文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①企業理念
当グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・ビジョン・みずほValueから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに<豊かな実り>をお届けしてまいります。
基本理念:〈みずほ〉の企業活動の根本的考え方
〈みずほ〉は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、
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常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる 知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、
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幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展に グループ一体となって貢献していく。
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これらを通じ、〈みずほ〉は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、 お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。 |
ビジョン:〈みずほ〉のあるべき姿・将来像
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1.信頼No.1の〈みずほ〉 |
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2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉 |
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3.グループ力No.1の〈みずほ〉 |
みずほValue:役職員が共有すべき価値観・行動軸
1.お客さま第一 ~未来に向けた中長期的なパートナー~ |
2.変革への挑戦 ~先進的な視点と柔軟な発想~ |
3.チームワーク ~多様な個性とグループ総合力~ |
4.スピード ~鋭敏な感性と迅速な対応~ |
5.情熱 ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~ |
②経営計画
当グループは、2019年度からの5年間を計画期間とする「5ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」をスタートいたしました。
新しい経営計画では、新たな時代の顧客ニーズに対応して、顧客との新たなパートナーシップを構築していく『次世代金融への転換』を実現し、『来るべき時代において、お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ』を形作ってまいります。
(2)経営環境
2018年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は堅調に拡大する米国経済がけん引し、全体として緩やかな回復が続きました。一方、中国経済や欧州経済は米中貿易摩擦の影響等から景気の減速が鮮明となりました。
米国経済は、減税や財政支出を受け、堅調な景気拡大が続きました。ただし、中国等との貿易摩擦の影響等から製造業の景況感が下振れました。失業率は低水準が継続し、賃金の伸びはやや加速しておりますが、物価への波及は見られません。FRB(連邦準備制度理事会)は利上げから様子見姿勢に転じるとともに、バランスシートの縮小停止を発表しました。
欧州経済は低迷が続きました。企業の景況感は製造業を中心に下振れが顕著となりました。ECB(欧州中央銀行)は新規の資産購入を停止しましたが、Brexit*等不透明感が高まるなか、政策金利は据え置きました。
アジアでは、中国景気が停滞局面で推移しました。米中貿易摩擦の影響等から、中国では輸出の伸びが急速に鈍化しました。新興国経済は回復基調が続きましたが、経常赤字国等では米通商政策や中国景気への懸念に伴う資金流出のリスクは残存しております。
日本経済は回復基調で推移したものの、海外経済の弱含みから輸出が減少し、生産は力強さに欠ける状況が続きました。雇用環境が良好ななか、個人消費は緩やかな回復傾向を維持しました。日本銀行は物価目標2%達成に向け、長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策を継続しておりますが、2020年度末までの物価目標達成は困難との見方が示されております。
先行きについては、世界経済は米国を中心に引き続き回復が期待されますが、米通商政策や欧州の政治情勢、中国・新興国の経済・市場動向、中東での地政学リスク等の不確実性の高まりに注意を要する状況です。
* 英国のEU(欧州連合)離脱
(3)対処すべき課題
デジタル化や少子高齢化、グローバル化等の経済・産業・社会の構造変化を受けて、顧客ニーズや金融業界の構造的変化が急速に進んでいます。グローバルな景気減速懸念やクレジットサイクル*変調の兆し等、事業環境の不透明感が増大していることも踏まえ、これらの構造的変化に速やかに対応していく必要があります。
当グループは、2019年度からスタートした「5ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」に取り組むことで、こうした環境・課題に対処してまいります。
* 金融市場における信用の拡大や縮小が一定の周期で循環すること
新しい経営計画の概要
(基本方針)
「前に進むための構造改革」をビジネス・財務・経営基盤の三位一体で推進することにより、人員や店舗等の経営資源配分等のミスマッチを解消し、新たな顧客ニーズに対応することで、『次世代金融への転換』を図ってまいります。
経営計画の5年間は2つのフェーズで構成されており、フェーズ1(2019年度からの3年間)では、構造改革への本格的取り組みと次世代金融への確かな布石づくりを進め、フェーズ2(2022年度からの2年間)では、成果の刈取りと更なる成長の加速を実現してまいります。
(基本戦略)
『次世代金融への転換』に向けて、「金融そのものの価値」を越えて、非金融を含めた「金融を巡る新たな価値」を創造することで、お客さまとの新たなパートナーシップを構築してまいります。
<お客さまとの新たなパートナーシップ>
個人 :新たな社会におけるライフデザインのパートナー |
法人 :産業構造の変化の中での事業展開の戦略的パートナー |
市場参加者:多様な仲介機能を発揮する市場に精通したパートナー |
そのために、これまで培った当グループの強みを最大限に発揮するとともに、デジタライゼーションへの取り組みや、外部との積極的な協働を加速してまいります。
<当グループの強み>
①顧客基盤・ネットワークと信頼・安心感 |
②金融機能・市場プレゼンスと非金融領域への対応力 |
③グループ一体的なビジネス推進体制 等 |
また、『オープン&コネクト』と『熱意と専門性』を行動軸として取り組んでまいります。
『オープン&コネクト』 |
● 「顧客」「地域」「機能」等を縦横無尽に組み合わせ、金融を巡る新たなバリューチェーン*をよりオープンに創出 |
● 当グループ各社はもとより、外部とも積極的に協働 |
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『熱意と専門性』 |
● お客さまの夢や希望をもとに、社員一人ひとりが想いをもってお客さまに向き合う |
● 高い専門性に裏打ちされた強みを発揮し、顧客ニーズを先取りして、「考え・動き、そして実現する」 |
* 顧客に価値が届けられるまでの各プロセスで付加される価値のつながり
(財務目標)
資本対比で見た収益力指標として連結ROE、また基礎的収益力を測る指標として連結業務純益を、夫々財務目標として設定しております。
<財務目標>
連結ROE*1 |
2023年度 7%~8%程度 |
連結業務純益*2 |
2023年度 9,000億円程度 |
*1 その他有価証券評価差額金を除く
*2 連結業務純益+ETF関係損益(株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社合算)+営業有価証券等損益(みずほ証券株式会社連結)
<その他主要計数>
普通株式等Tier1(CET1)比率の目指す水準*1 |
9%台前半 |
政策保有株式削減の取り組み*2 |
2021年度末まで 3,000億円削減 |
*1 バーゼル3新規制(規制最終化)完全適用ベース。その他有価証券評価差額金を除く
*2 取得原価ベース
<株主還元方針>
当面は現状の配当水準を維持しつつ、資本基盤の一層の強化を進め早期の株主還元拡充を目指す |
(重点取り組み領域)
① ビジネス構造の改革
経済・産業・社会の構造変化に対応し、当グループの強みを活かしつつ、以下の取り組みを中心にビジネス構造を改革してまいります。
● 新たな社会におけるライフデザインのパートナー
▶ 人生100年時代のライフデザインをサポートする資産形成とそれを支える人材育成
▶ 事業承継ニーズに対する高度なソリューション提供と経営人材確保ニーズへの対応
▶ コンサルティング中心のリアル店舗とデジタルチャネルを融合した次世代店舗展開
▶ テクノロジー活用やオープンな協業を通じた新たな顧客層の開拓や需要の創出
● 産業構造の変化の中での事業展開の戦略的パートナー
▶ イノベーション企業への成長資金供給、産官学連携等成長加速へのオープンな協働
▶ 産業知見等を活用し、事業リスクをシェアする新たなパートナーシップの構築
▶ グローバルな顧客の事業展開を支援すべく、アジアの顧客基盤やネットワークを活用
● 多様な仲介機能を発揮する市場に精通したパートナー
▶ グローバルネットワークとプロダクト提供体制の最適化により、投資家と投資家、発行体と投資家を繋ぐ多様な仲介機能発揮
▶ 実現益と評価損益のバランスを重視しつつ、機動的なアセットアロケーションも活用した、ALM・ポートフォリオ運営の高度化
② 財務構造の改革
以下の取り組みにより財務構造を改革し、事業環境・競争環境の変化に対応した柔軟な事業・収益構造への転換を実現いたします。
● 事業・収益構造の課題を、以下の4つの視点でビジネス領域ごとに可視化
(Ⅰ)リスクリターン(粗利ROE)、(Ⅱ)コストリターン(経費率)、(Ⅲ)成長性、(Ⅳ)安定性
● 上記に基づいた、効率化分野から成長分野への集中的な経営資源再配分
● 安定収益基盤を確立した上で、機動的にアップサイド収益を追求する収益構造へ転換
③ 経営基盤の改革
ビジネスの持続的な優位性を支える経営基盤を強化すべく、以下の取り組みを行ってまいります。
● 新たな業務スタイルへの変革
▶ 人材・職場、IT・デジタル、チャネル、グループ会社を重点分野として取り組み
