当四半期連結累計期間における、前事業年度の有価証券報告書「事業等のリスク」からの重要な変更は以下の通りです。本項に含まれている将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において判断したものです。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2. 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、文中の下線部分が変更箇所です。
1.財務面に関するリスク
(3)自己資本比率に係るリスク
①各種リスクの顕在化や自己資本比率規制の変更による自己資本比率への悪影響
当社グループは、事業戦略と一体となったリスクアセット運用計画、資本の効率性ならびに本項に示した各種リスクの状況等を踏まえ、適正かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めておりますが、本項に示した各種リスクの顕在化や自己資本比率算出における計測手法の変更等により自己資本比率が低下する可能性があります。なお、自己資本比率規制において、のれん及びその他の無形固定資産、繰延税金資産、金融機関等の資本調達手段の保有等、調整項目については所定の要件のもとで自己資本から控除されます。かかる規制等により、当社や銀行子会社の自己資本の額が減少し、自己資本比率が低下する可能性があります。
また、日本の銀行の自己資本比率規制はバーゼル銀行監督委員会が設定した枠組みに基づいておりますが、当該枠組みの内容が変更された場合、もしくは金融庁による日本の銀行への規制内容が変更された場合に、その結果として自己資本比率が要求される水準を充足できなくなる可能性があります。例えば、2010年12月にバーゼル銀行監督委員会は、金融庁が新たに定める自己資本比率規制等の基となるバーゼルⅢテキスト(銀行の自己資本と流動性に係る国際的な基準の詳細を示すもの)を公表し、その枠組みに基づき、金融庁は2012年3月に自己資本比率規制に関する告示を一部改正しました。この新たな規制は2013年3月31日から段階的に適用されております。また、バーゼル銀行監督委員会は、2017年12月に、リスク計測手法等の見直しを行い、バーゼルⅢ規制の最終規則文書を公表しました。当該見直し後の規制は2022年から段階的に適用される予定です。
さらに当社グループは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)として選定されており、より高い水準の自己資本比率が求められることとなります。G-SIBsのグループは年次で更新され、毎年11月に金融安定理事会(FSB)により公表されます。また、2015年11月にFSBは、G-SIBsに対して、破綻時の総損失吸収力(TLAC)を求める最終文書を公表しており、G-SIBsは2019年から一定水準以上の総損失吸収力(TLAC)の維持が求められることとなります。2016年4月には金融庁が本邦における当該規制に係る枠組みの整備の方針を、2018年4月には同方針の改訂版を公表しています。2018年12月には、金融庁がTLAC規制の告示案を公表し、当該告示案において、2019年3月31日より当社グループを本邦TLAC規制の適用対象とすることが示されています。
仮に当社や銀行子会社の自己資本比率が一定基準を下回った場合には、自己資本比率の水準に応じて、金融庁から、資本の増強を含む改善計画や社外流出の制限、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部の業務の縮小等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当社グループの一部銀行子会社は、米国その他の事業を行う諸外国において、自己資本比率規制を受けており、当該規制に抵触した場合には、当社グループの業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.金融諸環境等に関するリスク
①金融経済環境の変化による悪影響
当社グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジアなどの海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じる可能性があります。昨今、米通商政策や欧州の政治情勢、中国・新興国の経済・市場動向、中東等における地政学リスクなど、金融経済環境は不確実性が高まっておりますが、今後、これらのリスクの顕在化などの影響により経済状況の悪化や金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2019年3月期第3四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.財政状態及び経営成績の状況
[総論]
①連結業務純益
・当第3四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比282億円増加し、1兆4,643億円となりました。
・株式会社みずほ銀行及びみずほ信託銀行株式会社2行合算ベース(以下、銀行単体合算ベースという)の業務粗利益は、市場部門が減益となった一方、顧客部門が増益となったこと等により、前年同期比173億円増加し、9,970億円となりました。
・銀行単体合算ベースの経費は、前年同期比98億円減少し、7,104億円となりました。
・みずほ証券株式会社連結ベースの純営業収益は、営業有価証券等損益及びトレーディング損益の減少等により、前年同期比23億円減少し、2,249億円となりました。
・みずほ証券株式会社連結ベースの販売費・一般管理費は、前年同期比16億円増加し、1,975億円となりました。
・これらの結果、連結業務純益は、前年同期比389億円増加し、3,868億円となりました。
なお、連結業務純益に銀行単体合算ベースのETF関係損益とみずほ証券連結の営業有価証券等損益を加えた連結業務純益+ETF関係損益等は、前年同期比50億円増加し、4,278億円となりました。
