当四半期連結累計期間における、前事業年度の有価証券報告書「事業等のリスク」からの重要な変更は以下の通りです。本項に含まれている将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において判断したものです。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4. 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
2.業務面等に関するリスク
(2) その他のリスク
⑤分配可能額等に関するリスク
持株会社である当社は、その収入の大部分を傘下の銀行子会社等から受領する配当金に依存しておりますが、会社法の制限等により、当該銀行子会社等が当社に対して配当金を支払わない可能性があります。また、当社の業績及び財務状況の悪化や、会社法の制限や銀行の自己資本規制の強化に伴う配当制限等により、当社株主への配当の支払や当社グループが発行する一部の資本性証券の配当又は利払いが困難もしくは不可能となる可能性があります。
3.金融諸環境等に関するリスク
①金融経済環境の変化による悪影響
当社グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジアなどの海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じる可能性があります。昨今、日銀の新たな金融政策の導入、英国のEU離脱に向けた交渉、米国新政権の発足などに伴って、金融経済環境は激しい変化が続いておりますが、今後、各国の金融政策の変更、政治的混乱、各種地政学的リスクの顕在化などの影響により経済状況の悪化や金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の連結子会社である株式会社みずほ銀行、ユーシーカード株式会社は、株式会社クレディセゾン及び株式会
社キュービタスとの間で、クレジットカード業界の環境変化等を踏まえ、各社が競争力をもって事業成長を図るべ
く、平成16年12月24日に締結した包括的業務提携基本契約書を見直し、平成29年1月26日に包括的業務提携基本契
約等変更契約を締結いたしました。
平成29年3月期第3四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年12月31日)における当社グループの財政状態及び経営成績は以下のとおりと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.業績の状況
(金融経済環境)
当第3四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は、一部には弱さもみられましたが、全体としては緩やかな回復が続きました。先行きは、先進国を中心とした緩やかな回復が期待されますが、下振れリスクは残存しており、米新大統領の政策運営や欧州政治問題、中国経済の動向などには注視を要する状況となっております。
米国経済は、雇用環境が総じて良好に推移し、底堅い個人消費や輸出の伸びにも支えられて回復基調が継続しました。米新大統領による政策の後押しもあり、今後も緩やかな拡大基調が続くと見込まれますが、新政権下での為替・通商政策などを通じた先行きの不透明感の高まりといった懸念材料には留意する必要があります。
欧州経済は、個人消費の回復や輸出の持ち直しなどから、緩やかな回復が続きました。先行きについては、不確実性の高まりなどから企業の慎重姿勢が続き、景気は力強さを欠くことが予想されます。英国のEU離脱交渉や欧州各国での選挙、南欧諸国での不良債権問題等、欧州の政治動向には一層の注意を払う必要があります。
アジアでは、中国経済が政策の下支えもあり安定的に推移しました。今後についても、輸出の持ち直しや景気下支え策が続き、当面は横ばい圏の動きにとどまるとみられます。新興国経済については、中国経済の底堅さや原油価格の持ち直しなどから、安心感が広がりつつある状況です。先行きは、新興国通貨安や資本流出圧力の増大といった懸念材料もあるなかで、景気拡大は緩やかなペースにとどまるとみられます。
日本経済は、輸出の増加や政府による景気下支えに加え、個人消費の底入れにより景気の踊り場を脱却し、緩やかに持ち直しました。今後は、各種政策の効果や円安環境もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。ただし、海外経済の不確実性の高まりには引き続き留意する必要があります。
(財政状態及び経営成績の分析)
(1)総論
[損益の状況]
①連結業務純益
・当第3四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比668億円減少し、1兆5,590億円となりました。
・株式会社みずほ銀行及びみずほ信託銀行株式会社2行合算ベース(以下、銀行単体合算ベースという)の業務粗利益は、マイナス金利影響を主因に、前年同期比890億円減少し、1兆765億円となりました。
・銀行単体合算ベースの経費は、前年同期比211億円増加し、7,053億円となりました。
・みずほ証券株式会社連結ベースの純営業収益は、トレーディング損益が増加した一方、グループ企業再編に伴う連結対象会社の減少による影響等により、前年同期比333億円減少し、2,816億円となりました。
・みずほ証券株式会社連結ベースの販売費・一般管理費は、前年同期比267億円減少し、2,217億円となりました。
