ページの先頭です

storyTitle

グローバル企業を成長へ導く<みずほ>の挑戦

世界中の<みずほ>の総力を結集し、社会・経済の未来を創る。
インド大手鉄鋼会社JSWスチールに対する多面的なアプローチとは。

2002年入社 | ムンバイ支店 
 | 鈴木 周吾Shugo Suzuki

2012年入社 | シンジケーション部クロスボーダーディストリビューションチーム 
 | 田邊 裕貴Yuki Tanabe

2015年入社 | アジアソリューション営業部 
 | Tahera Kachwala

写真

「日本を基点に、海外、特に新興国の経済発展を支えたい」と思い、<みずほ>に入社した鈴木は、多くのグローバル企業が主要な拠点を置くインド随一の商業都市ムンバイで、非日系企業担当のRMチームを牽引している。その中で、鈴木たちは、担当するインド有数の大手企業の1社、JSWスチール社について思案していた。

JSWスチール社は、”鉄鋼の供給で未来を切り拓く”ことを掲げ、先進国からの技術指導や最新生産設備の調達にも意欲的。積極的な海外展開を事業戦略の柱の一つとして、世界100カ国以上に製品を輸出するほか、米国でも現地生産を行うなど、世界の鉄鋼の供給に大きな役割を果たしている。<みずほ>が進めるGlobal300戦略の対象企業である優良なグローバル企業をさらなる成長に導くためには、いったい何が必要なのか。

<みずほ>のリサーチ&コンサルティング機能を活用し、グローバルベースでの鉄鋼業界の未来の姿を把握すべく、お客さまのもとに通い詰め何度もディスカッションを行った。お客さまが”鉄鋼の供給で未来を切り拓く”にあたり、解決すべき課題は何か。徹底的に分析する中で見えてきたものは、今後の事業拡大を支える資金調達方法の多様化、信用力を上げることによる資金調達力向上という財務戦略面での課題と、高品質鋼材の供給設備強化という事業戦略面での課題である。この時、鈴木たちはこの課題を解決するための明確な答えを持ち合わせていなかった。すでにJSWスチール社が取り入れている調達手法ではなく、新たな方法により調達する必要性を認識していた。これらの課題を解決することでJSWスチール社をさらなる飛躍に導くことに大きな取り組み意義を感じていた。この難題にともに挑戦したスペシャリストは2人。欧・米・豪州・中東と世界中の協調融資に関するプロジェクトを担当してきたシンジケーション部の田邊。そして、資金調達力を向上させるための外部格付向上アドバイザリー業務を行う、アジアソリューション営業部のTahera Kachwalaである。

インド民間企業初、ニンジャローンによる資金調達

写真

鈴木たちはインド民間企業では前例がない「ニンジャローン」に着目していた。ニンジャローンとは、海外企業が日本で資金調達を行う方法の一つで、複数の日本国内の金融機関が実施するクロスボーダー・シンジケートローン(協調融資)のことだ。海外企業にとっては、資金調達手段の多様化や低金利の日本市場にアクセスできるというメリットがある。加えて、この案件においてニンジャローンを組成することができれば、高品質鋼材の製造技術力を有する日本において、JSWスチール社の存在をアピールし信用力を高めることにもつながるのだ。

田邊が鈴木から初めてこの案件の相談を受けたとき、「この組成は簡単ではない」との思いがよぎった。「インドの民間企業で初めてのニンジャローンであり、ましてJSWスチール社は好不況の波を受けやすい鉄鋼業種であることから、外部格付機関の評価が厳しかったため、簡単な組成にはならないことが予想されました」。

初めての案件への挑戦に鈴木には不安はなかったのか。「確かにインド民間企業としては初めてであり、全く不安がなかったと言えば嘘になりますが、もっと大事なことがあります。それは理屈を並べてやらないよりも、まずはやってみること。そしてそれを支えてくれたのは、JSWスチール社にはニンジャローンが必要であるという確信と、何としてもお客さまの未来を創造したいという想いです」。

