取締役会議長メッセージ

2023年度の取締役会運営について
中期経営計画の走り出しを丁寧にフォローアップ
2023年度は、戦略に込めた想いが社員の意識に浸透し、ありたき世界の実現に向け、具体的な実行に移せているか、という観点を意識しつつ、中期経営計画の重点テーマを中心に走り出しを丁寧にフォローアップしてきました。
ビジネス面においては、戦略を踏まえた具体的なアクションを起こし、環境変化に応じて自律的にPDCAを回していくことが重要です。そこで、ビジネスの実態を確認するため、カンパニー長やエンティティ長との議論を充実させました。また、サステナブルビジネス戦略、マスリテール戦略、DX推進力強化等の個別テーマの議論では、課題が共有され、戦略実現のための具体的な計画になっているか、パーパスやバリューともリンクした多面的なKPIの設定と評価、社員の具体的な行動を促せる仕組みになっているか等、社外取締役から様々な意見がなされ、議論してきました。
また、経営基盤については、安定的な業務運営を持続的かつ、より強固なものにしていくには、何よりも、社員一人ひとりの意識の変化と、現場での日々の行動に具現化されているかが鍵となります。企業風土変革や社員の意識変革のリアルな状況把握のため、オフサイトミーティングや、職場訪問での役職員との面談、銀行・信託・証券の社外取締役との意見交換等の多面的な情報収集を継続し、グループ全体の状況を把握することに注力しました。
IT・DX委員会の新設
企業としての競争力の源泉となるIT・DX領域における議論の拡充を図るため、取締役会の諮問機関としてIT・DX委員会を新設しました。委員会では、システムの安定稼働に加え、ビジネスでのIT・DX活用の課題や競争優位の確立に向け、ビジネス戦略と一体でDXに取り組むことの重要性等について、活発に議論されています。
2024年度の取締役会運営について
取締役会議長としての環境認識
マイナス金利の解除や急速な円安進行等の外部環境の変化もありますが、2023年度は、中期経営計画初年度として比較的順調に走り出すことができたと評価しています。一方で、この流れを定着、加速させ、より一層の成長を遂げていくためには、〈みずほ〉としてのあくなき挑戦が必要です。そのためには何が必要かというと、私は10年先を見据えた先を読む力がより一層重要になると感じています。
2024年度における具体的なポイント
具体的には、中長期目線での成長戦略に関する議論と、継続的な人材育成、社員の意識変革への取り組みを通じ、組織のすべての場で、先を読む力を鍛えていくことができると考えています。そこで、2024年度の取締役会としては、中長期的な成長戦略に関するテーマを議題の中心に据え、執行経営陣と議論する機会を拡充するとともに、ビジネスにおいて〈みずほ〉の優位性を活かしながらどのように差別化を図っているか、社員一人ひとりが現状への疑問に声を上げ、行動変容につなげられているか、多様なリソースを最大限有効活用できているか、戦略遂行を支える人材をどのように育成しているか、等の観点で議論を尽くし、執行経営陣の挑戦を後押ししていきます。
〈みずほ〉がお客さま、経済・社会、社員の〈豊かな実り〉を実現するため、成長に向けた取り組みを加速させ、ステークホルダーの皆さまとともに成長できるよう、取締役会議長として力を尽くしてまいります。