▶ 人事については、「社員の成長ややりたい仕事」を軸とする考え方に基づき人事制度を改定し、「社内外で通用する人材バリュー」を最大化する新たな人事戦略を推進
● グループガバナンスの強化
▶ 持株会社とグループ各社間の役員兼職拡大等により、銀行・信託・証券以外のグループ会社も含めた一体運営を更に強化し、重要戦略や構造改革を着実に遂行
● コミュニケーションを軸とした新たなカルチャーヘの変革
(サステナビリティへの取り組み)
新しい経営計画における取り組みを通じ、ステークホルダーへの新たな価値を創出してまいります。
● 顧客:「金融を巡る新たな価値」を創造し、利便性向上と事業成長を実現
● 株主:構造課題の一掃と成長の加速による企業価値の向上
● 社員:顧客満足を伴う、働き甲斐ある職場の実現
以上を踏まえ、「当グループの持続的かつ安定的な成長、及びそれを通じた内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄」を、当グループにおける「サステナビリティ」と定めます。ステークホルダーからの期待・要請に対し、当グループの戦略における重要性や親和性、中長期的な企業価値への影響を踏まえて「サステナビリティ重点項目」を特定し、SDGs(持続可能な開発目標)*達成に向けて積極的に取り組んでまいります。
* 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標
(2019年度運営方針)
新しい経営計画の初年度として、「前に進むための構造改革」に前倒しで取り組んでまいります。グループ一体で構造改革を加速させるとともに、グループが一致団結してさまざまな業務運営の見直しを進めることで、顧客との新たなパートナーシップを構築し、さまざまな価値を創造するための起点を作ってまいります。
(当グループの経営計画を踏まえた当行の運営方針等)
当行は、当グループの経営計画を踏まえ、信託領域の強みや専門性を活かし、次世代の信託ビジネスを非金融も含め創造するとともに、徹底したコスト削減で競争力を強化することで、お客さまの幅広いニーズに応え、安定収益基盤を確立することを経営計画における運営方針としております。2019年度は、徹底したコスト削減を通じて信託ビジネスの構造改革を加速し足場を固め、顧客との新たなパートナーシップ構築に向けた価値を創造するための起点を作るべく、取り組みを進めてまいります。
[カンパニー・ユニットの取り組み]
当グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループを運営しております。当行においては、当グループにおけるカンパニー・ユニットに対応した組織として部門・ユニットを設置し、業務運営を行っております。
各カンパニー・ユニットの今後の取り組み方針(対処すべき課題)は次のとおりです。
リテール・事業法人カンパニー
個人・中小企業・中堅企業の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券等グループ一体となったコンサルティング営業や、先進的な技術の活用や他社との提携等を通じた利便性の高い金融サービスの提供等に取り組んでおります。
(今後の取り組み方針)
デジタル化や少子高齢化の一層の進展等を背景としたお客さまニーズの構造的変化を踏まえて、店舗も含めた営業チャネルの最適化や新規事業領域の拡大に取り組み、個人のお客さまの想い・希望や法人のお客さまの持続的成長を実現してまいります。
その達成に向けて、広範な顧客基盤や信頼・安心感、コンサルティング力等の当グループの強みを活かしつつ、社内外とオープンに協働し、個人のお客さまのライフデザインや法人のお客さまの成長戦略・事業承継のパートナーとして、非金融を含めた新たな価値の提供に取り組んでまいります。
なお、2019年5月27日に設立いたしましたLINE Bank設立準備株式会社では、「LINE」とリンクした、親しみやすく利用しやすい"スマホ銀行"を提供することで、銀行をより身近な存在へと変化させ、利用者の皆様に寄り添い、日常的にご利用いただける新銀行の2020年度中の設立を目指して、準備を進めてまいります。
大企業・金融・公共法人カンパニー
国内の大企業法人・金融法人・公共法人の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションを、グループ横断的に提供しております。
(今後の取り組み方針)
社会・産業構造の変化を受けたお客さまニーズの変化を踏まえて、お客さまとの新たな関係の構築と価値共創・協栄を実現してまいります。
その達成に向けて、お客さまの事業展開の戦略的パートナーとして、高度な産業知見や目利き力を活かして、お客さまのビジネス機会の創出や、その事業リスクシェアに、多様な仲介機能を発揮してオープンに取り組んでまいります。
なお、興銀リース株式会社は、株式会社みずほ銀行との資本業務提携による協業を推進し、提携の効果を早期に発現していくため、2019年10月1日にみずほリース株式会社に商号を変更する予定です。
グローバルコーポレートカンパニー
海外進出日系企業及び非日系企業等の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、お客さまの事業への深い理解と、貸出・社債引受等のコーポレートファイナンスやトランザクション分野での強みを活かし、様々なソリューションを提供しております。
(今後の取り組み方針)
将来的な規制変更や外貨調達力といった今後の成長への制約に備えて、事業ポートフォリオを最適化するとともに、お客さまのグローバルな事業展開への協働を通じて、地域を超えたバリューチェーンの活性化を実現してまいります。
その達成に向けて、事業展開をグローバルに支える戦略的パートナーとして、成長著しいアジア経済圏におけるネットワークと肥沃な米国資本市場におけるプレゼンスを活かしつつ、アジアをフランチャイズとして各地域のお客さまや機能を繋いでまいります。
グローバルマーケッツカンパニー
市場に関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券連携による幅広い商品提供力を活かし、個人から機関投資家まで幅広いお客さまのリスクヘッジ・運用ニーズに対して、マーケット商品全般を提供するセールス&トレーディング業務と、株式・債券等への投資業務をおこなっております。
(今後の取り組み方針)
投資業務における安定的な収益構造や、メリハリのあるセールス&トレーディング業務運営を実現し、市場を通じた様々な仲介機能の発揮とお客さまへの多様な価値創造を実現してまいります。
その達成に向けて、市場に精通したパートナーとして、投資対象とする資産の配分や商品のラインナップを最適化し安定収益基盤の確立に取り組むとともに、リスクに対する選好が異なる投資家のお客さまに最適な投資機会を提供してまいります。
アセットマネジメントカンパニー
アセットマネジメントに関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券及びアセットマネジメントOne株式会社が一体となって、個人から機関投資家まで、幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供しております。
(今後の取り組み方針)
資産運用ビジネス本来の高い資本効率への構造転換に取り組むとともに、お客さまの中長期志向の資産形成をサポートすることで、国内金融資産の活性化に貢献してまいります。
その達成に向けて、運用力・ソリューション提供力を強化し、アセットマネジメント機能の付加価値を高め、変化するお客さまニーズにグループ一体となって応えるとともに、イノベーションや業務プロセスの改革等を通じて、効率性や先進性を追求してまいります。
グローバルプロダクツユニット
投資銀行分野とトランザクション分野において、個人・法人・投資家等の幅広い顧客セグメントに対するソリューション提供を担当するユニットとして、M&Aや不動産、プロジェクトファイナンスから、国内外決済、資金管理、証券代行まで、幅広いソリューションを取り扱っております。
(今後の取り組み方針)
お客さまや社会を取り巻く環境がますます不確実性を増していく中で、変化するお客さまのニーズに徹底的に寄り添い、高度な専門性・知見に基づく最適なソリューションを提供してまいります。
また、プロダクトごとの経営資源配分の最適化を進め、グループ横断のバリューチェーンを効果的に繋ぐことにより、各カンパニーの戦略遂行を支え、当グループの安定収益の増強に貢献してまいります。
なお、資産管理サービス信託銀行株式会社は、規模のメリットの追求による安定的かつ高品質なオペレーションの実現を目的として、日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社との共同株式移転によりJTCホールディングス株式会社を設立しており、次の段階として、2021年を目処に3社合併による統合銀行*の発足に向けて準備を進めてまいります。
* 社名を株式会社日本カストディ銀行とすることに決定
リサーチ&コンサルティングユニット
リサーチ業務とコンサルティング業務を担当するユニットとして、産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略等の幅広い分野にわたるコンサルティング機能に、IT・デジタル知見を掛け合わせた多様なソリューションを提供しております。
(今後の取り組み方針)
少子高齢化・デジタル化・グローバル化等、経済・社会環境が著しく変化する中、お客さまニーズの構造変化に対応した産業知見等の専門性を発揮し、グループ横断のバリューチェーンの起点となって、お客さまや社会に対する新たな価値の創造に貢献してまいります。
その実現に向け、リサーチ高度化、コンサルティング拡充、IT・デジタル活性化等に取り組んでまいります。
本項は、当行及び当グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項や、リスク要因に該当しない事項であっても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項について記載しています。これらのリスクは互いに独立するものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが増大する可能性があります。なお、当行及び当グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生を回避するための施策を講じるとともに、発生した場合には迅速かつ適切な対応に努める所存です。
なお、本項に含まれている将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
1.財務面に関するリスク
(1)不良債権処理等に係るリスク
① 与信関係費用の増加等による追加的損失の発生
当行及び当グループは、多くの与信先についてメインバンクとなっているとともに、相当程度大口の与信先があります。また、与信先の業種については分散に努めておりますが、製造業、不動産業、金融・保険業向けの与信の割合が相対的に高い状況にあります。
