、気候変動を含む環境への取り組みの機軸となる課題認識や具体的な行動、脱炭素社会の実現に向けた気候変動への取組姿勢を明確化し、グループ会社においても同様の方針を定め、一体で取り組みを実践してきました。
2021年4月には、気候変動への取組姿勢について、以下の点を明確化するため「環境方針」を改定しました。

  • 2050年の脱炭素社会(温室効果ガス排出ネットゼロ)への貢献
  • パリ協定の目的(気候変動の脅威に対する世界全体での対応を強化する)の支持
  • パリ協定の目標達成に向けた資金の流れをつくり、同目標に整合したファイナンスポートフォリオへと段階的に転換を図る

(2)カーボンニュートラルに向けた当社グループのGHG排出削減目標を新たに設定

当社グループ1の国内外の温室効果ガス排出量(Scope1・2)2目標

  • 2030年度までに2019年度比35%削減
  • 2050年度に向けてカーボンニュートラルを目指す

(3)気候変動へのリスク管理の強化

A. 「気候変動にかかる社会変革の急激な進展」を「トップリスク」に選定

当社は、従来、「気候変動リスク」を「エマージングリスク」(顕在化は中長期的な時間軸であっても数年内に対応が求められる重大なリスク)と位置付け、関連指標の定期的なモニタリングを継続してきました。2021年度は、政策や産業界の取り組みが急加速する中、対応の遅延や不十分な取り組みが経営に重大な影響を与えうるリスクと認識し、喫緊対応すべきものと位置づけを高め、「気候変動にかかる社会変革の急激な進展」を「トップリスク」に選定し、モニタリングを強化しています。

B. TCFD提言に基づくシナリオ分析の対象範囲拡大

今回、以下の通り対象範囲を拡大しシナリオ分析を行っています。なお、分析方法・結果等の詳細は、今後TCFDレポート2021(6月発行)で開示する予定です。

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  前回 今回(太字が今次拡充)
移行リスク:
分析対象セクター
電力ユーティリティ(国内)
石油・ガス、石炭(国内)
電力ユーティリティ(国内・海外
石油・ガス、石炭 (国内・海外
自動車(国内・海外)
物理的リスク:
分析対象
急性リスク
(台風・豪雨による風水災のリスク)
慢性リスク
(熱中症・感染症の増加リスク)

C. 移行リスクへの対応強化

(a)エンゲージメントの拡大
2019年度のシナリオ分析結果も踏まえて、2020年度より、気候変動対応に関するお客さまとの建設的な対話(エンゲージメント)を強化しています。お客さまごとの課題やニーズを深く理解しソリューションを提供することで、ビジネス機会の捕捉とリスク管理の強化に繋げています。
2020年度には、リスク管理・責任ある投融資等の一環で、約900社のお客さまとのエンゲージメントを実施、うち大口与信先等の約70社においては深度あるエンゲージメントを行いました。

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  2019年度 2020年度
エンゲージメント実施社数 約530社 約900社4
対象先 「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」の対象セクターの与信先(石油・ガス、石炭火力発電、石炭採掘、パームオイル、木材・紙パルプ等)
  うち深度あるエンゲージメント実施社数 約30社 約70社
  対話内容
  • 対象セクター毎に認識すべき環境・社会リスクに対する取組状況
  • ESGや気候変動に対するリスクと機会の認識
  • 移行リスクの認識・対応計画(事業構造転換戦略等)
  • CO2排出量実績・中長期的削減計画
  • 再生可能エネルギー事業やCO2排出量削減に向けた技術開発等に関する資金調達計画 等

(b)炭素関連セクターにおけるリスクコントロール(別紙2)

2019年度のシナリオ分析結果と上記のエンゲージメント内容も踏まえ、お客さまが属するセクター、移行リスクへの対応状況の2軸でリスクを評価し、高リスク領域を特定しました。従来<みずほ>では、TCFD提言の開示推奨項目である炭素関連セクター向け信用エクスポージャー(Exp)集中度を開示していました。今後は高リスク領域のExpをモニタリング指標とし、炭素関連セクター向けExpと合わせて開示していきます。

高リスク領域に対しては、移行リスクへの有効な対応戦略の策定と実践状況の開示、またはより低リスクのセクターへの事業構造転換を促すべくエンゲージメントに取り組みます。一定の時間軸をおいてもなおエンゲージメントの効果が見られない場合には取引を慎重に検討します。これらを通じてリスクコントロールを強化し、中長期的に高リスク領域のエクスポージャーを削減していきます。

炭素関連セクターにおけるリスクコントロール

(c)石炭火力発電所向け与信残高削減目標の見直し

2020年度に設定した石炭火力発電所向け与信残高削減目標について、残高ゼロとする期限を2050年度から2040年度に前倒しました。

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「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」に基づく石炭火力発電所向け与信残高削減目標
従来 見直し後
2030年度までに2019年度比50%に削減し、
2050年度までに残高ゼロとする
2030年度までに2019年度比50%に削減し、
2040年度までに残高ゼロとする

2. バリューチェーンにおける環境・社会リスクへの対応強化

(1)環境・社会に配慮した投融資(別紙3)

<みずほ>では、ステークホルダーからの期待・目線を踏まえ、投融資における環境・社会への配慮のため「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」を制定しています。今般、気候変動・生物多様性・人権の観点から、以下の通り対応を強化しました。