その後、ムンバイのRMチームからJSWスチール社の良好な事業実態についての共有があり、田邊は確信した。「日本の投資家(金融機関)にとって確実に魅力的な案件となる。この案件を組成することで、<みずほ>がインドの調達市場の新たな道を切り開いていけるのではないか」。

JSWスチール社の良好な事業実態とその将来性を投資家に理解してもらうと同時に、特に実績が豊富で多額の融資が可能なコア投資家に参加を促すことで、この案件の信用力の高さを訴求し、他の投資家が参画しやすい状況を作るという計画を立て、実行に移した。まず、<みずほ>の本社でJSWスチール社のCFO(最高財務責任者)を招いた投資家向け説明会を開催し、JSWスチール社の現況、事業・財務戦略に加え、日本の大手鉄鋼会社からの出資を受けている点などを紹介。その事業の優位性や信頼性をアピールし、参加意欲を高めた。そして後日、一部のコア投資家に対し高品質鋼材の製造現場とその将来性を実際に見てもらうため、インドの工場視察をアレンジした。その際には、投資家の参加意向を固めてもらうべく、JSWスチール社と投資家の意志決定者同士の面談を設定、万全の対応を行った。結果、コア投資家はニンジャローンへの参加を決定、これが呼び水となって、他の投資家の参加が実現することになった。

このビジネスを成功させるにあたっての重要な要素は投資家の招聘力だと田邊は言う。「投資家の招聘実績では、<みずほ>はアジアNo.1の実績を誇っています。今回の案件は、国内案件にはない高い収益性というメリットも訴求できました。<みずほ>は、日本国内の投資家がどこに関心を持つのか、どの点がクリアできれば投資できるのかを熟知していました。このような長年培った投資家の招聘能力をいかんなく発揮することで、JSWスチール社の期待に応えることができました」こうして、JSWスチール社に対するニンジャローンは、実現に至ったのである。

財務アドバイザリーによる資金調達力向上

写真

鈴木たちが行った財務戦略に関するもう一つの挑戦、それは外部格付の向上だった。「ニンジャローンはなんとか組成したものの、鉄鋼の原料となる鉄鉱石の確保や新たな工場設備の建設など投資意欲旺盛なJSWスチールの今後の成長を踏まえると、資金調達方法の多様化に加えて、さらなる資金調達力向上が必要だと考えました。将来の社債発行を見据え、企業そのものの信用力を高める、外部格付向上に向けた財務アドバイザリーをアジアソリューション営業部のTahera Kachwalaとともに提案しました」。
アジアソリューション営業部は、アジア全域の主に非日系企業のお客さまに対して、企業価値向上のための事業戦略および財務戦略に関するアドバイザリーを中心としたソリューションを提供している。中でもフィナンシャルソリューションチームは、グローバル企業の外部格付に関して豊富な経験を持つプロフェッショナル集団だ。
「この案件の相談を受けた際には、JSWスチール社の将来性を踏まえたあるべき姿を提言したいと考え、私は幾度もムンバイを訪れ、財務状況を徹底的に精査するとともに、格付機関が重要視するポイントを踏まえてアドバイスしました。好不況の波を受けやすい鉄鋼業種であり厳しい目線が向けられていましたが、JSWスチール社の強みや将来性を競合他社と比較し際立たせることで、格付機関からはポジティブな評価を得られました」。
Taheraは続ける。「JSWスチール社が今後も成長投資を加速させていく中で、真に必要なものかは何か、改めて考え、事業戦略を支える中長期的な資金調達計画についても併せてアドバイスを行いました。JSWスチール社が調達計画の見通しを示したことは、格付機関からポジティブに捉えられ、結果、格付の向上が実現できました。JSWスチール社に対して、みずほ証券がさまざまな資金調達に関する提案を実施していますが、実際に格付が向上したことに伴い将来の社債発行に向けてみずほ証券への期待も高まっています」。

「ビジネスを知る」トップに戻る

© 2002 Mizuho Financial Group, Inc.