当行及び当グループは、個々の与信先の信用状態や再建計画の進捗状況を継続的にモニタリングするとともに、企業グループやリスク事象発現時に影響が想定される特定業種への与信集中状況等を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を実施しているほか、クレジットデリバティブの活用によるヘッジ及び信用リスクの減殺を行っております。また、与信先から差入れを受けている担保や保証の価値についても定期的に検証しております。
しかしながら、国内外のクレジットサイクルの変調、特定の業界における経営環境の変化、不動産等の資産価格下落等によっては、想定を超える新たな不良債権の発生、メインバンク先や大口与信先の信用状態の急激な悪化、特定の業界の与信先の信用状態の悪化、担保・保証の価値下落等が生じる可能性があります。こうした事象によって、与信関係費用が増加する等追加的損失が発生し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 貸倒引当金の状況
当行及び当グループは、自己査定基準、償却・引当基準に基づき、与信先の状況、差入れられた担保の価値及び経済動向を考慮した上で、貸倒引当金を計上しております。
償却・引当の計上にあたっては、貸出資産を適正に評価し、市場売却を想定した厳正な担保評価を行っておりますが、国内外の経済情勢の悪化、与信先の業況の悪化、担保価値の下落等により、多くの与信先で貸倒引当金及び貸倒償却等の与信関係費用や不良債権残高が増加する可能性があり、その結果、当行及び当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)保有資産等の価格変動等に係るリスク
① 株価下落による追加的損失の発生
当行及び当グループは、国内上場企業の普通株式を中心に、市場性のある株式を大量に保有しております。当行及び当グループでは、「上場株式の政策保有に関する方針」を掲げ、株価変動リスクが財務状況に大きな影響を与えうることに鑑み、その保有の意義が認められる場合を除き、上場株式を政策保有しないことを基本方針としており、売却を計画的に進めております。また、必要に応じて部分的にヘッジを行うことによりリスク削減にも努めております。しかしながら、これらの保有株式の株価が下落した場合には評価損や売却損が発生する可能性があります。
また、当行及び当グループの自己資本比率の計算においては、自己資本の算出にあたり、保有株式の含み損益を勘案していることから、株価が下落した場合には、自己資本比率が低下する可能性があります。
その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
「上場株式の政策保有に関する方針」及び政策保有株式の保有意義検証等の概要については、株式会社みずほフィナンシャルグループの「コーポレートガバナンスに関する報告書」をご覧ください。
https://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/governance/pdf/g_report.pdf
② 金利の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループは、投資等を目的として国債をはじめとする市場性のある債券等を大量に保有しているため、金利上昇に伴う価格の下落により、評価損や売却損が発生する可能性があります。また、当行及び当グループの金融資産と負債の間では満期等に違いがあるため、金利変動により損失が発生する可能性があります。当行及び当グループは、厳格なリスク管理体制の下、必要に応じて債券の売却や銘柄の入れ替え、デリバティブ取引等によるヘッジを行う等、適切な管理を行っておりますが、金融政策の変更や、財政悪化等によるソブリンリスク顕在化、その他市場動向等により大幅に金利が変動した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 外国為替相場の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループは、資産及び負債の一部を米ドル等の外貨建てで有しております。外貨建ての資産と負債が通貨毎に同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について、為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。当行及び当グループでは、必要に応じ適切なヘッジを行っておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 保有資産の市場流動性低下による追加的損失の発生
当行及び当グループは、市場で取引される様々な資産を保有しておりますが、金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があります。グローバルな金融市場混乱や経済・金融環境の悪化等により、保有資産の市場流動性が著しく低下した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務等の変動による追加的損失の発生
当行及び当グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、株式相場並びに金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当行及び当グループの退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産に係る財務上の影響
繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ヘッジ目的等の金融取引に係る財務上の影響
ヘッジ目的等で利用するクレジットデリバティブや株式関連デリバティブ等の金融取引については、ヘッジ対象資産と会計上の取扱いや評価方法が異なる場合があります。そのため、市場の変動等により、ある特定の期間において、ヘッジ対象資産の評価が上昇しても、当該金融取引から損失のみが発生する場合があり、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 固定資産の減損に係るリスク
当行及び当グループは、保有する有形固定資産及び無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)資金調達等に係るリスク
① 資金調達が困難となることによる追加的損失の発生
当行及び当グループの資金調達は、主に預金、債券発行及び市場からの調達により行っております。特に、外貨資金は、円貨資金に比べ市場からの調達の依存度が高くなっております。そのため、資金調達の安定性の観点から、市場からの調達上限額の設定や資金繰りの状況に応じた対応方針の策定等、厳格な管理を行っております。
しかしながら、国内外の景気悪化、金融システム不安、金融市場の混乱等により資金流動性が低下した場合、あるいは当行及び当グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等が発生し、予想外の資金流出が発生した場合には、資金調達コストの増加や、外貨資金調達等に困難が生じることがあり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 格付引き下げによる悪影響
株式会社みずほフィナンシャルグループや当行等、当グループの一部の会社は、格付機関から格付を取得しております。格付の水準は、当行及び当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいています。また、日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等の影響も受けているため、常に格付機関による見直し・停止・取下げが行われる可能性があります。
仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や資金調達の困難化、市場関連取引における追加担保の提供、既存取引の解約等が発生する可能性があり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、当行及び当グループのデリバティブ契約に基づき格下げによる追加担保の金額を試算すると、他の条件が不変であれば、2019年3月末に1ノッチの格下げがあった場合は約37億円、2ノッチの格下げの場合は約90億円となります。
(4)自己資本比率等に係るリスク
① 自己資本比率規制
当行及び当グループには、2013年3月期より、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢテキスト(銀行の自己資本と流動性に係る国際的な基準の詳細を示すもの)に基づき金融庁の定める自己資本比率規制が段階的に適用されております。また、バーゼル銀行監督委員会は、2017年12月に、バーゼルⅢ規制の見直しに係る最終規則文書を公表しており、当該見直し後の規制は2022年から段階的に適用される予定です。
当グループは、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められる国際統一基準以上に維持する必要があります。また、当行も、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準以上に維持する必要があります。
さらに、当グループは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)として選定されており、より高い水準の自己資本比率が求められることとなります。また、G-SIBsのグループ及び追加的に求められる資本水準は年次で更新されるため、今後、当グループに対して更に高い資本水準が求められる可能性があります。
当行及び当グループは、事業戦略と一体となったリスクアセット運用計画、資本の効率性並びに本項に示した各種リスクの状況等を踏まえ、適正かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めておりますが、本項に示した各種リスクの顕在化や自己資本比率の計測手法の変更等により、当行及び当グループの自己資本比率が低下する可能性があります。また、自己資本比率規制においては、のれん及びその他の無形固定資産、繰延税金資産、金融機関等の資本調達手段の保有等、調整項目については所定の要件のもとで自己資本から控除されますが、かかる規制により、当行及び当グループの自己資本の額が減少し、自己資本比率が低下する可能性もあります。
仮に当行及び当グループの自己資本比率が一定基準を下回った場合には、自己資本比率の水準に応じて、金融庁から、社外流出の制限計画や資本の増強を含む改善計画の提出、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部の業務の縮小、子会社等の株式の処分、業務の全部又は一部の停止等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当行を含む当グループは、米国その他の事業を行う諸外国において、自己資本比率規制を受けており、当該規制に抵触した場合には、現地当局から様々な規制及び命令を受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② レバレッジ比率規制
