第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

業績

(1)当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の概況

(ア)連結の範囲

 当連結会計年度の連結の範囲は、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますとおり、連結子会社は87社、持分法適用関連会社は15社であります。

(イ)業績の概要

 当連結会計年度の業績は以下のとおりであります。

 当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の連結損益状況

連結経常収益は前連結会計年度比989億円増加して2兆5,803億円、また、連結経常費用は同3,493億円増加して1兆9,967億円となり、連結経常利益は同2,504億円減少して5,835億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同1,512億円減少して4,085億円となりました。

収支面では、資金運用収支は前連結会計年度比1,228億円減少して8,365億円(国内5,626億円、海外2,820億円、ただし相殺消去額控除前)、役務取引等収支は同9億円増加して3,862億円(国内2,723億円、海外1,139億円、ただし相殺消去額控除前)、特定取引収支は同85億円増加して1,192億円(国内653億円、海外539億円)、その他業務収支は同18億円増加して1,811億円(国内1,269億円、海外541億円)となりました。

当連結会計年度末(平成29年3月31日現在)の連結貸借対照表

[資産の部]

貸出金は前連結会計年度末比5,431億円増加して71兆6,119億円、有価証券は同6兆8,347億円減少して30兆6,875億円、現金預け金は同9兆628億円増加して39兆2,969億円となりました。
 この結果、資産の部合計は、前連結会計年度末比8兆7,026億円増加して170兆4,005億円となりました。

[負債の部]

 預金は前連結会計年度末比7兆5,268億円増加して109兆5,798億円、譲渡性預金は同1兆1,748億円減少して9兆8,036億円、借用金は同9,654億円増加して8兆6,050億円となりました。
 この結果、負債の部合計は、前連結会計年度末比9兆1,908億円増加して162兆1,188億円となりました。

[純資産の部]

 純資産の部合計は、前連結会計年度末比4,881億円減少して8兆2,817億円、1株当たり純資産額は472,337円25銭となりました。

(2)自己資本比率

連結総自己資本比率は16.20%、また単体総自己資本比率は16.53%となりました。

(3)セグメントの状況

連結業務粗利益は1兆5,232億円で、その内訳は、リテール・事業法人部門4,690億円、大企業・金融・公共法人部門3,493億円、グローバルコーポレート部門3,766億円、グローバルマーケッツ部門3,706億円、アセットマネジメント部門△16億円、その他△406億円となりました。

連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は5,318億円で、その内訳は、リテール・事業法人部門△376億円、大企業・金融・公共法人部門2,131億円、グローバルコーポレート部門1,471億円、グローバルマーケッツ部門2,678億円、アセットマネジメント部門△16億円、その他△569億円となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により3兆4,140億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得・売却・償還等の結果5兆3,340億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、優先出資証券の償還等により1,442億円の支出となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、37兆8,613億円となりました。

(1)国内・海外別収支

国内につきましては、資金運用収支は5,626億円、役務取引等収支は2,723億円、特定取引収支は653億円、その他業務収支は1,269億円となりました。一方、海外につきましては、資金運用収支は2,820億円、役務取引等収支は1,139億円、特定取引収支は539億円、その他業務収支は541億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