・これらの結果、連結業務純益は、前年同期比922億円減少し、5,088億円となりました。
②親会社株主に帰属する四半期純利益
・与信関係費用は、59億円の戻り益となりました。
・株式等関係損益は、前年同期比463億円減少し、1,378億円の利益となりました。
・これらの結果、経常利益は、前年同期比1,941億円減少し、5,757億円となりました。
・特別損益は、アセットマネジメントOne株式会社発足に伴う特別利益の計上等により、前年同期比364億円増加し、530億円となりました。
・税金関係費用は、グループ企業再編に伴う繰延税金資産の計上等により、前年同期比1,268億円減少し、965億円となりました。
・以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比148億円減少し、5,046億円となりました。これは、年度計画6,000億円に対し、84%の順調な進捗となっております。
[自己資本の状況]
・当社グループは、「安定的な自己資本の充実」と「着実な株主還元」の最適なバランスを図る「規律ある資本政策」を遂行しております。
・平成28年度より始まった新中期経営計画においては、最終年度(平成30年度)末において、連結普通株式等Tier1比率10%程度(完全施行ベース(※1)(現行規制を前提)、その他有価証券評価差額金を除く)を目指し、外部環境変化へのストレス耐性を高めてまいります。
・各種政策の着実な実行等を通じ、一層の収益力向上と効率性・品質向上及び経費削減に取組み、競争環境の変化にも耐えられる強靭な財務基盤の構築を目指します。
(※1)平成30年度末のバーゼルⅢの完全施行時の規制に従い算出するものです。
(2)経営成績の分析
[損益の状況]
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における損益状況は以下のとおりです。
(図表1)
|
|
前第3四半期 連結累計期間 (自 平成27年 4月1日 至 平成27年 12月31日) |
当第3四半期 連結累計期間 (自 平成28年 4月1日 至 平成28年 12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結粗利益 |
① |
16,259 |
15,590 |
△668 |
資金利益 |
|
7,613 |
6,430 |
△1,182 |
信託報酬 |
|
381 |
352 |
△28 |
うち信託勘定与信関係費用 |
①' |
― |
― |
― |
役務取引等利益 |
|
4,310 |
4,227 |
△82 |
特定取引利益 |
|
2,137 |
2,406 |
269 |
その他業務利益 |
|
1,817 |
2,173 |
356 |
営業経費 |
② |
△10,084 |
△10,792 |
△708 |
不良債権処理額 |
③ |
△248 |
△212 |
36 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
154 |
271 |
117 |
株式等関係損益 |
⑤ |
1,841 |
1,378 |
△463 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
210 |
165 |
△44 |
その他 |
⑦ |
△434 |
△643 |
△209 |
経常利益(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
7,699 |
5,757 |
△1,941 |
特別損益 |
⑨ |
166 |
530 |
364 |
税金等調整前四半期純利益(⑧+⑨) |
⑩ |
7,865 |
6,288 |
△1,577 |
税金関係費用 |
⑪ |
△2,233 |
△965 |
1,268 |
四半期純利益(⑩+⑪) |
⑫ |
5,632 |
5,323 |
△309 |
非支配株主に帰属する四半期純損益 |
⑬ |
△437 |
△276 |
160 |
親会社株主に帰属する四半期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
5,194 |
5,046 |
△148 |
四半期包括利益 |
⑮ |
3,470 |
3,870 |
400 |
与信関係費用(①’+③+④) |
⑯ |
△93 |
59 |
153 |
(注) 費用項目は△表記しております。
(参考)連結業務純益 |
|
6,010 |
5,088 |
△922 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整
① 連結粗利益
当第3四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比668億円減少し、1兆5,590億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、有価証券利息配当金の減少や預金利息の増加等により、前年同期比1,182億円減少し、6,430億円となりました。
(信託報酬)