2017年12月にバーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢ規制の見直しに係る最終規則文書において、レバレッジ比率規制の枠組みが最終化され、2019年3月に金融庁は、当該文書に基づくレバレッジ比率規制に係る府省令の一部改正及び関連する告示等を公表し、2019年3月31日より当行及び当グループに対して一定比率以上のレバレッジ比率の維持を求めるレバレッジ比率規制の段階的な適用が開始されております。当該規制は、自己資本比率規制上の国際統一基準が適用される銀行持株会社及び銀行に対して、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率を一定比率以上に維持することを求めるものであり、当該規制により、仮に当行及び当グループのレバレッジ比率が一定基準を下回った場合には、レバレッジ比率の水準に応じて、金融庁から、資本の増強に係る措置を含む改善計画の提出、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部の業務の縮小、子会社等の株式の処分、業務の全部又は一部の停止等の是正措置を求められる可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 総損失吸収力(TLAC)規制
2015年11月にFSBは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に対して、一定比率以上の総損失吸収力(TLAC)を求める最終文書を公表しており、2019年3月に金融庁は、当該文書に基づくTLAC規制に係る銀行法施行規則の一部改正及び関連する告示を公表し、2019年3月31日より当グループ及び当行を含む当グループの主要子会社に対して本邦TLAC規制の段階的な適用が開始されております。当該規制は、当グループを含むG-SIBsに対して、自己資本比率規制に加えて追加的に適用される規制であり、当該規制により、仮に当グループのTLAC比率や、当行を含む当グループの主要子会社のTLAC額が一定基準を下回った場合には、金融庁から、TLAC比率の向上やTLAC額の増加に係る改善策の報告を求められる可能性や、業務改善命令を受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資本調達
普通株式等Tier1資本を除き、当グループの資本調達(TLAC規制に対応した調達を含む)は、主に債券発行により行っております。しかしながら、当行及び当グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等が発生した場合、あるいは国内外の景気悪化、金融システム不安や金融市場の混乱等が生じた場合には、資本調達コストの増加や、十分な資本調達が出来ないことで企図した水準への自己資本比率等の向上が図れない等の事象が生じることがあり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.業務面に関するリスク
① システムリスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、勘定系・決済系等の巨大なコンピュータシステムを保有しており、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムとグローバルなネットワークで接続されています。
当行及び当グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、重要なシステムについては、原則としてバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。また、株式会社みずほ銀行及び当行は、お客さまへのサービス提供力の向上等を目的に、2018年6月から2019年7月にかけて、順次、次期勘定系システムへ移行しており、株式会社みずほ銀行は新システムへの移行を完了しました。2019年7月に予定している当行における新システムへの移行にあたっては、移行作業期間中のオンラインサービスを休止する等、安全・着実な移行に万全を期すための対応を行っております。
しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大なシステム障害が発生し、こうした対策が有効に機能しない可能性があります。システムリスクが顕在化した場合には、情報の流出、誤作動、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② サイバー攻撃等による悪影響
当行及び当グループが保有する多くのシステムは、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムと、グローバルなネットワークで接続されております。当行及び当グループは、サイバー攻撃の高度化・裾野拡大を踏まえて、サイバーセキュリティ対策を経営の重要課題と認識し、経営主導のもと、サイバーセキュリティ戦略を策定するとともに、2018年6月には「サイバーセキュリティ経営宣言」を公表しています。
Mizuho-CIRT*1を中心に、高度なプロフェッショナル人材を配置し、統合SOC*2等による監視、ウイルス解析、多層的防御等の態勢強化に努めるとともに、人材育成、サプライチェーン対策、お客さまの意識啓発にも注力しております。
しかしながら、こうした強化策が奏功せず、サイバー攻撃によるサービス停止、データ改ざん、情報漏えい、不正送金が発生した場合には、それに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
*1 Cyber Incident Response Team
*2 Security Operation Center
③ 個人情報等の漏洩等の発生による悪影響
当行及び当グループは、多数の法人・個人のお客さまの情報を保有しているほか、様々な内部情報を有しております。特に、個人情報については、情報の漏洩や不正なアクセスを防止するため、個人情報保護法の下で、より厳格な管理が要求されております。当行においても情報管理に関するポリシーや事務手続等を策定しており、役職員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行い、外部委託先についても同様に情報管理態勢を監督しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重要な情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下、「マネロン対策」という。)の重要性が急速に高まる中、我が国のマネロン対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査が2019年に実施される予定です。かかる審査も踏まえ、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」が本邦金融当局から発出される等、金融機関のマネロン対策の強化が課題となっています。当行及び当グループは、国内外において事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けており、当行及び当グループでは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
しかしながら、マネロン対策が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 米国国務省によりテロ支援国家と指定された国に所在する者との取引に関するリスク
米国法上、米国人は、米国国務省によりテロ支援国家と指定された国(イラン、スーダン、シリア、北朝鮮。以下、「指定国」という。)と事業を行うことが一般的に禁止されており(スーダンは2017年10月に一部規制解除)、当行及び当グループは、関係する米国法を遵守する態勢を整備しております。但し、米国外の拠点において、関係法令の遵守を前提に、顧客による輸出入取引に伴う貿易金融やコルレス口座の維持等、指定国に関連する業務を限定的に行っております。なお、イランには、駐在員事務所を設置しています。指定国に関係するこれらの業務は、当行及び当グループ全体の事業、業績及び財務状態に比し小規模であり、また、関係する日本及び米国の法令を遵守する態勢を整備しております。
指定国が関与する取引に関わる規制は今後強化もしくは改定されていく可能性があり、当行及び当グループの法令遵守態勢が米国における規制に十分対応できていないと米国政府に判断された場合には、当行及び当グループの業務運営に悪影響を及ぼすような、米国政府による何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。また、顧客や投資家を失う、ないしは当行及び当グループのレピュテーションが毀損することで、当行及び当グループの事業又は株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不公正な市場取引に係るリスク
当行及び当グループは、国内外において市場業務を行う上で、不公正な市場取引に係る本邦及び他国の法令諸規制や取引所規則等の適用とともに国内外の金融当局の監督を受けております。
当行及び当グループは、不公正な市場取引に係る法令諸規制や取引所規則等が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底やコンプライアンス・リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。
今後、仮に不公正な市場取引に係る法令諸規制の違反等が発生した場合には、関係当局からの処分やレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法令違反等の発生による悪影響
当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用、さらには金融当局の監督を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに金融当局の監督を受けております。
当行及び当グループは、法令諸規制が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底や法務リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。
今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 当行及び当グループの戦略、施策が奏効しないリスク
当行及び当グループは、2019年5月に発表した、2019年度から2023年度までの5年間を計画期間とする当グループの経営計画等、様々な戦略や施策を実行しております。