656,495

313,651

10,731

959,415

当連結会計年度

562,601

282,084

8,160

836,524

うち資金運用収益

前連結会計年度

884,293

543,245

95,822

1,331,715

当連結会計年度

802,248

668,624

102,092

1,368,779

うち資金調達費用

前連結会計年度

227,797

229,593

85,091

372,299

当連結会計年度

239,646

386,540

93,932

532,254

役務取引等収支

前連結会計年度

269,038

116,306

18

385,327

当連結会計年度

272,302

113,948

△42

386,293

うち役務取引等収益

前連結会計年度

367,353

132,651

6,320

493,685

当連結会計年度

372,340

151,743

7,344

516,739

うち役務取引等費用

前連結会計年度

98,314

16,345

6,302

108,357

当連結会計年度

100,037

37,795

7,386

130,446

特定取引収支

前連結会計年度

83,976

26,703

110,680

当連結会計年度

65,345

53,914

119,260

うち特定取引収益

前連結会計年度

86,038

27,466

113,504

当連結会計年度

66,139

53,945

120,085

うち特定取引費用

前連結会計年度

2,062

762

2,824

当連結会計年度

793

30

824

その他業務収支

前連結会計年度

148,473

30,841

179,314

当連結会計年度

126,994

54,144

181,139

うちその他業務収益

前連結会計年度

196,188

38,219

234,407

当連結会計年度

177,806

63,025

1,747

239,083

うちその他業務費用

前連結会計年度

47,715

7,377

55,092

当連結会計年度

50,811

8,880

1,747

57,944

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という)であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」という)であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.資金調達費用は金銭の信託運用見合額を控除しております。

(2)国内・海外別資金運用/調達の状況

国内の資金運用勘定の平均残高は112兆1,426億円となり、主な内訳として、貸出金50兆6,143億円、預け金30兆7,493億円となりました。海外の資金運用勘定の平均残高は44兆2,214億円となりました。また、利回りは国内で0.71%、海外で1.51%となりました。他方、国内の資金調達勘定の平均残高は110兆9,470億円となり、主な内訳として、預金86兆6,226億円、借用金9兆3,637億円となりました。海外の資金調達勘定の平均残高は43兆79億円となりました。また、利回りは国内で0.21%、海外で0.89%となりました。

国内・海外合算ベースから相殺消去額を控除した結果、資金運用勘定の平均残高は151兆6,565億円、利息は1兆3,687億円、利回りは0.90%となりました。他方、資金調達勘定の平均残高は149兆9,420億円、利息は5,322億円、利回りは0.35%となりました。

