〈みずほ〉社員のキャリアストーリー

2025年3月21日

障がいを超えて心のバリアフリー実現を。メンバーの個性を活かすリーダーのチャレンジ

〈みずほ〉の事務を受託するみずほビジネス・チャレンジドで、業務第二部 業務開発チームに在籍する山田 圭吾。パートタイマーから正社員、チームリーダーへとステップアップしてきました。さまざまな障がいのあるメンバーたちとともに働く中で大切にしていることや、「心のバリアフリー」の実現をめざす想いを語ります。

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山田 圭吾

一人ひとりの性格や特性を踏まえて仕事を割り振り、育成にも力を尽くす

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「障がいに負けることなく社会に進出していこう」というチャレンジ精神を持った人たちを表す〈チャレンジド〉。その言葉を社名に盛り込み、障がいのある従業員たちとともに成長をめざしているのがみずほビジネス・チャレンジドです。

みずほフィナンシャルグループの特例子会社として、みずほ銀行をはじめとするグループ各社の事務を受託。その中でも、13人で構成される業務第二部 業務開発チームの業務についてチームリーダーの山田が語ります。

「みずほ銀行の研修で使用される名札の作成や、資料の印刷を任されています。名札は1回につき20人から200人分を受託するほか、研修資料は1回につき15〜20種類を印刷して1セットにまとめ、100〜200名分作ります。

その他にもNISAやiDeCoに関わるご案内チラシや、社員のご家族が職場を訪問する『職場ファミリーデー』では、お子さま向けに配るおこづかい帳を印刷するなど、取り扱う対象は多岐にわたります」

チームメンバーには肢体等の不自由な社員、聴覚、知的、精神・発達などに障がいのある社員が在籍。山田は全体の業務が円滑に進むように、一人ひとりに合わせたマネジメントを心がけています。

「個々人の障がい特性や強みを踏まえて、仕事の割り振りを考えています。ある資料を印刷し、組み合わせをして発送する作業の場合、『資料を組み合わせることはできるが、発送先の宛名を確認するのが難しい』というメンバーがいれば資料の組み合わせ作業を担当してもらいます。

メンバーの育成も重要な仕事です。当社には個々の目標を設定した『チャレンジシート』があり、私は目標を達成できるように助言したり、メンバーのやりたいことをサポートしています」

日々の業務に打ち込む山田。チームでは3つの目標を掲げています。

「『新しい業務に取り組むチャレンジ』『できなかったことをできるようにするチャレンジ』『業務に付加価値をつけるチャレンジ』です。チームで目標を設けると全員で行動しやすく、チームワークも深められると思い、サブリーダーやジュニアリーダーと相談して決めました。

お客さまへの付加価値としては、送付物に宛名を記した返信用封筒を同封することで先方の手間を省いたり、依頼された納期より早く納品することで、少しでもお役に立てればと考えています」

「どう説明すれば、メンバーが理解して作業を進められるか」と試行錯誤の連続

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▲業務中の様子(写真中央が山田)

山田は2011年、パートタイマーとして当社に入社しました。前職で精神疾患を発症し、新たな職場を求めて就職活動を進めていましたが、精神障がい者が正社員として働ける企業はあまり見当たらなかったと言います。

「そんな中で出会ったのが、みずほビジネス・チャレンジドでした。障がいの特性を問わず正社員への道が開かれていると聞いて、魅力を感じたのです。

まずはパートとして入社し、今も在籍する業務開発チームに配属されました。取り組んだのは、みずほ銀行の研修で使用される名札の作成や、帳票類の印刷です。勤務時間を当初の週20時間から着実に延ばし入社から1年数カ月後には、他の人たちの作業内容を確認する『再鑑者』としての役割を任されるようになりました」

パートから契約社員を経て、入社から2年後に正社員となった山田。仕事に対する真摯な姿勢と周囲への気配りが評価され、2017年からはジュニアリーダーを務めるように。その後、1年ごとにサブリーダー、リーダーと着実にキャリアを積み重ねていきます。

「ジュニアリーダーになった時から、指導する立場としてメンバーをサポートするようになりました。パソコンのIDや委託元の非公開情報の管理、月次の報告に必要な業務集計や報告文書の作成にも、当時から携わってきました。

2019年にリーダーになってからは、部長をはじめとする上席からのアドバイスを受けながら、経営管理業務なども学んでいます」

仕事を進める中で、苦労することもあると率直に語ります。

「メンバーの障がい特性を把握するのは容易なことではなく、どのように説明すればメンバーが十分に理解して作業を進められるかを、日々考えています。

例えば、メンバーが私のサポートを受けながらある作業をやり遂げたとしても、時間が経つと、できなくなってしまうということがよくあります。私がいなくても進められるようにするためには、私がメンバーの障がい特性に合わせた説明をしなければならないのです。