しかしながら、こうした戦略や施策が実行できない、あるいは、たとえ戦略や施策が実行できた場合でも当初想定した成果の実現に至らない可能性、本項に示した各種リスクの顕在化又は経済環境の変化等により発表した数値目標を達成できない可能性があります。
なお、当グループの経営計画の内容につきましては、有価証券報告書「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご覧ください。
⑨ 業務範囲の拡大等に伴う新たなリスクの発生による悪影響
当行及び当グループは、総合金融コンサルティンググループとして、銀行業・信託業・証券業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、ないしは規制緩和の進展等に応じた新たな業務分野への進出や各種業務提携、資本提携を実施しております。当行及び当グループは、こうした新たな業務等に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しております。しかしながら、想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 事務リスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、役職員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。
当行及び当グループは、各業務の事務取扱を明確に定めた事務手続を制定するとともに、事務処理状況の定期的な点検を行っており、さらに本部による事務指導の強化や管理者の育成、システム化等を推進しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人事上のリスクの顕在化による悪影響
当行及び当グループは、多数の従業員を雇用しており、日頃より有能な人材の確保や育成等に努めております。しかしながら、十分な人材を確保・育成できない場合には、当行及び当グループの競争力や効率性が低下し、業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 財務報告に係る内部統制の構築等に関するリスク
株式会社みずほフィナンシャルグループは、ニューヨーク証券取引所上場企業であり、当グループは、米国サーベンス・オクスリー法に準拠した開示体制及び内部統制の強化を行っております。同法により、同社経営者及び監査法人はそれぞれ同社の財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その評価結果をForm20-Fにより報告することが求められています。
また、金融商品取引法においても、株式会社みずほフィナンシャルグループは、同社の経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価、及び経営者評価に対する監査法人の意見を内部統制報告書及び内部統制監査報告書により報告することが求められています。
当行及び当グループは、上記に従い財務報告に係る内部統制の構築を行っており、評価の過程で発見された問題点は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、改善が間に合わない場合や、経営者が内部統制を適正と評価したとしても監査法人は不適正とする場合があり、その場合、当行及び当グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 訴訟に関するリスク
当行及び当グループは、国内外において銀行業務を中心に様々な金融業務を行っておりますが、こうした業務を行うにあたり、損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。また、そうした訴訟の動向によっては、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ リスク管理の方針及び手続が有効に機能しないリスク
当行及び当グループは、リスク管理の方針及び手続に則りリスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、リスクを特定・管理するための方針及び手続が、必ずしも有効に機能するとは限りません。また、当行及び当グループのリスク管理手法は、過去の市場動向に基づいている部分があることから、将来発生するリスクを正確に予測できるとは限りません。当行及び当グループのリスク管理の方針及び手続が有効に機能しない場合、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.信託業務に関するリスク
① 信託業務における損失発生による悪影響
当行は、信託商品のうち一部の合同運用指定金銭信託等について元本補てん契約を結んでおります。これらの元本補てん契約のある信託商品につきましては、元本の損失発生を避けるべく慎重な運用を行うとともに、厳格なリスク管理体制を構築しております。
しかしながら貸倒れ又は投資損失等の結果、元本補てん契約のある信託勘定において元本に損失が生じた場合、当行は補てんのための支払いをする必要があり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、元本補てん契約のない信託勘定において、受託者の過失等により損失等が生じた場合、当行は損失補てんを行う必要があり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.金融諸環境等に関するリスク
① 金融経済環境の変化による悪影響
当行及び当グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジア等の海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行及び当グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じ、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 法令諸規制の改正等による悪影響
当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法、独占禁止法や会計基準等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、自己資本比率規制を含む銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用も受けております。
これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供の制限や、追加でのシステム開発負担につながる等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ LIBOR等の指標金利に関するリスク
当行及び当グループは、多数の法人・個人等のお客さまにローン・預金・債券・デリバティブ等の広範な商品、サービスを提供しておりますが、これらには米ドルをはじめとする多くの通貨でロンドン銀行間取引金利(以下、「LIBOR」という。)等の指標金利を参照する商品・サービスが含まれています。また、当行及び当グループは、このような指標金利を参照する商品等を保有し、当該指標金利を参照する負債等を有し、さらに当該指標金利は、社内における金融商品の評価等においても利用されております。
2012年以降に顕在化した、一連のLIBOR不正操作問題等を踏まえ、金融安定理事会(FSB)は、2014年7月に公表した報告書の中で、金融指標の信頼性・透明性向上を図るべく、指標金利としてリスクフリーレートの構築を提言しました。また、2017年7月には英国の金融行動監視機構長官が、2021年末以降はLIBOR 維持のためにパネル行にレート呈示を強制する権限を行使しない旨を表明し、同時期以降のLIBOR公表停止の蓋然性が高まりました。
LIBOR等の指標金利の公表停止及び後継指標への移行に向けて、当行及び当グループでは、グループ全体での対応を行う観点から、専門部署を設置する等の対応策を講じております。しかしながら、後継指標の選定、導入時期、ヘッジ会計上の取扱い等、未だ決定されていない事項が多く、参照金利や評価方法の変更等により、指標金利を参照する当行及び当グループの金融資産及び金融負債につき損失が発生し、また、商品・サービスの提供の制限や、既存の商品・サービスに関する訴訟リスクの増大や追加でのシステム開発が必要になること等に伴う費用の増加等の要因により当行及び当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 金融業界の競争激化による悪影響
当行及び当グループは、国内外の大手金融機関やノンバンク等との激しい競争環境に晒されています。また、昨今は様々なテクノロジー(いわゆるFinTech)の進展により業種の垣根を越えて多くの企業による金融領域への新規参入が相次ぐ等、当行及び当グループを取り巻く競争環境はますます激化する可能性があります。さらに、先の金融危機以降進められてきた金融規制改革により、競合他社との戦略の差別化が難しくなり、特定のビジネスにおける競争環境が激化していく惧れもあります。当行及び当グループが、競争に十分対応することができない場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競争激化等に伴い、金融業界において金融機関の再編が進み、当行及び当グループの競争力や株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 災害等の発生による悪影響
当行及び当グループは、国内外において店舗、事務所や電算センター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行により、当行及び当グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行及び当グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、バックアップオフィスの構築等、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行及び当グループの業務の一部が停止する等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2011年3月に発生した東日本大震災のような大規模な災害に起因して、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行及び当グループの不良債権及び与信関係費用が増加したり、保有株式や金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 風説・風評の発生による悪影響