① 国内

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

113,068,331

884,293

0.78

当連結会計年度

112,142,659

802,248

0.71

うち貸出金

前連結会計年度

51,254,490

529,306

1.03

当連結会計年度

50,614,399

482,567

0.95

うち有価証券

前連結会計年度

33,921,549

242,461

0.71

当連結会計年度

27,491,534

210,059

0.76

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

146,105

742

0.50

当連結会計年度

62,976

580

0.92

うち買現先勘定

前連結会計年度

71,191

537

0.75

当連結会計年度

176,570

892

0.50

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

42,702

13

0.03

当連結会計年度

4,736

0

0.01

うち預け金

前連結会計年度

25,834,928

28,184

0.10

当連結会計年度

30,749,334

26,739

0.08

資金調達勘定

前連結会計年度

111,349,873

227,797

0.20

当連結会計年度

110,947,066

239,646

0.21

うち預金

前連結会計年度

79,529,257

46,849

0.05

当連結会計年度

86,622,611

48,109

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

10,151,502

8,231

0.08

当連結会計年度

5,593,418

611

0.01

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

4,248,542

3,492

0.08

当連結会計年度

2,050,861

342

0.01

うち売現先勘定

前連結会計年度

3,001,993

4,216

0.14

当連結会計年度

1,317,197

4,552

0.34

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

686,737

501

0.07

当連結会計年度

1,072,060

280

0.02

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

8,484,294

85,598

1.00

当連結会計年度

9,363,785

95,399

1.01

 (注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

② 海外

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

36,021,479

543,245

1.50

当連結会計年度

44,221,487

668,624

1.51

うち貸出金

前連結会計年度

22,171,552

421,620

1.90

当連結会計年度

22,949,683

463,816

2.02

うち有価証券

前連結会計年度

2,945,615

50,811

1.72

当連結会計年度

4,042,899

58,933

1.45

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

359,070

6,106

1.70

当連結会計年度

312,193

5,329

1.70

うち買現先勘定

前連結会計年度

892,094

6,132

0.68

当連結会計年度

5,726,350

55,952

0.97

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

6,684,894

36,889

0.55

当連結会計年度

7,757,578

50,936

0.65

資金調達勘定

前連結会計年度

34,270,497

229,593

0.66

当連結会計年度

43,007,929

386,540

0.89

うち預金

前連結会計年度

17,535,851

118,640

0.67

当連結会計年度

20,635,408

174,531

0.84

うち譲渡性預金

前連結会計年度

4,683,271

26,302

0.56

当連結会計年度

4,862,315

45,370

0.93

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

602,585

3,082

0.51

当連結会計年度

415,840

3,499

0.84

うち売現先勘定

前連結会計年度

7,587,056

24,173

0.31

当連結会計年度

12,735,342

80,861

0.63

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

673,142

2,285

0.33

当連結会計年度

869,545

7,386

0.84

うち借用金

前連結会計年度

2,523,003

10,047

0.39

当連結会計年度

1,469,098

9,542

0.64

 (注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

③ 合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去額(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

149,089,810

3,662,618

145,427,192

1,427,538

95,822

1,331,715

0.91

当連結会計年度

156,364,146

4,707,564

151,656,582

1,470,872

102,092

1,368,779

0.90

うち貸出金

前連結会計年度

73,426,043

2,703,146

70,722,897

950,926

55,355

895,570

1.26

当連結会計年度

73,564,082

2,107,222

71,456,860

946,384

35,748

910,635

1.27

うち有価証券

前連結会計年度

36,867,165

624,453

36,242,711

293,272

6,574

286,698

0.79

当連結会計年度

31,534,433

803,237

30,731,196

268,993

4,875

264,117

0.85

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

505,175

505,175

6,849

1

6,847

1.35

当連結会計年度

375,170

375,170

5,910

2

5,907

1.57

うち買現先勘定

前連結会計年度

963,286

963,286

6,670

6,670

0.69

当連結会計年度

5,902,921

5,902,921

56,845

56,845

0.96

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

42,702

42,702

13

13

0.03

当連結会計年度

4,736

4,736

0

0

0.01

うち預け金

前連結会計年度

32,519,823

246,965

32,272,858

65,073

1,028

64,044

0.19

当連結会計年度

38,506,912

237,266

38,269,646

77,675

2,378

75,297

0.19

資金調達勘定

前連結会計年度

145,620,371

3,132,880

142,487,491

457,391

85,091

372,299

0.26

当連結会計年度

153,954,995

4,012,977

149,942,017

626,186

93,932

532,254

0.35

うち預金

前連結会計年度

97,065,108

35,499

97,029,609

165,489

4

165,485

0.17

当連結会計年度

107,258,020

37,470

107,220,549

222,641

0

222,640

0.20

うち譲渡性預金

前連結会計年度

14,834,774

14,834,774

34,534

34,534

0.23

当連結会計年度

10,455,733

10,455,733

45,981

45,981

0.43

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

4,851,128

211,845

4,639,283

6,574

868

5,706

0.12

当連結会計年度

2,466,701

186,740

2,279,961

3,841

1,532

2,309

0.10

うち売現先勘定

前連結会計年度

10,589,049

10,589,049

28,389

28,389

0.26

当連結会計年度

14,052,540

14,052,540

85,414

85,414

0.60

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

686,737

686,737

501

501

0.07

当連結会計年度

1,072,060

1,072,060

280

280

0.02

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

673,142

673,142

2,285

2,285

0.33

当連結会計年度

869,545

869,545

7,386

7,386

0.84

うち借用金

前連結会計年度

11,007,297

2,703,146

8,304,151

95,646

51,413

44,232

0.53

当連結会計年度

10,832,884

2,147,862

8,685,022

104,941

33,494

71,447

0.82

 (注) 「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

(3)国内・海外別役務取引の状況

国内の役務取引等収益は3,723億円で、主な内訳として、預金・債券・貸出業務1,259億円、為替業務1,020億円となりました。また、役務取引等費用は1,000億円で、そのうち為替業務が372億円となりました。

海外の役務取引等収益は1,517億円で、主な内訳として、預金・債券・貸出業務895億円、証券関連業務290億円となりました。また、役務取引等費用は377億円で、そのうち為替業務が7億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

