Project 02
国内最大級!
風力発電建設の舞台裏
- #復興支援
- #SDGs
- #プロジェクトファイナンス
想いをひとつに、
福島に復興の風を。
2011年に起きた東日本大震災を受けて打ち出された、福島新エネ社会構想。国主導で脱原発・再生可能エネルギーへの転換をめざす中、福島県内で再生可能エネルギーをつくり、それを東京へ送電するプロジェクトが立ち上がりました。国内最大級の送電網の整備・風力発電設備の建設に向けて、共同出資する9社のアレンジャーとなった〈みずほ〉。難題をクリアしながら、それぞれのステークホルダーの想いをまとめ上げ、巨大なプロジェクトファイナンスを成功させた舞台裏に迫ります。

Project Members
登場人物
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みずほ銀行
プロジェクトファイナンス営業部渡辺 亮平
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みずほ銀行
プロジェクトファイナンス営業部工藤 弘史
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みずほ銀行
プロジェクトファイナンス営業部多胡 涼子
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みずほリサーチ&テクノロジーズ
サステナビリティコンサルティング第1部古林 知哉
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住友商事株式会社
電力インフラ第一部平野 貴之さま
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株式会社東邦銀行
法人コンサルティング部白井 伸和さま
新たな
ビジネスの創出に、
金融×コンサルティング
で挑む。

渡辺
東日本大震災からの復興に向け、一つの柱となる計画が「福島新エネ社会構想」でした。これは、国主導で脱原発・再生可能エネルギーへの転換をめざすもので、福島県内で作った再生可能エネルギーを東京まで送電するという計画です。いくつもの課題を解決していくためには、太陽光発電・風力発電の事業者さまと協力して一つの送電網をつくり上げる必要がありました。送電事業というビジネスを一からつくる、一大プロジェクトでしたね。
古林
まず実施したのは、送電事業の実行可能性の調査(フィジビリティスタディ)でした。どれくらいの規模で送電線整備が必要なのかを確認するため、実際に送電線を使いたい事業者のニーズを調査しました。経済産業省との連携では、私たちの強みである「エネルギービジネスへの深い専門性」を発揮し、コンサルティング機能と金融機能を同時に提供していきました。まさに〈みずほ〉のグループ各社が一体となって業務を遂行した例です。
国内最大規模の
風力発電所の実現へ。
できることは、
全部やる。

工藤
送電事業の立ち上げに続き、国内最大規模の風力発電所の設立、発電事業も動き出しました。その中で〈みずほ〉は、単にファイナンスを実行するだけでなく、プロジェクト全体の推進役を担っていました。例えば、将来的なキャッシュフローや事業計画の立案、9社による合同会社の設立アドバイス、巨額の資金調達に向けた全国22の金融機関との連携など、プロジェクト関係者との調整も行いました。
多胡
プロジェクトが具体的にどのように進んでいくのかを頭の中でしっかりとイメージできないと、お金の流れや、どこにリスクがあるのかを分析することができません。特に今回は様々な事業者が関係するため、ひとつ問題が起きればそれぞれの事業計画や他のプロジェクトにも大きく影響します。そのリスク分析と整理が、最もハードルの高いものであると同時に、〈みずほ〉の腕の見せ所でもありました。
地域と社会を
想う情熱が、
困難な状況を
前に進めていく。

渡辺
さまざまな許認可の変更などでスケジュールが後ろ倒しとなり、福島送電さまの資金繰りに新たな問題が発生したこともありましたが、緊急的な資金融資を日本政策投資銀行さま、東邦銀行さまと実施して乗り越えました。「プロジェクトを何としても成功させる」「この事業なくして福島エリアの再エネ復興はうまくいかない」、そんな諦めない気持ちを胸に、自分の経験と、情熱の全てをかけて携わらせていただきました。
白井さま
再エネの推進を掲げる福島県に本店を置く金融機関としても、福島県民としても、なんとか成功させたい、前に進めたいという強い思いがありました。さまざまなアイデアを出しながら、これまでにない金融スキームを取り入れて、案件を進めてきました。今後もチャンスがあれば連携をして、再エネの推進だけでなく、地域に役に立てるような仕事を一緒にできればと思っています。
肩書ではなく人として、
ワンチームを
築き上げる。

工藤
今回のプロジェクトでは関係者が多く、かつ地元の方々もいらっしゃるため、コンセンサスを形成していくことが非常に大変でした。何度も現地に一緒に行って議論を重ね、一丸となってやっていきましょうとお伝えしていきました。
平野さま
「復興に貢献するんだ」という思いはみな同じですが、各社温度感や方向性が違う部分もあります。それを一つの方向にまとめていくために、渡辺さん、工藤さんには大変お世話になりました。〈みずほ〉さんは「このファイナンスがないと、この事業は成立しません」と熱く伝えてくださり、その声が各社の意見を合わせる求心力になりました。苦しい局面も乗り越えていくために、なくてはならない存在です。
渡辺
このプロジェクトを進める上で、参加する人それぞれが会社という枠を超えて、どうすればうまくいくのかを議論していました。会社名ではなく、個人としてワンチームになれたことが、今回のような良い結果につながったのだと思います。
前例はない。
だから再生エネルギーの
普及に、
新たな道をつくれた。

多胡
前例が全くない仕組みを構築していくプロジェクトでしたが、〈みずほ〉として前向きに検討し、きちんと答えを出していく、そんなプロセスを歩めたことにすごく自信を感じています。過去からの学びを生かしながらも、どんどんチャレンジしていける環境があります。
渡辺
2025年の風力発電所の完成をめざして、プロジェクトを進めています。また、送電事業がうまくいったことで、第2、第3のプロジェクトも引き続きご融資をさせていただいています。金融機関として、社会的に意義のあることを体現できると実感できました。これからも再生可能エネルギーの普及に向けて、道を切り開くパイオニアであり続けたいです。
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