文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①企業理念
当グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・パーパス・バリューから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに〈豊かな実り〉をお届けしてまいります。
基本理念:企業活動の根本的考え方
〈みずほ〉は、フェアでオープンな立場から、時代の先を読み、 お客さま、経済・社会、そして社員の〈豊かな実り〉を実現する。
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パーパス:みずほグループの存在意義
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ともに挑む。ともに実る。
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バリュー:パーパスの実現のための価値観・行動軸
変化の穂先であれ。 ‒ Integrity お客さまの立場で考え、誠心誠意行動する ‒ Passion 強い思いを持ち、楽しく働く ‒ Agility 迅速に決断し、実践する ‒ Creativity 何事にも関心を持ち、創造力を磨く ‒ Empathy 多様な意見に耳を傾け、協力する
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②経営計画
当グループは、新たな中期経営計画(2023~2025年度)の3年間を『お客さま、社会の課題に対し、様々な挑戦を繋ぎ、新たな解を創造する3年間』とし、サステナビリティを軸とした、メリハリある事業展開により経営資源を最大限に有効活用し、お客さま、社会とともに、その先の持続的な成長、豊かさへの礎を築くことを目指してまいります。
(2)経営環境
2022年度の経済情勢を顧みますと、ウィズコロナへの転換と各国の財政支出に支えられた需要の回復が続いてきた一方、労働市場の構造変化やウクライナ情勢に起因する天然資源の供給制約等から、世界的なインフレに直面しています。加えて、欧米中心に急速に進められた金融引き締めの影響が表れ、世界経済の先行きは不透明な状況となっています。
米国経済は、高インフレとそれを受けたFRB(連邦準備制度理事会)による急速な金融引き締めの下でも消費を中心に底堅い成長を続けてきました。消費を支える賃金は、旺盛な労働需要と新型コロナウイルスの感染拡大等を背景とする労働供給の制約から労働需給がひっ迫することで高止まりしています。こうした状況を踏まえて、FRBが金融引き締めを続ける中、複数の金融機関が経営破たんし、景気の先行き不透明感が強まっています。
欧州では、ウクライナ情勢に起因する資源価格の高騰や供給制約から、経済成長の鈍化がみられます。ガス価格の上昇は一服したものの、食料価格の上昇等を受けインフレは高止まりし、消費を押し下げています。物価だけでなく賃金の伸びも加速していることから、ECB(欧州中央銀行)は利上げを継続しています。今後もインフレ率の高止まりと利上げの影響で経済はやや低調に推移するものとみられます。また、金融機関の経営不安を受けた金融市場の動揺は金融政策や景気動向に大きな影響を与える懸念があります。
アジアでは、中国における不動産投資低迷の長期化と、ゼロコロナ政策により消費者マインドの低迷が続きました。ゼロコロナ政策解除後は一時的に感染者数が急増したものの収束に向かい、足元はサービス消費主導で緩やかに回復しています。ただし、米中対立は継続しており、通商や安全保障等をめぐる先行きの不確実性は依然として高い状況です。新興国では、行動制限の緩和に伴い総じて高い成長率となったものの、足元はコロナ禍からの需要回復の一巡やインフレの影響により成長は鈍化傾向にあります。
日本経済は、設備投資の伸び悩みや半導体不足等から製造業の生産活動が弱含んでいるものの、行動制限の緩和等に伴い、サービス業等の内需産業を中心に緩やかな回復が続くとみられます。これまで資源高・円安を背景に高まっていた物価上昇率も、商品市況高騰の一服を受けて弱まっていく見通しです。一方、欧米の金融引き締めに伴う海外経済の減速が設備投資を悪化させる可能性は懸念材料です。また、日銀による金融政策の変更に対する関心も引き続き高く、実際に変更が実施された場合には、日本経済に影響を及ぼす可能性があります。
世界経済の先行きは、世界的な金融引き締めが実体経済にもたらす影響に不確実性があることから、不透明な状況が続く見込みです。また、欧米金融機関の経営破たん等を契機とする金融システム不安の波及、ウクライナ情勢の緊迫化、米国を中心としたインフレの更なる深刻化等の状況によっては、金融資本市場の混乱や、一層の景気悪化リスクが懸念され、日本経済についても、悪影響を受ける可能性があります。
(3)対処すべき課題
■ システム障害再発防止への取り組み
お客さまにみずほのサービスを安心してご利用頂けるよう、お客さまに重大な影響を及ぼすシステム障害の発生を継続して防ぐため、改善対応の効果を維持しながら継続運用を確かなものとするため、不断の風化防止とあわせ、実効的な取り組みを継続してまいります。
当グループといたしましては、今一度、金融グループとしての社会的役割と公共的使命を自覚するとともに、「お客さま起点の徹底」と「業務の安定化」に全力を注ぎ、お客さま・社会のお役に立つ存在になることを目指してまいります。そして、お客さま、社会の皆さまから真に信頼される存在となるべく、全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
■ 中期経営計画
当グループは、外部環境・内部環境が大きく変化し複雑化する事業環境の中で、改めて、社員の拠り所となる企業理念を再定義するとともに、長期的な成長の方向性を定めた上で、5ヵ年経営計画(2019~2023年度)を一年前倒しし、5ヵ年計画の最終年度の目標達成を前提とした新たな中期経営計画(2023~2025年度)を策定しました。
新中期経営計画の3年間を『お客さま、社会の課題に対し、様々な挑戦を繋ぎ、新たな解を創造する3年間』とし、サステナビリティを軸とした、メリハリある事業展開により経営資源を最大限に有効活用し、お客さま、社会とともに、その先の持続的な成長、豊かさへの礎を築くことを基本方針としています。
〈みずほ〉が描く世界観として、「個人の幸福な生活」と、それを支える「サステナブルな社会・経済」に向け、社会課題の解決や持続的成長に向けた重点分野として、10年後の目指す世界からビジネス面での注力すべきテーマを明確にし、更に、その実現・成長を支える経営基盤を強化することとしました。
(重点取り組み領域)
(1)ビジネス面における注力テーマ
● 「資産所得倍増」に向けた挑戦
▶ NISAを起爆剤に資産形成取引を拡大するとともに、グループ一体の強みを活かし、コンサルティング人材の
強化を通じて資産運用や資産承継ニーズを取り込み、お客さまとともに成長
● 顧客利便性の徹底追求
▶ 徹底したデジタル化と他社との連携も活用した利便性を徹底追求し、預金口座の魅力を高め、安定的な個人
預金と将来の資産運用・承継のお客さま層の獲得を実現
● 日本企業の競争力強化
▶ 大企業へのサステナビリティ対応を軸とした事業構造転換支援や、中堅上場企業にフォーカスした戦略的
アプローチ等、法人のお客さまの企業価値向上や事業成長を徹底的に支援し、日本企業の国際競争力を高める
ことに貢献
● サステナビリティ&イノベーション
▶ 産業・事業構造のトランジションに対して資金供給体制を確立するとともに、サステナビリティも含む
スタートアップ企業や新技術の確立を支援し、金融を超えた新規ビジネスの機会を創出
● グローバルCIBビジネス
▶ 成長領域である米州・アジアへの経営資源を積極的に投入し、米州では〈みずほ〉の強みであるCIB
(コーポレート&インベストメントバンキング)モデル(銀行のバランスシートを使った貸出取引と金融
資本市場プロダクツを一体的に提供する)を更に深化させ、アジアでは、域内ネットワークの『面』と、
『国毎』の狙いを明確にしたメリハリある事業展開により地域の成長を取り込み
(2)成長を支える経営基盤の強化
● 企業風土の変革
▶ インターナルコミュニケーション(カルチャー改革)とブランドコミュニケーション(ブランド強化)の
一体での推進を通じた社員・お客さまのエンゲージメントを向上
● 人的資本の強化
▶ 戦略に即した人材ローテーションや経営リーダーの育成などの戦略人事の徹底と、キャリア形成支援や
働く環境作りなど社員ナラティブを大切にするアプローチを通じ、人的資本を強化
● DX推進力の強化
▶ グループの強みを最大限活用したインキュベーション・スケール化の促進、および業務のデジタル化等に
よる生産性向上、DX人材育成やデータ利活用等により、DX推進基盤を強化
● IT改革の推進
▶ 事業戦略実現に必要なIT投資拡大に向けた、システム構造の最適化、およびユーザーと一体で開発・
運用および投資運営の高度化等を通じ、IT改革を推進
● 安定的な業務運営
▶ システム障害風化防止と平時の危機対応力を強化
▶ G-SIBsに相応しいサイバーセキュリティ態勢を不断に高度化
▶ マネー・ローンダリング対策・テロ資金供与対策(AML/CFT)態勢を更に強化・拡充
(当グループの経営計画を踏まえた当行の運営方針等)
当グループの中期経営計画を踏まえ、当行は、戦略・計画の執行及び内部管理・内部統制を担う「オペレーティングエンティティ」として、以下の運営方針を軸に取り組みを進めてまいります。
(運営方針)
安定的な業務運営とお客さま接点の品質に磨きをかけ、〈みずほ〉の強みを繋ぎ合わせることを通じ、お客さま・社会の課題解決に貢献
● 顧客接点の質追求
▶ 深い顧客理解に基づくお客さまの将来や成長への貢献するとともに、あらゆる接点の基礎品質を向上
▶ 顧客本位の業務運営(フィデューシャリーデューティー)を徹底
● 強みを磨き、発揮する
▶ グループの連携の起点として〈みずほ〉の強みを繋ぎ合わせるとともに、長所を伸ばし、差別化要素を構築
▶ 専門領域の深堀り・領域横断的な連携により、顧客からの信頼を獲得
● 安定的な業務運営
▶ システム障害の風化防止に不断に取り組むとともに、平時危機対応力を強化
▶ 現場実態に基づき、内部管理・内部統制を強化
▶ 業務運営の安定を実現するために、無駄を排除し、業務を効率化
▶ 客観的に部店の立ち位置を把握できるデータを本部から還元し、部店経営へ活用
● 挑戦・自走する組織へ
▶ 一人ひとりが自立・工夫し、何かを動かし変える起点となり、その喜び・楽しみを多くの仲間と共感できる
組織へ変革
[カンパニー・ユニットの取り組み]
当グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループを運営しております。2023年度のカンパニー・ユニット制は次の図の通りです。
なお、2023年4月1日に大企業・金融・公共法人カンパニーとグローバルプロダクツユニットの投資銀行機能を統合の上、「コーポレート&インベストメントバンキングカンパニー」を新設し、グローバルプロダクツユニットのトランザクション機能は、「グローバルトランザクションユニット」として独立しました。さらに、コーポレート&インベストメントバンキングカンパニーの新設に伴い、グローバルコーポレートカンパニーを「グローバルコーポレート&インベストメントバンキングカンパニー」に改称しました。
各カンパニー・ユニットの今後の取り組み方針(対処すべき課題)は次の通りです。
リテール・事業法人カンパニー
個人・中小企業・中堅企業の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券等グループ一体となったコンサルティング営業や、先進的な技術の活用や他社との提携等を通じた利便性の高い金融・非金融サービスの提供等に取り組んでおります。
(今後の取り組み方針)
安定的な業務運営体制の構築・持続的強化を継続するとともに、お客さまの課題に対するソリューション提供力強化に向けメリハリのある経営資源配分を通じた事業成長・拡大フェーズへ転換を図ります。
具体的には、個人のお客さまに対しては、「人生100年時代」におけるライフデザインのパートナーとして、グループ一体で総合資産コンサルティングの更なる充実を図り、お客さまの想い・希望の実現に向けたサポートを行います。法人のお客さまに対しては、成長戦略を支援し企業価値の向上・継承・創出に向け、領域横断の取り組みによるニーズ対応力強化、リスクテイク力発揮によりお客さまの持続的成長を後押しします。
また、アライアンスやデジタルチャネル・決済サービスの改善を通じ、全てのお客さまに安心感を持ってご利用いただける利便性の高いサービスを提供いたします。
2022年10月7日に、みずほ証券株式会社及び、楽天グループ株式会社の連結子会社である楽天証券ホールディングス株式会社は、「あらゆる個人のお客さまニーズに応える、本格的なハイブリッド型の総合資産コンサルティングサービス」を共同で実現すべく、戦略的な提携を行うことに合意いたしました。本提携に伴い、みずほ証券株式会社と楽天証券ホールディングス株式会社は同日付で株式譲渡契約書を締結し、併せて株主間契約を締結の上、2022年11月1日に、みずほ証券株式会社は楽天証券株式会社の普通株式の19.99%を取得し、楽天証券株式会社を持分法適用関連会社としております。
2022年12月に株式会社J.ScoreとLINE Credit株式会社は、株式会社J.Scoreのコンシューマーレンディング事業を、LINE Credit株式会社に吸収分割方式により事業統合することに合意しました。LINE Credit株式会社を承継会社とする吸収分割方式とし、事業統合完了後に各種手続きを経て株式会社J.Scoreは清算される予定です。
2019年5月に設立いたしましたLINE Bank設立準備株式会社では、銀行開業に向けた準備を進めてきましたが、2023年3月30日にプロジェクトを中止することを決定しております。取引先及び関係各社との調整を経て、LINE Bank設立準備株式会社の解散・清算手続等を進める予定です。
コーポレート&インベストメントバンキングカンパニー
国内の大企業法人・金融法人・公共法人の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、お客さまの金融・非金融に関するニーズに対し、M&Aや不動産関連ビジネス等の投資銀行プロダクツ機能を通じて、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションをグループ横断的に提供しております。
(今後の取り組み方針)
産業構造転換、社会的課題に対する関心の高まり、地政学的リスクの顕在化等により、お客さまを取り巻く環境は、急速に変化しています。そうした中、銀行・信託・証券に加え、みずほリサーチ&テクノロジーズ等も含めたグループの総力を結集し、産業知見や投資銀行を始めとしたプロダクツ知見を活かしたソリューション提供力を一層高めることで、サステナビリティ等の社会的課題の解決を通じてお客さまと日本経済の持続的成長に繋げ、価値共創パートナーとしての真価を発揮してまいります。
グローバルコーポレート&インベストメントバンキングカンパニー
海外の日系企業及び非日系企業等を担当するカンパニーとして、お客さまの事業への深い理解と、銀証連携を軸としたグループ一体でのソリューション提供により、産業の変化・事業構造のトランスフォームを支える金融機能の発揮を目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
〈みずほ〉が強みとする、米国資本市場におけるプレゼンスを活かし、CIB(コーポレート&インベストメントバンキング)ビジネスモデルの確立に取り組むとともに、アジア経済圏におけるネットワークを活かし、金融面からお客さまのトランジションをサポートし社会的課題の解決に貢献していきます。
更なる事業ポートフォリオの最適化とリスクマネジメントの強化を通じて、持続的成長を実現してまいります。
2023年5月22日に、株式会社みずほフィナンシャルグループの子会社である米州みずほLLCは、関連当局の認可等の取得を前提として、米国M&Aアドバイザリー会社Greenhill & Co.,Inc.の全株式を取得することとしました。本件買収では、M&Aビジネスの強化に求められる「人材」、および実績に裏打ちされた「企業ブランド」を獲得し、〈みずほ〉としてグローバルなアドバイザリー機能を内製化することを狙いとし、米国資本市場ビジネスをさらに高いステージに成長させていきます。
グローバルマーケッツカンパニー
お客さまのヘッジ・運用ニーズに対してマーケット商品全般を提供するセールス&トレーディング業務、資金調達やポートフォリオ運営等のALM・投資業務を担当しております。銀行・信託・証券の連携やCIB(コーポレート&インベストメントバンキング)アプローチにより、マーケッツの知見を活かした〈みずほ〉にしかできないソリューション・プロダクトの提供を目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
セールス&トレーディング業務においては、各地域での銀行・証券の実質一体運営の更なる深化により、お客さまへのソリューション提供力向上の継続及びセールス&トレーディングのグローバル連携やDX活用を通じたトレーディング力強化により、更なるプレゼンス向上に取り組んでまいります。
ALM・投資業務においては、不確実性の高い相場環境の継続が想定される中、予兆管理と緻密な市場分析による機動的なオペレーションを通じたリスクコントロールにより、安定的な収益を実現します。また、金融政策の転換が進むなかで、グローバルALM運営を深化させ、安定的で効率的な外貨資金調達を通じて、グループ全体のビジネスに貢献してまいります。
加えて、セールス&トレーディング・投資・資金調達の各分野におけるサステナビリティ推進・DX推進に取り組んでまいります。
アセットマネジメントカンパニー
アセットマネジメントに関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券及びアセットマネジメントOne株式会社が一体となって、個人から機関投資家まで、幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供しております。
(今後の取り組み方針)
