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コラム連載
井内菜津美の「ともに挑む。ともに実る。」

2023年10月30日 第2回 ~〈みずほ〉の社員として歩む、喜びと責任を感じる日々~

記事内の写真を集約したイメージ

井内選手が、〈みずほ〉の社員となったのは2019年8月。
入社後は、競技に専念できる生活となり、日々の過ごし方が大きく変わったといいます。
さらに新型コロナによる規制が緩和されてからは、〈みずほ〉社員と直接交流する機会も増えています。
〈みずほ〉の社員となって4年。「喜びとともに責任感や緊張感を感じる」日々を過ごす井内選手、そして、近くで日々支える社員や、交流会に参加した社員に話を聞きました。

〈みずほ〉社員となって変わった生活

〈みずほ〉に入社するまでは、企業のマッサージ師としてフルタイムで仕事をしていた井内選手。タイムが伸び悩み、競技に専念できる環境を求めて転職活動をしていた中で出会ったのが〈みずほ〉でした。

入社前は、1日2時間ほどしか練習に費やせなかったといいますが、入社してからは1日の半分以上をトレーニングに費やし、さらに筋トレもヨガも体のケアも十分に行うことができているといいます。

井内選手が笑顔で語っている写真

(いつも充実感のある表情で日々のトレーニングについて語る井内選手)

そうした日々に、充実感を得ると同時にこれまでとは違う感覚もあると井内選手は話します。

井内選手が笑顔で語っている写真

(いつも充実感のある表情で日々のトレーニングについて語る井内選手)

—井内:トレーニングをして結果を出すことが自分の仕事になったことで、その環境に喜びを感じると同時に、責任感や緊張感も感じています
〈みずほ〉社員との定例ミーティングなどで、1つ1つのトレーニングの目的を言葉にする機会ができたので、日々のトレーニングの効果も以前より増しています。

みずほの旗を前に岐阜支店の社員と撮った写真

(岐阜支店では、グループ社員あわせて約25名が交流会に参加。)

〈みずほ〉社員とつながり、刺激し合う交流会

こうした日々の変化だけでなく、同じ〈みずほ〉の社員と直接交流する時間を持てることも、自身にとって大きな意味を持つといいます。

2023年6月には、ジャパンパラ陸上競技大会が行われた岐阜の支店で、大会前日に交流会を行い、その交流会に参加した社員やその家族が試合の応援にも駆け付けました。

みずほの旗を前に岐阜支店の社員と撮った写真

(岐阜支店では、グループ社員あわせて約25名が交流会に参加。)

さらに、今年度初めてフルマラソンを走った8月の北海道マラソンに合わせ、札幌支店でも交流会を行いました。

ブラインドマラソンについてクイズを行ったり、井内選手が自身のこれまでの歩みについて語ったり、翌日に控えた北海道マラソンへの意気込みを話したり…さらに、社員がアイマスクをつけてブラインドの世界の体験も行いました。

井内選手を囲んで札幌支店の社員と撮った写真

(札幌支店では、グループ社員あわせて約50名が交流会に参加。)

井内選手を中央に5人の社員が体験している写真

(社員がアイマスクをつけてぬいぐるみの種類を当てるクイズ。他にも歩行体験を行った)

さらに、今年度初めてフルマラソンを走った8月の北海道マラソンに合わせ、札幌支店でも交流会を行いました。

井内選手を囲んで札幌支店の社員と撮った写真

(札幌支店では、グループ社員あわせて約50名が交流会に参加。)

ブラインドマラソンについてクイズを行ったり、井内選手が自身のこれまでの歩みについて語ったり、翌日に控えた北海道マラソンへの意気込みを話したり…さらに、社員がアイマスクをつけてブラインドの世界の体験も行いました。

井内選手を中央に5人の社員が体験している写真

(社員がアイマスクをつけてぬいぐるみの種類を当てるクイズ。他にも歩行体験を行った)

こうした社員との交流の場は、井内選手に力を与える時間となっています。
—井内:レース前に、皆さんの前で『こんな思いを持って頑張ってきた。明日頑張ります。結果を出します。』と宣言することで、レースにかける想いがより強くなります
さらに、交流した社員が、レース当日に沿道で『井内さん頑張れ』と名前を呼びながら応援してくださることで、私にはこんなに応援してくれる人がいるんだと思うことができ、レース中のしんどい時にもうひと踏ん張りできました。社員と交流できることは、私の心理面にとても大きなプラスの影響があるんです

みずほの旗やタオルを手にして応援している写真

(北海道マラソンのロードには前日に交流会に参加した社員が応援に。名前を呼びながら声援を送った)

また、札幌支店での交流会では「視覚障がいのある人が銀行の支店に行くと不安があるので、まずは声をかけてほしい。『人が多いのでお待ちください』という一言があるだけで、長時間待っていても安心できます」と、支店に勤める社員が、すぐに職場で実践できるようなアドバイスも送りました。

今回、札幌支店での交流会を運営から担当した、みずほ銀行 札幌法人部の松井規之さんと露木毅さんです。

壁に貼った北海道の地図の前で並ぶ2人の写真

(左から、札幌法人部の松井さん、露木さん)

露木毅さん
「〈みずほ〉がこうしたパラスポーツの支援をしていることについて、これまではぼんやりとしか知りませんでしたが、実際に直接井内選手に話を伺うことができて、こうした選手を支援している〈みずほ〉の取組み自体の意義も感じました。
また、はじめは井内選手に対して『どんな質問をすればいいんだろう』『障がいについて聞くのは失礼なのではないか』と思っていましたが、会ってお話をするとその気持ちは吹き飛びました。」

