Interview 02

一人ひとりの輝きが
〈みずほ〉の輝きになる

金融業界を取り巻く環境が激変する中、新たな変革に挑む〈みずほ〉。競争力の源泉となる人材についても、人事面等の改革を通じて新たなポテンシャルを引き出していく。めざすのは、輝く「個」の集合体としての強い組織。秋田夏実・執行役 グループCPO 兼 グループCCuOが今後の展望と志について語った。

2022年4月14日掲載 日経転職版より転載

Natsumi Akita

秋田 夏実

株式会社みずほフィナンシャルグループ
執行役
グループCPO(Group Chief People Officer)
兼 グループCCuO(Group Chief Culture Officer)

東京大学経済学部卒業。米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。外資系を中心に金融業界で約20年のキャリアを積んだ後、未知のIT業界に転じ、外資系テクノロジー大手の日本法人で、副社長としてマーケティングおよび広報を統括。2022年5月にみずほフィナンシャルグループに入社、現職に。

マーケティングと人事の融合

金融業界に限らず、日本企業が活力をなくしていると言われて久しく経ちます。人材の多様性を十分に生かしきれていないなど、その原因は様々でしょう。私はこれまで外資系金融を中心にキャリアを重ね、多くのベストプラクティスを学んできました。長く培ってきたその経験・知見を生かすことで、日本企業が元気を取り戻すためのお手伝いができるのではないかと考えたことが、〈みずほ〉にジョインする選択に結びつきました。
この「日本のために」という思いは、私の世代には共通の感覚ではないかと思っています。

前職で私は外資系企業の日本法人の副社長として、組織マネジメントに携わりました。互いに学ぶことと感謝し合うことを大切にし、階層を超えたオープンなコミュニケーションを推進することで、社員のエンゲージメントを高めることができたと思います。この経験を生かすことで、新たな活力を生み出せるのではないかと感じています。

また米国を中心にマーケティングと人事の融合が始まっていることも、新しいチャレンジに向けて私が一歩を踏み出す理由となりました。認知から興味喚起、ロイヤリティの向上、そして新たなメンバーの獲得というマーケティングのサイクルは、より高い顧客満足の獲得につながります。これを「顧客=従業員」と置き換えれば高い従業員満足が実現できるはずです。この点でもマーケティング領域における私の経験を生かせると考えました。

基本はあくまで「人」です。人を通じた組織の活性化により、〈みずほ〉を含む日本企業に活力をもたらしたいとの思いは、CPO(Chief People Officer)というポジションの呼び名にも反映されています。

自ら変わろうとする強い意志

〈みずほ〉に入社して最も驚いたのは、社員がとにかく真面目で、変革への熱いパッションを秘めていることでした。その情熱は、私の想定をはるかに上回っていました。
そして外部からやって来た私に対して「〈みずほ〉は社会からどのように見られているのか」「どのように変わるべきか」と誰もが問いかけ、アドバイスを求めてきました。年齢や職務内容、職位等に関係なく積極的に私に問いを発してくれるのです。

一般的に大きな組織には、改革を阻害しようとする"チェンジモンスター"と呼ばれる抵抗勢力が存在するものです。しかし〈みずほ〉には存在しません。自ら変わっていくことに対して真摯に取り組んでおり、「変わらなくてはならない」という強烈な危機感を持った社員ばかりです。

ですから私は、〈みずほ〉は間違いなく変わっていけると確信しています。支店をはじめ現場に足繁く通って対話を繰り返し、多様なコミュニケーションを通じて、新たな組織開発、人材開発のプログラムを推進しているところです。取り組むべきテーマは多く、私自身、この新しいチャレンジに大いにやり甲斐を感じています。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)も大きなテーマです。例えばD&Iを全社的により一層推進することを目的に、11月をD&I推進月間と定めて社内向けに多彩なワークショップや講演会を行うなど、〈みずほ〉はD&Iの推進に既に大きな力を入れています。
私自身もこれまでのキャリアを通じて、女性として「壁」を感じることがなかったわけではありません。その経験を踏まえて、次世代の女性が活躍できる環境づくり、女性リーダーの育成等に取り組むことも私の責務です。

〈みずほ〉だから広がる活躍の場

私が〈みずほ〉への入社を最終的に決心したのは、「人」との出会いが決め手でした。
自ら変わろうと真摯に取り組む姿に接し、「この人たちと一緒に〈みずほ〉を変えていきたい」と感じたことが私の背中を押してくれたのです。

既に〈みずほ〉では新人事戦略を推進しており、社内外で通用する人材バリューの最大化をめざして各種施策を展開しています。副業や社内兼業の推奨、週休3日・4日勤務などはその一例です。これらの制度によって各人には多様なインプットのための時間が生まれ、新たな成長の機会が得られます。
〈みずほ〉には銀行、信託、証券、リサーチ&テクノロジーズといったグループに共有のナレッジ基盤があり、様々な学びが可能です。「One MIZUHO」としてのこうした体制がもたらす多様な機会も、人の成長を促してくれるでしょう。

私がこれから〈みずほ〉に入社してくださる方に期待するのは次の3点です。
〈1〉〈みずほ〉には多様な人材が活躍できる、「One MIZUHO」ならではの多様な場が用意されています。金融の経験の有無にこだわらず、社会的に大きな影響を与えられる仕事や環境を望み、ご自身の力を発揮したいというパッションに期待します。
〈2〉主体的に考え、行動し、自らイノベーションに挑んでくださることに期待します。
〈3〉すべての先にあるのは、お客さまの存在です。お客さまにいかに素晴らしい価値を提供できるか、それを最も重要な軸としていただくことに期待します。

自ら変革することによって〈みずほ〉がめざすのは、一人ひとりの「個」が輝く場の実現です。輝く「個」の集合が輝く「組織」をつくり、輝かしい〈みずほ〉を築き上げていくことでしょう。
そんなチャレンジに取り組んでくださる方を、私は歓迎します。一緒に頑張りましょう!