お客さまの中長期志向の資産形成をサポートし、国内金融資産の活性化に貢献してまいります。その達成に向けて、「選択と集中」により運用力・ソリューション提供力を一層強化し、NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)での税制度の後押しを追い風に、〈みずほ〉の強みである企業のお客さまとの接点も活かして、個人のお客さまの資産形成ニーズにグループ一体となって応えてまいります。また、安定的な業務運営に加え、人的資本投資・DXを活用した生産性向上など、持続的成長に不可欠なビジネス基盤強化に取り組んでまいります。加えて、非対面ビジネスへの対応等を通じ、更なる成長に向けて加速してまいります。さらに、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)や、ESG情報を投資プロセスに組み込んだ運用、商品提供により、お客さまの資産形成と社会・投資先企業の持続的成長に資する取り組みを推進してまいります。
グローバルトランザクションユニット
幅広いセグメントのお客さまに向けた、トランザクション分野のソリューション提供業務を担当しております。国内外決済や資金管理、証券管理等、各プロダクツに関する高い専門性を発揮し、高度化・多様化するお客さまのニーズに応えることを目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
サプライチェーン・生産体制の見直し等の事業構造変化の動きや、各国の金融政策動向等を機敏に捉え、多様化するお客さまのニーズに柔軟に応えてまいります。国内外各拠点間で緊密に連携しながら、お客さまの課題解決に資するソリューション提供に努め、お客さまとともに〈みずほ〉の成長にも貢献してまいります。
また、決済業務の安定的な提供は金融機関の責務であり、インフラ基盤の維持・増強に最優先で取り組んでまいります。
加えて、決済分野における新技術・インフラの出現といった社会の潮流も踏まえつつ、長期的な視点での次世代ビジネスの創出にも取り組んでまいります。
リサーチ&コンサルティングユニット
産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略からサステナビリティ・デジタル等の専門分野にわたるコンサルティング機能を担うユニットとして、各カンパニーと緊密に連携し、グループ一体となってお客さまや社会に対する価値創造の拡大を目指します。
(今後の取り組み方針)
経済・社会の不透明感の高まりや、サステナビリティ・DXの潮流加速等を受けて、リサーチ・コンサルティング領域における人材獲得競争の激化が見込まれる中、高い専門性を有する人材の確保に向けた取り組みを強化してまいります。また、グループ一体運営のさらなる進化に加え、グループ外との連携等にも取り組み、お客さまや社会に対する価値創造を一層拡大してまいります。
〈みずほ〉は、サステナビリティを「環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄、ならびに〈みずほ〉の持続的かつ安定的な成長」と定義しています。 サステナビリティへの取り組みを進めることで、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、SDGs達成に貢献していくことをめざしています。
本項では、初めにサステナビリティ全般に関し、「ガバナンス」「リスク管理」として経営管理の枠組み、「戦略」としてマテリアリティへの取り組み概要を説明した後、個別テーマである気候変動と人的資本に関する具体的な「戦略」「指標・目標」を概説いたします。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略
(1)ガバナンス
当グループのコーポレート・ガバナンス体制は、
取締役会においては、サステナビリティへの取り組みに関する基本方針等の決定ならびに取締役及び執行役の職務の執行の監督を行っています。
執行においては、経営会議で、サステナビリティに関連する業務執行に関する重要な事項を審議しております。また、経営政策委員会等にて、サステナビリティに関連する全社的な諸課題やグループのビジネス戦略上重要な事項について、総合的に審議・調整を行っております。加えて、執行役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会では、特に気候変動への対応や人権尊重等の環境・社会課題に関する取り組み等に関して、審議・調整を行っております。また、人材戦略会議やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進委員会において、人的資本経営に必要な人材育成方針や社内環境整備方針等の協議、周知徹底、推進を行っております。
(2)リスク管理
当グループは、事業戦略・財務戦略とリスク管理の一体運営を通じて企業価値の向上を実現する観点から、リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)を導入しています。また、リスクの要因別に「信用リスク」「市場リスク」「オペレーショナルリスク」等のリスクカテゴリーに分類し、各リスク特性に応じた管理を行った上で、リスクを全体として把握・評価しリスクを制御していく、総合的なリスク管理態勢を構築しています。当グループは、こうしたリスク管理フレームワークの中でサステナビリティに関連するリスクを認識し、業務計画遂行上重要なリスクを特定した上で、各リスクカテゴリーの特性や事業戦略を踏まえてリスクをコントロールしています。
また、株式会社みずほフィナンシャルグループは、当グループに重大な影響を及ぼすリスク認識を選定する「トップリスク運営」を導入しています。2023年5月現在のトップリスクには、「気候変動影響の深刻化」 や「人材不足等による持続的成長の停滞」等が含まれます。選定したトップリスクについては、未然防止策や事後対応等の追加的なリスクコントロール強化策の検討、業務計画への反映等を通じ、リスクコントロールやガバナンスの強化に活用しています。
気候関連リスクについては、発現の蓋然性、時間軸、影響の不確実性や複数のリスク区分に波及すること等の特性を踏まえ「気候関連リスク管理の基本方針」を制定し、管理を強化しています。また、投融資等を通じた環境・社会に対する負の影響を防止・軽減するため、負の影響を助長する可能性が高い事業やセクターを特定し、「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」を制定しています。また人的リスクについては、オペレーショナルリスクの一つとして、「人的リスク管理の基本方針」を制定し、多面的な角度から人材の管理を行うとともに、適切な就労状況・職場・安全環境を維持することにより、損失の極小化と業務効率の向上を図っています。
(3)戦略
サステナビリティについての基本的考え方や推進方法等を定めた「サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」のもと、グループ全体で戦略と一体的にサステナビリティへの取り組みを推進してまいります。また、社会の期待*1 と、当グループにとっての重要性*2 を踏まえて「マテリアリティ」(〈みずほ〉と、お客さま、社員、経済・社会をはじめとするステークホルダーの持続的な成長・発展にとっての中長期にわたる優先課題) を特定するとともに、〈みずほ〉にとってのリスクと機会、および具体的取り組みを明確化しています。サステナビリティへの取り組みにあたっては、長期的な視点に立ち、「マテリアリティ」に取り組むことで、環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄に貢献し、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を目指していきます。
*1:当グループが社会に与えるインパクトに対するステークホルダーの期待 *2:中長期的な企業価値への影響、当グループの戦略・事業領域との親和性
[〈みずほ〉のマテリアリティ]
マテリアリティ |
主な取り組み |
有価証券報告書に |
少子高齢化と健康・長寿 人生100年時代の一人ひとりに応じた安心・安全・ |
・個人資産形成・運用・承継に対する総合資産コンサルティング ・デジタルチャネル・対面双方の顧客接点の質と利便性の向上 |
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産業発展とイノベーション 産業・事業の発展を支え、グローバルに新たな価値を創造 |
・気候変動対応を始めとした事業・産業構造転換支援等の産業全体を捉えた仕掛け ・イノベーション企業の成長支援・共創による社会インパクト創出 ・技術力ある日本企業の事業承継支援 |
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健全な経済成長 内外環境変化に対応する |
・中堅上場企業等の企業価値向上に貢献、日本経済を ・運用力強化による資産運用ニーズ対応とO&D活性化 ・グローバルな金融資本市場でのCIBビジネスの展開 |
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環境・社会 お客さまと共に環境の保全をはじめとする社会の持続的な発展を実現 |
・サステナビリティを契機としたソリューション提供や ・環境・気候変動への対応、社会・人権への取り組み |
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人材 自律的な企業文化のもと |
・グループ横断的な企業風土変革の取り組み推進 ・戦略的ローテーションや人材投資を通じた社会課題に ・多様な人材の活躍を支える働きやすい職場と、インクルーシブな組織づくり |
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ガバナンス お客さま・社会に貢献するための強固な企業統治と |
・オペレーショナル・レジリエンス(平時の危機対応)の強化 ・サイバーセキュリティ対策、AML/CFT態勢の更なる強化・拡充 ・グローバルガバナンスの強化 |
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マテリアリティに関連する〈みずほ〉にとってのリスクと機会、および主な取り組み等については、2023年7月開示予定の
以下、当グループのマテリアリティのうち、「環境・社会」に該当する気候変動への取り組み、および「人材」に該当する人的資本への取り組みについて概説します。なお、その他のマテリアリティへの取り組みについては、上述の「有価証券報告書における関連記載箇所」をご参照ください。
2.気候変動
(1)戦略
「環境方針」や 「2050年ネットゼロに向けた〈みずほ〉のアプローチ」 において、脱炭素社会の実現に向けた〈みずほ〉の気候変動への取り組み姿勢や、目指す姿・行動(アクション)を明確化し、グループ一体で取り組みを進めています。2023年4月には、実体経済の移行促進・ビジネス機会獲得・リスク管理の観点から、当グループの気候変動対応をより統合的に推進するため、2022年に策定した「ネットゼロ移行計画」を具体化し改定しました。この移行計画に基づき、より統合的かつ実効的に気候変動への対応を進め、2050年脱炭素社会の実現や気候変動に対して強靭な社会の構築に貢献してまいります。
[ネットゼロ移行計画(概要)]
[気候変動に関する機会・リスクの認識]
・お客さまによる脱炭素に向けた技術開発・ビジネスモデル構築のための投資をビジネス機会と認識し、お客さまと のエンゲージメント(建設的な対話)を起点に、脱炭素化(トランジション)や気候変動対応の支援に注力します。
・気候関連リスクとして、気候変動に起因する移行リスクと物理的リスクを認識し、リスク区分毎に想定される影響を整理しています。
- 移行リスク: 炭素税や燃費規制といった政策強化や脱炭素等の技術への転換の遅れにより影響を受ける投融資先に対する信用リスクや、化石燃料等へのファイナンスに伴うレピュテーション悪化によるオペレーショナルリスク等を想定
- 物理的リスク: 急性リスクとして異常気象での風水災等の増加に起因する当社資産(電算センター等)の損傷および顧客資産(不動産担保等)の毀損、慢性リスクとして感染症、熱中症の増加等に起因するマクロ経済の悪化による信用リスク等を想定
[シナリオ分析]
・気候変動が将来にわたって当グループのポートフォリオに与える影響を把握するため、 移行リスクおよび物理的リスク(急性リスク・慢性リスク) を対象に シナリオ分析を実施しています。 気候変動に関するさまざまな将来の状態に対する計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。
(2)主要な指標・目標
指標 |
目標 |
直近実績 |
サステナブルファイナンス/ |
2019年度~2030年度累計:100兆円(うち環境・気候変動対応:50兆円)[2023年4月改定(引き上げ)] |
2019年度~2022年度累計 21.2兆円(うち環境・気候変動対応 8.1兆円) |
Scope1,2(グループ7社の温室効果ガス排出量) |
2030年度カーボンニュートラル |
2021年度 150,987 tCO2e (調整後排出係数/マーケット基準) |
Scope3(投融資を通じた排出) |
2050年ネットゼロ |
(セクター別に目標・実績を開示) |
- 電力 セクター |
2030年度 138-232 kgCO2e/MWh |
2021年度 353 kgCO2e/MWh |
- 石油・ガス セクター |
2030年度 (Scope1,2) 4.2 gCO2e/MJ (Scope3) 2019年度比▲12~▲29% |
2021年度 (Scope1,2) 6.5 gCO2e/MJ (Scope3) 43.2 MtCO2e (2019年度比 ▲29%) |
- 石炭採掘(一般炭) セクター |
絶対排出量 2030年度 OECD諸国ゼロ、 |
2021年度 1.7 MtCO2e |
「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」に基づく石炭火力発電所向け与信残高 |
2030年度までに2019年度比50%に削減 2040年度までに残高ゼロ |
2023/3末 2,355億円 (2019年度比 ▲21.4%) |
移行リスクセクターにおける |
中長期的に削減 |
2023/3末 1.6兆円 |
気候変動に関する戦略および指標・目標の詳細については、2023年6月に発行した
3.人的資本
(1)戦略
最大かつ最強の経営資源である〈みずほ〉の人材に対し、戦略人事を徹底すること、社員ナラティブを重視した人事運営を行うことで、ビジネス戦略に応じた機動的な人事運営の両立を実現させるとともに、社員一人ひとりが自分らしく輝き、会社とともに成長していくことを目指していきます。具体的には、①企業風土変革の取り組み推進、②事業領域別の戦略的ローテーション、経営リーダーのサクセッションプランニング、③働きやすい職場、インクルーシブな組織づくりに取り組んでまいります。
取り組み詳細につきましては、2023年7月開示予定の
[人事運営における取り組み内容]
①グループ横断的な |
全ての基盤であるカルチャー・人材は、戦略遂行の継続性を確実に担保し持続的な成長をするために不可欠であり、誰もが自律的に行動し建設的に議論できる組織を目指して、インターナルコミュニケーション(企業風土変革)とブランドコミュニケーション(ブランド強化)に取り組み ・企業理念の見直しを踏まえた社員一人ひとりへの浸透策を推進 ・インターナルな取り組みだけでなく外から見える〈みずほ〉を再認識し、ブランドを再構築 |
②戦略的ローテー [人材育成方針] |
社員一人ひとりのキャリア志向と、各事業分野における戦略実現を支える人材ニーズが両立した人材ポートフォリオの構築を目指して、社員のキャリア発展段階に応じた事業領域別の計画的な人材育成をグループベースで展開するとともに、事業領域横断的な経営リーダーの育成、サクセッションプランニングに取り組み ・キャリア形成に必要な学びやリスキリング・アップスキリングに必要な人材投資の拡大をすることで人材力を強化 ・中長期的な事業戦略にアラインした戦略的ローテーションを推進するとともに、ピープルアナリティクスを高度化 ・グループCEOの下、アサインメントや本人の自走を通じた中長期視点での経営リーダー育成プログラムを推進 |
③多様な人材の活躍を [社内環境整備方針] |
すべての社員が、「働きやすさ」を感じながら長く〈みずほ〉で活躍し、会社への貢献意欲や仕事のモチベーションを高めていくことができる職場の実現を目指して、多様な視点や価値観を尊重し、一人ひとりが自分らしさと能力を最大限に発揮できる組織を構築 ・社員の挑戦を支え、貢献に報い、働きやすさを感じられるグループ5社共通の人事の枠組みの構築・移行や人事システムの一元化を実施 ・「人と人の関係性」に働きかけ、組織全体のモチベーションとパフォーマンスを高める職場主体での組織開発支援 ・社員が財産形成を支援する枠組みや、金融教育機会の提供等、ファイナンシャルウェルネスを支える取り組みを実施 |
(2)主要な指標・目標
指標 |
目標 |
直近実績 |
エンゲージメントスコア *1 |
2025年度:65% |
2022年度:51% |
インクルージョンスコア *1 |
2025年度:65% |
2022年度:55% |
女性管理職比率 *2 |
2025年度:部長相当職(部長及び部長に 2025年度:課長相当職以上21% 2030年代の早期に30% |
2022年度*5: 部長相当職9% 課長相当職以上19% |
女性新卒採用者比率 *2 |
30%維持 |
2022年度*3:31% |
男性育児休業取得率 *2 |
100%維持 |
2022年度*5:104% |
海外ナショナルスタッフ管理職比率 *4 |
83%維持 |
2022年4月:83% |
有給休暇取得率 *2 |
70%維持 |
2022年度:78% |
*1 社員意識調査におけるエンゲージメントおよびインクルージョンに関する各4設問に対する回答の、肯定的回答率(1~5の5段階で4,5を回答)
*2 国内 (FG・BK・TB・SC・RT) 合算
*3 2023年4月入社
*4 海外 (BK・TB・SC) 合算
*5
