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Project 04

システムを支え、
金融の使命を守る

  • #IT事業
  • #〈みずほ〉最重要プロジェクト
  • #海外

海外業務の
基盤整備から
社会の安全を支える
エンジニアの物語。

現在〈みずほ〉の最重要プロジェクトとして位置付けられている「海外業務基盤整備」、通称「SEIBI(Strategic Enhancement of International Business Infrastructure)」プロジェクト。これは〈みずほ〉のグローバルビジネスを支えるシステムを全面的に刷新するプロジェクトです。「SEIBI」プロジェクトでは、多岐にわたるシステムで対応していますが、本記事では海外送金や預金に関わるシステム、通称「MOBIUS」の構築・導入にフォーカス。金融機関にとって重要な課題であり使命ともいえる、マネーロンダリングの防止に向け、システム開発を担った一人のシステムエンジニアの奮闘をレポートします。
※SEIBI:Strategic Enhancement of International Business Infrastructure
※MOBIUS:Mizuho Operations Business Infrastructure Universal Service

Project Member

登場人物

  • みずほ銀行
    グローバルCIBIT部
    2008年入社

    平山 麻利亜

海外拠点のシステムの
全面的な刷新という
ビッグプロジェクト。

2019年、〈みずほ〉は国内新勘定系システム「MINORI」を全面稼働させた。〈みずほ〉がめざす次世代金融への転換を強力に後押しする柔軟なシステムをめざし、最先端の技術を取り入れた世界有数の大規模プロジェクトだった。この一大プロジェクトと並行して、進められているのが「SEIBI」プロジェクトである。

本プロジェクトの背景にあるのは、グローバルマーケットの急速な変化だ。これまで〈みずほ〉は海外約40拠点に標準システムを提供してきたが、各国で文化や規制が異なることから、国ごとのニーズに応じて標準システムに接続する独自の機能を開発し個別に対応してきた。そのため各国に固有のシステムが点在する一方で、世界中に類似のシステムが乱立する事態となった。結果として、本部のガバナンス低下やIT運用コストの増加、グローバルな金融規制対応への機動性が失われる等の問題が顕在化したのである。

この状況に危機感を覚えた〈みずほ〉は、海外支店のシステムを全面的に刷新する「SEIBI」プロジェクトを始動させた。ユーザー業務の自動化・高速化、新サービス・商品の提供スピードの向上、システム開発・運用にかかるコスト削減に加え、従来の業務フローを各国で統一。それにより、お客さまに提供するサービスレベルをグローバルベースで高度化させることがこのプロジェクトの目的だ。この「SEIBI」プロジェクトの中でも、海外送金・預金に係る「MOBIUS」のシステム構築・導入を担当したのが平山である。入社以来、主に公共ビジネスに関わる案件を担当してきた平山にとって、銀行系のシステム開発は初めての経験だった。

平山 「2014年、SEIBIプロジェクトの初期フェーズの頃、私のキャリアに関して上司と面談する機会がありました。新しい業務内容に挑戦したい、また英語のスキルをいかしたグローバルなビジネスに関わりたいという思いを伝えたところ、このプロジェクトに参加することとなりました。実際に参加して驚いたのは、そのメンバーの多さです。数百名に上るビッグプロジェクトで、〈みずほ〉にとって、極めて重要なプロジェクトであることを肌で感じました」

マネーロンダリングを
未然に防ぐ、
銀行の使命。

平山が担当するのは、国を跨ぐ送金のシステムである「MOBIUS」だ。中でも、マネーロンダリングを検知するAMLの機能の主担当である。マネーロンダリングは、犯罪行為によって得られた資金を、出所を分からなくするために、架空名義や他人名義の金融機関口座などを利用して転々と送金を行う行為であり、国際的な送金ではこうした行為を未然に防ぐAMLの機能が、極めて重要な役割を担っている。