②親会社株主に帰属する四半期純利益
・与信関係費用は、60億円の戻り益となりました。
・株式等関係損益は、前年同期比271億円減少し、1,629億円の利益となりました。
・これらの結果、経常利益は、前年同期比969億円減少し、5,475億円となりました。
・特別損益は、前年同期比79億円減少し、52億円の利益となりました。
・税金関係費用は、前年同期比341億円減少し、1,241億円となりました。
・以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比657億円減少し、4,099億円となりました。これは、年度計画5,700億円に対し、71%の進捗率となっております。
[損益の状況]
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における損益状況は以下のとおりです。
(図表1)
|
|
前第3四半期 連結累計期間 (自 2017年 4月1日 至 2017年 12月31日) |
当第3四半期 連結累計期間 (自 2018年 4月1日 至 2018年 12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結粗利益 |
① |
14,361 |
14,643 |
282 |
資金利益 |
|
5,987 |
5,929 |
△58 |
信託報酬 |
|
392 |
394 |
1 |
うち信託勘定与信関係費用 |
①' |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
|
4,310 |
4,232 |
△78 |
特定取引利益 |
|
1,934 |
2,416 |
482 |
その他業務利益 |
|
1,736 |
1,671 |
△64 |
営業経費 |
② |
△11,099 |
△10,698 |
401 |
不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
③ |
△144 |
△248 |
△104 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
1,838 |
309 |
△1,529 |
株式等関係損益 |
⑤ |
1,901 |
1,629 |
△271 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
149 |
234 |
84 |
その他 |
⑦ |
△561 |
△394 |
167 |
経常利益(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
6,445 |
5,475 |
△969 |
特別損益 |
⑨ |
132 |
52 |
△79 |
税金等調整前四半期純利益(⑧+⑨) |
⑩ |
6,577 |
5,528 |
△1,049 |
税金関係費用 |
⑪ |
△1,583 |
△1,241 |
341 |
四半期純利益(⑩+⑪) |
⑫ |
4,994 |
4,287 |
△707 |
非支配株主に帰属する四半期純損益 |
⑬ |
△237 |
△188 |
49 |
親会社株主に帰属する四半期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
4,757 |
4,099 |
△657 |
|
|
|
|
|
四半期包括利益 |
⑮ |
8,022 |
△59 |
△8,081 |
|
|
|
|
|
与信関係費用(①’+③+④) |
⑯ |
1,694 |
60 |
△1,634 |
(注) 費用項目は△表記しております。 |
||||
(参考)連結業務純益 |
|
3,479 |
3,868 |
389 |
(参考)連結業務純益+ETF関係損益等 |
|
4,227 |
4,278 |
50 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整 |
||||
*ETF関係損益等=銀行単体合算ベースのETF関係損益+みずほ証券連結の営業有価証券等損益 |
① 連結粗利益
当第3四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比282億円増加し、1兆4,643億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、預金利息や売現先利息の増加等により、前年同期比58億円減少し、5,929億円となりました。
(信託報酬)
信託報酬は、前年同期比1億円増加し、394億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、証券関連業務手数料の減少等により、前年同期比78億円減少し、4,232億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、商品有価証券収益の増加等により、前年同期比482億円増加し、2,416億円となりました。また、その他業務利益は、国債等債券損益が減少したこと等により、前年同期比64億円減少し、1,671億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、前年同期比401億円減少し、1兆698億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、60億円の戻り益となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、ETF関係損益等の減少等により、前年同期比271億円減少し、1,629億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前年同期比84億円増加し、234億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、394億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前年同期比969億円減少し、5,475億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、前年同期比79億円減少し、52億円の利益となりました。