本項は、当行及び当グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項や、リスク要因に該当しない事項であっても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項について記載しています。これらのリスクは互いに独立するものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが増大する可能性があります。なお、当行及び当グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生を回避するための施策を講じるとともに、発生した場合には迅速かつ適切な対応に努める所存です。
なお、本項に含まれている将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
1.金融諸環境等に関するリスク
① 国家間の対立や世界の分断に関するリスク
足もとでは、ウクライナ情勢を踏まえ、欧米各国や日本等がロシアに対する経済制裁を実施しております。また、米国とその同盟国等による対中政策の強化と、中国による対抗措置の実施等、米中対立の拡大も懸念されます。こうした国家間の対立や世界の分断等により、当行及び当グループの取引先等が事業の縮小やサプライチェーンの見直し等の事業戦略の再考を余儀なくされ、企業業績の悪化や金融市場の混乱が生じる可能性があります。これにより、当行及び当グループにおいて、与信関係費用の増加や、保有資産等の評価損や減損の発生・拡大、資金流動性の低下等につながる可能性があります。また、国家間の対立における各国規制の強化に伴い、規制抵触による法令違反の発生やレピュテーションの悪化が発生する可能性があります。
こうした事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 金融経済環境の変化による悪影響
当行及び当グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジアなどの海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行及び当グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じ、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法令諸規制の改正等による悪影響
当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法、独占禁止法や会計基準等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、自己資本比率規制を含む銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用も受けております。
これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供の制限や、追加でのシステム開発負担につながる等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 環境・社会に配慮した投融資等の取り組みに係るリスク
当行及び当グループは、金融の円滑化を図り、経済・社会の持続可能な発展に貢献するため、社会的責任と公共的使命の重みを常に認識し、適切なリスク管理態勢のもと、高度なリスクテイク能力を活用した金融仲介機能の発揮に努めています。
昨今、気候変動への対応、生物多様性保全、人権尊重をはじめとする環境・社会課題の顕在化に伴い、当行及び当グループを取り巻くステークホルダーからは、資金提供者として、環境・社会に一層配慮することが期待されています。かかる背景から、当行及び当グループは、取引を通じて環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高いセクターに関する取り組みやセクター横断的な取り組みを加えた包括的な方針を制定するなど、環境・社会リスクの低減・回避に向けた取り組みを強化しています。
しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行及び当グループや投融資先企業の取り組みが期待から大きく乖離した場合等には、当行及び当グループのレピュテーションの毀損・与信関係費用の増加等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 気候変動リスク
2015年に「パリ協定」が採択されて以降、気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが世界的に進められています。また、2021年の第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力を追求することが決意され、2022年のCOP27においても本目標が再確認されるなど、気候変動対策に向けた各国政府等の取り組みは加速しており、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性がますます高まっています。
当行及び当グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要なグローバル課題の一つであると認識しています。気候変動リスクとしては、低炭素経済への移行に伴い、広範囲に及ぶ政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する移行リスク、気候変動により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる物理的リスクが挙げられます。このうち、移行リスクについては、温室効果ガスの高排出セクターに対する与信関係費用の中・長期的な増加や、石炭火力発電をはじめとする化石燃料関連へのファイナンスに伴うレピュテーションの悪化などが代表的なリスクとして想定されます。また、物理的リスクとしては、台風・豪雨等の異常気象事象の激化に伴うお客さまの事業停滞による業績悪化影響、及び、担保価値の毀損を通じた与信関係費用の増加等の急性リスクや、感染症や熱中症の増加等によるマクロ経済の悪化に起因した与信関係費用の増加等の慢性リスクなどが代表的です。
当行及び当グループはこれらのリスクを管理するために、グローバルな潮流・動向も捕捉しながら、戦略やリスク管理態勢の見直しを実施しておりますが、こうした取り組みが奏功せず気候変動リスクが顕在化した場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ LIBOR等の指標金利に関するリスク
当行及び当グループは、多数の法人・個人等のお客さまにローン・預金・債券・デリバティブ等の広範な商品、サービスを提供しておりますが、これらには米ドルをはじめとする多くの通貨でロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」という)等の指標金利を参照する商品・サービスが含まれています。また、当行及び当グループは、このような指標金利を参照する商品等を保有し、当該指標金利を参照する負債等を有し、さらに当該指標金利は、当行及び当グループ内における金融商品の評価等においても利用されております。
2012年以降に顕在化した、一連のLIBOR不正操作問題などを踏まえ、金融安定理事会(FSB)は、2014年7月に公表した報告書の中で、金融指標の信頼性・透明性向上を図るべく、指標金利としてリスクフリーレートの構築を提言しました。また、2017年7月には英国の金融行動監視機構長官(FCA)が、2021年末以降はLIBOR維持のためにパネル行にレート呈示を強制する権限を行使しない旨を表明しました。その後、LIBORの運営機関であるIBAが、2021年3月に、2021年末以降は日本円、英ポンド、欧ユーロ、スイスフランのLIBOR及び一部の米ドルLIBORについて、2023年6月末以降はその他の米ドルLIBORについて、それぞれ公表を停止することを表明し、これを踏まえて、FCAはLIBORの恒久的公表停止及び代表性喪失に関して正式に発表しました。その後、2021年12月末をもって、日本円、英ポンド、欧ユーロ、スイスフランの4通貨および、米ドルの1週間物・2か月物のLIBORが予定通り公表停止されました。
LIBOR等の指標金利の公表停止及び後継指標への移行に向けて、当行及び当グループでは、グループ全体で対応策を講じ、2023年6月末に公表停止を迎えるその他の米ドルLIBORも含め、後継指標への移行は、計画通り進捗しております。この中で、参照金利や評価方法の変更等により、指標金利を参照する当行及び当グループの金融資産及び金融負債につき損失が発生し、また、商品・サービスの提供の制限や、既存の商品・サービスに関する訴訟リスクの増大や追加でのシステム開発が必要になること等に伴う費用の増加等の要因により当行及び当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 金融業界の競争激化による悪影響
当行及び当グループは、国内外の大手金融機関やノンバンク等との激しい競争環境に晒されています。また、昨今は様々なテクノロジー(いわゆるFinTech)の進展により業種の垣根を越えて多くの企業による金融領域への新規参入が相次ぐなど、当行及び当グループを取り巻く競争環境はますます激化する可能性があります。さらに、これまで進められてきた金融規制改革により、競合他社との戦略の差別化が難しくなり、特定のビジネスにおける競争環境が激化していく惧れもあります。当行及び当グループが、競争に十分対応することができない場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競争激化等に伴い、金融業界において金融機関の再編が進み、当行及び当グループの競争力や株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 災害・テロ・感染症等の発生による悪影響
当行及び当グループは、国内外において店舗、事務所や電算センター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、感染症の流行により、当行及び当グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行及び当グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、バックアップオフィスの構築等、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行及び当グループの業務の一部が停止する等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2011年3月に発生した東日本大震災のような大規模な災害や新型コロナウイルスのような感染症の流行に起因して、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行及び当グループの不良債権及び与信関係費用が増加したり、保有株式や金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.財務面に関するリスク
(1) 不良債権処理等に係るリスク
① 与信関係費用の増加等による追加的損失の発生
当行及び当グループは、多くの与信先についてメインバンクとなっているとともに、相当程度大口の与信先があります。また、与信先の業種については分散に努めておりますが、不動産業、製造業、金融・保険業向けの与信の割合が相対的に高い状況にあります。
当行及び当グループは、個々の与信先の信用状態や再建計画の進捗状況を継続的にモニタリングするとともに、企業グループやリスク事象発現時に影響が想定される特定業種への与信集中状況等を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を実施しているほか、クレジットデリバティブの活用によるヘッジ及び信用リスクの減殺を行っております。また、与信先から差入れを受けている担保や保証の価値についても定期的に検証しております。
しかしながら、国内外のクレジットサイクルの変調、特定の業界における経営環境の変化、不動産等の資産価格下落等によっては、想定を超える新たな不良債権の発生、メインバンク先や大口与信先の信用状態の急激な悪化、特定の業界の与信先の信用状態の悪化、担保・保証の価値下落等が生じる可能性があります。こうした事象によって、与信関係費用が増加する等追加的損失が発生し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 貸倒引当金の状況
当行及び当グループは、自己査定基準、償却・引当基準に基づき、与信先の状況、差入れられた担保の価値及び経済動向を考慮した上で、貸倒引当金を計上しております。
償却・引当の計上にあたっては、貸出資産を適正に評価し、市場売却を想定した厳正な担保評価を行っておりますが、国内外の経済情勢の悪化、与信先の業況の悪化、担保価値の下落等により、多くの与信先で貸倒引当金及び貸倒償却等の与信関係費用や不良債権残高が増加する可能性があり、その結果、当行及び当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 保有資産等の価格変動等に係るリスク
① 株価下落による追加的損失の発生
当行及び当グループは、国内上場企業の普通株式を中心に、市場性のある株式を大量に保有しております。当行及び当グループでは、「上場株式の政策保有に関する方針」を掲げ、株価変動リスクが財務状況に大きな影響を与えうることに鑑み、その保有の意義が認められる場合を除き、上場株式を政策保有しないことを基本方針としており、売却を計画的に進めております。また、必要に応じて部分的にヘッジを行うことによりリスク削減にも努めております。しかしながら、これらの保有株式の株価が下落した場合には評価損や売却損が発生する可能性があります。
また、当行及び当グループの自己資本比率の計算においては、自己資本の算出にあたり、保有株式の含み損益を勘案していることから、株価が下落した場合には、自己資本比率が低下する可能性があります。
その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
「上場株式の政策保有に関する方針」及び政策保有株式の保有意義検証等の概要については、株式会社みずほフィナンシャルグループの「コーポレートガバナンスに関する報告書」をご覧ください。
https://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/governance/pdf/g_report.pdf
② 金利の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループは、投資等を目的として国債をはじめとする市場性のある債券等を大量に保有しているため、金利上昇に伴う価格の下落により、評価損や売却損が発生する可能性があります。また、当行及び当グループの金融資産と負債の間では満期等に違いがあるため、金利変動により損失が発生する可能性があります。当行及び当グループは、厳格なリスク管理体制の下、必要に応じて債券の売却や銘柄の入れ替え、デリバティブ取引等によるヘッジを行う等、適切な管理を行っておりますが、金融政策の変更や、財政悪化等によるソブリンリスク顕在化、その他市場動向等により大幅に金利が変動した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 外国為替相場の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループは、資産及び負債の一部を米ドル等の外貨建てで有しております。外貨建ての資産と負債が通貨毎に同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について、為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。当行及び当グループでは、必要に応じ適切なヘッジを行っておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 保有資産の市場流動性低下による追加的損失の発生
当行及び当グループは、市場で取引される様々な資産を保有しておりますが、金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があります。グローバルな金融市場混乱や経済・金融環境の悪化等により、保有資産の市場流動性が著しく低下した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務等の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、株式相場並びに金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当行及び当グループの退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産に係る財務上の影響
繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ヘッジ目的等の金融取引に係る財務上の影響
ヘッジ目的等で利用するクレジットデリバティブや株式関連デリバティブ等の金融取引については、ヘッジ対象資産と会計上の取扱いや評価方法が異なる場合があります。そのため、市場の変動等により、ある特定の期間において、ヘッジ対象資産の評価が上昇しても、当該金融取引から損失のみが発生する場合があり、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 固定資産の減損に係るリスク
当行及び当グループは、保有する有形固定資産及び無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 資金調達等に係るリスク
① 資金調達が困難となることによる追加的損失の発生
当行及び当グループの資金調達は、主に預金、債券発行及び市場からの調達により行っております。特に、外貨資金は、円貨資金に比べ市場からの調達の依存度が高くなっております。そのため、資金調達の安定性の観点から、今後必要となる資金調達額に対する上限額の設定や資金繰りの状況に応じた対応方針の策定等、厳格な管理を行っております。
