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取締役会議長メッセージ

グループ各社との連携をより一層深めながら、全体として実効性の高い監督活動にチャレンジしていきます みずほフィナンシャルグループ 社外取締役(取締役会議長) 小林 いずみ

2022年度の取締役会運営について

2022年度は、主に「〈みずほ〉の成長に向けたグループ戦略の大きな方向性に関する議論の充実」および「トップリスク管理に関する機能発揮」を議論のテーマの重点に置き、精力的に活動してきました。

前者については、木原グループCEOのリーダーシップや社員の皆さんの後押しもあり、早い段階から企業理念の見直しや成長戦略に関する議論が開始されました。これらの取り組みは、「システム障害によって自信を失った社員の心に火を灯し、再び前に進んでいくために、わかりやすい旗印を」「〈みずほ〉の存在意義に立ち返り、社員が誇りをもてるように」「グループCEOが交代したこのタイミングが好機」といった社外取締役の考えとも一致しました。とりわけ企業理念の見直しに関しては、社員と経営陣そして社外取締役との間でキャッチボールを繰り返して作られたことに深い意味があると思っています。

後者については、システム障害に関する改善対応策の実施・定着状況をモニタリングしてきました。役員・社員一丸での取り組みが着実に成果として現れてきているなか、今後は、この取り組みを組織に根付かせ、社員一人ひとりの日ごろの仕事に反映していくフェーズに移ります。加えて、社会の変化に伴うリスクは多様化・複雑化の一途を辿っています。サイバーセキュリティやマネー・ローンダリングおよび金融犯罪、気候変動に係るリスクはもちろん、急激な金融環境の変化や地政学等を背景とした様々なリスクの波及等にも目を光らせていくことが求められています。こうしたリスクは自社の努力だけで回避できるものではなく、レジリエンスの重要性も意識しながら、取締役会や監査委員会、リスク委員会等がそれぞれの役割に基づき、ビジネスのあり方やリスク管理の枠組みの高度化などについて執行と議論してきました。

多面的な情報収集への取り組み

議論のテーマ設定とともに特に意を用いて取り組んだのが、社外取締役による執行に関する多面的な情報収集活動です。当社は、傘下に銀行・信託・証券等の子会社を持つ持株会社であり、「総合リスク管理」「コンプライアンス」等のフレームワークで子会社を含めたグループ全体の横串を通す経営管理を行っています。また、銀行・信託・証券の機能を統合的にお客さまに提供すべく、顧客セグメントに応じた「カンパニー」単位での戦略策定と実行のフォローを行っています。

従って、持株会社である当社の取締役会における議論の中心は、自ずとグループ全体を俯瞰したうえで、重点テーマにフォーカスすることとなります。そのため、特に社外取締役にとってグループ各社のビジネス実態や、実務の現場を深く理解することは容易ではありません。社外取締役の力をフルに活用し、より実効的な監督活動につなげていくには、当社グループの業務実態をより立体的に捉える努力が必要だと考えました。その一つの取り組みとして、2022年度はグループ内の様々な役割を担う役員・社員との意見交換を行う場を積極的に設けました。また、各カンパニー長からの報告に加え、グループ各社の経営トップからの報告聴取・意見交換、当社社外取締役とグループ各社の社外取締役との定期的な意見交換を開始しました。社外取締役の皆さんもこの取り組みにとても意義を感じていただいており、こうしたオフサイトの活動などにも熱心に参加いただきました。

2023年度の取締役会運営について

2022年度、木原グループCEOの「企業理念」「パーパス」の見直しや「中期経営計画」策定に対する強いイニシアティブと多くの議論を重ねた結果、進むべき方向性は明確となりました。

しかしながら、真に〈みずほ〉がお客さまや社会から信頼され、成長軌道を確かなものとしていくためには、計画を掲げるのみでは十分ではありません。「企業理念」「パーパス」「中期経営計画」を社員一人ひとりが心の底から理解し、お客さまや社会の課題を自分ごととして捉え、日々の仕事の柱とできるか、という組織としての実行力が問われることになります。

取締役会議長として、2023年度、主にこうした課題認識を念頭に取締役会の活動をリードしていきたいと考えています。グループCEOをはじめとする経営陣のリーダーシップが鍵となることは当然ですが、日々お客さまと向き合う社員の皆さん、あるいは、社員の能力開発を後押しする部店長や課長などのミドルマネジメントの皆さん、フロント業務を様々な形で支え付加価値をつけるバックオフィスの皆さんの声にもしっかり耳を傾けながら、組織の力が発揮されるよう経営陣の取り組みを後押しする、あるいは必要な際には躊躇せずに立ち止まって議論を尽くす、という役割を果たしたいと思います。

もちろん、持株会社である当社の取締役会のみでこれらの活動すべてを行うことは現実的ではなく、また効率的ではありません。そこで、2023年度のスタートにあたり、当社のみならず、銀行・信託・証券の各取締役会においても、上記のような課題認識とそれを踏まえた活動方針を共有していただきました。当社と各社の社外取締役間の連携をより一層深めながら、グループ全体として実効性の高い監督活動にチャレンジしていきます。

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