⑩ 税金等調整前四半期純利益
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、前年同期比1,049億円減少し、5,528億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、前年同期比341億円減少し、1,241億円(損失)となりました。
⑫ 四半期純利益
四半期純利益は、前年同期比707億円減少し、4,287億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する四半期純損益
非支配株主に帰属する四半期純損益(利益)は、前年同期比49億円減少し、188億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する四半期純利益(⑮四半期包括利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比657億円減少し、4,099億円となりました。また、四半期包括利益は、前年同期比8,081億円減少し、59億円(損失)となりました。
-参考-
(図表2)損益状況 (銀行単体合算ベース)
|
前第3四半期 累計期間 (自 2017年 4月1日 至 2017年 12月31日) |
当第3四半期 累計期間 (自 2018年 4月1日 至 2018年 12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
業務粗利益 |
9,796 |
9,970 |
173 |
資金利益 |
5,264 |
5,251 |
△12 |
信託報酬 |
389 |
390 |
1 |
うち一般合同信託報酬 |
17 |
19 |
1 |
うち信託勘定与信関係費用 |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
2,772 |
2,823 |
50 |
特定取引利益 |
355 |
582 |
227 |
その他業務利益 |
1,014 |
921 |
△93 |
経費(除:臨時処理分) |
△7,202 |
△7,104 |
98 |
実質業務純益(除:信託勘定与信関係費用) |
2,593 |
2,865 |
271 |
臨時損益等(含:一般貸倒引当金純繰入額) |
2,705 |
1,342 |
△1,362 |
うち一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額 |
△119 |
△223 |
△104 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
1,775 |
298 |
△1,477 |
うち株式等関係損益 |
1,889 |
1,560 |
△328 |
経常利益 |
5,299 |
4,208 |
△1,090 |
特別損益 |
156 |
55 |
△100 |
四半期純利益 |
4,164 |
3,059 |
△1,104 |
|
|
|
|
与信関係費用 |
1,656 |
74 |
△1,581 |
与信関係費用=一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額+貸倒引当金戻入益等+信託勘定与信関係費用 |
[セグメント情報]
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第4 経理の状況、1.四半期連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益+ETF関係損益等及び業務純益+ETF関係損益等の金額に関する情報
|
前第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日) |
当第3四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年12月31日) |
比較 |
|||
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
||||
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
|
リテール・事業法人 カンパニー |
5,202 |
△101 |
5,126 |
△95 |
△76 |
6 |
大企業・金融・公共法人 カンパニー |
2,932 |
1,416 |
3,282 |
1,784 |
350 |
368 |
グローバルコーポレート カンパニー |
2,468 |
657 |
3,103 |
1,319 |
635 |
662 |
グローバルマーケッツ カンパニー |
3,640 |
2,107 |
2,747 |
1,215 |
△893 |
△892 |
アセットマネジメント カンパニー |
376 |
113 |
373 |
114 |
△3 |
1 |
その他 |
491 |
35 |
422 |
△58 |
△69 |
△94 |
みずほフィナンシャル グループ(連結) |
15,109 |
4,227 |
15,053 |
4,278 |
△56 |
50 |
*業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
[財政状態の分析]
前連結会計年度及び当第3四半期連結会計期間の末日における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
(図表4)
|
前連結会計年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
資産の部 |
2,050,283 |
2,016,342 |
△33,940 |
うち有価証券 |
341,830 |
312,226 |
△29,603 |
