Introduction
プロジェクトの背景
キリングループは長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」において、「キリングループCSVパーパス」を策定し、重点課題のひとつに「健康」を掲げ、その社会課題解決を進めている。その中で、ヘルスサイエンス事業を強く補完するBlackmores社を買収するに至り、同社の株式取得にかかる資金の一部を充当するため、国内食品会社としては過去最大規模かつ企業買収のみを企図した初となるソーシャルボンドを発行。
※ICMA制定の「ソーシャルボンド原則2023」および、金融庁の「ソーシャルボンドガイドライン2021年版」への適合性について、DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン社よりセカンド・パーティー・オピニオンを取得。
※2023年度より開始された東京都による、 「令和5年度ESG債発行促進支援事業補助金(ソーシャルボンド)」の交付決定を受けた初の案件。
Initiative
〈みずほ〉の取り組み
みずほ銀行においては、他社比で〈みずほ〉の優位性を最大限活用した提案に向けて、ブリッジローンからパーマネントまで〈みずほ〉を活用した一気通貫でのファイナンススキームをみずほ証券と共同提案。パーマネントはボンドとローンのファイナンスミックスを提案。
みずほ証券においては主幹事証券会社、そしてストラクチャリングエージェント(SA)として、本案件の成否を握る中核証券会社として参画。特にポイントとなったのがBlackmores社が取り扱う「健康・長寿の達成」や、「食生活改善・未病対策」といった人々の健康課題の解決につながる商品のソーシャル性に着目した点。SAとしてトップを走り続け培った知見をベースにBlackmores社の事業におけるソーシャル性を検証し、買収資金のうち充当可能額を算出。算出した充当可能額の範囲内でソーシャルボンドを調達。他社の提案とは違う視点で当社の社会課題解決に向けた取り組みのPRとファイナンスをマッチングさせた点で高評価を獲得。

今回のソーシャルボンド発行支援に見られるように、みずほ証券は、ブルーボンドをはじめ、国内SDGs債における数々の初案件をストラクチャリングした実績がある。また、M&Aや証券化の対応等を強化するため、体制を大幅に拡充。今後もお客さまのサステナビリティ経営の高度化やビジネストランスフォーメーション(事業変革・事業構造再構築)戦略実行を後押しし、社会全体のサステナビリティ向上に貢献していく考えだ。また〈みずほ〉は、社会課題の解決に向けたさらなる資金の流れを作り出していくため、サステナブルファイナンス目標を引き上げた。日本のサステナブルファイナンス市場が急速に成長するなか、〈みずほ〉は、2030年度までの累計で、サステナブルファイナンス目標を100兆円、うち環境・気候変動対応ファイナンス目標を50兆円に設定。国内SDGs債の引受金額は、5年連続トップの実績を上げている。
Relationship