367,353

132,651

6,320

493,685

当連結会計年度

372,340

151,743

7,344

516,739

うち預金・債券・貸出業務

前連結会計年度

100,575

104,819

326

205,069

当連結会計年度

125,964

89,501

257

215,208

うち為替業務

前連結会計年度

103,033

6,879

139

109,773

当連結会計年度

102,091

7,023

145

108,968

うち証券関連業務

前連結会計年度

42,995

121

3

43,113

当連結会計年度

39,158

29,030

190

67,998

うち代理業務

前連結会計年度

20,462

1

1

20,463

当連結会計年度

19,685

1

11

19,676

うち保護預り・貸金庫業務

前連結会計年度

4,993

4,993

当連結会計年度

4,834

4,834

うち保証業務

前連結会計年度

17,154

8,513

716

24,951

当連結会計年度

16,652

10,244

455

26,440

役務取引等費用

前連結会計年度

98,314

16,345

6,302

108,357

当連結会計年度

100,037

37,795

7,386

130,446

うち為替業務

前連結会計年度

37,537

616

119

38,035

当連結会計年度

37,201

704

140

37,765

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

(4) 国内・海外別特定取引の状況

① 特定取引収益・費用の内訳

 国内の特定取引収益は661億円となり、主な内訳として、特定金融派生商品収益655億円となりました。また、特定

取引費用は7億円となりました。

 海外の特定取引収益は539億円となり、主な内訳として、商品有価証券収益390億円となりました。また、特定取引費用は0億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引収益

前連結会計年度

86,038

27,466

113,504

当連結会計年度

66,139

53,945

120,085

うち商品有価証券収益

前連結会計年度

554

2,900

3,455

当連結会計年度

179

39,051

39,231

うち特定取引有価証券収益

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定金融派生商品収益

前連結会計年度

84,073

24,565

108,639

当連結会計年度

65,557

14,893

80,451

うちその他の特定取引収益

前連結会計年度

1,410

1,410

当連結会計年度

403

403

特定取引費用

前連結会計年度

2,062

762

2,824

当連結会計年度

793

30

824

うち商品有価証券費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引有価証券費用

前連結会計年度

2,062

762

2,824

当連結会計年度

793

30

824

うち特定金融派生商品費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うちその他の特定取引費用

前連結会計年度

当連結会計年度

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.内訳科目はそれぞれの収益と費用で相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費 用欄に、国内・海外・合計毎の純額を表示しております。

② 特定取引資産・負債の内訳(末残)

 国内の特定取引資産は3兆3,382億円となり、主な内訳として、特定金融派生商品2兆3,732億円となりました。また、特定取引負債は2兆4,986億円となり、主な内訳として、特定金融派生商品2兆4,985億円となりました。

 海外の特定取引資産は2兆1,637億円となり、主な内訳として、特定金融派生商品1兆1,049億円となりました。また、特定取引負債は1兆4,687億円となり、主な内訳として、特定金融派生商品1兆399億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引資産

