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スチュワードシップ責任とESG投資への取り組み

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推進体制

グループの運用機能を担うアセットマネジメントOneでは、2016年10月の発足と同時に「責任投資部(現:スチュワードシップ推進グループ)」を新設し、環境・社会・コーポレートガバナンス(ESG)に関する議論を投資先企業等と積極的に行うエンゲージメントや議決権行使への取り組みを進めています。

アセットマネジメントOneは、「投資の力で未来をはぐくむ」をコーポレートメッセージに掲げ、お客さまと社会に貢献する資産運用会社として、"サステナビリティを経営に練り込む"ことを明確にしています。市民社会や投資家の関心度を示す「サステナブル・マテリアリティ」と経済インパクトを表す「フィナンシャル・マテリアリティ」の2軸(ダブル・マテリアリティ)から、グローバルな環境・社会課題を捉えるマテリアリティ・マップを作成し、9つのコア・マテリアリティ(気候変動/生物多様性/ビジネスと人権/水資源/サーキュラーエコノミー/ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン/持続可能性なフードシステム/大気・水質・土壌汚染/健康とウェルビーイング)を特定。更に、各課題間の相互連関性を踏まえ、3つのフォーカスエリア(気候変動、生物多様性と環境破壊、人権と健康・ウェルビーイング)を設定しています。アセットマネジメントOneは今後これらの3つのフォーカスエリアを軸に、特定したマテリアリティをエンゲージメントや議決権行使に反映していきます。

イメージ図

エンゲージメント活動の考え方

アセットマネジメントOneでは、重点的に対話する企業を選定し、エンゲージメント活動を実施しています。

株式運用の大部分を占めるパッシブ運用では、市場への影響度を考慮した上で、ESG課題への取り組み状況などに応じて対話する企業を選定しています。

また、アクティブ運用では、企業の課題とその解決時に見込まれる企業価値への影響を考慮した上で、エンゲージメント活動を展開しています。

エンゲージメント活動の実績

エンゲージメント活動のテーマ割合(2022年度)

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テーマ 2022年度
環境 気候変動や生物多様性、サーキュラーエコノミーなど環境課題への対応 14.9%
社会 ダイバーシティやビジネスと人権、健康とウェルビーイングなど社会課題への対応 7.4%
ガバナンス・情報開示 取締役会構成や資本効率、リスクマネジメント等のガバナンス課題への対応,統合報告やサプライチェーン・マネジメントなどのサステナビリティ経営への取り組み 45.9%
その他(日本の課題) 地方創生(地域社会)およびデジタルトランスフォーメーションへの対応 6.4%
企業戦略 企業価値向上や財務安定のための経営戦略や財務・資本政策、事業計画等 25.4%

*対象:国内株式・国内債券アクティブ

エンゲージメント活動のテーマ割合(2022年度)

各テーマに関するエンゲージメント事例

事例1

環境
GHG排出量の詳細開示、1.5℃シナリオ分析の高度化、事業ポートフォリオの脱炭素化と強靭化を推進する社内メカニズム構築など気候変動対応の進展が確認できた事例。

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アナリストの課題認識 サプライチェーン全体でのGHG排出量開示に加え、1.5℃シナリオ分析の高度化、TCFDにおける財務影響の開示など、気候変動リスクの低減やエネルギートランスフォーメーション(EX)戦略による企業価値向上に向けたアピールを強化する必要がある。
経営陣との対話
  • Scope3カテゴリー11(販売した製品の利用による排出量)の開示、1.5℃シナリオ分析の高度化など、気候変動対応の着実な進展を確認したことを伝達。
  • TCFDにおける財務影響など更なる開示の充実、Scope3を含めたネットゼロに向けた方向性など幅広く対話を実施。
A社の回答 会社側より、「Scope3カテゴリー11の排出量は日本でも最大になり社内で様々な意見はあったが、開示すべきとの結論に至った。1.5℃シナリオは、IEA2050年ネットゼロシナリオを補完する形で独自に作成。財務影響開示は引き続き課題だが、原料炭や天然ガスの利用による影響額の単純な提示は誤解を招く可能性があるので、Scope3削減やEX戦略の積極的な推進などを含めてアピールを強化していく方針。」との回答を得た。