しかしながら、国内外の景気悪化、金融システム不安、金融市場の混乱等により資金流動性が低下した場合、あるいは当行及び当グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等が発生し、予想外の資金流出が発生した場合には、資金調達コストの増加や、外貨資金調達等に困難が生じることがあり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 格付引き下げによる悪影響
株式会社みずほフィナンシャルグループや当行等、当グループの一部の会社は、格付機関から格付を取得しております。格付の水準は、当行及び当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいています。また、日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等の影響も受けているため、常に格付機関による見直し・停止・取下げが行われる可能性があります。
仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や資金調達の困難化、市場関連取引における追加担保の提供、既存取引の解約等が発生する可能性があり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、当行及び当グループのデリバティブ契約に基づき格下げによる追加担保の金額を試算すると、他の条件が不変であれば、2023年3月末に1ノッチの格下げがあった場合は約85億円、2ノッチの格下げの場合は約251億円となります。
(4) 自己資本比率等に係るリスク
① 自己資本比率規制
当行及び当グループには、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢテキスト(銀行の自己資本と流動性に係る国際的な基準の詳細を示すもの)に基づき、金融庁の定める自己資本比率規制(当グループがグローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に選定されていることに伴う、G-SIBsバッファーに係る規制を含む)が適用されております。また、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢの見直しに係る最終規則文書に基づく改正後の自己資本比率規制は、2024年3月末から当行及び当グループに適用されます。
仮に当行及び当グループの自己資本比率が一定基準を下回った場合には、その水準に応じて、金融庁から社外流出の制限や資本の増強を含む改善計画の提出、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部業務の縮小、子会社等の株式の処分、業務の全部又は一部の停止等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当行を含む当グループは、米国その他の事業を行う諸外国・地域において、現地の自己資本比率規制に服しており、当該規制に抵触した場合には、現地当局から様々な規制及び命令を受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② レバレッジ比率規制
当行及び当グループには、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢテキストに基づき、金融庁の定めるレバレッジ比率規制が適用されております。また、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢの見直しに係る最終規則文書に基づき、レバレッジ比率の算出方法の改正については、2024年3月末から実施されます。
仮に当行及び当グループのレバレッジ比率が一定基準を下回った場合には、その水準に応じて、金融庁から資本の増強に係る措置を含む改善計画の提出、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部業務の縮小、子会社等の株式の処分、業務の全部又は一部の停止等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当行を含む当グループは、米国その他の事業を行う諸外国・地域において、現地のレバレッジ比率規制に服しており、当該規制に抵触した場合には、現地当局から様々な規制及び命令を受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 総損失吸収力(TLAC)規制
G-SIBsに選定されている当グループ及び当行を含む当グループの主要子会社には、FSBが公表した「グローバルなシステム上重要な銀行の破綻時の損失吸収及び資本再構築に係る原則」等に基づき、金融庁の定めるTLAC規制が適用されております。
仮に当グループの外部TLAC比率や、当行を含む当グループの主要子会社の内部TLAC額が一定基準を下回った場合には、金融庁から外部TLAC比率の向上や内部TLAC額の増加に係る改善策の報告を求められる可能性に加えて、業務改善命令を受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資本調達
普通株式等Tier1資本を除き、当グループの資本調達(TLAC規制に対応した調達を含む)は、主に債券発行により行っております。
仮に当行及び当グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等のほか、国内外の景気悪化、金融システム不安や金融市場の混乱等が生じた場合には、資本調達コストの増加や、十分な資本調達が出来ないことにより、企図した水準への自己資本比率等の向上が図れない事象等が生じる可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.業務面に関するリスク
① システムリスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、勘定系・決済系等の巨大なコンピュータシステムを保有しており、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムとグローバルなネットワークで接続されています。
当行及び当グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、重要なシステムについては、原則としてバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。
しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大なシステム障害が発生した場合には、こうした対策が有効に機能しない可能性があります。
2021年2月以降、当行において複数のシステム障害が発生し、営業部店やATMでの取引、インターネットバンキング取引、内為・外為取引等が一部不能となりました。これに伴い、当行及び当グループは、2021年9月22日及び同年11月26日に銀行法第26条第1項及び同法第52条の33第1項に基づき、金融庁より業務改善命令を受けました。その後、11月26日付の業務改善命令に基づき、当行及び当グループは、2022年1月17日に金融庁へ業務改善計画を提出いたしました。また、同命令に基づき、当該業務改善計画の実施状況について、2022年3月末の実施状況を初回として、以降3ヶ月毎に報告を実施しており、直近では2023年4月14日に報告書を金融庁に提出いたしました。
このような事案を含め、システムリスクが顕在化した場合には、情報の流出、誤作動、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② サイバー攻撃等による悪影響
当行及び当グループが保有する多くのシステムは、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムと、グローバルなネットワークで接続されております。当行及び当グループは、サイバー攻撃の高度化・裾野拡大を踏まえて、サイバーセキュリティ対策を経営の重要課題と認識し、経営主導のもと、「サイバーセキュリティ経営宣言」に基づいて、継続的にサイバーセキュリティ対策を推進しています。このサイバーセキュリティ対策の推進状況については、経営会議・取締役会まで報告を行い、必要に応じてサイバーセキュリティに関する方針や資源配分を見直しております。また、当行及び当グループ・グローバルのサイバーセキュリティ管理業務全体を統括するCISO*1も設置しています。
Mizuho-CIRT*2を中心に、高度なプロフェッショナル人材を配置し、統合SOC*3等による24時間365日の監視体制を整え、ウイルス解析、多層的防御等、レジリエンス態勢強化に取り組むとともに、社内検証だけでなく第三者による客観的評価も実施することで、対策強化を図っております。また、有事に備え、TLPT*4や半年に1回以上のフィッシングメール訓練等の実施、サイバーセキュリティ知識向上のためのe-ラーニングの提供等の人材育成、サプライチェーン対策、お客さまの意識啓発にも注力しております。
しかしながら、こうした強化策が奏功せず、サイバー攻撃によるサービス停止、データ改ざん、情報漏えい、不正送金、外部委託先等の第三者を経由したサイバー攻撃等が発生した場合には、それに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
*1 Chief Information Security Officer
*2 Cyber Incident Response Team
*3 Security Operation Center
*4 Threat Led Penetration Test(実際の技術を使用してシステム侵害を試みることで、セキュリティの強度を確認するテスト)
③ 個人情報等の漏えい等の発生による悪影響
当行及び当グループは、多数の法人・個人のお客さまの情報を保有しているほか、様々な内部情報を有しております。特に、個人情報については、個人情報保護法の下で、情報の漏えいや不正なアクセスを防止するため、より厳格な管理が要求されております。当行及び当グループにおいても情報管理に関するポリシーや事務手続を策定しており、役職員に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行い、外部委託先についても同様に情報管理態勢を監督しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重要な情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下「マネロン対策」という)の重要性が急速に高まっております。「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(2021年2月改正)の本邦金融当局からの発出や、2021年8月の我が国のマネロン対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査結果の公表など、金融機関のマネロン対策の強化が課題となっています。当行及び当グループは、国内外において事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けており、当行及び当グループでは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
しかしながら、マネロン対策が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、外為法第17条に基づく銀行等の確認義務の履行に関し、2021年11月26日に財務省より是正措置命令を受け、同年12月17日に改善・再発防止策等に係る報告書を財務省に提出いたしました。同命令に基づき2022年1月以降毎四半期末日までに状況報告を実施しており、直近では2023年3月31日に報告書を財務省に提出いたしました。
⑤ テロ支援国家との取引に係るリスク
米国法上、米国人は、米国国務省によりテロ支援国家と指定された国(イラン、シリア、北朝鮮、キューバ。以下「指定国」という)と事業を行うことが一般的に禁止されており、当行及び当グループは、関係する米国法を遵守する態勢を整備しております。但し、米国外の拠点において、関係法令の遵守を前提に、顧客による輸出入取引に伴う貿易金融やコルレス口座の維持等、指定国に関連する業務を限定的に行っております。なお、イランには、駐在員事務所を設置しています。指定国に関係するこれらの業務は、当行及び当グループ全体の事業、業績及び財務状態に比し小規模であり、また、関係する日本及び米国の法令を遵守する態勢を整備しております。
指定国が関与する取引に関わる規制は今後強化もしくは改定されていく可能性があり、当行及び当グループの法令遵守態勢が米国における規制に十分対応できていないと米国政府に判断された場合には、当行及び当グループの業務運営に悪影響を及ぼすような、米国政府による何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。また、顧客や投資家を失う、ないしは当行及び当グループのレピュテーションが毀損することで、当行及び当グループの業務運営又は株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不公正な市場取引に係るリスク
当行及び当グループは、国内外において市場業務を行う上で、不公正な市場取引に係る本邦及び他国の法令諸規制や取引所規則等の適用とともに国内外の金融当局の監督を受けております。
当行及び当グループは、不公正な市場取引に係る法令諸規制や取引所規則等が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底やコンプライアンス・リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。
今後、仮に不公正な市場取引に係る法令諸規制の違反等が発生した場合には、関係当局からの処分やレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法令違反等の発生、役職員による不適切な行為・不作為による悪影響
当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用、金融当局の監督を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに金融当局の監督を受けております。さらに、当行及び当グループ、及びその役職員は、法令諸規制やルールを遵守することのみならず、「顧客や社会から期待される水準」、「社会的規範や目線」に即した行動を取ることが求められていますが、その水準や目線は日々高まるとともに内容は変容していくことが想定されます。
当行及び当グループは、上記を踏まえ、役職員に対するコンプライアンスの徹底や健全なリスクカルチャーの浸透及び醸成に向けた取り組み、法務リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。
今後、仮に法令違反等や役職員による不適切な行為・不作為が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 当行及び当グループの戦略、施策が奏効しないリスク
当行及び当グループは、2023年5月に発表した、2023年度から2025年度までの3年間を計画期間とする当グループの経営計画等、様々な戦略や施策を実行しております。
しかしながら、こうした戦略や施策が実行できない、あるいは、たとえ戦略や施策が実行できた場合でも当初想定した成果の実現に至らない可能性、本項に示した各種リスクの顕在化又は経済環境の変化等により発表した数値目標を達成できない可能性があります。
なお、当グループの経営計画の内容につきましては、有価証券報告書「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご覧ください。
⑨ 業務範囲の拡大等に伴う新たなリスクの発生による悪影響
当行及び当グループは、総合金融コンサルティンググループとして、銀行業・信託業・証券業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、ないしは規制緩和の進展等に応じた新たな業務分野への進出や各種業務提携、資本提携を実施しております。当行及び当グループは、こうした新たな業務等に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しております。しかしながら、想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 事務リスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、役職員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。
当行及び当グループは、各業務の事務取扱を明確に定めた事務手続を制定するとともに、事務処理状況の定期的な点検を行っており、さらに本部による事務指導の強化や管理者の育成、システム化等を推進しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人事上のリスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、多数の従業員を雇用しており、日頃より多様な人材の確保や育成等に努めております。しかしながら、十分に人材を確保・育成できない場合には、当行及び当グループの競争力や効率性が低下し、業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 財務報告に係る内部統制の構築等に関するリスク
株式会社みずほフィナンシャルグループは、ニューヨーク証券取引所上場企業であり、当グループは、米国サーベンス・オクスリー法に準拠した開示体制及び内部統制の強化を行っております。同法により、同社経営者及び監査法人はそれぞれ同社の財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その評価結果をForm20-Fにより報告することが求められています。
また、金融商品取引法においても、株式会社みずほフィナンシャルグループは、同社経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価、及び経営者評価に対する監査法人の意見を内部統制報告書及び内部統制監査報告書により報告することが求められています。