松井規之さん
「私も同様です。障がいをハンディと感じて、構えてしまっているのは実は自分たちの側だけだったと気づきました。実際にお会いすると、そんな気持ちはなくなって、その明るさに惹かれました。
講演では、『視覚に障がいがあると日常をどんな感覚で過ごしているのか』『文字を読むためにどんな機器を使っているのか』など、知らなかったお話をたくさん聞けて、とても大切な機会になりました。」

ともに歩む〈みずほ〉社員

こうして全国各地の社員と少しずつ交流の機会を増やしている井内選手。
そんな井内選手のことを、日々気にかけ、ともに歩む社員がいます。

みずほフィナンシャルグループ コーポレートカルチャー室の阿部優奈さんです。

みずほののぼりとともに撮った写真

(岐阜で行われた大会にて撮影。阿部さんは、井内選手の出場する大会に多く帯同している。)

井内選手とは、毎週2回のミーティングに、毎日の練習スケジュールの把握と調整。さらに、コーチや伴走者も一緒に参加するミーティングにも参加。そして、毎日、井内選手の書く「業務報告」日誌のチェックも行っています。まさにマネージャーのような存在です。

井内選手は、阿部さんについて、
「すごくありがたい存在です。普段の生活やトレーニングの状況について頻繁に話をしているので、私自身の状況をしっかり理解いただいています。そうした方が常に一緒に動いてくださっていることはとても心強いです。」
と話します。

並んで立つ2人の写真

(左から、阿部さん、井内選手)

阿部さんご自身は、現在の部署に異動してから初めてパラスポーツと関わるようになったといいますが…。
「関わるようになる前は、障がいやパラスポーツについて、『自分とは世界が違う』という感覚がありましたが、今となっては『そんな壁はない』と思っています
私自身は、井内選手にとっては厳しいことを言うときもありますが、それは社会人としてやるべきことを一緒にやっていきたいという思いからです。今は2024年のパリパラリンピックに出ることを目標に据えていますが、長期的には、井内選手ご自身と、〈みずほ〉として社会の中で何ができるのかということも一緒に考えていきたいと思っています。」

そしてもう1人、井内選手が拠点としている大阪エリアにも、ともに歩む社員がいます。
みずほ銀行 秘書室の藤原絹世さんです。

ガッツポーズで並ぶ5人の写真

(大阪エリアのメンバーで撮影。真ん中が井内選手。右が藤原さん)

そしてもう1人、井内選手が拠点としている大阪エリアにも、ともに歩む社員がいます。
みずほ銀行 秘書室の藤原絹世さんです。

井内選手が月に1度大阪の執務室に出社する際、机を並べて仕事をしています。
その日を毎月心待ちにしているという藤原さん。実は、井内選手は、藤原さんにとっての"恩人"だそうです。
「井内さんと出会ったのは、私自身がちょうどキャリアについて悩んでいた頃でした。ですが、いつお会いしても穏やかな声と表情で、ぶれない軸を持って努力を続けている井内さんの姿を見て、私自身も前向きでいられるようになったんです。」

ガッツポーズで並ぶ5人の写真

(大阪エリアのメンバーで撮影。真ん中が井内選手。右が藤原さん)

井内選手が大阪の執務室に出社するようになって、執務フロアにはある変化が起きました。

写真

(大阪拠点に敷かれるようになった点字ブロック)

井内選手が大阪の執務室に出社するようになって、執務フロアにはある変化が起きました。

井内選手が通るフロアに点字ブロックが敷かれるようになったのです。ビルを改修できないため仮設ではありますが、ずれてしまったり浮き上がってしまったりするたび、気づいた人が直すことが、大阪拠点恒例の景色になったそうです。

さらに、藤原さんは、
「ビルの入り口の警備員さんが、井内選手の出社のたびに腕を貸して誘導し、その間1分にも満たない時間で、大会や合宿のことなど近況を聞くのが楽しみなんだそうです。同じ大阪のビルで働くいろいろな人がこうした井内選手とのエピソードを嬉しそうに語っていて、それを聞いた私もまた温かい気持ちになる…そんな幸せな連鎖が生まれているんです」
と声を弾ませて話します。

責任感と緊張感を持ち、結果で恩返ししたい

〈みずほ〉に入社し、競技に専念できる環境を手に入れたと同時に、社員とも信頼関係を築き、前向きな力を与えあっている井内選手。
自身を取り巻く環境に感謝し、結果で恩返ししたいと覚悟を持っています。
—井内:東京パラリンピックによって、パラアスリートの雇用環境は少しポジティブな変化はありますが、今も、人によっておかれる状況は様々です。
私自身は転職して〈みずほ〉に入社したことで、記録も伸び、成長することもできています。この感謝の気持ちを、あとは結果で恩返しできるように、2024年のパリパラリンピックを目指して頑張ります。社員の皆さんの前でも宣言しているので、有言実行できるように、責任感、緊張感を持ち続けます。」


〈インタビュアー/執筆者〉

みずほリサーチ&テクノロジーズ 社会政策コンサルティング部
ヒューマンキャピタル創生チーム 主任コンサルタント 堀 菜保子

みずほののぼりとともに撮った写真

(岐阜の大会で井内選手を取材した際に撮影)

2017年日本放送協会にアナウンサーとして入局。「おはよう日本」スポーツキャスター、東京オリパラ・北京オリパラの現地キャスターなどを務める。主に、「障がい」「パラスポーツ」「ジェンダー」「LGBTQ+」「先住民族」「DV」などについて、取材・記事執筆・番組制作。
2023年4月より現職。外国人技能実習生や障害児等に関する官公庁の受託調査研究業務、性的マイノリティや女性の人権尊重における地域金融機関の役割に着目した事業開発、「ビジネスと人権」や「人的資本経営」に関する企業支援等に従事。ISO30414リードコンサルタント/アセッサー。

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