前連結会計年度

5,176,111

1,177,299

423,098

5,930,313

当連結会計年度

3,338,241

2,163,735

337,420

5,164,556

うち商品有価証券

前連結会計年度

10,192

30,250

40,443

当連結会計年度

11,488

1,041,344

1,052,833

うち商品有価証券派生商品

前連結会計年度

38

38

当連結会計年度

0

7,845

7,845

うち特定取引有価証券

前連結会計年度

12,766

12,766

当連結会計年度

3,265

3,265

うち特定取引有価証券派生商品

前連結会計年度

78

9

87

当連結会計年度

277

12

289

うち特定金融派生商品

前連結会計年度

3,933,318

1,125,635

423,098

4,635,855

当連結会計年度

2,373,269

1,104,910

337,420

3,140,759

うちその他の特定取引資産

前連結会計年度

1,232,483

8,637

1,241,121

当連結会計年度

953,205

6,357

959,562

特定取引負債

前連結会計年度

3,953,582

1,275,955

423,098

4,806,440

当連結会計年度

2,498,629

1,468,735

337,420

3,629,944

うち売付商品債券

前連結会計年度

当連結会計年度

410,600

410,600

うち商品有価証券派生商品

前連結会計年度

38

38

当連結会計年度

11,564

11,564

うち特定取引売付債券

前連結会計年度

0

0

当連結会計年度

6,653

6,653

うち特定取引有価証券派生商品

前連結会計年度

92

92

当連結会計年度

63

63

うち特定金融派生商品

前連結会計年度

3,953,451

1,275,955

423,098

4,806,308

当連結会計年度

2,498,566

1,039,916

337,420

3,201,062

うちその他の特定取引負債

前連結会計年度

当連結会計年度

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

(5)国内・海外別預金残高の状況

○預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

85,320,899

16,767,224

35,069

102,053,054

当連結会計年度

89,611,107

20,004,741

35,966

109,579,881

うち流動性預金

前連結会計年度

55,907,771

3,936,530

34,524

59,809,777

当連結会計年度

62,292,143

5,009,130

35,735

67,265,539

うち定期性預金

前連結会計年度

23,626,925

12,816,987

123

36,443,789

当連結会計年度

21,863,677

14,980,983

36,844,661

うちその他

前連結会計年度

5,786,201

13,706

420

5,799,486

当連結会計年度

5,455,285

14,626

231

5,469,681

譲渡性預金

前連結会計年度

5,583,740

5,394,723

10,978,463

当連結会計年度

5,049,480

4,754,177

9,803,657

総合計

前連結会計年度

90,904,639

22,161,947

35,069

113,031,517

当連結会計年度

94,660,587

24,758,918

35,966

119,383,538

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.預金の区分は次のとおりであります。

① 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

② 定期性預金=定期預金+定期積金

(6)国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

49,445,273

100.00

50,367,679

100.00

製造業

7,622,092

15.41

8,149,461

16.18

農業,林業

44,803

0.09

38,829

0.08

漁業

1,226

0.00

1,354

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

232,288

0.47

222,695

0.44

建設業

690,671

1.40

608,952

1.21

電気・ガス・熱供給・水道業

2,076,795

4.20

1,968,981

3.91

情報通信業

1,282,418

2.59

1,300,696

2.58

運輸業,郵便業

2,054,868

4.16

2,098,404

4.17

卸売業,小売業

4,812,660

9.73

4,571,030

9.07

金融業,保険業

4,514,342

9.13

4,952,314

9.83

不動産業

5,807,009

11.74

5,943,726

11.80

物品賃貸業

1,708,937

3.46

1,833,814

3.64

各種サービス業

2,600,574

5.26

2,598,659

5.16

地方公共団体

908,472

1.84

862,034

1.71

政府等

2,006,672

4.06

3,004,800

5.97

その他

13,081,440

26.46

12,211,925

24.25

海外及び特別国際金融取引勘定分

21,623,544

100.00

21,244,263

100.00

政府等

979,355

4.53

672,312

3.17

金融機関

5,202,804

24.06

5,759,843

27.11

その他

15,441,384

71.41

14,812,106

69.72

合計

71,068,818

71,611,942

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

期別

国別

金額(百万円)

前連結会計年度

アルゼンチン

16

合計

16

(資産の総額に対する割合:%)

(0.00)

当連結会計年度

アルゼンチン

29

合計

29

(資産の総額に対する割合:%)

(0.00)

 (注) 「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げております。

(7)国内・海外別有価証券の状況

○有価証券残高(末残)

種類

期別

国内

海外

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

18,910,921

18,910,921

当連結会計年度

12,825,970

12,825,970

地方債

前連結会計年度

237,519

237,519

当連結会計年度

281,513

281,513

社債

前連結会計年度

2,535,667

1,954

2,537,621

当連結会計年度

2,437,323

2,240

2,439,563

株式

前連結会計年度

3,578,520

3,578,520

当連結会計年度

3,655,768

3,655,768

その他の証券

前連結会計年度

8,761,722

3,496,027

12,257,750

当連結会計年度

7,399,186

4,085,540

11,484,726

合計

前連結会計年度

34,024,351

3,497,982

37,522,334

当連結会計年度

26,599,762

4,087,780

30,687,543

 (注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2.「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