当行及び当グループの事業は預金者等のお客さまや市場関係者からの信用に大きく依存しております。そのため、当行及び当グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客さまや市場関係者が当行及び当グループについて事実と異なる理解・認識をされる可能性があります。当行及び当グループは、こうした風説・風評の早期発見に努めるとともに、その影響度・拡散度等の観点から適時かつ適切に対応することで、影響の極小化を図るよう努めておりますが、悪質な風説・風評が拡散した場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況、ないしは株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 環境・社会に配慮しない投融資等に係るリスク
当行及び当グループは、金融の円滑化を図り、経済・社会の持続可能な発展に貢献するため、社会的責任と公共的使命の重みを常に認識し、適切なリスク管理態勢のもと、高度なリスクテイク能力を活用した金融仲介機能の発揮に努めています。
昨今、気候変動問題等の環境・社会課題の顕在化に伴い、当行及び当グループを取り巻くステークホルダーからは、資金提供者として、環境・社会に一層配慮することが期待されています。かかる背景から、当行及び当グループは、取引を通じて環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高いセクターに関する取組方針を制定する等、環境・社会リスクの低減・回避に向けた取組みを強化しています。
しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行及び当グループの取組みが期待から大きく乖離した場合等には、当行及び当グループのレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は以下のとおりと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
[総論]
① 連結業務純益
・当連結会計年度の連結粗利益は前連結会計年度比69億円増加し、1,539億円となりました。
・営業経費は前連結会計年度比46億円減少し、1,015億円となりました。
・これらの結果、連結業務純益は、前連結会計年度比82億円増加し、479億円となりました。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
・与信関係費用は、5億円の費用計上となりました。
・株式等関係損益は、前連結会計年度比89億円減少し、203億円の利益となりました。
・これらの結果、経常利益は、前連結会計年度比18億円減少し、635億円となりました。
・特別損益は、減損損失の計上等により、前連結会計年度比13億円減少し、21億円の損失となりました。
・税金関係費用は、前連結会計年度比29億円減少の132億円(損失)となりました。
・以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1億円増加し、475億円となりました。
(1)経営成績の分析
[損益の状況]
前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下のとおりです。
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
||
連結粗利益 |
① |
1,469 |
1,539 |
69 |
資金利益 |
|
313 |
270 |
△43 |
信託報酬 |
|
548 |
549 |
1 |
うち信託勘定与信関係費用 |
①' |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
|
662 |
680 |
18 |
特定取引利益 |
|
8 |
15 |
6 |
その他業務利益 |
|
△63 |
22 |
85 |
営業経費 |
② |
△1,062 |
△1,015 |
46 |
不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
③ |
△0 |
△5 |
△4 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
30 |
- |
△30 |
株式等関係損益 |
⑤ |
293 |
203 |
△89 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
0 |
0 |
△0 |
その他 |
⑦ |
△77 |
△87 |
△9 |
経常利益 (①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
653 |
635 |
△18 |
特別損益 |
⑨ |
△8 |
△21 |
△13 |
税金等調整前当期純利益 (⑧+⑨) |
⑩ |
645 |
613 |
△31 |
税金関係費用 |
⑪ |
△162 |
△132 |
29 |
当期純利益 (⑩+⑪) |
⑫ |
482 |
480 |
△2 |
非支配株主に帰属する当期純損益 |
⑬ |
△9 |
△5 |
3 |
親会社株主に帰属する当期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
473 |
475 |
1 |
|
|
|
|
|
包括利益 |
⑮ |
652 |
245 |
△407 |
|
|
|
|
|
与信関係費用(①'+③+④) |
⑯ |
30 |
△5 |
△35 |
(注) 費用項目は△表記しております。
(参考)連結業務純益 |
397 |
479 |
82 |
|
(参考)連結業務純益+ETF関係損益 |
491 |
508 |
17 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整
① 連結粗利益
連結粗利益は前連結会計年度比69億円増加し1,539億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、前連結会計年度比43億円減少し270億円となりました。
(信託報酬)
信託報酬は、前連結会計年度比1億円増加し549億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、前連結会計年度比18億円増加し680億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、前連結会計年度比6億円増加し15億円となりました。その他業務利益は、国債等債券売却損の減少等により、前連結会計年度比85億円増加し22億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、前連結会計年度比46億円減少し1,015億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
与信関係費用(含む不良債権処理額及び貸倒引当金戻入益等)は、貸倒引当金戻入益等の減少等により、前連結会計年度比35億円増加し5億円となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却損の増加等により、前連結会計年度比89億円減少し203億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、0億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、87億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比18億円減少し635億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、減損損失の計上等により、21億円の損失となりました。
⑩ 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比31億円減少し613億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、132億円(損失)となりました。
⑫ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前連結会計年度比2億円減少し480億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する当期純損益
非支配株主に帰属する当期純損益(利益)は、前連結会計年度比3億円減少し、5億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する当期純利益(⑮包括利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比1億円増加し475億円となりました。また、包括利益は、前連結会計年度比407億円減少し245億円の利益となりました。
資金運用/調達の状況
種類 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||||
平均残高 (億円) |
利息 (億円) |
利回り (%) |
平均残高 (億円) |
利息 (億円) |
利回り (%) |
|
資金運用勘定 |
63,918 |
442 |
0.69 |
63,727 |
440 |
0.69 |
うち貸出金 |
33,469 |
253 |
0.75 |
33,461 |
266 |
0.79 |
うち有価証券 |
10,154 |
140 |
1.38 |
9,026 |
143 |
1.59 |
うちコールローン及び買入手形 |
173 |
2 |
1.53 |
118 |
2 |
2.28 |
うち債券貸借取引支払保証金 |
2,339 |
0 |
0.00 |
3,192 |
0 |
0.00 |
うち預け金 |
16,902 |
19 |
0.11 |
16,677 |
25 |
0.15 |
資金調達勘定 |
66,572 |
129 |
0.19 |
68,594 |
169 |
0.24 |
うち預金 |
34,836 |
13 |
0.03 |
35,433 |
15 |
0.04 |
うち譲渡性預金 |
3,149 |
0 |
0.01 |
4,141 |
0 |
0.01 |
うちコールマネー及び売渡手形 |
8,090 |
8 |
0.10 |
9,641 |
18 |
0.18 |
うち売現先勘定 |
645 |
13 |
2.02 |
266 |
8 |
3.26 |
うち債券貸借取引受入担保金 |
2,865 |
24 |
0.87 |
3,445 |
33 |
0.96 |
うち借用金 |
4,047 |
22 |
0.55 |
4,028 |
39 |
0.97 |
(注)資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。
役務取引の状況
種類 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
役務取引等収益 |
974 |
1,018 |
43 |
うち信託関連業務 |
687 |
723 |
35 |
役務取引等費用 |
312 |
337 |
24 |
-参考-
損益状況(単体)
|
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