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今次改定内容6    今次改定で対応を強化する環境・社会リスク
    気候変動
(GHG削減、森林(CO2吸収源) 保全等)
生物多様性 人権
(労働問題、先住民保護等)
セクター新設 移行リスク
大規模水力発電
大規模農園(大豆等)
対応方針厳格化 石炭火力発電
石炭採掘
石油・ガス
パームオイル

(2)責任ある調達への対応

責任ある調達への取り組みを強化し、サプライヤーとともに持続可能な社会の発展に貢献していくため、今般「調達に関する取組方針」を新たに制定しました(別紙4)。コンプライアンス・情報管理(G)、人権尊重(S)、環境配慮(E)の観点から、調達に関する<みずほ>の基本的な考え方と、サプライヤーに対する期待事項を明確化しました。
今後、本方針に基づく調達を実践し、サプライヤーに対しても、事業活動におけるESGの取り組みを促すことで、サプライチェーンにおけるESGリスク管理を強化していきます。

3. サステナブルビジネス推進の強化

気候変動や少子高齢社会をはじめとしたサステナビリティ課題は、お客さまにとっても重要な事業環境の構造変化です。<みずほ>は、お客さまとのエンゲージメントを起点として、多様化するお客さまのSDGs/ESGに関するニーズに応え、金融・非金融両面から、積極的にソリューションを開発・提供しました。

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主なサステナブルビジネス推進実績等
  • サステナブルファイナンス・環境ファイナンス7を通じ、SDGs達成に向けた資金流の創出に貢献
    実績(速報値): 7.1兆円 (うち環境 2.6兆円) (2019–2020年度累計)
  • 多様化するお客さまのニーズに対応した新たなソリューションの開発・提供
    – サステナビリティ・リンク・ボンド【本邦初】、トランジション・ローン【本邦初】の提供開始
    – 中堅中小企業向け「SDGs推進サポートファイナンス」の提供開始
    – 新たな運用商品「グローバル株式投信『愛称:未来の世界(ESG)』8」の提供開始
    – プライベートデータ信託「未来への手紙」の提供開始
    – サステナビリティに関する情報発信・コンサルティング提供の拡大

また、拡大するお客さまのニーズに迅速に応えていくため、サステナブルビジネスの企画・推進やリサーチ&コンサルティング知見を活用したサステナビリティ支援機能を拡充するとともに、グループ内の国内外連携を深めるなど、サステナブルビジネス推進体制を一層強化しました。

今後、顧客セグメント特性に応じたエンゲージメントをさらに強化し、お客さまとともにサステナビリティ戦略を考え、国内外における脱炭素社会への移行(トランジション)など、持続可能な社会の発展に積極的に取り組むことで、お客さまと<みずほ>の企業価値向上を目指していきます。(別紙5)

今後に向けて

こうしたグループ一体での取り組みが評価され、環境省が主催する第2回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、みずほフィナンシャルグループが金賞(環境大臣賞)、みずほ証券が銅賞を受賞しました。9

これを励みに、持続可能な社会の実現に向けた取り組み(サステナビリティアクション)を引き続き強化していきます。

近々では、女性活躍をはじめとしたダイバーシティ&インクルージョンを一層加速するため、企業の重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目指す「30% Club Japan」の趣旨に賛同し加盟する予定です。

<みずほ>は、今般のサステナビリティアクションの強化についてグループ各社の役職員に周知徹底し、お客さまにとって価値ある対話ができるようサステナビリティへの理解促進・浸透を図るとともに、各ステークホルダーとのコミュニケーションの強化に引き続き努めていきます。

また、情報開示の高度化にも注力し、今後、TCFDレポート2021(6月予定)、統合報告書(7月予定)、ESGデータブック(8月予定)、SASB Index(9月予定)などの開示を予定しています。

  • 1対象: グループ8社(みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほリサーチ&テクノロジーズ、アセットマネジメントOne、みずほプライベートウェルスマネジメント、米州みずほ)
  • 2Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼等)
    Scope2:他者から供給された電気等の使用に伴う温室効果ガスの間接排出
  • 32019年度シナリオ分析結果: 炭素関連セクター(国内)を対象に、現状の事業構造を転換しないシナリオ/事業構造転換を行うシナリオを用いて分析。事業構造転換を行うシナリオの方が、短期的な影響はあるものの中長期的には与信コストの増加を抑えられる(化石燃料依存事業からの脱却を推し進めた結果、業績後押し効果が期待される)ことを確認。詳細は TCFD レポート 2020 参照
  • 4石油・ガスセクターにおける対象先基準の見直し(与信残高USD50M以上→全与信先)、石炭採掘セクターの新規追加等により、対象先拡大。2020年度は、化石燃料関連・パームオイルセクターは全与信先が対象
  • 5炭素関連セクター: TCFD提言の定義(GICS(世界産業分類基準)における「ユーティリティ」「エネルギー」が対象。但し水道、独立発電、再生可能エネルギー事業者は除く)に基づき分類
  • 6改定内容の詳細については(別紙3)ご参照
  • 7目標値:サステナブルファイナンス25兆円(うち環境ファイナンス12兆円)、2019–2030年度累計
  • 8正式名称:グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
  • 92021年2月24日付プレスリリース https://www.mizuho-fg.co.jp/release/20210224release_jp.html
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