信託報酬は、前年同期比28億円減少し、352億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、前年同期比82億円減少し、4,227億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、特定金融派生商品収益が減少した一方、商品有価証券収益が増加したこと等により、前年同期比269億円増加し、2,406億円となりました。また、その他業務利益は、国債等債券損益や外国為替売買損益の増加等により、前年同期比356億円増加し、2,173億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、前年同期比708億円増加し、1兆792億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、59億円の戻り益となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却益の減少等により、前年同期比463億円減少し、1,378億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前年同期比44億円減少し、165億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、643億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前年同期比1,941億円減少し、5,757億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、530億円の利益となりました。
⑩ 税金等調整前四半期純利益
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、前年同期比1,577億円減少し、6,288億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、965億円(損失)となりました。
⑫ 四半期純利益
四半期純利益は、前年同期比309億円減少し、5,323億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する四半期純損益
非支配株主に帰属する四半期純損益(利益)は、前年同期比160億円減少し、276億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する四半期純利益(⑮四半期包括利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比148億円減少し、5,046億円となりました。また、四半期包括利益は、前年同期比400億円増加し、3,870億円となりました。
-参考-
(図表2)損益状況 (銀行単体合算ベース)
|
前第3四半期 累計期間 (自 平成27年 4月1日 至 平成27年 12月31日) |
当第3四半期 累計期間 (自 平成28年 4月1日 至 平成28年 12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
業務粗利益 |
11,656 |
10,765 |
△890 |
資金利益 |
6,552 |
5,569 |
△983 |
信託報酬 |
382 |
347 |
△34 |
うち一般合同信託報酬 |
14 |
15 |
1 |
うち信託勘定与信関係費用 |
― |
― |
― |
役務取引等利益 |
2,881 |
2,850 |
△30 |
特定取引利益 |
565 |
471 |
△93 |
その他業務利益 |
1,273 |
1,525 |
251 |
経費(除:臨時処理分) |
△6,841 |
△7,053 |
△211 |
実質業務純益(除:信託勘定与信関係費用) |
4,814 |
3,711 |
△1,102 |
臨時損益等(含:一般貸倒引当金純繰入額) |
1,070 |
438 |
△632 |
うち一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額 |
△243 |
△236 |
7 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
137 |
256 |
119 |
うち株式等関係損益 |
1,626 |
1,361 |
△265 |
経常利益 |
5,884 |
4,150 |
△1,734 |
特別損益 |
44 |
△25 |
△69 |
四半期純利益 |
4,112 |
3,100 |
△1,012 |
与信関係費用 |
△106 |
20 |
127 |
与信関係費用=一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額+貸倒引当金戻入益等+信託勘定与信関係費用
[セグメント情報]
当社グループは、平成28年4月より、顧客セグメント別のカンパニー制を導入しており、これに伴って報告セグメントを5つのカンパニーに分類しております。
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第4 経理の状況、1.四半期連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益及び業務純益の金額に関する情報
|
前第3四半期連結累計期間 至 平成27年12月31日) |
当第3四半期連結累計期間 至 平成28年12月31日) |
比較 |
||||
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|||||
業務粗利益 |
業務純益 |
業務粗利益 |
業務純益 |
業務粗利益 |
業務純益 |
||
リテール・事業法人 カンパニー |
4,914 |
△38 |
4,618 |
△447 |
△296 |
△409 |
|
大企業・金融・公共法人カンパニー |