うち貸出金 |
794,214 |
785,579 |
△8,635 |
負債の部 |
1,952,070 |
1,923,281 |
△28,788 |
うち預金 |
1,250,812 |
1,212,486 |
△38,325 |
うち譲渡性預金 |
113,825 |
136,995 |
23,169 |
純資産の部 |
98,212 |
93,060 |
△5,151 |
うち株主資本合計 |
73,883 |
76,108 |
2,225 |
うちその他の包括利益累計額合計 |
16,775 |
12,445 |
△4,329 |
うち非支配株主持分 |
7,542 |
4,500 |
△3,042 |
[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
|
前連結会計年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
有価証券 |
341,830 |
312,226 |
△29,603 |
国債 |
152,920 |
127,448 |
△25,471 |
地方債 |
2,393 |
2,046 |
△347 |
社債・短期社債 |
29,642 |
25,379 |
△4,262 |
株式 |
39,527 |
35,595 |
△3,932 |
その他の証券 |
117,346 |
121,756 |
4,409 |
有価証券は31兆2,226億円と、国債(日本国債)の減少を主因に、前年度末比2兆9,603億円減少しました。
② 貸出金
(図表6)
|
前連結会計年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
794,214 |
785,579 |
△8,635 |
貸出金は、前年度末比8,635億円減少し、78兆5,579億円となりました。
[負債の部]
預金
(図表7)
|
前連結会計年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金 |
1,250,812 |
1,212,486 |
△38,325 |
譲渡性預金 |
113,825 |
136,995 |
23,169 |
預金は121兆2,486億円と、前年度末比3兆8,325億円減少しました。
また、譲渡性預金は13兆6,995億円と、前年度末比2兆3,169億円増加しました。
[純資産の部]
(図表8)
|
前連結会計年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
純資産の部合計 |
98,212 |
93,060 |
△5,151 |
株主資本合計 |
73,883 |
76,108 |
2,225 |
資本金 |
22,565 |
22,567 |
2 |
資本剰余金 |
11,349 |
11,384 |
35 |
利益剰余金 |
40,028 |
42,234 |
2,205 |
自己株式 |
△59 |
△77 |
△17 |
その他の包括利益累計額合計 |
16,775 |
12,445 |
△4,329 |
その他有価証券評価差額金 |
13,923 |
9,988 |
△3,935 |
繰延ヘッジ損益 |
△675 |
△677 |
△1 |
土地再評価差額金 |
1,442 |
1,432 |
△10 |
為替換算調整勘定 |
△850 |
△1,013 |
△162 |
退職給付に係る調整累計額 |
2,935 |
2,715 |
△219 |
新株予約権 |
11 |
7 |
△4 |
非支配株主持分 |
7,542 |
4,500 |
△3,042 |
当第3四半期連結会計期間末の純資産の部合計は、前年度末比5,151億円減少し、9兆3,060億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前年度末比2,225億円増加し、7兆6,108億円となりました。
その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前年度末比4,329億円減少し、1兆2,445億円となりました。
非支配株主持分は、前年度末比3,042億円減少し、4,500億円となりました。
[不良債権に関する分析(銀行単体合算ベース)]
(図表9)金融再生法開示債権(銀行勘定+信託勘定)
|
|
前事業年度
(2018年3月31日) |
当第3四半期 会計期間 (2018年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
766 |
778 |
12 |
|
危険債権 |
|
2,842 |
3,253 |
410 |
要管理債権 |
|
1,978 |
1,669 |
△309 |
小計(要管理債権以下) |
(A) |
5,587 |
5,702 |
114 |
正常債権 |
|
836,442 |
893,852 |
57,410 |
合計 |
(B) |
842,030 |
899,555 |
57,524 |
(A)/(B)(%) |
|
0.66 |
0.63 |
△0.02 |
当第3四半期会計期間末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前年度末比114億円増加し、5,702億円となりました。不良債権比率((A)/(B))は0.63%となっております。
2.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(1)経営方針
①企業理念
当社グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・ビジョン・みずほValueから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに<豊かな実り>をお届けしてまいります。
基本理念:〈みずほ〉の企業活動の根本的考え方
〈みずほ〉は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、