当行及び当グループは、上記に従い財務報告に係る内部統制の構築を行っており、評価の過程で発見された問題点は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、改善が間に合わない場合や、経営者が内部統制を適正と評価したとしても監査法人は不適正とする場合があり、その場合、当行及び当グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 訴訟に関するリスク
当行及び当グループは、国内外において銀行業務を中心に様々な金融業務を行っておりますが、こうした業務を行うにあたり、損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があり、その場合、訴訟の動向によっては、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ レピュテーショナルリスク
当行及び当グループの事業は、お客さま、社員の他、経済・社会における様々なステークホルダーからの信用に大きく依存しております。そのため、当行及び当グループおよびその役職員が提供するサービス・活動が、ステークホルダーの期待・要請から大きく乖離していると評価された場合には、当行及び当グループの信用またはブランドに対して負の影響が及び、有形無形の損失を被る可能性があります。当行及び当グループは、こうしたレピュテーショナルリスクを早期に捕捉し、適切に対応することで、リスクの顕在化を未然に防止するよう努めております。しかしながら、こうした取り組みが十分に機能せず、ステークホルダーの期待・要請に沿わない結果となった場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況、ないしは株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ リスク管理の方針及び手続が有効に機能しないリスク
当行及び当グループは、リスク管理の方針及び手続に則りリスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、リスクを特定・管理するための方針及び手続が、必ずしも有効に機能するとは限りません。また、当行及び当グループのリスク管理手法は、過去の市場動向に基づいている部分があることから、将来発生するリスクを正確に予測できるとは限りません。当行及び当グループのリスク管理の方針及び手続が有効に機能しない場合、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は以下の通りと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
[総論]
①連結業務純益
・当連結会計年度の連結粗利益は、顧客部門が海外を中心に堅調に推移した一方、市場部門での外国債券ポートフォリオの含み損の健全化による減益等もあり、前連結会計年度比1,064億円増加の1兆7,762億円となりました。
・営業経費は、構造改革による経費削減が進んだ一方で為替影響による費用増加等もあり、前連結会計年度比521億円増加し、1兆159億円となりました。
・これらの結果、連結業務純益は、前連結会計年度比375億円増加し、7,378億円となりました。
なお、連結業務純益にETF関係損益を加えた連結業務純益+ETF関係損益は、前連結会計年度比349億円増加し、7,375億円となりました。
②親会社株主に帰属する当期純利益
・与信関係費用は、前連結会計年度に計上した一部大口の引当の剥落等により、前連結会計年度比1,483億円減少し、875億円の費用計上となりました。
・株式等関係損益は、政策保有株式の売却を着実に進めたことに加え、株式含み益の一部固定化を目的に導入したベアファンドの前連結会計年度に計上した解約損失が剥落したこと等により、前連結会計年度比1,244億円増加し、752億円の利益となりました。
・これらの結果、経常利益は、前連結会計年度比3,079億円増加し、7,216億円となりました。
・特別損益は、前連結会計年度に計上した大口の退職給付信託の返還益の剥落等により、前連結会計年度比124億円減少し、253億円の利益となりました。
・税金関係費用は、前連結会計年度比1,053億円増加し、2,307億円となりました。
・以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1,938億円増加し、5,163億円の利益となりました。
③重要な会計上の見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、第5 経理の状況、1. 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
[損益の状況]
前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下の通りです。
(図表1)
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結粗利益 |
① |
16,697 |
17,762 |
1,064 |
資金利益 |
|
9,643 |
9,362 |
△281 |
役務取引等利益 |
|
4,959 |
5,503 |
543 |
特定取引利益 |
|
1,204 |
1,894 |
689 |
その他業務利益 |
|
889 |
1,001 |
112 |
営業経費 |
② |
△9,637 |
△10,159 |
△521 |
不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
③ |
△2,566 |
△949 |
1,616 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
207 |
74 |
△133 |
株式等関係損益 |
⑤ |
△492 |
752 |
1,244 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
273 |
124 |
△148 |
その他 |
⑦ |
△345 |
△388 |
△42 |
経常利益 (①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
4,136 |
7,216 |
3,079 |
特別損益 |
⑨ |
377 |
253 |
△124 |
税金等調整前当期純利益 (⑧+⑨) |
⑩ |
4,514 |
7,469 |
2,954 |
税金関係費用 |
⑪ |
△1,253 |
△2,307 |
△1,053 |
当期純利益(⑩+⑪) |
⑫ |
3,261 |
5,162 |
1,900 |
非支配株主に帰属する当期純損益 |
⑬ |
△36 |
1 |
37 |
親会社株主に帰属する当期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
3,225 |
5,163 |
1,938 |
|
|
|
|
|
包括利益 |
⑮ |
△1,567 |
2,025 |
3,593 |
|
|
|
|
|
与信関係費用(③+④) |
⑯ |
△2,358 |
△875 |
1,483 |
(注) 費用項目は△表記しております。 |
||||
|
|
|
|
|
(参考)連結業務純益 |
7,002 |
7,378 |
375 |
|
(参考)連結業務純益+ETF関係損益 |
7,025 |
7,375 |
349 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整
① 連結粗利益
当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比1,064億円増加し、1兆7,762億円となりました。項目ごとの収支は以下の通りです。
(資金利益)
資金利益は、貸出金利息の増加より預金利息・売現先利息の増加が上回ったこと等により、前連結会計年度比281億円減少し、9,362億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、前連結会計年度比543億円増加し、5,503億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、海外連結子会社の特定取引費用の減少等により、前連結会計年度比689億円増加し、1,894億円となりました。また、その他業務利益は、前連結会計年度比112億円増加し、1,001億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、構造改革による経費削減が進んだ一方で為替影響による費用増加等もあり、前連結会計年度比521億円増加し、1兆159億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、前連結会計年度に計上した一部大口の引当の剥落等により、前連結会計年度比1,483億円減少の875億円の費用計上となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、政策保有株式の売却を着実に進めたことに加え、株式含み益の一部固定化を目的に導入したベアファンドの前連結会計年度に計上した解約損失が剥落したこと等により、前連結会計年度比1,244億円増加し、752億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前連結会計年度比148億円減少し、124億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、388億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比3,079億円増加し、7,216億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度に計上した大口の退職給付信託の返還益の剥落等により、前連結会計年度比124億円減少し、253億円の利益となりました。
⑩ 税金等調整前当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比2,954億円増加し、7,469億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、前連結会計年度比1,053億円増加し、2,307億円となりました。
⑫ 当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度比1,900億円増加し、5,162億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する当期純損益
非支配株主に帰属する当期純損益(損失)は、前連結会計年度比37億円減少し、1億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1,938億円増加し、 5,163億円の利益となりました。
⑮ 包括利益
包括利益は、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度比3,593億円増加し、2,025億円(利益)となりました。
-参考-
(図表2)損益状況(単体)
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
業務粗利益 |
13,463 |
13,211 |
△251 |
資金利益 |
8,867 |
8,708 |
△158 |
役務取引等利益 |
3,929 |
4,112 |
182 |
特定取引利益 |
16 |
59 |
43 |
その他業務利益 |
648 |
330 |
△318 |
経費(除:臨時処理分) |
△7,780 |
△7,774 |
5 |
業務純益(一般貸倒引当金純繰入前) |
5,682 |
5,437 |
△245 |
臨時損益等 |
△4,675 |
607 |
5,283 |
うち不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
△4,339 |
32 |
4,371 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
194 |
69 |
△125 |
うち株式等関係損益 |
△511 |
578 |
1,090 |
経常利益 |
2,108 |
5,591 |
3,483 |
特別損益 |
380 |
289 |
△91 |
当期純利益 |
1,765 |
3,961 |
2,195 |
|
|
|
|
与信関係費用 |
△3,043 |
△351 |
2,691 |
(注)費用項目は△表記しております。
[セグメント情報]
当グループは、顧客セグメント別のカンパニー制を導入しており、これに伴って当行グループは報告セグメントを5つの部門に分類しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の概要は、以下の通りです。
なお、詳細につきましては、第5経理の状況、1.連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益+ETF関係損益、業務純益+ETF関係損益及び固定資産の金額
に関する情報
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額(億円) |
金額(億円) |
||||
|
業務粗利益 +ETF 関係損益 |
業務純益 +ETF 関係損益 |
固定資産 |
業務粗利益 +ETF 関係損益 |
業務純益 +ETF 関係損益 |
固定資産 |
リテール・事業法人 部門 |
4,895 |
479 |
4,252 |
5,264 |
728 |
4,580 |
大企業・金融・公共法人 部門 |
3,660 |
2,383 |
1,485 |
3,914 |
2,672 |
1,404 |
グローバルコーポレート 部門 |
5,295 |
2,791 |
1,617 |
6,338 |
3,639 |
1,737 |
グローバルマーケッツ 部門 |
1,779 |
1,094 |
695 |
503 |
△200 |
672 |
アセットマネジメント 部門 |
△6 |
9 |
- |
△8 |
△4 |
- |
その他 |
1,094 |
266 |
5,147 |
1,746 |
539 |
5,070 |
みずほ銀行(連結) |
16,720 |
7,025 |
13,199 |
17,759 |
7,375 |
13,464 |
|
比較 |
||
|
金額(億円) |
||
|
業務粗利益 +ETF 関係損益 |
業務純益 +ETF 関係損益 |
固定資産 |
リテール・事業法人 部門 |
368 |
248 |
327 |
大企業・金融・公共法人 部門 |
253 |
288 |
△80 |
グローバルコーポレート 部門 |
1,042 |
847 |
119 |
グローバルマーケッツ 部門 |
△1,275 |
△1,294 |
△23 |
アセットマネジメント 部門 |
△2 |
△13 |
- |
その他 |
651 |
272 |
△77 |
みずほ銀行(連結) |
1,038 |
349 |
265 |
*業務純益は、一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
各部門の2022年度の取り組み内容は次の通りです。
※2023年4月1日に大企業・金融・公共法人カンパニーとグローバルプロダクツユニットの投資銀行機能を統合の上、コーポレート&インベストメントバンキングカンパニーを新設し、グローバルプロダクツユニットのトランザクション機能は、グローバルトランザクションユニットとして独立しました。さらに、コーポレート&インベストメントバンキングカンパニーの新設に伴い、グローバルコーポレートカンパニーをグローバルコーポレート&インベストメントバンキングカンパニーに改称しました。
2022年度の取り組み内容について、各部門は、新組織名で記載しております。また、グローバルプロダクツユニットのうち、投資銀行機能に関する記載は、統合したコーポレート&インベストメントバンキング部門の項目に記載しております。
(リテール・事業法人部門)
個人のお客さまには、グループ一体となった総合資産コンサルティングの充実に向け、銀行・信託・証券のそれぞれの強みや特性を活かした総合的な金融サービスの提供を行うとともに、法人のお客さまには、米国金利上昇や物価高騰等、社会・経済の環境変化を受け多様化するお客さまニーズへの対応を強化し、グループ一体でのソリューション提供に取り組みました。ビジネス領域を拡げるアライアンスにおいては、社会・経済環境の変化等によるLINE Bank設立プロジェクトの中止や経営資源集約のためのJ.Score・LINE Creditの統合を決定した一方で、楽天証券やインドネシアのデジタル金融会社Kredivoへ、将来を見据えた出資を実行しました。
また、安定的な業務運営体制の構築・持続的強化のため、システム障害の再発防止・未然防止に向けた点検を継続するとともに、お客さま・現場の「声」を収集し活用・評価するプロセスの定着化にも取り組みました。
(コーポレート&インベストメントバンキング部門)
サステナビリティ重視の潮流や、低金利環境からの転換を受けた内外市場におけるボラティリティの高まりにより、社会・経済において様々な構造転換が加速しております。大きな変化に伴うお客さまのニーズに対して、先鋭化した産業知見を活かし、グループ横断的なセクター別営業体制を通じてタイムリーにソリューション提供を行いました。お客さまの資金ニーズへの対応のみならず、M&A、不動産等をはじめとする仲介機能・コンサルティング力の発揮に加え、優先株や劣後ローンなどのメザニンファイナンスやエクイティの提供を通じて、お客さまとの事業リスクシェアにも更に踏み込んで対応しました。
(グローバルコーポレート&インベストメントバンキング部門)
新型コロナウイルスの流行が収束に向かい、世界的なインフレ進行や各国の金融政策の見直し、地政学リスクの高まり等が、海外事業に大きく影響する中、お客さまの事業戦略見直しやサプライチェーンの再構築に対して、金融面からサポートを行ってまいりました。