業務粗利益 |
1,145 |
1,221 |
76 |
資金利益 |
310 |
263 |
△46 |
信託報酬 |
548 |
549 |
1 |
うち信託勘定与信関係費用 |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
343 |
369 |
25 |
特定取引利益 |
8 |
15 |
6 |
その他業務利益 |
△66 |
22 |
88 |
経費(除:臨時処理分) |
△823 |
△822 |
1 |
実質業務純益 (除:一般貸倒引当金純繰入額) |
321 |
399 |
77 |
臨時損益等 |
252 |
154 |
△97 |
うち不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
△0 |
△4 |
△4 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
29 |
- |
△29 |
うち株式等関係損益 |
293 |
203 |
△89 |
経常利益 |
573 |
553 |
△20 |
特別損益 |
△7 |
△21 |
△14 |
当期純利益 |
442 |
390 |
△52 |
|
|
|
|
与信関係費用 |
29 |
△4 |
△34 |
(注) 費用項目は△表記しております。
[セグメント情報]
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第5経理の状況、1.連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
報告セグメントごとの業務粗利益+ETF関係損益及び業務純益+ETF関係損益及び固定資産の金額に関する情報
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較 |
||||
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|||||
業務粗利益 +ETF関係 損益 |
業務純益 +ETF関係 損益 |
業務粗利益 +ETF関係 損益 |
業務純益 +ETF関係 損益 |
固定資産 |
業務粗利益 +ETF関係 損益 |
業務純益 +ETF関係 損益 |
|
リテール・事業法人部門 |
540 |
△16 |
569 |
11 |
198 |
29 |
27 |
大企業・金融・公共法人部門 |
678 |
400 |
690 |
414 |
135 |
12 |
13 |
グローバルマーケッツ部門 |
174 |
116 |
163 |
104 |
39 |
△11 |
△11 |
その他 |
169 |
△9 |
144 |
△21 |
366 |
△25 |
△11 |
みずほ信託銀行(連結) |
1,563 |
491 |
1,567 |
508 |
738 |
4 |
17 |
(注)業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度及び当連結会計年度における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
資産の部 |
70,199 |
75,796 |
5,596 |
うち有価証券 |
11,042 |
8,402 |
△2,640 |
うち貸出金 |
34,092 |
33,372 |
△720 |
負債の部 |
63,943 |
69,531 |
5,588 |
うち預金 |
34,751 |
33,391 |
△1,360 |
うち譲渡性預金 |
4,721 |
5,661 |
939 |
純資産の部 |
6,256 |
6,264 |
8 |
株主資本合計 |
4,978 |
5,248 |
270 |
その他の包括利益累計額合計 |
1,212 |
979 |
△233 |
非支配株主持分 |
65 |
36 |
△29 |
[資産の部]
① 有価証券
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
有価証券 |
11,042 |
8,402 |
△2,640 |
国債 |
4,107 |
2,090 |
△2,016 |
地方債 |
16 |
15 |
△1 |
社債 |
712 |
717 |
4 |
株式 |
2,408 |
1,975 |
△433 |
その他の証券 |
3,797 |
3,603 |
△193 |
有価証券は、国債が減少したこと等により、前連結会計年度末比2,640億円減少し、8,402億円となりました。
② 貸出金
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
貸出金 |
34,092 |
33,372 |
△720 |
-参考-(単体:銀行勘定+信託勘定)
|
前事業年度 (2018年3月31日) |
当事業年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
貸出金 |
42,040 |
40,135 |
△1,905 |
中小企業等貸出金 * |
21,624 |
19,703 |
△1,920 |
うち居住用住宅ローン |
902 |
781 |
△120 |
* 中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の企業等であります。
貸出金は3兆3,372億円と、前連結会計年度末比720億円減少しております。
また、当行単体の貸出金残高は4兆135億円と、前事業年度末比1,905億円減少しております。
当行単体の中小企業等貸出金残高は、前事業年度末比1,920億円減少し1兆9,703億円、うち居住用住宅ローンは同120億円減少し781億円となっております。
貸出金のうち連結ベースのリスク管理債権額(銀行勘定及び元本補てん契約のある信託勘定合算)は以下のとおりです。
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
破綻先債権 |
0 |
0 |
0 |
延滞債権 |
62 |
64 |
1 |
3ヵ月以上延滞債権 |
- |
- |
- |
貸出条件緩和債権 |
18 |
18 |
0 |
合計 |
81 |
84 |
2 |
|
|
|
|
貸出金* |
34,204 |
33,470 |
△733 |
* 銀行勘定及び元本補てん契約のある信託勘定合算
貸出金に対する割合(%) |
0.23 |
0.25 |
0.01 |
当連結会計年度末の連結ベースのリスク管理債権残高は、延滞債権の増加を主因に前連結会計年度末比2億円増加し、84億円となりました。
貸出金に対するリスク管理債権の割合は、0.25%となっております。
-参考-資産の査定
当行は、銀行勘定及び信託勘定について資産の査定を行っております。
銀行勘定の資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として区分するものであります。
信託勘定の資産の査定は、貸出金等の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として区分するものであります。
区分及び各々の金額は、次のとおりです。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
債権の区分 |
前事業年度 (2018年3月31日) |
当事業年度 (2019年3月31日) |
||
銀行勘定 |
信託勘定 |
銀行勘定 |
信託勘定 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
8 |
- |
4 |
- |
危険債権 |
24 |
28 |
30 |
27 |
要管理債権 |
10 |
- |
12 |
- |
正常債権 |
34,523 |
83 |
33,703 |
70 |
国内・海外別業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 |
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
||
金額(億円) |
構成比(%) |
金額(億円) |
構成比(%) |
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
34,072 |
100.00 |
33,356 |
100.00 |
製造業 |
4,671 |
13.71 |
4,855 |
14.56 |
鉱業、採石業、砂利採取業 |
22 |
0.07 |
21 |
0.07 |
建設業 |
348 |
1.02 |
376 |
1.13 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
2,691 |
7.90 |
2,773 |
8.31 |
情報通信業 |
1,251 |
3.67 |
1,184 |
3.55 |
運輸業、郵便業 |
2,159 |
6.34 |
2,135 |
6.40 |
卸売業、小売業 |
1,697 |
4.98 |
1,733 |
5.20 |
金融業、保険業 |
2,795 |
8.21 |
3,056 |
9.16 |
不動産業 |
11,149 |
32.72 |
11,457 |
34.35 |
物品賃貸業 |
2,570 |
7.55 |
2,336 |
7.00 |
各種サービス業 |
563 |
1.65 |
571 |
1.71 |
地方公共団体 |
35 |
0.10 |
27 |
0.08 |
政府等 |
2,101 |
6.17 |
1,000 |
3.00 |
その他 |
2,014 |
5.91 |
1,826 |
5.48 |
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
19 |
100.00 |
16 |
100.00 |
政府等 |
- |
- |
- |
- |
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
その他 |
19 |
100.00 |
16 |
100.00 |
合計 |
34,092 |
―― |
33,372 |
―― |
(注)1.「国内」とは、当行(特別国際金融取引勘定分を除く)及び国内連結子会社であります。
2.「海外及び特別国際金融取引勘定分」とは、当行の特別国際金融取引勘定分及び海外連結子会社であります。
[負債の部]
預金
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
預金 |
34,751 |
33,391 |
△1,360 |
譲渡性預金 |
4,721 |
5,661 |
939 |
-参考-(単体)
|
前事業年度 (2018年3月31日) |
当事業年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
預金(国内) |
33,976 |
32,438 |
△1,537 |
個人 |
10,651 |
9,135 |
△1,515 |