常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる 知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、
幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展に グループ一体となって貢献していく。
これらを通じ、〈みずほ〉は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、 お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。
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ビジョン:〈みずほ〉のあるべき姿・将来像
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『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、 グローバルで開かれた総合金融グループ』
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1.信頼No.1の〈みずほ〉 2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉 3.グループ力No.1の〈みずほ〉
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みずほValue:役職員が共有すべき価値観・行動軸
1.お客さま第一 ~未来に向けた中長期的なパートナー~ 2.変革への挑戦 ~先進的な視点と柔軟な発想~ 3.チームワーク ~多様な個性とグループ総合力~ 4.スピード ~鋭敏な感性と迅速な対応~ 5.情熱 ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~ |
②中期経営計画
当社グループは、2016年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画『進化する“One MIZUHO”~総合金融コンサルティンググループを目指して~』を推進しております。
この計画は、従来から推進してきた「お客さま第一(Client-Oriented)」をさらに徹底するとともに、業務高度化・効率化プロジェクトにより「オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力)」を追求することで、「総合金融コンサルティンググループ」という新しいビジネスモデルを構築し、「One MIZUHO戦略」を進化させようとするものです。
資産運用機能やリサーチ&コンサルティング機能を銀行・信託・証券に次ぐ新たな柱として加え、これまで以上にお客さまに最良・最適なサービスを提供し、〈みずほ〉への満足度を高めていただくことで、法人のお客さまの持続的な発展や個人のお客さまの安定した未来のためのOnly Oneのパートナーを目指してまいります。
中期経営計画では、このような新しいビジネスモデルを構築することを目指して、5つの基本方針と、それを事業戦略、財務戦略、経営基盤において具体化した10の戦略軸を設定しております。
中期経営計画における〈みずほ〉の目指す姿
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“総合金融コンサルティンググループ” |
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~お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナー~ |
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5つの基本方針
1.カンパニー制の導入 2.事業の選択と集中 3.強靭な財務体質の確立 4.金融イノベーションへの積極的取組み 5.強い〈みずほ〉を支える人材の活躍促進とカルチャーの確立 |
10の戦略軸
〔事業戦略〕 ① グローバルベースでの非金利ビジネスモデルの強化 ② 貯蓄から投資への対応 ③ リサーチ&コンサルティング機能の強化 ④ FinTechへの対応 ⑤ エリアOne MIZUHO戦略* |
〔財務戦略〕 ⑥ バランスシートコントロール戦略とコスト構造改革 ⑦ 政策保有株式の削減 |
〔経営基盤〕 ⑧ 次期システムの完遂 ⑨ 人事運営の抜本的改革 ⑩ 強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取組み |
*同一地域における銀行・信託・証券一体でのOne MIZUHO戦略。営業拠点がエリア戦略を主体的に考え実行。
また、本中期経営計画では、以下の項目を財務面の目標の達成状況を測定する指標として掲げております。
One MIZUHO戦略などの競争優位性を活かしながら、事業の選択と集中を図り、「オペレーショナルエクセレンス」の追求等を通じて一層の収益力向上と効率性・品質向上及び経費削減に取り組み、競争環境の変化にも耐えられる強靭な財務基盤の構築を目指します。
資本政策については、安定的な自己資本の充実と着実な株主還元の最適なバランスを引き続き追求いたします。
・普通株式等Tier1(CET1)比率*1
・連結ROE*2
・親会社株主に帰属する当期純利益RORA
・グループ経費率*3
・政策保有株式削減額*4
*1 バーゼルⅢ完全施行ベース(現行規制を前提)、その他有価証券評価差額金を除く
*2 その他有価証券評価差額金を除く
*3 株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社、みずほ証券株式会社、アセットマネジメントOne
株式会社、及び、主要子会社を合算した粗利経費率
*4 国内上場株式、取得原価ベース、2015年度から2018年度の累計額
(2)経営環境