グローバルに資本市場ビジネスが冷え込む中、アジアを中心としたトランザクションバンキングにて商機を捉え、収益を着実に伸長させました。
また、〈みずほ〉のプロダクトの強みを軸に、サステナビリティ・リンクのボンドやローンを数多く提供するなど、お客さまのESGの取り組みを支援しました。
(グローバルマーケッツ部門)
セールス&トレーディング業務においては、国内外で銀行・証券の実質一体運営を進め、お客さまの多様なニーズに対応すべく、「ソリューションアプローチ」を強化することで、国内外での金利変動等の機会を的確に捉え、収益化してまいりました。ALM・投資業務においては、高水準のインフレを背景に各国中央銀行が急速な金融引き締めを行う中、パフォーマンスの安定維持に注力しました。また、安定的かつ効率的な外貨資金調達を通じて、お客さまのグローバルビジネスのサポートに努めるとともに、欧州でのグリーンボンド発行等でサステナビリティ推進に取り組みました。
(アセットマネジメント部門)
個人のお客さまに対しては、人生100年時代においてますます重要性が高まる、中長期にわたる資産形成に適した投資信託や、個人型確定拠出年金(iDeCo)等のサービスを提供してまいりました。大きな下落を回避し安定的なパフォーマンスを追求するバランス型投資信託や、世界経済の成長を享受する投資信託に加え、内外の金利環境の変化も捉えた利回り型の投資信託を複数新規設定する等、幅広い商品開発・提供を通じ、多様なニーズに応えてまいりました。金融法人等のお客さまには資産・負債の両面を踏まえたポートフォリオの分析・助言を、年金基金等のお客さまには年金制度・運用にかかるコンサルティング提案等のサービスを提供してまいりました。
[財政状態の分析]
前連結会計年度及び当連結会計年度における財政状態のうち、主なものは以下の通りです。
(図表4)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
資産の部 |
2,168,050 |
2,324,064 |
156,013 |
うち有価証券 |
441,337 |
368,043 |
△73,294 |
うち貸出金 |
831,684 |
872,309 |
40,624 |
負債の部 |
2,090,334 |
2,246,028 |
155,694 |
うち預金 |
1,363,438 |
1,478,978 |
115,539 |
うち譲渡性預金 |
160,535 |
132,022 |
△28,512 |
純資産の部 |
77,715 |
78,035 |
319 |
株主資本合計 |
68,761 |
72,238 |
3,477 |
その他の包括利益累計額合計 |
8,488 |
5,318 |
△3,169 |
非支配株主持分 |
465 |
477 |
11 |
[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
有価証券 |
441,337 |
368,043 |
△73,294 |
国債 |
256,275 |
172,373 |
△83,901 |
地方債 |
4,196 |
5,546 |
1,350 |
社債 |
29,537 |
31,678 |
2,141 |
株式 |
29,388 |
26,623 |
△2,765 |
その他の証券 |
121,940 |
131,821 |
9,881 |
有価証券は36兆8,043億円と、国債が減少したことを主因として、前連結会計年度末比7兆3,294億円減少しております。
② 貸出金
(図表6)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
831,684 |
872,309 |
40,624 |
(単体)
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
829,624 |
872,803 |
43,179 |
国内店分 |
564,988 |
576,697 |
11,709 |
中小企業等貸出金*1 |
329,760 |
338,508 |
8,747 |
うち居住用住宅ローン |
78,464 |
75,604 |
△2,860 |
海外店貸出金残高*2 |
264,636 |
296,106 |
31,470 |
*1 中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の企業等であります。
*2 海外店貸出金残高には、特別国際金融取引勘定を含んでおります。
貸出金は87兆2,309億円と、前連結会計年度末比4兆624億円増加しております。
また、当行の貸出金残高は87兆2,803億円と前事業年度末比4兆3,179億円増加しております。国内店貸出金は1兆1,709億円増加しております。海外店貸出金は3兆1,470億円増加しております。
なお、当行の中小企業等貸出金残高は、前事業年度末比8,747億円増加し33兆8,508億円、うち居住用住宅ローンは、同2,860億円減少して7兆5,604億円となっております。
[負債の部]
① 預金
(図表7)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金 *1 |
1,523,973 |
1,611,000 |
87,027 |
流動性預金 *2 |
955,923 |
1,007,237 |
51,314 |
定期性預金 |
339,538 |
405,036 |
65,497 |
譲渡性預金 |
160,535 |
132,022 |
△28,512 |
その他 |
67,976 |
66,704 |
△1,272 |
*1 預金には、譲渡性預金を含んでおります。
*2 流動性預金は、当座預金、普通預金、貯蓄預金、通知預金の合計であります。
(単体)
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金(国内) |
1,099,601 |
1,164,028 |
64,427 |
個人 |
468,635 |
473,085 |
4,450 |
一般法人 |
544,579 |
586,986 |
42,406 |
金融機関・政府公金 |
86,386 |
103,956 |
17,570 |
*海外店及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
預金は161兆1,000億円と、定期性預金が増加したこと等により、前連結会計年度末比8兆7,027億円増加しております。
なお、当行の預金者別預金残高は、前事業年度末比一般法人が4兆2,406億円増加し、個人は4,450億円増加しております。
[純資産の部]
(図表8)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
純資産の部合計 |
77,715 |
78,035 |
319 |
株主資本合計 |
68,761 |
72,238 |
3,477 |
資本金 |
14,040 |
14,040 |
- |
資本剰余金 |
21,837 |
21,837 |
- |
利益剰余金 |
32,883 |
36,360 |
3,477 |
その他の包括利益累計額合計 |
8,488 |
5,318 |
△3,169 |
その他有価証券評価差額金 |
6,379 |
4,808 |
△1,571 |
繰延ヘッジ損益 |
△755 |
△3,623 |
△2,867 |
土地再評価差額金 |
1,321 |
1,293 |
△28 |
為替換算調整勘定 |
165 |
1,418 |
1,253 |
退職給付に係る調整累計額 |
1,378 |
1,421 |
43 |
在外関係会社における債務 評価調整額 |
△0 |
0 |
0 |
非支配株主持分 |
465 |
477 |
11 |
当連結会計年度末の純資産の部合計は、前連結会計年度末比319億円増加し、7兆8,035億円となりました。主な変動は以下の通りです。
株主資本合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末比3,477億円増加し、7兆2,238億円となりました。その他の包括利益累計額合計は、繰延ヘッジ損益の減少等により、前連結会計年度末比3,169億円減少し、5,318億円となりました。非支配株主持分は、前連結会計年度末比11億円増加し、477億円となりました。
[不良債権に関する分析(単体)]
① 残高に関する分析
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づ
き、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部につ
いて保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定
する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾
見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場
合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を
基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事
由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従
った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる
債権以外のものに区分される債権をいう。
(図表9)銀行法及び再生法に基づく債権
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
407 |
338 |
△68 |
|
危険債権 |
|
7,148 |
6,512 |
△635 |
要管理債権 |
|
3,169 |
3,466 |
296 |
三月以上延滞債権 |
|
24 |
2 |
△21 |
貸出条件緩和債権 |
|
3,145 |
3,463 |
318 |
小計(要管理債権以下) |
(A) |
10,725 |
10,317 |
△407 |
正常債権 |
|
947,349 |
1,000,392 |
53,043 |
合計 |
(B) |
958,074 |
1,010,710 |
52,635 |
(A)/(B) |
|
1.11% |
1.02% |
△0.09% |
当事業年度末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前事業年度末比407億円減少し、1兆317億円となりました。債権区分では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が68億円、危険債権が635億円それぞれ減少、要管理債権が296億円増加しております。不良債権比率((A)/(B))は1.02%となっております。
② 保全に関する分析
前事業年度末及び当事業年度末における銀行法及び再生法に基づく債権(要管理債権以下)の保全及び引当は以下の通りであります。
(図表10)
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
(A) |
407 |
338 |
△68 |
うち担保・保証 |
(B) |
350 |
287 |
△62 |
うち引当金 |
(C) |
56 |
51 |
△5 |
信用部分に対する引当率 |
(C)/((A)-(B)) |
100.0% |
100.0% |
- |
保全率 |
((B)+(C))/(A) |
100.0% |
100.0% |
- |
危険債権 |
(A) |
7,148 |
6,512 |
△635 |
うち担保・保証 |
(B) |
1,542 |
1,661 |
118 |
うち引当金 |
(C) |
4,385 |
3,426 |
△959 |
信用部分に対する引当率 |
(C)/((A)-(B)) |
78.2% |
70.6% |
△7.6% |
保全率 |
((B)+(C))/(A) |
82.9% |
78.1% |
△4.8% |
要管理債権 |
(A) |
3,169 |
3,466 |
296 |
うち担保・保証 |
(B) |
934 |
964 |
30 |
うち引当金 |
(C) |
519 |
657 |
138 |
信用部分に対する引当率 |
(C)/((A)-(B)) |
23.2% |
26.2% |
3.0% |
保全率 |
((B)+(C))/(A) |
45.8% |
46.8% |
0.9% |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権については、担保・保証が前事業年度末比62億円減少し、引当金が同5億円減少しております。信用部分全額を個別貸倒引当金として計上、ないしは直接償却を実施しており、その結果、信用部分に対する引当率、保全率ともに100%となっております。
危険債権については、担保・保証が前事業年度末比118億円増加し、引当金が959億円減少しております。また、信用部分に対する引当率は7.6ポイント低下し70.6%に、保全率は4.8ポイント低下し78.1%となっております。
要管理債権については、担保・保証が前事業年度末比30億円増加し、引当金が同138億円増加しております。また、信用部分に対する引当率は3.0ポイント上昇し26.2%に、保全率は0.9ポイント上昇し46.8%となっております。
上記債権以外の債権に対する引当率は、以下の通りであります。
(図表11)
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
比較 |
要管理先債権以外の要注意債権(%) |
3.49 |
2.92 |
△0.56 |
正常先債権(%) |
0.10 |
0.09 |
△0.00 |
[自己資本比率等に関する分析]
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
(図表12)
連結自己資本比率(国際統一基準)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結総自己資本比率(④/⑦) |
① |
17.02% |
14.94% |
△2.08% |
連結Tier1比率(⑤/⑦) |
② |
14.42% |
12.78% |
△1.64% |
連結普通株式等Tier1比率(⑥/⑦) |
③ |
11.68% |
10.51% |
△1.17% |
連結における総自己資本の額 |
④ |
101,506 |
97,697 |
△3,808 |
連結におけるTier1資本の額 |
⑤ |
86,045 |
83,565 |
△2,479 |
連結における普通株式等Tier1資本の額 |
⑥ |
69,687 |
68,735 |
△951 |
リスク・アセットの額 |
⑦ |
596,386 |
653,718 |
57,331 |
連結総所要自己資本額 |
⑧ |
47,710 |
52,297 |
4,586 |
連結レバレッジ比率(国際統一基準)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
比較 |
連結レバレッジ比率 |
4.32% |
4.03% |
△0.29% |
総自己資本の額は、前連結会計年度末比3,808億円減少し、9兆7,697億円となりました。一方、リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比5兆7,331億円増加し、65兆3,718億円となりました。この結果、連結総自己資本比率は前連結会計年度末比2.08ポイント低下し、14.94%となりました。
また、連結レバレッジ比率は前連結会計年度末比0.29ポイント低下し、4.03%となりました。
-参考-
(図表13)
単体自己資本比率(国際統一基準)
|
|
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
|
金額(億円) |
単体総自己資本比率(④/⑦) |
① |
14.48% |
単体Tier1比率(⑤/⑦) |
② |
12.18% |
単体普通株式等Tier1比率(⑥/⑦) |
③ |
9.78% |
単体における総自己資本の額 |
④ |
88,534 |
単体におけるTier1資本の額 |
⑤ |
74,507 |
単体における普通株式等Tier1資本の額 |
⑥ |
59,819 |
リスク・アセットの額 |
⑦ |
611,417 |
単体総所要自己資本額 |
⑧ |
48,913 |
単体レバレッジ比率(国際統一基準)
|
当事業年度 (2023年3月31日) |
単体レバレッジ比率 |
3.87% |
[キャッシュ・フローの状況]
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(図表14)
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
49,235 |
69,832 |
20,596 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△18,241 |
65,993 |
84,234 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△5,586 |
480 |
6,066 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により6兆9,832億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得・売却・償還等の結果6兆5,993億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付借入れによる収入等により480億円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、62兆2,297億円となりました。
外貨につきましては、対顧預金の獲得に加え、市場調達等により十分な流動性を確保しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(参考)
(1)国内・海外別収支
