株式会社みずほ銀行とKOKO Networks Limitedによるカーボンクレジット分野に関する戦略的パートナーシップの構築について

株式会社みずほフィナンシャルグループ（執行役社長：木原 正裕）傘下の株式会社みずほ銀行（頭取：加藤 勝彦）は、ケニアの気候テック企業であるKOKO Networks Limited（以下「KOKO」）と、このたび、カーボンクレジット分野に関する戦略的パートナーシップの構築を目的とする覚書を締結しました。

国連食糧農業機関（FAO）によると、アフリカの都市部で調理に使われる主要な燃料である木炭は、アフリカ大陸の森林破壊の主な原因となっています。また、木炭を燃やすことによる室内大気汚染により、アフリカ大陸全体では毎年数十万人が死亡しており、特に5歳未満の子どもの肺炎や急性呼吸器感染症による死亡が社会課題となっています。
KOKOは、この課題に取り組み、クリーンエネルギーの普及を促進するために、アフリカの国々を木炭依存から移行させる新しい技術主導のプラットフォームを設計し運営しています。

KOKOは、アフリカの燃料転換と森林破壊の課題を解決するために設立された2014年設立の気候テック企業です。ケニアの8都市で約100万世帯に低コストのバイオエタノール燃料を供給するエネルギー事業を運営しています。この燃料は、コンビニエンスストア内に設置された約2,500台のKOKO Fuel ATMから購入でき、森林破壊につながる木炭の代替として、KOKOのバイオエタノール燃料用のクックストーブ（※1）に利用されています。

KOKOによって削減された炭素削減量によるカーボンクレジットは、グローバルな規制市場と自主的な炭素市場で販売され、カーボンクレジットからの収益は、各家庭への安価な燃料供給を実現するために利用され、低所得者層でも燃料を購入できるようにしています。

カーボンクレジットは、先進国の企業が脱炭素化に取り組む際に、自社のバリューチェーン外におけるCO2排出量の削減への貢献をすることを可能にし、先進国の脱炭素化に向けた資金を新興国等の排出削減に貢献する事業に直接振り向けることができます。今後、企業単位でのネットゼロ達成のみならず、社会全体でのネットゼロ達成のためには、自社のバリューチェーン外でのCO2排出量削減に貢献することも非常に重要であり、自社排出量の直接的な削減の取り組みの補完としてカーボンクレジットの取得ニーズが高まることが見込まれます。

〈みずほ〉は、本覚書の締結により、KOKOとの連携を通じたカーボンクレジットの取得機会とKOKOとの協業による環境貢献型の新規ビジネス機会等をお客さまに対して提供することを目指していきます。

なお、伊藤忠商事株式会社（代表取締役社長COO：石井敬太、以下「伊藤忠商事」）は、このたび、KOKOの脱炭素事業拡大の支援を行うと共に、本事業で取得するカーボンクレジットを通してお客さまの脱炭素の取組に貢献することを目的に、カーボンクレジットの長期オフテイク契約を締結しました。今後、KOKO、みずほ銀行、伊藤忠商事は、カーボンクレジット市場の発展に向けた三社間での連携も視野に入れた検討を進めていきます。

加えて、〈みずほ〉はカーボンクレジット分野において、2021年8月、世銀グループの一員であるInternational Finance Corporation（以下「IFC」）との間で、日系企業に対するボランタリーカーボンクレジットを対象とするカーボンクレジットファシリティ組成に関する業務提携覚書を締結しています。IFCとの協業によりIFCが発掘・選定する質の高い森林保全等のプロジェクトから創出されるボランタリーカーボンクレジットを日系企業へ提供していきます。

〈みずほ〉は、KOKOやIFCとの協業等を通じ、創成期にあるカーボンクレジット市場を拓き、社会やお客さまのカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

• （※1）クックストーブとは、調理や暖房に使われるかまど。木炭等の伝統的な調理方法を使用している地域では、大気汚染等の環境被害や人々への健康被害が深刻化しており、それらの解決に向け、新しいクックストーブ（高効率のクックストーブ、エタノール等への燃料転換を伴うクックストーブ等）設置を支援するプロジェクトが増えている。

以上