3,013 |
1,645 |
3,052 |
1,657 |
39 |
12 |
|
グローバルコーポレートカンパニー |
2,998 |
1,303 |
2,831 |
1,118 |
△167 |
△185 |
|
グローバルマーケッツ カンパニー |
4,552 |
3,206 |
4,625 |
3,134 |
73 |
△72 |
|
アセットマネジメント カンパニー |
394 |
167 |
374 |
145 |
△20 |
△22 |
|
その他 |
388 |
△272 |
90 |
△518 |
△297 |
△246 |
|
みずほフィナンシャル グループ(連結) |
16,259 |
6,010 |
15,590 |
5,088 |
△668 |
△922 |
*業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
(3)財政状態の分析
前連結会計年度及び当第3四半期連結会計期間の末日における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
(図表4)
|
前連結会計年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
資産の部 |
1,934,585 |
2,043,830 |
109,244 |
うち有価証券 |
395,059 |
336,686 |
△58,373 |
うち貸出金 |
737,088 |
775,906 |
38,817 |
負債の部 |
1,841,053 |
1,952,686 |
111,633 |
うち預金 |
1,056,290 |
1,174,034 |
117,743 |
うち譲渡性預金 |
118,275 |
108,090 |
△10,185 |
純資産の部 |
93,532 |
91,143 |
△2,389 |
うち株主資本合計 |
65,599 |
69,011 |
3,411 |
うちその他の包括利益累計額合計 |
16,078 |
14,605 |
△1,472 |
うち非支配株主持分 |
11,826 |
7,508 |
△4,317 |
[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
|
|
前連結会計年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
有価証券 |
|
395,059 |
336,686 |
△58,373 |
国債 |
|
195,259 |
142,112 |
△53,146 |
地方債 |
|
2,406 |
2,972 |
565 |
社債・短期社債 |
|
28,679 |
28,378 |
△301 |
株式 |
|
38,987 |
39,945 |
958 |
その他の証券 |
|
129,726 |
123,276 |
△6,450 |
有価証券は33兆6,686億円と、国債(日本国債)の減少を主因に、前年度末比5兆8,373億円減少しました。
② 貸出金
(図表6)
|
|
前連結会計年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
|
737,088 |
775,906 |
38,817 |
貸出金は、前年度末比3兆8,817億円増加し、77兆5,906億円となりました。
[負債の部]
① 預金
(図表7)
|
|
前連結会計年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金 |
|
1,056,290 |
1,174,034 |
117,743 |
譲渡性預金 |
|
118,275 |
108,090 |
△10,185 |
預金は117兆4,034億円と、前年度末比11兆7,743億円増加しました。
また、譲渡性預金は10兆8,090億円と、前年度末比1兆185億円減少しました。
[純資産の部]
(図表8)
|
|
前連結会計年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 連結会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
純資産の部合計 |
|
93,532 |
91,143 |
△2,389 |
株主資本合計 |
|
65,599 |
69,011 |
3,411 |
資本金 |
|
22,557 |
22,562 |
4 |
資本剰余金 |
|
11,101 |
11,344 |
242 |
利益剰余金 |
|
31,976 |
35,152 |
3,176 |
自己株式 |
|
△36 |
△48 |
△12 |
その他の包括利益累計額合計 |
|
16,078 |
14,605 |
△1,472 |
その他有価証券評価差額金 |
|
12,960 |
12,966 |
5 |
繰延ヘッジ損益 |
|
1,652 |
337 |
△1,314 |
土地再評価差額金 |
|
1,484 |
1,469 |
△15 |
為替換算調整勘定 |
|
△536 |
△883 |
△347 |
退職給付に係る調整累計額 |
|
517 |
716 |
199 |
新株予約権 |
|
27 |
17 |
△10 |
非支配株主持分 |
|
11,826 |
7,508 |
△4,317 |
当第3四半期連結会計期間末の純資産の部合計は、前年度末比2,389億円減少し、9兆1,143億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前年度末比3,411億円増加し、6兆9,011億円となりました。