当連結会計年度において、資金運用収支・役務取引等収支・特定取引収支・その他業務収支の合計は1兆7,762億円となりました。
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
552,893 |
415,931 |
4,427 |
964,396 |
当連結会計年度 |
445,925 |
494,213 |
3,889 |
936,248 |
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
737,110 |
560,716 |
32,233 |
1,265,593 |
当連結会計年度 |
907,660 |
2,193,142 |
22,906 |
3,077,895 |
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
184,217 |
144,785 |
27,805 |
301,197 |
当連結会計年度 |
461,734 |
1,698,929 |
19,017 |
2,141,646 |
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
291,771 |
204,519 |
330 |
495,960 |
当連結会計年度 |
300,235 |
251,044 |
934 |
550,345 |
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
371,169 |
267,207 |
4,845 |
633,531 |
当連結会計年度 |
377,477 |
319,039 |
6,971 |
689,545 |
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
79,397 |
62,688 |
4,514 |
137,571 |
当連結会計年度 |
77,241 |
67,995 |
6,036 |
139,200 |
|
特定取引収支 |
前連結会計年度 |
△6,508 |
126,996 |
- |
120,488 |
当連結会計年度 |
△4,888 |
194,351 |
- |
189,463 |
|
うち特定取引収益 |
前連結会計年度 |
790 |
953,105 |
7,581 |
946,314 |
当連結会計年度 |
△4,513 |
836,004 |
- |
831,491 |
|
うち特定取引費用 |
前連結会計年度 |
7,298 |
826,108 |
7,581 |
825,825 |
当連結会計年度 |
375 |
641,652 |
- |
642,027 |
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
42,141 |
46,776 |
- |
88,918 |
当連結会計年度 |
△10,225 |
110,382 |
- |
100,156 |
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
199,778 |
68,817 |
- |
268,596 |
当連結会計年度 |
213,856 |
127,246 |
- |
341,103 |
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
157,637 |
22,040 |
- |
179,678 |
当連結会計年度 |
224,082 |
16,864 |
- |
240,947 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」
という)であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」という)
であります。
3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
4.資金調達費用は金銭の信託運用見合額を控除しております。
(2)国内・海外別資金運用/調達の状況
当連結会計年度において、資金運用勘定の平均残高は190兆1,495億円、利息は3兆778億円、利回りは1.61%
となりました。資金調達勘定の平均残高は205兆5,985億円、利息は2兆1,416億円、利回りは1.04%となりました。
① 国内
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
139,129,746 |
737,110 |
0.52 |
当連結会計年度 |
126,907,477 |
916,141 |
0.72 |
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
56,009,823 |
440,254 |
0.78 |
当連結会計年度 |
56,240,399 |
540,472 |
0.96 |
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
39,084,361 |
228,500 |
0.58 |
当連結会計年度 |
37,318,718 |
314,173 |
0.84 |
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
2,519,256 |
△185 |
△0.00 |
当連結会計年度 |
3,958,109 |
382 |
0.00 |
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
6,973,492 |
△6,502 |
△0.09 |
当連結会計年度 |
3,722,338 |
△3,648 |
△0.09 |
|
うち債券貸借取引支払保証金 |
前連結会計年度 |
152,241 |
- |
- |
当連結会計年度 |
160,563 |
- |
- |
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
32,880,731 |
28,758 |
0.08 |
当連結会計年度 |
23,094,652 |
25,970 |
0.11 |
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
138,496,968 |
184,217 |
0.13 |
当連結会計年度 |
138,697,504 |
461,734 |
0.33 |
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
104,576,227 |
5,450 |
0.00 |
当連結会計年度 |
108,294,776 |
69,904 |
0.06 |
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
13,044,502 |
602 |
0.00 |
当連結会計年度 |
11,952,568 |
445 |
0.00 |
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
1,336,228 |
19 |
0.00 |
当連結会計年度 |
1,283,158 |
1,498 |
0.11 |
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
1,468,285 |
2,193 |
0.14 |
当連結会計年度 |
3,008,154 |
18,759 |
0.62 |
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
221,866 |
69 |
0.03 |
当連結会計年度 |
290,413 |
3,275 |
1.12 |
|
うちコマーシャル・ペーパー |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
15,104,263 |
149,925 |
0.99 |
当連結会計年度 |
12,897,696 |
212,026 |
1.64 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、
四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。
② 海外
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
59,566,160 |
560,716 |
0.94 |
当連結会計年度 |
65,676,270 |
2,221,606 |
3.38 |
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
28,816,023 |
427,195 |
1.48 |
当連結会計年度 |
33,306,978 |
1,201,538 |
3.60 |
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
4,086,837 |
44,759 |
1.09 |
当連結会計年度 |
3,040,597 |
73,648 |
2.42 |
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
556,821 |
1,514 |
0.27 |
当連結会計年度 |
1,034,750 |
13,338 |
1.28 |
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
6,397,032 |
22,321 |
0.34 |
当連結会計年度 |
7,272,727 |
239,313 |
3.29 |
|
うち債券貸借取引支払保証金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
13,815,943 |
28,080 |
0.20 |
当連結会計年度 |
16,693,317 |
469,466 |
2.81 |
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
59,968,928 |
144,785 |
0.24 |
当連結会計年度 |
69,352,063 |
1,735,874 |
2.50 |
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
27,358,963 |
59,159 |
0.21 |
当連結会計年度 |
33,368,623 |
772,282 |
2.31 |
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
6,772,555 |
15,317 |
0.22 |
当連結会計年度 |
7,395,176 |
207,552 |
2.80 |
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
493,957 |
1,155 |
0.23 |
当連結会計年度 |
529,750 |
13,310 |
2.51 |
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
20,086,533 |
18,891 |
0.09 |
当連結会計年度 |
18,846,198 |
572,916 |
3.03 |
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
うちコマーシャル・ペーパー |
前連結会計年度 |
2,013,637 |
3,721 |
0.18 |
当連結会計年度 |
1,627,773 |
51,776 |
3.18 |
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
2,240,951 |
10,739 |
0.47 |
当連結会計年度 |
2,425,078 |
15,607 |
0.64 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外連結子会社については、
四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。
③ 合計
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
|||
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
198,695,907 |
3,668,509 |
195,027,398 |
1,297,827 |
32,233 |
1,265,593 |
0.64 |
当連結会計年度 |
192,583,747 |
2,434,237 |
190,149,510 |
3,137,748 |
59,852 |
3,077,895 |
1.61 |
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
84,825,846 |
2,106,655 |
82,719,191 |
867,450 |
7,981 |
859,468 |
1.03 |
当連結会計年度 |
89,547,377 |
2,287,307 |
87,260,070 |
1,742,010 |
11,165 |
1,730,845 |
1.98 |
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
43,171,198 |
858,904 |
42,312,294 |
273,260 |
4,763 |
268,496 |
0.63 |
当連結会計年度 |
40,359,316 |
- |
40,359,316 |
387,822 |
2,580 |
385,242 |
0.95 |
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
3,076,078 |
- |
3,076,078 |
1,329 |
0 |
1,329 |
0.04 |
当連結会計年度 |
4,992,860 |
- |
4,992,860 |
13,720 |
- |
13,720 |
0.27 |
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
13,370,525 |
- |
13,370,525 |
15,818 |
- |
15,818 |
0.11 |
当連結会計年度 |
10,995,066 |
- |
10,995,066 |
235,664 |
- |
235,664 |
2.14 |
|
うち債券貸借取引支払保証金 |
前連結会計年度 |
152,241 |
- |
152,241 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
160,563 |
- |
160,563 |
- |
- |
- |
- |
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
46,696,675 |
37,295 |
46,659,379 |
56,838 |
7 |
56,831 |
0.12 |
当連結会計年度 |
39,787,970 |
36,798 |
39,751,172 |
495,436 |
6 |
495,430 |
1.24 |
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
198,465,896 |
2,836,351 |
195,629,545 |
329,003 |
27,805 |
301,197 |
0.15 |
当連結会計年度 |
208,049,568 |
2,451,050 |
205,598,517 |
2,197,609 |
55,962 |
2,141,646 |
1.04 |
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
131,935,191 |
11,217 |
131,923,973 |
64,609 |
0 |
64,609 |
0.04 |
当連結会計年度 |
141,663,400 |
9,450 |
141,653,950 |
842,187 |
3 |
842,183 |
0.59 |
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
19,817,058 |
- |
19,817,058 |
15,920 |
- |
15,920 |
0.08 |
当連結会計年度 |
19,347,744 |
- |
19,347,744 |
207,997 |
- |
207,997 |
1.07 |
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
1,830,186 |
24,034 |
1,806,152 |
1,174 |
94 |
1,079 |
0.05 |
当連結会計年度 |
1,812,908 |
32,035 |
1,780,873 |
14,808 |
3 |
14,804 |
0.83 |
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
21,554,818 |
- |
21,554,818 |
21,084 |
- |
21,084 |
0.09 |
当連結会計年度 |
21,854,353 |
- |
21,854,353 |
591,676 |
- |
591,676 |
2.70 |
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
221,866 |
- |
221,866 |
69 |
- |
69 |
0.03 |
当連結会計年度 |
290,413 |
- |
290,413 |
3,275 |
- |
3,275 |
1.12 |
|
うちコマーシャル・ペーパー |
前連結会計年度 |
2,013,637 |
- |
2,013,637 |
3,721 |
- |
3,721 |
0.18 |
当連結会計年度 |
1,627,773 |
- |
1,627,773 |
51,776 |
- |
51,776 |
3.18 |