当第3四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は堅調に拡大する米国経済がけん引し、全体として緩やかな回復が続きました。一方、中国経済は米中貿易摩擦の影響などから減速基調となっております。
米国経済は、減税や財政支出を受け、堅調な景気拡大が続きました。ただし、貿易摩擦の影響などから製造業の景況感が下振れております。一方、失業率は低水準が継続しており、賃金の伸びはやや加速しております。FRB(連邦準備制度理事会)は緩やかな利上げを継続するとともに、バランスシートの縮小を進めております。
欧州経済の景気拡大ペースは鈍化しております。企業の景況感は製造業を中心に弱含んでおります。Brexitなど不透明感が高まるなか、ECB(欧州中央銀行)は金融政策を据え置いております。新規の資産購入については停止を発表しました。
アジアでは、中国景気が減速基調となっております。米中貿易摩擦の影響などから、輸出の伸びが急速に鈍化しており留意が必要です。新興国経済は回復基調が続いておりますが、経常赤字国などでは米通商政策や中国景気への懸念に伴う資金流出のリスクは残存しております。
日本経済は、海外経済の拡大や内需の堅調な推移から回復基調が続いているものの、輸出、生産は力強さに欠ける状況です。雇用環境が良好ななか、個人消費は緩やかな回復傾向を維持しております。日本銀行は物価目標2%達成に向け、長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策を継続しておりますが、展望レポートでは物価見通しを引き下げております。
先行きについては、世界経済は米国を中心に引き続き回復が期待されますが、不確実性が高まるなか、米通商政策や欧州の政治情勢、中国・新興国の経済・市場動向、中東での地政学リスクの高まりなどに注意を要する状況です。
(3)対処すべき課題
金融機関を取り巻く事業環境は厳しい状況が継続するとともに、大きな構造変化が予想されています。このような環境のなか、10年後を見据えたグループの持続的成長と将来の競争優位性確保に向けて、抜本的構造改革に取り組んでまいります。
テクノロジーのめざましい進展をオープンイノベーションの考えのもとで活用し、金融の枠を超えた他社との協働による新たなビジネス機会の創出も含めたトップライン収益の増強を図るとともに、組織・人員の最適化やチャネルの再構築等にも取り組み、コスト競争力の強化や生産性の向上を図ることで、「One MIZUHO戦略」のさらなる進化を目指してまいります。
2018年度は、「抜本的構造改革への着手・実行」「中期経営計画の仕上げ」「次期システムの完遂」という3つの重要な課題に対処すべく、「ビジネス構造・基盤の変革に着手し、お客さま第一の再徹底と生産性の抜本的向上による“One MIZUHO戦略”のさらなる進化」を運営方針とし、以下の事項に重点を置いて、取り組みを進めてまいります。
(「お客さま第一」の徹底を通じた収益力の強化)
お客さまとの接点強化、お客さまのニーズ把握の徹底等を通じて、グループ一体となった「One MIZUHO戦略」をさらに進化させ、課題解決を通じたグループ一体での収益力の強化に取り組んでまいります。また、資産運用関連業務におけるフィデューシャリー・デューティー*の実践に向けた取り組みを進めるとともに、お客さまの声・評価を業務計画フォローのサイクルに取り込み、戦略・施策に反映させてまいります。
* 他者の信認に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広いさまざまな役割・責任の総称
(事業の選択と集中)
注力分野と縮退分野において、ターゲット先やマーケットを絞った経営資源配分のメリハリを強化することで、限られた経営資源を効果的に活用し、収益力を向上させてまいります。注力分野においては、リスクテイクの領域や深度の拡大に取り組むほか、新規ビジネスや成長領域のビジネス強化に着手してまいります。
(強靭な財務体質の確立)
事業環境の変化の予兆を捉えてバランスシートコントロールを機動的・実効的に行うことで、リスク・リターンの適正化を図ってまいります。政策保有株式の削減については、中期経営計画で掲げた目標の達成に向けて取り組んでまいります。
また、「オペレーショナルエクセレンス」への取り組み等を通じた業務プロセスの抜本的見直しや、働き方の見直しによりコスト構造改革を実現してまいります。
(テクノロジー・データの活用)
グループ全体のデジタルイノベーション戦略の企画・推進機能を強化し、業務プロセス高度化による生産性向上、ビジネス基盤の刷新、新規ビジネスの創造、の各々の領域において、テクノロジー・データの活用や、他企業との協働による価値共創に向けた取り組みを推進してまいります。
(人材の活躍促進とカルチャーの変革)
「個」を尊重する人事運営、多様な人材の活躍促進、多様かつ柔軟な働き方を可能とする「働き方改革」、「健康経営」の取り組み等、「人事運営の抜本的改革」の定着・浸透を図るとともに、社員のチャレンジを促す意識改革や内向きエネルギーの排除等、カルチャーの変革に向けた取り組みを進めてまいります。
(次期システムの完遂)
最重要・最大規模のシステムプロジェクトとして、万全の態勢のもと、「安全・着実」に完遂するべく取り組んでまいります。
[事業戦略]
当社グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループ運営を行っております。
各カンパニー・ユニットの事業戦略は次の通りです。
(リテール・事業法人カンパニー)
リテール・事業法人カンパニーは、個人・中小企業・中堅企業のお客さまに向けた業務を担当しており、お客さまとともに成長する「総合金融コンサルティングカンパニー」を目指しております。
個人のお客さまには、資産運用、資産承継等のコンサルティング提供力の向上に努めていくとともに、先進的な技術の活用・他社との提携等による、利便性の高いサービスの開発・提供に取り組んでまいります。
中小企業・中堅企業のお客さまには、コンサルティングを起点とした成長戦略支援を通じて、事業の拡大・承継、海外展開等のニーズや、企業オーナー等の資産承継・運用等のニーズに対し、最適なソリューションをグループ一体で提供してまいります。