普段から一人ひとりにこまめに声をかけて相互理解を深める努力をしつつ、メンバーにAという伝え方をしてうまくいかなければ、Bという言い方をしてみるなど、今でも試行錯誤の連続です」

すべてのメンバーが安心して、やりがいを持って働ける環境を作りたい

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▲チームメンバーと(写真右が山田)

山田はこれまでの道のりを振り返り、入社当初の忘れられない出会いについて語ります。それは、体の筋肉が徐々に衰えていくという症状のある先輩との心の交流でした。

「私が初めに出会った頃、先輩はA4サイズのコピー用紙1箱(2,500枚入)を一度に持ち運ぶことができていたのですが、徐々に筋力が弱くなり、担当できる作業範囲も狭くなっていきました。

そんな中でも『今できることにチャレンジしよう』と明るく前向きに取り組み続ける先輩の姿を見て、『先輩のために私ができることは何かないか。力になりたい。サポートしたい』という想いが膨らんだのです。

当時の経験が、現在のリーダーとしての仕事に大きく影響しています。私がめざすのは、チームメンバーが安心して、長く働ける環境を作ることです」

リーダーとして重い責任を背負いながらも、周囲との良好な関係に感謝しているという山田。

「普段から、部長やメンバーがサポートしてくれるのでとてもありがたく思っています。私が忙しい時には、メンバーが『この仕事、やりましょうか』と自ら声を掛けてくれます。自分一人でやっているというより、周りの皆さんによって今の場所にいさせてもらっているという感覚なのです」

今の仕事ならではのやりがいとして、山田は「メンバー一人ひとりの特性を大事にしながらサポートした結果、本人がやる気になってくれた時には喜びを感じる」と話します。

「以前、知的障がいのあるメンバーが業務内容の理解に苦労し、落ち込んでしまうようなことがありました。その際、私がメンバーの得意とするところを具体的に褒めたことで、落ち込んだ意欲を取り戻し、『この作業に挑戦してみたい』と申し出てくれるようになりました。この仕事をしていてよかったと、心から思った瞬間です。

そして改めて、メンバーの障がい特性や個性を合わせることで見えてくる『その人ならではの価値観』を理解することで初めて、適切な声かけや、作業に関するアドバイスができるのだと実感しました」

職場で「支え合い」を重ねることで、全員が少しずつ自分らしさを表現していく

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チームの一人ひとりが働きがいを感じられる職場環境づくりに、力を注いできた山田。「自分らしく働く」とはどういうことなのか、自身なりの考えを明かします。

「誰もが無条件に『自分らしく働く』というのは、とても難しいことだと感じています。なぜなら、ある人が自分らしく働こうとすれば、周囲の人が我慢したり一歩引いたりと、自らの言動を抑えて調和を図ろうとするケースがあるからです。

結局のところ、職場の中で支えて、支えられて、という『支え合い・助け合い』を重ねることで、全員が少しずつ自分らしさを表現していけたらいいのではないでしょうか。私も普段のマネジメントで、メンバーが『大変だったけれど頑張って作業のやり方を覚えてよかった』などと達成感を得ながら自分らしく働く様子を見ると、サポートした側としても達成感や喜びを覚えます」

山田は、「感謝」「思いやり」「相互理解」という当社の経営理念を踏まえながら、「社内で心のバリアフリーを一層推進していきたい」と今後に目を向けます。

「精神の障がいがある私自身について言えば、業務上で何か指摘を受けた際には、部長がその意図や理由を説明するなどフォローしてくれるので、心のバリアを感じることなく働けています。

ただ、別の場面ではまだバリアがあると思っています。例えば、聴覚に障がいのあるメンバーが私たちとコミュニケーションを取る際、短い時間で内容を把握するのが難しい場合もあり、時折疎外感を感じさせてしまっているようです。私は『仲間としてしっかり認識しているよ』という姿勢を示すために、ミーティングで手話を交えたり、筆談をしたりして、全員が同じ方向を向けるように努めています。

大切なのは『助け合いの精神』です。自ら率先してそのマインドを広めていくことにより、いつしか心のバリアが完全になくなる日が訪れることを願っています」

すべてのメンバーが持てる力を発揮し、「働く喜び」を実感できる環境をめざしてチャレンジを続ける山田。その一歩一歩が、心の垣根を越えたチームワークの深化へとつながっていきます。

※ 記載内容は2025年1月時点のものです

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