2025年9月3日

サイバーセキュリティ教育×障がい者支援。誰もが輝ける社会をめざす社員

〈みずほ〉社員のA面/B面

〈みずほ〉で働く6万人超の個性あふれる社員。この連載では“仕事の挑戦”をA面、“プライベートの挑戦”をB面として、両輪で挑み続ける〈みずほ〉社員の姿に迫ります。今回話を聞いたのは、サイバーセキュリティ教育・研修と総務業務を兼任しながら、障がいへの理解を深める活動にも取り組む、みずほフィナンシャルグループの升本です。

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株式会社みずほフィナンシャルグループ

升本 美貴子

二刀流で「働きやすい環境」を作る

—升本さんの普段のお仕事を教えてください。

私が所属しているのは、〈みずほ〉やお客さまをサイバー攻撃の被害から守るための体制構築やルール作り、セキュリティ製品の導入、セキュリティ監視やインシデント対応といった、サイバーセキュリティ全般の企画や推進を担う、サイバーセキュリティ統括部という部署です。その中で、私はサイバーセキュリティ教育・研修と総務業務を行っています。

部内のサイバーセキュリティ専門人材の育成のために、外部講師を招いた専門資格を取得するための勉強会や部独自の支援策を企画・運営しているほか、サイバーセキュリティに関する最新の脅威や対策を理解してもらうための研修を企画・開催しています。

一方、総務業務においては、転出入にかかる事務や部内のIDやファシリティの管理を行っています。サイバーセキュリティ業務を推進する部署のため、警察や他行からのトレーニーの受け入れや外部委託社員の受け入れが多く、総務として業務が円滑に進むように、日々基礎を支えています。また、最近では部署が大手町から中目黒オフィスへ移転したため、その対応など働きやすい環境作りのため運営全般を担っています。

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「相手が遠慮せずに心のうちを話せるよう、対話しやすい雰囲気や環境を作ることを大切にしています」と升本さん

—様々な業務を担当する升本さんですが、仕事をする中で、誰かと“ともに挑んでいる”と感じるポイントを教えてください。

部内のメンバーとは常に支え合い、“ともに挑む”関係だと感じています。サイバーセキュリティ分野の資格は高度かつ専門的な知識の習得が必要なため、学習面や金銭面のハードルがたくさんあります。そこで勉強会や様々な支援制度を企画・提供し、部員一人ひとりが前向きにチャレンジできる環境を整えることで、「個の実り」をサポートしています。結果として、それが「部の実り」「社の実り」へとつながると考えています。

総務業務においても、困った時は互いに相談・協力することで助け合いながら、みんなが働きやすい職場をめざしています。部内運営に関する問い合わせや相談が、日々多く寄せられます。その際には「今相手が困っていることは何か」「自分の持つ知識や情報をどう活用すれば相手の悩みを解決できるか」を、会話を通してひもといていくことを心がけています。また、一緒に総務業務を担うメンバーに対しては、業務を依頼することを当たり前と思わずに、相手の状況をまず聞いたうえで作業内容を説明します。理解してもらっているか、不安はないかなど確認し、不安がある場合はしっかり耳を傾けて、どうすれば安心して業務に取り組めるか会話を重ねます。そして対応してもらった際には、感謝の気持ちを伝えるようにしています。

【B面】〈みずほ〉の社員リソースグループ“One's Best”で、障がいへの理解を深める

—プライベートではどんな活動をされているのでしょうか。

〈みずほ〉の社員リソースグループERG※の一つであるOne's Bestのコアメンバーとして活動しています。One's Bestでは、障がいへの理解を深めるとともに、多様な人材の活躍を促す講演会や体験会、交流会を実施しています。月に1回の定例会をベースとして、東京都の特別支援学校の教諭を招いた勉強会を開催したり、障がい当事者の方も交えてイベントを立ち上げたりと、〈みずほ〉以外の方とともに様々な活動を行っています。

※ERG(Employee Resource Group):日々感じている課題や興味・関心を同じくするメンバーが集まり、課題解決に向けたミッションを掲げ、その実現に向けた活動を社員が主体となって企画するグループ

—数あるERGの中から、升本さんがOne's Bestを選ばれた理由は何だったのでしょう?

私には持病のある家族がいました。その家族が社会復帰をめざして就職活動したものの採用に至らず、気持ちが落ち込んでしまったことがありました。そんな体験を踏まえ、障がいがあっても前向きに取り組もうとしている方が、もっと活躍できる場があればいいなと思っていたことから参加したのが、大きな理由です。

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升本さんと同じく、「身近に障がいがある人がいるから理解を深めたい。支える家族として情報交換をしたい」という思いで参加する社員も

—One's Bestでの最近の活動を教えてください。

「発達障害啓発週間」の期間にあたる4月6日に発達障がいのお子さんのための療育支援組織が主催したウォーキングイベントに、ボランティアスタッフとして参加しました。
当日は、障がい当事者やその家族が、スタンプラリーを楽しみながら歩く姿を見て喜びを感じるとともに、メンバー自身も楽しんで活動できたことがとてもうれしかったです。

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毎年4月2日は「世界自閉症啓発デー」として、世界各国で自閉症に関する啓発の取り組みが行われる。日本では4月2日~8日を「発達障害啓発週間」と位置付け、様々なイベントが実施されその一環としてウォーキングイベントが行われた

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参加者の皆さんと、記念撮影!

—写真から、参加者だけでなく升本さんご自身も、チームメンバーとともに楽しんで参加されている様子が伝わってきますね。

自分が家族を支えた時は、一人で抱え込んでしまい、不安や孤独を感じたこともありました。しかし、今は周囲に相談し、頼ることも大切だと感じるようになりました。「一人で悩まず、安心して話せる場があること、同じ仲間がたくさんいること」を発信していくことも私たちの活動意義の一つだと思っています。
One's Bestの定例会でも、メンバーそれぞれが挑戦したい企画を持ち込んでは、ワイワイ楽しくアイデアを膨らませています。

—A面/B面があることで生まれている相乗効果はありますか?

私にとってA面とB面は、意外と共通するところがあると思っています。特にB面が仕事に役立っていると思えるのは「傾聴」と「自分ごととして考える」姿勢です。私が大切にする〈みずほ〉のバリュー「Empathy(多様な意見に耳を傾け、協力する)」にも通じますが、One's Bestでは、時に障がいのある家族がいる社員が悩みを打ち明けることもあります。そんな時はまず、どんな課題や不安があるのかをみんなで傾聴します。そのうえで、自分たちができることを考える。この思考習慣が日々の業務でも役に立っていると感じます。

障がいのあるなしにかかわらず、誰もが輝きながら働ける社会にしたい

—【A面】での今後の目標を教えてください。

〈みずほ〉には、社員の成長を目的とし、本業とは別部門で働きたい人を募集する「社内兼業制度」があります。その制度により、2025年の4月からは人材・組織開発部ダイバーシティ・インクルージョン推進室に任用されました。そこでは、特に障がいをテーマにした全社員向けの「一人ひとりが輝く職場へ多様性理解研修」を企画・作成し実施しました。今後も多くの知識やスキルを身に付け、学びのサポートや働きやすい職場・環境作りに取り組み、〈みずほ〉での障がい者雇用や研修・業務の企画にも携わっていきたいと考えています。

—【B面】での今後の目標はいかがでしょう?

私個人としては、「障がいによって社会に参画できなかったり、遠慮があったりすることがない社会にしたい」という思いを常に抱いています。思いを実現するために自ら学び、周りを巻き込んでいく活動をこれからも続けていきたいです。

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