一般法人 |
11,781 |
10,646 |
△1,135 |
金融機関・政府公金 |
11,543 |
12,656 |
1,113 |
* 譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
預金は、定期預金が減少したこと等により、前連結会計年度末比1,360億円減少し、3兆3,391億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比939億円増加し、5,661億円となりました。
なお、当行単体の預金者別預金残高は、個人が前事業年度末比1,515億円の減少、一般法人が同1,135億円の減少、金融機関・政府公金が同1,113億円の増加となっております。
[純資産の部]
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
純資産の部合計 |
6,256 |
6,264 |
8 |
株主資本合計 |
4,978 |
5,248 |
270 |
資本金 |
2,473 |
2,473 |
- |
資本剰余金 |
155 |
188 |
33 |
利益剰余金 |
2,348 |
2,586 |
237 |
その他の包括利益累計額合計 |
1,212 |
979 |
△233 |
その他有価証券評価差額金 |
1,000 |
775 |
△224 |
繰延ヘッジ損益 |
16 |
△16 |
△32 |
為替換算調整勘定 |
13 |
11 |
△1 |
退職給付に係る調整累計額 |
182 |
207 |
25 |
非支配株主持分 |
65 |
36 |
△29 |
当連結会計年度末の純資産の部合計は、前連結会計年度末比8億円増加し、6,264億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末比237億円増加し、2,586億円となりました。
その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末比224億円減少し、775億円となりました。
(3)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、提出会社1社です。
① 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
資産 |
||||
科目 |
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
貸出金 |
770,315 |
1.17 |
658,368 |
0.88 |
有価証券 |
317,100 |
0.48 |
181,657 |
0.24 |
信託受益権 |
49,697,336 |
75.30 |
58,391,675 |
78.07 |
受託有価証券 |
307,896 |
0.47 |
384,427 |
0.51 |
金銭債権 |
4,741,840 |
7.18 |
5,113,103 |
6.84 |
有形固定資産 |
6,876,726 |
10.42 |
7,506,801 |
10.04 |
無形固定資産 |
340,307 |
0.51 |
356,556 |
0.48 |
その他債権 |
912,190 |
1.38 |
606,826 |
0.81 |
銀行勘定貸 |
1,134,182 |
1.72 |
1,102,073 |
1.47 |
現金預け金 |
903,890 |
1.37 |
493,344 |
0.66 |
合計 |
66,001,786 |
100.00 |
74,794,835 |
100.00 |
負債 |
||||
科目 |
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
金銭信託 |
20,889,820 |
31.65 |
22,197,075 |
29.68 |
年金信託 |
3,145,273 |
4.76 |
3,148,711 |
4.21 |
財産形成給付信託 |
4,249 |
0.01 |
4,558 |
0.00 |
投資信託 |
15,985,056 |
24.22 |
17,562,844 |
23.48 |
金銭信託以外の金銭の信託 |
1,552,611 |
2.35 |
1,700,809 |
2.27 |
有価証券の信託 |
8,241,241 |
12.49 |
12,495,611 |
16.71 |
金銭債権の信託 |
3,746,957 |
5.68 |
3,935,024 |
5.26 |
土地及びその定着物の信託 |
362,071 |
0.55 |
424,654 |
0.57 |
包括信託 |
12,069,244 |
18.28 |
13,320,209 |
17.81 |
その他の信託 |
5,260 |
0.01 |
5,335 |
0.01 |
合計 |
66,001,786 |
100.00 |
74,794,835 |
100.00 |
(注)1.上記残高表には、金銭評価の困難な信託を除いております。
2.共同信託他社管理財産 前連結会計年度288,314百万円、当連結会計年度286,630百万円。なお、共同信託他社管理財産には、職務分担型共同受託方式による信託財産の該当はありません。
② 貸出金残高の状況(業種別貸出状況)(末残・構成比)
業種別 |
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
- |
- |
982 |
0.15 |
情報通信業 |
250 |
0.03 |
250 |
0.04 |
金融業、保険業 |
152,174 |
19.76 |
155,634 |
23.64 |
不動産業、物品賃貸業 |
39,583 |
5.14 |
27,414 |
4.16 |
地方公共団体 |
6,711 |
0.87 |
6,086 |
0.92 |
その他 |
571,596 |
74.20 |
468,000 |
71.09 |
合計 |
770,315 |
100.00 |
658,368 |
100.00 |
③ 有価証券残高の状況(末残・構成比)
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
国債 |
280,420 |
88.43 |
174,759 |
96.21 |
社債 |
13,539 |
4.27 |
2,001 |
1.10 |
株式 |
807 |
0.26 |
4,345 |
2.39 |
その他の証券 |
22,332 |
7.04 |
549 |
0.30 |
合計 |
317,100 |
100.00 |
181,657 |
100.00 |
④ 元本補てん契約のある信託の運用/受入状況(末残)
金銭信託
科目 |
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
貸出金 |
11,217 |
9,840 |
有価証券 |
2 |
2 |
その他 |
820,049 |
865,058 |
資産計 |
831,269 |
874,900 |
元本 |
831,144 |
874,777 |
債権償却準備金 |
34 |
30 |
その他 |
90 |
92 |
負債計 |
831,269 |
874,900 |
(注)1.信託財産の運用のため再信託された信託を含みます。
2.リスク管理債権の状況
前連結会計年度
貸出金11,217百万円のうち延滞債権額は2,823百万円であります。
当連結会計年度
貸出金9,840百万円のうち延滞債権額は2,770百万円であります。
(4)自己資本比率等に関する分析
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規程に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
||
連結総自己資本比率(④/⑦) |
① |
20.28% |
23.87% |
3.59% |
連結Tier1比率(⑤/⑦) |
② |
20.05% |
23.70% |
3.65% |
連結普通株式等Tier1比率(⑥/⑦) |
③ |
19.99% |
23.67% |
3.68% |
連結における総自己資本の額 |
④ |
5,052 |
5,046 |
△6 |
連結におけるTier1資本の額 |
⑤ |
4,994 |
5,009 |
15 |
連結における普通株式等Tier1資本の額 |
⑥ |
4,979 |
5,004 |
25 |
リスク・アセットの額 |
⑦ |
24,905 |
21,134 |
△3,770 |
連結総所要自己資本額 |
⑧ |
1,992 |
1,690 |
△301 |
連結レバレッジ比率(国際統一基準)
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
比較
|
|
連結レバレッジ比率 |
7.03% |
6.55% |
△0.48% |
総自己資本の額は、前連結会計年度末比6億円減少し、5,046億円となりました。一方、リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比3,770億円減少し、2兆1,134億円となりました。この結果、連結総自己資本比率は前連結会計年度末比3.59ポイント上昇し、23.87%となりました。
また、連結レバレッジ比率は前連結会計年度末比0.48ポイント低下し、6.55%となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
|
前連結会計年度 (自 2017年 4月1日 至 2018年 3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年 4月1日 至 2019年 3月31日) |
比較 |
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△1,052 |
4,728 |
5,780 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
2,018 |
2,399 |
381 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△227 |
△237 |
△10 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等や債券貸借取引受入担保金の増加等により4,728億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得、売却及び償還等の結果2,399億円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いにより237億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比6,889億円増加し2兆4,234億円となりました。
2.生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
該当ありません。
該当ありません。