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スチュワードシップ責任とESG投資への取り組み

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推進体制

グループの運用機能を担うアセットマネジメントOneでは、2016年10月の発足と同時に「責任投資部」を新設し、環境・社会・コーポレートガバナンス(ESG)に関する議論を投資先企業等と積極的に行うエンゲージメントや議決権行使への取り組みを進めています。

さらに、企業の持続的な価値向上につながる対話力強化を目的に、国内外のパッシブ運用関連のエンゲージメントを担当するESGアナリストを拡充するとともに、2017年4月、確立されたプロセスを有する大手エンゲージメント会社のHermes EOSと提携し、海外企業に向けたエンゲージメントを開始しました。

また、アクティブ運用におけるESG投資強化の目的で、2020年4月より新たにサステナビリティ・インベストメント・チームを設置しました。

イメージ図

エンゲージメント活動の考え方

アセットマネジメントOneでは、重点的に対話する企業を選定し、エンゲージメント活動を実施しています。

株式運用の大部分を占めるパッシブ運用では、市場への影響度を考慮した上で、ESG課題への取り組み状況などに応じて対話する企業を選定しています。

また、アクティブ運用では、企業の課題とその解決時に見込まれる企業価値への影響を考慮した上で、エンゲージメント活動を展開しています。

エンゲージメント活動の実績

エンゲージメント活動のテーマ割合(2019年度)

エンゲージメント活動のテーマ割合(2019年度)

*対象:国内株式

  • *気候変動に関する2019年度の割合は5.8%(89件)

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テーマ 主な内容
環境課題 気候変動や生物多様性、汚染と廃棄物等、環境課題への対応
社会課題 ダイバーシティや労働基準/安全衛生、製品責任等、社会課題への対応
ガバナンス課題 取締役会構成やリスクマネジメント等のガバナンス課題への対応
ESG課題 CSR/ESGの情報開示やCSR調達など、環境・社会・ガバナンスの各課題を跨ぐESG課題への対応
企業戦略 中長期的な企業価値向上に資する経営戦略・事業計画等
資本構造/財務戦略 資本効率の向上と持続的成長に資する財務戦略、資本政策等
業績 業績変化とその要因等
  • *2019年度にテーマを見直しました。
  • これまでのエンゲージメント活動のテーマと割合

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テーマ 主な内容 2017年度 2018年度
社会・環境*
(リスク・収益機会等)
気候変動や働き方改革など経営への影響の大きい事象等への対応 18.6% 30.5%
ガバナンス 経営体制、コーポレート・ガバナンス等 19.5% 27.5%
企業戦略 中長期的な企業価値向上に資する経営戦略・事業計画等 40.7% 25.7%
資本構造 資本効率の向上と持続的成長に資する財務戦略、資本政策等 4.9% 7.4%
業績 業績変化とその要因等 15.2% 6.5%
その他事項
(不祥事等)
不祥事に対する対応等 1.0% 2.4%
  • *気候変動に関する2018年度の割合は4.2%(87件)

各テーマに関するエンゲージメント事例

事例1

環境
食品ロス問題、廃棄物削減問題に関し、小売大手とサプライチェーン全体での環境課題解決に向けた具体的な取組み内容についてエンゲージメントした事例。

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アナリストの課題認識 大量生産・大量消費型の経済発展は、地球規模での環境負荷を強め、生態系に不可逆的な被害をもたらし、企業活動の制約要因となってきており、取組みの遅れは企業価値の毀損に直結する。循環型社会の形成も念頭に置いたサプライチェーン全体での廃棄物の管理に向けた先進的な取組みはリスク抑制や本業の競争力強化に繋がる可能性が高い。
経営陣との対話 サーキュラーエコノミーへの取組みが喫緊の課題であることを指摘し、プラスチックレジ袋の廃止、オリジナル商品容器の脱プラスチック化、食品廃棄物量削減、食品廃棄物のリサイクルの実施状況等確認。また、こうした取組みが、より一層サステイナブルな事業基盤の確立に繋がるのではないかとの論点で議論。
A社の回答 取締役より、「発注精度向上及び包装の工夫による長鮮度化等により食品ロス削減に取組んでいる。プラスチック対策では、レジ袋は比較的高い辞退率になっている。まずは有償化で対応、その後脱プラスチック化を進める。ユニークな取組みとして、化学メーカーと協業した環境にやさしい原料の開発、顧客参加型のペットボトル回収機設置、再生ペットボトル使用商品も開始。環境対策による経済効果も検証し、企業価値向上に繋げていきたい。」との回答を得た。

事例2

社会
世界的な製薬会社への飛躍を目指す企業に対し、途上国の大きな社会課題となっている医薬品の普及について、リスクと事業機会の観点から意見交換した事例。

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アナリストの課題認識 発展途上国における医薬品アクセス改善について、医薬品メーカーに対し世界的に要請が高まる中、開発力はもとよりその供給姿勢も重要課題となっている。当社は、「世界中の患者さんの健康に貢献する」という企業理念のもと世界的な製薬会社への飛躍を目指しており、途上国での医薬品普及に向けた取組みが重要性を増している。
経営陣との対話 途上国での医薬品普及促進について、世界的イニシアチブ「医薬品アクセス(Access to Medicine)」への取組みを統括するグローバル責任者と面談。同イニシアチブに参加することによるリスクと事業機会について意見交換するとともに、取組みに対するガバナンス体制を確認。
B社の回答 会社側より、「同イニシアチブの評価項目(マネジメント体制、コンプライアンス、研究開発、価格設定、特許、能力構築、寄付など)への取組みを強化してきているところ。当社では単なる社会貢献活動としてではなく、現地医療制度の強化に向けた取組みがエマージング諸国のビジネス戦略における大きな柱であると認識している。また外国人CEOがリーダーシップを発揮する形で、イニシアチブにおける評価も上昇しており、社内のモチベーション向上にも好影響を与えている。」との回答を得た。