(大企業・金融・公共法人カンパニー)
大企業・金融・公共法人カンパニーは、国内の大企業法人・金融法人・公共法人のお客さまに向けた業務を担当しており、お客さまから最も信頼されるパートナーになることを目指しております。
大企業法人のお客さまには、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、シンジケートローンや社債引受、M&A等、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションを提供してまいります。
金融法人のお客さまには、財務戦略等に関する助言や各種運用商品の提案、公共法人のお客さまには、公共債の受託、引受を通じた資金調達支援、指定金融機関業務等、グループ横断的に最適な金融サービスを提供してまいります。加えて、日本経済の重要課題である、地方創生に向けた取り組みにも注力してまいります。
(グローバルコーポレートカンパニー)
グローバルコーポレートカンパニーは、海外進出日系企業及び非日系企業等のお客さまに向けた業務を担当しており、大きく変わる世界の経済動向・規制動向のなかで、持続的に成長するカンパニーを目指しております。
お客さまの事業への深い理解と、貸出、社債引受等のコーポレートファイナンスの分野での強みを活かし、さまざまなソリューションを提供してまいります。
(グローバルマーケッツカンパニー)
グローバルマーケッツカンパニーは、株式・債券等への投資業務に加え、セールス&トレーディング業務として、個人から機関投資家まで幅広いお客さまのリスクヘッジ・運用ニーズに対して、マーケット商品全般を提供してまいります。
銀行・信託・証券連携による幅広い商品提供力を活かし、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレイヤーを目指しております。
(アセットマネジメントカンパニー)
アセットマネジメントカンパニーは、個人から機関投資家まで幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供してまいります。
フィデューシャリー・デューティー*を全うし、個人のお客さまの資産形成を後押しする運用商品の提供や、年金基金等のお客さまの多様化する運用ニーズにお応えするコンサルティング機能の提供等を通じ、お客さまニーズを実現していくことで、国内金融資産の活性化に貢献することを目指しております。
* 他者の信認に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広いさまざまな役割・責任の総称
(グローバルプロダクツユニット)
グローバルプロダクツユニットは、インベストメントバンキング分野とトランザクション分野において、事業・財務戦略アドバイス、資金調達サポート、国内外為替・決済等のソリューションを提供してまいります。
各カンパニーや銀行・信託・証券等グループ会社間の強固な連携と、高度な専門性を駆使して〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」をプロダクツの面から支えることを目指しております。
(リサーチ&コンサルティングユニット)
リサーチ&コンサルティングユニットは、産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略等の幅広い分野にわたるコンサルティング機能に、ITデジタル知見を掛け合わせたソリューションを提供するとともに、〈みずほ〉の法人向け会員制サービスを統合し創設したMIZUHO Membership One(MMOne)を展開してまいります。
お客さまや社会の価値創造の“起点”として、顕在的・潜在的な課題を包括的に解決していくことを目指しております。
これらの取り組みに加え、リスクアペタイト・フレームワークの高度化や反社会的勢力との取引遮断をはじめとする法令遵守態勢及びガバナンス態勢の強化につきましても引き続き取り組んでまいります。
なお、既に公表しております通り、当社の連結子会社である資産管理サービス信託銀行株式会社(以下、TCSB)及び日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(以下、JTSB)は、10月1日付で、共同株式移転によりJTCホールディングス株式会社(以下、JTCHD)を設立いたしました。JTCHD、TCSB及びJTSBは、次の段階として3社合併による新銀行発足に向けて準備を進めてまいります。
また、株式会社みずほ銀行とみずほ信託銀行株式会社の統合の可能性につきましても、引き続き検討してまいります。
当社グループは、SDGs(持続可能な開発目標)*1等の社会的課題の解決に向けて、CSR(企業の社会的責任)への取り組みを推進することで、社会の持続可能な発展にグループの総力を挙げて貢献し、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。
また、多様なステークホルダーの皆さまとの積極的なコミュニケーションの実践や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会*2のサポート等を通じて、今後とも一層のブランド価値向上に向けた取り組みを進めてまいります。
*1 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年
から2030年までの国際目標
*2 みずほフィナンシャルグループは、東京2020ゴールド銀行パートナーです。
3.従業員数の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員数は、前事業年度末比159名増加し1,685名となりました。これは、グループ一体運営を企図し、本部等において、当社主発令者が増加したことを主因とするものです。
当社の従業員数は、社外への出向者を除き、社外から受け入れた出向者を含んでおります。また、執行役員、嘱託及び臨時従業員を含んでおりません。
なお、連結会社における従業員数については、前連結会計年度末比著しい変動はございません。
該当ありません。