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CEOメッセージ

株式会社みずほフィナンシャルグループ 取締役 執行役社長 グループCEO 坂井 辰史

はじめに

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

2021年は、新型コロナウイルス・デルタ株の世界的な感染拡大により、多くの場面で様々な活動が制限されました。また、足元においても、オミクロン株によって世界的に感染者数が増加しており、引き続き予断を許さない状況です。新型コロナウイルスの被害に遭われた方々、そして、感染拡大に伴い様々な影響を受けられている皆さまに心からお見舞い申しあげます。

そうした未曾有の状況にある中、みずほ銀行において短期間に度重なるシステム障害を発生させ、また外為法令に基づく運営の徹底を十分に図ることができず、お客さまと関係者の皆さまに多大なご心配、ご迷惑をおかけしましたことを、改めて心より深くお詫び申しあげます。当社およびみずほ銀行は、2022年1月、業務改善計画を策定いたしました。その計画を確実に遂行し、システム、顧客対応、危機管理、そして企業風土に踏み込んだ不断の変革を続けてまいります。

システム障害への対応

2021年2月28日以降の一連のシステム障害について、当社およびみずほ銀行は、2021年11月に銀行法に基づく業務改善命令を受け、2022年1月、業務改善計画を提出いたしました。計画の策定にあたっては、一連のシステム障害を改めて重く受け止めたうえで、一切の予断を排除し、これまで策定してきたシステムの改善策、顧客対応や危機管理にかかる改善対応策等について、〈みずほ〉の営業部店等にお寄せいただいたお客さまの声、グループ社員からの意見、社外からの専門的知見等の様々な視点から、有効性・網羅性・継続性を意識して、全般にわたり点検・見直しを行いました。これを踏まえた再発防止策を確実に実行し、そして日々の業務に組み込み継続していくことを通じ、多層的な障害対応力の一層の向上を図ります。経営管理面においても、環境変化やお客さま・社会の声、現場実態等を踏まえた適切且つ機動的な経営戦略・経営資源配分の見直しやITガバナンスといった枠組みの高度化、システムリスクや法令遵守体制等の内部管理態勢の強化、監督機能をさらに発揮するための強化等の対応策を、それぞれの有機的なつながりも意識して着実に実行してまいります。

そして、重要なのは、これらの再発防止策や経営管理の高度化を一時的なものに終わらせず、決して風化させないことであり、それは、人と組織体制の持続的な強化、ひいては企業風土の変革への不断の取り組みにほかなりません。この課題にも正面から向き合い、経営陣が率先して変革に取り組みます。

今後、お客さまに<みずほ>のサービスを安心してご利用いただけるよう、全役職員が一致団結し、お客さまに重大な影響を及ぼすシステム障害を防ぎ、障害発生時にもお客さまへの影響を極小化することができる強固な態勢を構築し、かつ、これを変化し続ける環境においても継続してまいります。

2021年度中間期決算

2021年度中間期については、世界経済は緩やかな回復基調が継続しつつも、デルタ株の世界的な感染拡大によるコロナ禍の継続や、グローバルな供給制約、米国を中心としたインフレ圧力等、先行きの不透明感が意識される事業環境となりました。こうした中、2021年度中間期の連結業務純益は4,603億円、年度計画7,900億円に対する進捗率は58%と、堅調な結果となりました。難しい内外市場環境のもと、市場部門では前年同期比で415億円減少しましたが、プロダクツ拡充により収益基盤は多様化しております。顧客部門では、個人運用関連や海外における貸出金収益が大きく伸長し、前年同期比で739億円増加しました。リテール・事業法人カンパニー、大企業・金融・公共法人カンパニー、グローバルコーポレートカンパニー、アセットマネジメントカンパニーの4カンパニーにおいては、中間期決算としては、カンパニー制導入後の最高益を更新しています。親会社株主純利益は、第1四半期に実施した子会社資本適正化に伴う税効果のプラス影響もありますが、前年同期比で+1,701億円増加の3,856億円となり、年度計画5,100億円に対する進捗率は75%となりました。足元の堅調な状況を踏まえ、2021年度の連結業務純益の業績予想を8,200億円、親会社株主純利益の業績予想を5,300億円に上方修正しました。また、バーゼルⅢ新規制完全適用ベースにおける普通株式等Tier1比率は、その他有価証券評価差額金を除くベースで9.6%と、5ヵ年経営計画でめざす水準としている9%台前半を超過達成しております。

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益

  • 構造改革への取り組みを踏まえた損失6,954億円反映前

連結普通株式等Tier1比率

連結普通株式等Tier1比率

  • その他有価証券評価差額金を除く。ヘッジ取引による株式含み益の一部固定化効果を含む。分母からその他有価証券評価差額金(株式)見合いのリスクアセットを控除。資本フロアについては、標準的手法によるリスクアセットから引当金見合いを控除して算出