事例3

ガバナンス
役員向け研修会の講師依頼を受け、ESGアナリストが、「投資家が求める経営戦略とは」をテーマに講演。企業側経営陣とガバナンス強化の必要性について認識を共有した事例。

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アナリストの課題認識 取締役会が経営環境の変化に柔軟に対応し、持続的な企業価値向上に向けた機能を十分発揮するためには、構成メンバーの知識・経験・能力などの多様性が確保されているべきである。一方、透明性・合理性の高い意思決定を行う仕組は、リスクの抑制や本業の競争力強化に繋がる可能性高い。
経営陣との対話 これまで幅広いテーマでエンゲージメントを実施してきたところ、会社側より役員向け研修会の講師依頼を受け、ESGアナリストが「投資家が求める経営戦略とは」をテーマに環境戦略について講演。環境対応を意識した事業展開は、"創業者精神"に合致するものであり、リターンに繋げる材料も豊富に揃っているように見受けられるものの、事業戦略への落とし込みやそれを実現していく上でガバナンス体制のより一層の強化が必要であることを指摘。
C社の回答 質疑応答で、執行役員から時間軸の長いESGへの取組みと目先の業績へのコミットメントの相反する関係について質問があり、当方より、「非常に難しい問題であるが、評価体系の工夫など、経営の意識改革が必要である。」との考えを伝えた。また、社長から、「魂が入っていないということですね」との感想があった。経営企画担当の常務執行役員からは、「非常に参考になった。経営陣には、長期目線での対応を促している。」との回答を得た。

事例4

企業戦略
時間軸の異なる事業戦略について、水産大手の経営トップと議論し、あるべき企業価値向上策や優先すべき経営課題の共有を図った事例。

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アナリストの課題認識 業績悪化局面での水産資源アクセスの強化に向けた過大投資を懸念し株価は下落。水産資源アクセスの強化は長期的な重要課題であるものの、加工品事業の強化や販路の国際化による収益体質改善策を明確にすることも、持続的な企業価値向上を図る上で重要である。
経営陣との対話 業績及び各種取組み施策について、同業他社比較資料を作成し、社長に提示。過去の業績改善要因が「加工品事業の改善と販路の国際化」であった点を指摘し、同様の戦略を継続する必要性について意見交換。また、水産物価格高騰局面での水産資源確保のための過大投資が同業他社の失敗の二の舞になるリスクについて議論。
D社の回答 社長より、「水産資源アクセスの確保は長期的には重要であるものの、現状の財務体質では水産資源確保のための大規模投資より収益体質改善が最優先であることは同意する。」との回答を得た。

ESGに着目した商品の開発

近年、中長期的な財務情報の基盤として、非財務情報である環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の要素を考慮する「ESG投資」に対する機関投資家の関心が高まっています。お客さまと社会の発展に貢献する運用機関であり続けるため、アセットマネジメントOneは、中長期的な財務情報の基盤となるESG情報の重要性を強く認識し、ESGと運用戦略の融合を図っています。

ESG国内債券ファンド

アセットマネジメントOneは、ESG評価を投資判断に組み込んだESG投資戦略の一環で、2017年8月に「ESG国内債券ファンド」を設定し、機関投資家に提供を開始しました。当ファンドは、アセットマネジメントOneのリサーチ力、ESG投資のノウハウ、議決権行使データ(年間約2,000社)に、みずほ第一フィナンシャルテクノロジーによるESGデータ分析モデルを融合させ、ESGの観点から高リスクの銘柄への投資を避け、ダウンサイドリスクの低減と安定的なリターンの獲得を目指しています。

CSV*に着目した集中投資型ファンド「サステナビリティ・リサーチ戦略」

アセットマネジメントOneは、社会的課題への取り組みを通じて利益成長が可能な銘柄に厳選投資し、収益の獲得を目指す集中投資型ファンド「サステナビリティ・リサーチ戦略」を機関投資家向けに提供しています。本ファンドは、ESG評価の高さだけでなく、「リターンの観点」をより重視し、社会課題解決への取り組みを通じた利益成長が見込める企業を厳選し、投資しています。本ファンドの組成にあたり、「持続可能な開発目標(SDGs)」など、社会課題の動向調査やESG側面からの企業評価については、企業へのCSRコンサルティング実績が豊富なみずほリサーチ&テクノロジーズと協働で実施しています。企業が長期的にCSV経営を行っていくためには、企業理念がCSVに即しており、経営陣の強いこだわりが重要との考えのもと、企業との建設的な対話の中で、CSV経営への姿勢を見極めています。

  • *CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が2011年に提唱した経済的価値と社会的価値を同時実現する経営モデル
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