その他の包括利益累計額合計は、繰延ヘッジ損益の減少等により、前年度末比1,472億円減少し、1兆4,605億円となりました。
非支配株主持分は、前年度末比4,317億円減少し、7,508億円となりました。
(4)不良債権に関する分析(銀行単体合算ベース)
(図表9)金融再生法開示債権(銀行勘定+信託勘定)
|
|
前事業年度
(平成28年3月31日) |
当第3四半期 会計期間 (平成28年12月31日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
|
680 |
744 |
64 |
危険債権 |
|
3,536 |
3,462 |
△74 |
要管理債権 |
|
3,984 |
4,023 |
38 |
小計(要管理債権以下) |
(A) |
8,201 |
8,230 |
28 |
正常債権 |
|
810,090 |
842,651 |
32,560 |
合計 |
(B) |
818,292 |
850,881 |
32,589 |
(A)/(B)(%) |
|
1.00 |
0.96 |
△0.03 |
当第3四半期会計期間末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前年度末比28億円増加し、8,230億円となりました。不良債権比率((A)/(B))は0.96%となっております。
2.事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、平成28年度からの3年間を計画期間とする新中期経営計画『進化する“One MIZUHO”~総合金融コンサルティンググループを目指して~』をスタートいたしました。
この計画は、不透明な規制環境に加え、世界経済も新興国経済が牽引してきた構図の変調や資源価格の長期低迷等ターニングポイントを迎えつつあるとともに、金融イノベーションの急速な進展等のゲームチェンジが起こりつつあるなか、こうした新しい環境変化に対応できるビジネスモデルの構築を目指すものです。
具体的には、前中期経営計画で推進してきた「お客さま第一(Client-Oriented)」をさらに徹底するとともに、厳しい経営環境への対応として、業務高度化・効率化プロジェクトにより「オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力)」を追求してまいります。
新中期経営計画は、「お客さま第一」と「オペレーショナルエクセレンス」を2つの土台として、「総合金融コンサルティンググループ」という新しいビジネスモデルを構築し、前中期経営計画で標榜した“One MIZUHO戦略”を進化させようとするものであり、新中期経営計画における目指す姿、5つの基本方針、さらに、基本方針を具体化した事業戦略、財務戦略、経営基盤における戦略軸として、10の戦略軸を設定しております。
[中期経営計画における〈みずほ〉の目指す姿]
|
|
|
|
“総合金融コンサルティンググループ” |
|
|
~お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナー~ |
|
[5つの基本方針]
1.カンパニー制の導入 |
[10の戦略軸]
〔事業戦略〕 ① グローバルベースでの非金利ビジネスモデルの強化 ② 貯蓄から投資への対応 ③ リサーチ&コンサルティング機能の強化 ④ FinTechへの対応 ⑤ エリアOne MIZUHO戦略* |
〔財務戦略〕 ⑥ バランスシートコントロール戦略とコスト構造改革 ⑦ 政策保有株式の削減 |
〔経営基盤〕 ⑧ 次期システムの完遂 ⑨ 人事運営の抜本的改革 ⑩ 強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取組み |
*同一地域における銀行・信託・証券一体でのOne MIZUHO戦略。営業拠点がエリア戦略を主体的に考え実行。
(オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力))
One MIZUHO戦略の実行力である「オペレーション」を向上させ、「お客さま第一」を軸とする戦略の差別化とあわせて、〈みずほ〉の持続的な競争優位の確立につなげ、お客さまサービスの付加価値を向上すべく、「オペレーショナルエクセレンス」を追求いたします。既存の業務プロセスを徹底的に見直し、「オペレーションの効率化」と「オペレーションの高度化による顧客価値創出」を実現してまいります。
(カンパニー制の導入)
「お客さま第一」のさらなる徹底を図るべく、持株会社のもとで、銀行・信託・証券を一体的に運営する〈みずほ〉の特長と優位性を活かし、お客さまのニーズに即した最高の金融サービスを迅速に提供していくため、平成28年4月1日付で、顧客セグメント別のカンパニー制を導入いたしました。これまでも〈みずほ〉は、ユニット制のもと、お客さまの属性ごとに特化したグループ各社横断的なシャープな戦略展開を行ってきましたが、カンパニー制ではその方向性をさらに徹底し、戦略の企画・立案から戦略の遂行に至るプロセスにおいて、より強力に、よりスピーディーに、お客さまの属性に応じて一貫した戦略を展開できる体制といたします。