上述の通り、普通株式等Tier1比率の改善が計画を上回るペースで改善したことに加えて、顧客部門を中心に安定的な収益基盤の着実な成長が確認できていること等を踏まえ、7期ぶりとなる増配を決定いたしました。なお、今後の資本政策については、自己資本充実、成長投資、株主還元強化の最適なバランスを実現する方針のもと、コロナ禍における金融仲介機能を引き続き十分に発揮した上で、更なる成長の礎となる「人財」と「IT・デジタル領域」への積極的な経営資源配賦や、累進的な配当を基本とする株主還元を継続して行ってまいります。

成長投資への取り組み・サステナビリティ

足もとにおいては、オミクロン株が世界的な感染拡大を見せているほか、グローバルなインフレ圧力の継続や、それに伴う金融市場の動向等、<みずほ>を取り巻く事業環境は当面、不透明感が継続することが見込まれます。そうした中でのデジタル・トランスフォーメーション(DX)やサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の潮流の加速に伴い、個人の消費行動は一層変化し、脱炭素や人権をはじめとするサステナビリティの諸課題については、いよいよエネルギーやその他商品のサプライチェーン、もしくは需給バランス等にも波及し始めております。アフターコロナの世界を見据えた社会の変化や人々の行動変容は、一段と加速しているといえます。

こうした大きな変化の中、高い専門性を持ってお客さまとともにアフターコロナの世界に向き合い、徹底的な意義ある対話、すなわちエンゲージメントを積み重ねることでお客さまとパートナーシップを築く。お客さまセグメント別の組織や知見を最大限に活かし、より深いエンゲージメントを行うことが<みずほ>の差別化戦略です。個人、中堅中小企業、大企業等それぞれのお客さまの課題に対して、単なる資金供給に留まらず、金融とDXやSX、不動産等の非金融領域の融合により、アフターコロナの世界における資産形成、事業承継、事業ポートフォリオの再構築、成長戦略の支援等、グループ全体の機能を駆使して総合ソリューションを提供していくこと。これがお客さまとともに歩ませていただくための、価値創造の源泉となります。

そのためにも、2022年は、これからの<みずほ>にとって最優先すべき、安定的な業務運営や戦略的な業務展開に不可欠な「IT・デジタル領域」への投資、そして社員一人ひとりが手応えややりがいを持ち、それが<みずほ>の次の成長に繋っていく、そうした競争優位を支える大切な「人財」に対する積極的な投資を進めます。同時に、成長領域へのビジネスの拡大も進めてまいります。2021年12月にはベトナムのデジタル決済事業会社への出資を発表しましたが、5ヵ年経営計画を通じて強化してきた既存事業領域の更なる拡大・深掘りに加え、新たな事業領域、先進的な技術や事業モデルにも取り組んでまいります。

サステナビリティについては、引き続き<みずほ>の戦略の真正面に捉えて、取り組みを強化していきます。<みずほ>は、お客さま、そして社会全体が持続可能な形へ移行していくことを支援すべく、エンゲージメントを重視しています。建設的な対話を通じて、お客さまの移行戦略策定に資するコンサルティング、M&Aや事業承継、そして金融ソリューションまで、<みずほ>が長年培った強みをいかしていきます。<みずほ>には、京都議定書の時代から日本の脱炭素を支援してきた歴史があり、日本初のトランジション・ファイナンスやトランジション・リンクローンを組成したノウハウを有しています。サステナビリティに対するお客さまと社会のニーズが一層高まる中、様々なイニシアチブに参画してノウハウを一層培い、お客さまのお役に立てていくとともに、新たな市場創出にも努めていきます。2021年度には、中堅中小企業のお客さま向けに2,000人体制でSDGsの取り組みをサポートするプロダクトの提供を始めました。また、ボランタリーカーボンクレジット市場拡大を通じた日本企業への貢献を企図し、新興国の民間セクター開発に特化した世界最大規模の国際開発機関であるIFCとカーボンファシリティに関する業務提携を行いました。日本の産業特性とその課題を見据え、今後も取り組みを強化してまいります。

<豊かな実り>を提供する

<みずほ>の社名の由来にも通じますが、<みずほ>の企業理念は、「お客さま、経済・社会に〈豊かな実り〉を提供する、かけがえのない存在であり続ける」ことです。これこそが我々の存在意義であり、その基本的な考えが変わることはありません。専門性を備えた多様な社員が、お客さまと寄り添い、社会からの期待に真正面から向き合って、新たな時代をともに歩んでいく。こうした取り組みを続けることで、<みずほ>だからできること、<みずほ>にしか生み出すことのできない価値を提供し、「今まで以上に必要とされ、頼りにされる存在」になるべく、グループ役職員一同、全力で取り組んでまいります。皆さまにおかれましては、引き続きのご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願いいたします。

2022年1月

株式会社みずほフィナンシャルグループ
取締役 執行役社長 グループCEO
坂井 辰史

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