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
17,345,215 |
2,108,583 |
15,236,631 |
160,665 |
8,022 |
152,643 |
1.00 |
当連結会計年度 |
15,322,775 |
2,287,808 |
13,034,966 |
227,633 |
11,135 |
216,498 |
1.66 |
(注) 「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
(3)国内・海外別役務取引の状況
当連結会計年度において、役務取引等収益は6,895億円、役務取引等費用は1,392億円となりました。
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
371,169 |
267,207 |
4,845 |
633,531 |
当連結会計年度 |
377,477 |
319,039 |
6,971 |
689,545 |
|
うち預金・債券・貸出業務 |
前連結会計年度 |
125,094 |
149,814 |
112 |
274,796 |
当連結会計年度 |
126,638 |
180,550 |
370 |
306,818 |
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
95,437 |
9,648 |
158 |
104,927 |
当連結会計年度 |
92,096 |
12,462 |
158 |
104,400 |
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
34,425 |
67,240 |
277 |
101,388 |
当連結会計年度 |
28,140 |
81,253 |
861 |
108,532 |
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
29,530 |
2 |
28 |
29,503 |
当連結会計年度 |
29,219 |
0 |
30 |
29,188 |
|
うち保護預り・貸金庫業務 |
前連結会計年度 |
4,064 |
- |
- |
4,064 |
当連結会計年度 |
3,818 |
- |
- |
3,818 |
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
20,093 |
16,494 |
533 |
36,054 |
当連結会計年度 |
20,928 |
20,168 |
749 |
40,347 |
|
うち信託関連業務 |
前連結会計年度 |
- |
6,689 |
2,457 |
4,232 |
当連結会計年度 |
- |
6,294 |
2,477 |
3,817 |
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
79,397 |
62,688 |
4,514 |
137,571 |
当連結会計年度 |
77,241 |
67,995 |
6,036 |
139,200 |
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
25,079 |
1,320 |
161 |
26,238 |
当連結会計年度 |
21,873 |
1,411 |
159 |
23,125 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
(4) 国内・海外別特定取引の状況
① 特定取引収益・費用の内訳
当連結会計年度において、特定取引収益は8,314億円、特定取引費用は6,420億円となりました。
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
特定取引収益 |
前連結会計年度 |
790 |
953,105 |
7,581 |
946,314 |
当連結会計年度 |
△4,513 |
836,004 |
- |
831,491 |
|
うち商品有価証券収益 |
前連結会計年度 |
282 |
- |
282 |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
うち特定取引有価証券収益 |
前連結会計年度 |
411 |
121 |
- |
533 |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
うち特定金融派生商品収益 |
前連結会計年度 |
- |
952,984 |
7,298 |
945,685 |
当連結会計年度 |
△4,751 |
836,004 |
- |
831,253 |
|
うちその他の特定取引収益 |
前連結会計年度 |
95 |
- |
- |
95 |
当連結会計年度 |
238 |
- |
- |
238 |
|
特定取引費用 |
前連結会計年度 |
7,298 |
826,108 |
7,581 |
825,825 |
当連結会計年度 |
375 |
641,652 |
- |
642,027 |
|
うち商品有価証券費用 |
前連結会計年度 |
- |
826,108 |
282 |
825,825 |
当連結会計年度 |
△118 |
641,784 |
- |
641,666 |
|
うち特定取引有価証券費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
493 |
△132 |
- |
361 |
|
うち特定金融派生商品費用 |
前連結会計年度 |
7,298 |
- |
7,298 |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
うちその他の特定取引費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
4.内訳科目はそれぞれの収益と費用で相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には
費用欄に、国内・海外・合計毎の純額を表示しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
当連結会計年度末において、特定取引資産は8兆5,357億円、特定取引負債は4兆6,475億円となりました。
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
特定取引資産 |
前連結会計年度 |
3,138,687 |
3,496,149 |
679,285 |
5,955,550 |
当連結会計年度 |
2,737,242 |
6,570,568 |
772,097 |
8,535,714 |
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
3,103 |
1,931,077 |
- |
1,934,181 |
当連結会計年度 |
1,069 |
4,006,756 |
- |
4,007,825 |
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
5 |
59,457 |
- |
59,462 |
当連結会計年度 |
- |
196,518 |
- |
196,518 |
|
うち特定取引有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
11 |
- |
- |
11 |
当連結会計年度 |
3 |
- |
- |
3 |
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
2,532,354 |
1,492,063 |
679,285 |
3,345,131 |
当連結会計年度 |
2,265,467 |
2,356,478 |
772,097 |
3,849,849 |
|
うちその他の特定取引資産 |
前連結会計年度 |
603,212 |
13,551 |
- |
616,763 |
当連結会計年度 |
470,702 |
10,815 |
- |
481,517 |
|
特定取引負債 |
前連結会計年度 |
2,228,676 |
2,555,566 |
679,285 |
4,104,956 |
当連結会計年度 |
2,039,678 |
3,379,921 |
772,097 |
4,647,502 |
|
うち売付商品債券 |
前連結会計年度 |
- |
989,903 |
- |
989,903 |
当連結会計年度 |
- |
960,799 |
- |
960,799 |
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
- |
112,786 |
- |
112,786 |
当連結会計年度 |
8 |
251,980 |
- |
251,988 |
|
うち特定取引売付債券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
114 |
175 |
- |
289 |
当連結会計年度 |
161 |
- |
- |
161 |
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
2,228,562 |
1,452,700 |
679,285 |
3,001,977 |
当連結会計年度 |
2,039,509 |
2,167,140 |
772,097 |
3,434,552 |
|
うちその他の特定取引負債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
(5)国内・海外別預金残高の状況
○預金の種類別残高(末残)
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
預金合計 |
前連結会計年度 |
109,931,880 |
26,424,798 |
12,866 |
136,343,811 |
当連結会計年度 |
116,261,566 |
31,647,020 |
10,776 |
147,897,810 |
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
87,748,047 |
7,857,088 |
12,789 |
95,592,346 |
当連結会計年度 |
91,686,884 |
9,047,552 |
10,657 |
100,723,778 |
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
15,404,221 |
18,549,616 |
- |
33,953,837 |
当連結会計年度 |
17,922,848 |
22,580,761 |
- |
40,503,609 |
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
6,779,611 |
18,093 |
76 |
6,797,628 |
当連結会計年度 |
6,651,833 |
18,707 |
118 |
6,670,421 |
|
譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
9,755,592 |
6,297,952 |
- |
16,053,544 |
当連結会計年度 |
5,761,870 |
7,440,409 |
- |
13,202,280 |
|
総合計 |
前連結会計年度 |
119,687,473 |
32,722,750 |
12,866 |
152,397,356 |
当連結会計年度 |
122,023,436 |
39,087,430 |
10,776 |
161,100,090 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。
4.預金の区分は次のとおりであります。
① 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
② 定期性預金=定期預金+定期積金
(6)国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
構成比 (%) |
金額(百万円) |
構成比 (%) |
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
53,882,720 |
100.00 |
54,687,276 |
100.00 |
製造業 |
9,356,917 |
17.37 |
9,446,539 |
17.27 |
農業,林業 |
47,504 |
0.09 |
47,527 |
0.09 |
漁業 |
2,955 |
0.00 |
2,782 |
0.01 |
鉱業,採石業,砂利採取業 |
219,217 |
0.41 |
204,125 |
0.37 |
建設業 |
816,706 |
1.52 |
859,194 |
1.57 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
2,766,447 |
5.13 |
3,132,410 |
5.73 |
情報通信業 |
1,104,911 |
2.05 |
907,664 |
1.66 |
運輸業,郵便業 |
2,402,684 |
4.46 |
2,297,909 |
4.20 |
卸売業,小売業 |
5,083,454 |
9.43 |
4,791,818 |
8.76 |
金融業,保険業 |
5,917,250 |
10.98 |
5,945,896 |
10.87 |
不動産業 |
8,699,896 |
16.15 |
9,489,588 |
17.35 |
物品賃貸業 |
2,693,832 |
5.00 |
2,946,850 |
5.39 |
各種サービス業 |
3,028,930 |
5.62 |
2,940,449 |
5.38 |
地方公共団体 |
587,356 |
1.09 |
540,392 |
0.99 |
政府等 |
836,584 |
1.55 |
1,079,360 |
1.97 |
その他 |
10,318,076 |
19.15 |
10,054,772 |
18.39 |
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
29,285,742 |
100.00 |
32,543,646 |
100.00 |
政府等 |
263,871 |
0.90 |
148,171 |
0.45 |
金融機関 |
10,081,081 |
34.42 |
11,447,797 |
35.18 |
その他 |
18,940,788 |
64.68 |
20,947,677 |
64.37 |
合計 |
83,168,462 |
- |
87,230,922 |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
期別 |
国別 |
金額(百万円) |
前連結会計年度 |
ロシア |
205,115 |
ミャンマー |
7,301 |
|
ラオス |
160 |
|
合計 |
212,576 |
|
(資産の総額に対する割合:%) |
(0.09) |
|
当連結会計年度 |
ロシア |
161,482 |
ミャンマー |
7,940 |
|
ラオス |
27 |
|
合計 |
169,450 |
|
(資産の総額に対する割合:%) |
(0.07) |
(注) 「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げております。
(7)国内・海外別有価証券の状況
○有価証券残高(末残)
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
合計 |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
国債 |
前連結会計年度 |
25,627,511 |
- |
25,627,511 |
当連結会計年度 |
17,237,325 |
- |
17,237,325 |
|
地方債 |
前連結会計年度 |
419,646 |
- |
419,646 |
当連結会計年度 |
554,662 |
- |
554,662 |
|
社債 |
前連結会計年度 |
2,949,953 |
3,806 |
2,953,760 |
当連結会計年度 |
3,162,433 |
5,458 |
3,167,891 |
|
株式 |
前連結会計年度 |
2,938,843 |
- |
2,938,843 |
当連結会計年度 |
2,662,318 |
- |
2,662,318 |
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
8,750,737 |
3,443,269 |
12,194,007 |
当連結会計年度 |
9,685,051 |
3,497,060 |
13,182,111 |
|
合計 |
前連結会計年度 |
40,686,693 |
3,447,076 |
44,133,769 |
当連結会計年度 |
33,301,791 |
3,502,518 |
36,804,309 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。
3.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
LINE株式会社との新銀行開業に向けたプロジェクトの中止について
当行親会社である株式会社みずほフィナンシャルグループとLINE株式会社は、当行及びLINE株式会社傘下のLINE Financial株式会社の共同出資により、2019年5月にLINE Bank設立準備株式会社を設立し、銀行開業に向けた準備を進めてきましたが、この度プロジェクトを中止することを決定しております。取引先及び関係各社との調整を経て、LINE Bank設立準備株式会社の解散・清算等を進める予定です。また、両社の間では、金融共同事業として、LINE Credit株式会社による個人向けローンサービスを既に展開しています。引き続き良好な関係を維持しつつ、お客さまに利便性の高いサービスでの連携を追求してまいります。
該当ありません。