具体的には、顧客セグメントごとに、リテール・事業法人カンパニー、大企業・金融・公共法人カンパニー、グローバルコーポレートカンパニー、グローバルマーケッツカンパニー、アセットマネジメントカンパニーの5つのカンパニーを設置し、「お客さま第一」の観点からのアプローチ(マーケット・イン型アプローチ)を徹底的に強化いたします。また、プロダクツ、リサーチ等の機能は「専門性のさらなる強化」と「全カンパニー横断的な機能活用」を図るため、2つのユニットとして独立して設置いたしました。なお、リサーチ等の機能に関しては、グループ内のリサーチ機能とコンサルティング機能を“One シンクタンク”として集約し、お客さまのあらゆる課題解決に取り組む専門家集団と位置付け、リサーチ&コンサルティングユニットを新設いたしました。
また、グループ全体のリスクアペタイト方針(リスクテイクに関する基本的な方針)に則り、収益力の向上とリスク・リターン構造の改革に取り組んでまいりますとともに、本部スリム化とスピーディーな意思決定を実現し、現場力・営業力の一層の向上を目指してまいります。
[事業戦略]
当社グループは、新しい顧客セグメント別経営体制のもと、新しい中期経営計画における10の戦略軸に基づき、「お客さま第一」を徹底的に強化してまいります。
各カンパニー・ユニットにおける事業戦略は以下の通りです。
(リテール・事業法人カンパニー)
リテール・事業法人カンパニーは、個人・中小企業・中堅企業のお客さまに向けた業務を担当いたします。
個人のお客さまには、資産運用、資産承継等のコンサルティング提供力の向上に努めていくとともに、先進的な技術の活用・他社との提携等による、利便性の高いサービスの開発・提供に取り組んでまいります。
中小企業・中堅企業のお客さまには、事業の成長・拡大、事業承継、海外展開等の経営課題や、企業オーナー等のお客さまの資産承継・運用等、法人・個人両面のニーズに対してソリューションを提供してまいります。
こうした取り組みを通じ、お客さまとともに成長する「総合金融コンサルティングカンパニー」を目指してまいります。
(大企業・金融・公共法人カンパニー)
大企業・金融・公共法人カンパニーは、国内の大企業法人・金融法人・公共法人のお客さまに向けた業務を担当いたします。
大企業法人のお客さまには、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、シンジケートローンや社債引受、M&A等、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションの提供力を強化してまいります。
金融法人のお客さまには、財務戦略等に関する助言や各種運用商品の提案、公共法人のお客さまには、公共債の受託、引受を通じた資金調達支援、指定金融機関業務等、グループ横断的に最適な金融サービスを提供してまいります。加えて、日本経済の重要課題である、地方創生に向けた取り組みも継続してまいります。
これらの取り組みを通じ、お客さまから最も信頼されるパートナーになることを目指してまいります。
(グローバルコーポレートカンパニー)
グローバルコーポレートカンパニーは、海外進出日系企業及び非日系企業等のお客さまに向けた業務を担当いたします。
お客さまの事業への深い理解と、貸出、社債引受等のコーポレートファイナンスの分野での強みを活かし、さまざまなソリューションを提供し、日系企業のお客さまの海外事業展開サポート、非日系企業のお客さまとの長期的な関係構築に努めてまいります。
また、拠点ネットワークの拡充や、海外の地場金融機関や政府系機関等との業務提携構築を進め、サービス提供力のさらなる強化に努めてまいります。
これらの取り組みを通じ、大きく変わる世界の経済動向・規制動向の中で、持続的に成長するカンパニーを目指してまいります。
(グローバルマーケッツカンパニー)
グローバルマーケッツカンパニーは、金利・エクイティ・クレジット等への投資業務に加え、個人から機関投資家まで幅広いお客さまに対して、セールス&トレーディング業務として、金利・為替・株式・コモディティ等、マーケット商品全般を提供してまいります。
銀行・信託・証券連携による幅広いプロダクツ提供力を活かし、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレイヤーを目指してまいります。
(アセットマネジメントカンパニー)
アセットマネジメントカンパニーは、個人から機関投資家まで幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品開発やサービスの提供を担当いたします。
フィデューシャリー・デューティー*を全うし、個人のお客さまの資産形成に資する運用商品の提供や、年金等のお客さまの多様化するニーズにお応えする商品提供力・商品選定機能の強化、確定給付年金と確定拠出年金を一体で捉えた総合提案への取り組みを強化してまいります。
また、グループ運用機能の統合により平成28年10月1日に発足したアセットマネジメントOne株式会社では、投資信託・投資顧問・信託銀行・生命保険における資産運用のノウハウを結集し、お客さまに最高水準のソリューションを提供してまいります。
こうした取り組みを通じて、国内金融資産の活性化に貢献することを目指してまいります。
*他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称
(グローバルプロダクツユニット)
グローバルプロダクツユニットは、各カンパニーと連携し、あらゆるお客さまに対して、高度な専門性を駆使し、事業・財務戦略アドバイス、資金調達サポート、国内外為替・決済等のソリューションを提供してまいります。
こうした取り組みを通じて、〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」をプロダクツの面から支えることを目指してまいります。