平山 「近年、資金の流れがボーダーレス化する中で、テロや反社会勢力の活動を防止する意味でマネーロンダリングの防止は金融機関にとって使命とも言える非常に重要なものです。このマネーロンダリングのチェックを実施するソフトウェアをMOBIUSに組み込むことが私の役割でした。グローバルな水準で設計されたソフトウェアを活用し、システムの構築・導入を行いました。単にソフトウェアを組み込むだけでなく、MOBIUS全体のシステム仕様に合わせて最適にソフトウェアを取り込む必要がありました」

平山はプロジェクトに参加した翌年の2015年、それまでの働きぶりが評価されAML機能のプロジェクトリーダーにアサインされた。それに伴い、システム開発を担うだけではなく、プレーイングマネージャーとして、コスト・進捗管理や課題対応、ユーザー部門との協議・調整を担った。

平山 「当然ながら〈みずほ〉は従来から、マネーロンダリング防止に取り組んできました。しかしながら、AML機能については、各国で独自にシステムが構築されており、不正検知の品質にばらつきがありました。今回AML機能を刷新する目的は、各国における不正検知の精度の統一と向上です。国を跨ぐ送金件数が増えていく中で、疑わしい送金取引を漏れなくヒットさせ、マネーロンダリングを未然に防止する必要があります」

言語、時差、国際基準
すべてを超えて

マネーロンダリングの対策に関係する〈みずほ〉内の部署は非常に多く、コンプライアンス部門をはじめ10以上。迅速なサービス提供を重視するものや、堅確なチェックを求めるものまで、様々な立場からの意見があり、活発な議論が行われた。

平山 「私の役割は、様々な立場の関係者の意見を集約してシステムに実装すべき仕様を提示し、合意形成していくことでした。プロジェクトを前進させるため、関係各部門のキーパーソンを特定し個別にすり合わせることで、全体の議論をスムーズに進められるような働きかけも行いました。費用と効率性、精度確保など様々な要素を勘案して、関係者が理解・納得できる内容で決定するまで根気強く取り組みました。多くのステークホルダーをコントロールしていく難しさとやりがいを感じました」

AMLは金融犯罪防止のために各国が遵守すべき国際基準が定められており、その性質上、チェック機能の正当性について第三者機関の評価を受ける必要がある。

平山 「第三者評価は英語圏の担当者とのやり取りが必要で、電話会議やメール、資料作成もすべて英語でした。もともと、語学力には自信がありましたが、ビジネスで使うにあたってスキルアップが必要と考え、個人的に英会話レッスンを受講しました。時差を考慮したタスク推進が必須であることに加え、認識齟齬が発生しないように細部まで確認、説明することを心掛けて取り組みました。その結果、評価機関から高い評価を得ることができ、全世界に先駆けてシステムリリースを行うシンガポールへの導入に向けて準備が整いました。それまでのシステム開発や、各部署との調整結果が、結実したことに非常に喜びを感じ、プロジェクトを通じて、最も安堵感を得た瞬間でした」

平山が担当した今回のプロジェクトは、社内から評価され、みずほフィナンシャルグループ各社の中でその年度に高い成果を出した案件が表彰されるみずほアウォードを受賞。グループCEOからも労いの言葉があった。本案件は海外のお客さまへのビジネスニーズに柔軟に対応する礎を築いたという点が評価された。
今回のプロジェクトは平山にとってどのようなものだったのか。

平山 「これまで小規模のプロジェクトでリーダーを務めた経験はありましたが、これほど大規模なものは初めての経験でした。特に、様々なステークホルダーをコントロールするプロジェクトマネジメントスキルの向上が図れたと感じています。今後もこの経験をいかし、さらに難易度の高いプロジェクトや大規模なプロジェクトにチャレンジしていきたいと考えています」

平山が今回世界に先駆けてシンガポール拠点に導入した「MOBIUS」は、段階的に〈みずほ〉の海外拠点に導入されていく。「MOBIUS」のみならず、〈みずほ〉は、約40拠点に及ぶ〈みずほ〉の海外ビジネスを、システムの側面から力強く支えていく。