事例2

社会
日本を代表する高収益企業に対し、更なる企業価値向上を図る上で、人的資本マネジメントの強化がマテリアルな課題であるとの認識を共有した事例。

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アナリストの課題認識 グローバル展開を加速する上で、人的資本経営/人材戦略の更なる強化が重要課題。日本を代表する企業としてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進が求められる。
経営陣との対話 OJT等人材育成に定評のある同社だが、①付加価値の高い商品を創造し続けること、②海外販売比率を高めることを社長が課題認識しており、更なる企業価値向上に向けた人的資本経営/人材戦略のあり方について対話。各種データをもとに、海外人材の育成強化、女性活躍の推進、人材の長期育成に課題があるのではないか、との論点で議論。
B社の回答 会社側より「付加価値の高い商品を創造し続け、海外販売比率を高めていくためには、ご指摘の通り、海外人材の育成強化、ダイバーシティの推進、人財の長期育成等人的資本マネジメントの更なる取組み強化が重要と認識しており対応していく。」との回答を得た。

事例3

ガバナンス
経営トップのリーダーシップが強い企業に対し、サクセッションプラン(後継者の育成計画)について、株式アナリストとESGアナリストが連携し継続的に対話してきた事例。

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アナリストの課題認識 取締役会構成について議論を深め、ダイバーシティの推進、サクセッションプランに基づくCEO選定等サステナブルなガバナンス体制の構築に向けた更なる取組み強化を促す必要がある。
経営陣との対話 サクセッションプランや新体制移行に向けた取組内容を確認するとともに、CEOや(社外)取締役の後継者計画が実効的なガバナンス体制の構築となっているかについて意見交換。
C社の回答 会社側の代表取締役会長より、「社長人事の混乱は、社内の人材に十分目を向けてこなかった私の責任。次期社長候補者は誰がなってもおかしくない人材。現在、指名委員会で議論しているところ。同委員会は社外取締役が過半を占めており、私としては委員会の結果に従う方針。社外取締役については、有能であれば男女問わない。会社経営経験者がいないことをよく指摘されるが当社に来てくれる人がいたら是非ご紹介頂きたい。」との回答を得た。

ESGに着目した商品の開発

近年、非財務情報である環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の要素を考慮する「ESG投資」への投資家の関心が高まっています。お客さまと社会の発展に貢献する運用会社であり続けるため、アセットマネジメントOneは、中長期的な財務情報の基盤となるESG情報の重要性を強く認識し、ESGと運用戦略の融合を図っています。

ESGフォーカスファンド

国内ESGフォーカスファンドは、当社が考えるサステナブル投資商品を体現するESG投資商品です。
持続可能な社会を実現する原動力となる企業に投資することで、持続的なフィナンシャルリターンと、次世代に手渡したい地球・社会の実現といったソーシャルリターンへの貢献の双方を実現することをコンセプトとしています。そのために、以下の3点の特徴を組み込んだ投資戦略を構築しています。

①ダブルマテリアリティ・アプローチに基づく有望業界の評価

当社独自に策定した「マテリアリティ・マップ」を基に、事業機会拡大が見込める有望業界の発掘、評価を実施すると共に、企業を評価した当社独自の「ESGレーティング」を活用して、持続可能性実現に向けた社会からの要請に迅速に対応する経営を実践する企業を選別します。

②ESG専門人材による事業機会の発掘と経営品質評価

「マテリアリティ・マップ」に基づく業界評価を起点に、ESG分析に特化したESGマクロリサーチチームとESG定量分析チームがリサーチを行い、「環境・社会課題を解決する事業を行う企業」や「ESG対応力の高い企業」を、投資候補先企業として抽出します。その後、収益力の持続性とバリュエーション等から投資対象としての評価を行い、将来にわたって高い資本収益性が期待できる企業をポートフォリオに組入れます。

③高いプレゼンスを生かした投資先企業とのエンゲージメント

投資先企業に対して、当社のセクターアナリストとESGアナリストが共同してエンゲージメント(対話)を行い、投資先企業のESG対応力の向上を図ります。

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