(リサーチ&コンサルティングユニット)
リサーチ&コンサルティングユニットは、〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」を支える邦銀初の本格的リサーチ&コンサルティングユニットとして、お客さまの顕在的・潜在的な課題解決に取り組む専門家集団を目指し、グローバルな視点を強化してまいりますとともに、マクロ・ミクロ両面からのアプローチにより、各カンパニーと連携し、ソリューションを提供してまいります。
[経営管理・経営基盤等]
事業戦略と表裏一体をなす経営管理・経営基盤についても、規制強化等の外部環境変化を踏まえ、以下の取り組みを進めてまいります。
(リスクアペタイト・フレームワークの高度化)
当社は、事業戦略・財務戦略とリスク管理の一体運営を通じて企業価値の向上を実現する観点から、リスクアペタイト・フレームワークを導入しております。戦略を実現するために、どのようなリスクをどの程度取るかを明確にしたうえで経営資源の配分や収益計画を決定し、運営状況のモニタリング等を通じリスク・リターンの最適化に取り組んでおります。
また、リスクに向き合う際に共有すべき価値観・行動軸の実現に向けた「リスクに関する行動指針」を制定いたしました。すべての役員及び社員へ「リスクに関する行動指針」を浸透させる取り組みを通じて健全なリスクカルチャーを醸成し、当社のリスクアペタイト・フレームワークを実効的なものとするよう、引き続き取り組んでまいります。
(次期システムの完遂)
最重要・最大規模のシステムプロジェクトとして、万全の態勢のもと、「安全・着実」に完遂するべく取り組んでおります。
(政策保有株式の削減)
「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載の通り、上場政策保有株式については、「保有の意義が認められる場合を除き、保有しない」ことを基本方針としております。株価変動に伴う財務影響を軽減し、ストレス時においても金融仲介機能を十分に発揮できるよう、引き続き政策保有株式の削減に努めてまいります。
(人事運営の抜本的改革)
社員エンゲージメント(社員と会社がお互いの成長に貢献し合う関係性)を高め、人材の面から競争優位を確立すべく、人事運営の抜本的改革に取り組んでまいります。人事戦略、人事制度ならびに人事運営のプリンシプルとしての「〈みずほ〉の人事の基本ポリシー」と、多様な人材の成長と活躍の実現に向けた考え方をまとめた「ダイバーシティ&インクルージョン ステートメント」を制定・公表し、グループの全社員が自らのステップアップと組織貢献に対する意欲を高め、各人の能力を持続的に伸ばして最大限に発揮しながら長く活躍することを実現し、人材における差別化を図ってまいります。
(フィデューシャリー・デューティー*の実践)
当社グループは、お客さまの中長期的なパートナーとして、最も信頼されるグループであり続けるべく、資産運用関連業務におけるフィデューシャリー・デューティーの実践に向けたグループの取組方針を定めております。また、平成29年1月に、お客さま本位の業務運営を徹底することを目的として、グループ外の学識者・有識者の方を招聘しグループ各社のアクションプランの高度化に向けたディスカッション等を行う「フィデューシャリー・デューティー・アドバイザリー・コミッティ」を当社に設置するとともに、フィデューシャリー・デューティーに関する推進機能を担う専門組織として「フィデューシャリー・デューティー推進室」を当社及びグループ各社に設置いたしました。今後ともお客さまの利益に真に適う商品・サービスを提供する等、当該方針に従った取り組みを、グループ各社において一層強化してまいります。
*他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称
(強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取り組み)
強固なカルチャーの確立に向け、引き続き取り組んでまいります。具体的には、各部拠点がそれぞれ目指すべき姿をまとめた「自部店ビジョン」実現に向けた取り組みや、国内外の部店長を対象にカルチャーについて議論する「部店長オフサイト」等、今後とも各種取り組みを継続・強化してまいります。
(強固なブランドの確立)
当社グループは、新しい中期経営計画をブランド構築のアクションプランと位置付け、目指す姿である、お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナーとしての「総合金融コンサルティンググループ」の実現を通じて、強固なブランドを確立してまいります。中期経営計画の達成とともに、ブランドコミュニケーションの実践等、今後とも一層のブランド価値向上に向けた取り組みを進めてまいります。
株式会社みずほ銀行とみずほ信託銀行株式会社の統合の可能性につきましても、引き続き検討してまいります。
平成28年4月に発生した熊本地震に際しましては、被災されたお客さま向け融資のご相談を速やかに開始する等、被災者の皆さまの災害復旧に役立てていただくための取り組みを実施いたしております。引き続き、災害復旧に向けた支援に取り組んでまいります。
当社グループは、反社会的勢力との取引遮断をはじめとする法令遵守態勢及びガバナンス態勢の強化に引き続き努めてまいります。
社会の持続可能な発展にグループの総力を挙げて貢献するとともに、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。