(自己資本比率の状況)

(参考)

 自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号。以下、「告示」という)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

 なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。


連結自己資本比率(国際統一基準)

(単位:億円、%)

 

 

平成29年3月31日

1.連結総自己資本比率(4/7)

16.20

2.連結Tier1比率(5/7)

13.34

3.連結普通株式等Tier1比率(6/7)

11.16

4.連結における総自己資本の額

91,485

5.連結におけるTier1資本の額

75,357

6.連結における普通株式等Tier1資本の額

63,040

7.リスク・アセットの額

564,617

8.連結総所要自己資本額

45,169

 

単体自己資本比率(国際統一基準)

(単位:億円、%)

 

 

平成29年3月31日

1.単体総自己資本比率(4/7)

16.53

2.単体Tier1比率(5/7)

13.53

3.単体普通株式等Tier1比率(6/7)

11.20

4.単体における総自己資本の額

89,382

5.単体におけるTier1資本の額

73,162

6.単体における普通株式等Tier1資本の額

60,572

7.リスク・アセットの額

540,526

8.単体総所要自己資本額

43,242

 

 

(資産の査定)

(参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
 1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権

 要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

債権の区分

平成28年3月31日

平成29年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

670

815

危険債権

3,460

3,840

要管理債権

3,920

3,607

正常債権

774,676

793,650

 (注) 同法律第6条第1項別紙様式に基づき、単位未満を四捨五入しております。

2【生産、受注及び販売の状況】

 「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

①企業理念

 当グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・ビジョン・みずほValueから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに<豊かな実り>をお届けしてまいります。

 

基本理念:〈みずほ〉の企業活動の根本的考え方

 

〈みずほ〉は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、

 

常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる

知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、

 

幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展に

グループ一体となって貢献していく。

 

これらを通じ、〈みずほ〉は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、

お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。

 

 

ビジョン:〈みずほ〉のあるべき姿・将来像

 

 

 

 

『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、

 グローバルで開かれた総合金融グループ』

 

 

1.信頼No.1の〈みずほ〉

2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉

3.グループ力No.1の〈みずほ〉

 

 

 

みずほValue:役職員が共有すべき価値観・行動軸

 

1.お客さま第一  ~未来に向けた中長期的なパートナー~

2.変革への挑戦  ~先進的な視点と柔軟な発想~

3.チームワーク  ~多様な個性とグループ総合力~

4.スピード    ~鋭敏な感性と迅速な対応~

5.情熱      ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~

 

 

②中期経営計画

 当グループは、平成28年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画『進化する“One MIZUHO”~総合金融コンサルティンググループを目指して~』を策定し、推進しております。

 この計画は、前中期経営計画で推進してきた「お客さま第一(Client-Oriented)」のさらなる徹底と、業務高度化・効率化プロジェクトによる「オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力)」の追求を2つの土台として、「総合金融コンサルティンググループ」という新しいビジネスモデルを構築し、「One MIZUHO戦略」を進化させようとするものです。

 資産運用機能やリサーチ&コンサルティング機能を銀行・信託・証券に次ぐ新たな柱として加え、これまで以上にお客さまに最良・最適なサービスを提供し、〈みずほ〉への満足度を高めていただくことで、法人のお客さまの持続的な発展や個人のお客さまの安定した未来のためのOnly Oneのパートナーを目指してまいります。

 中期経営計画では、このような新しいビジネスモデルを構築することを目指して、5つの基本方針と、それを事業戦略、財務戦略、経営基盤において具体化した10の戦略軸を設定しております。

 

中期経営計画における〈みずほ〉の目指す姿

 

 

 

 

“総合金融コンサルティンググループ”

 

 

~お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナー~

 

 

5つの基本方針

1.カンパニー制の導入

2.事業の選択と集中

3.強靭な財務体質の確立

4.金融イノベーションへの積極的取組み

5.強い〈みずほ〉を支える人材の活躍促進とカルチャーの確立

 

10の戦略軸

〔事業戦略〕

グローバルベースでの非金利ビジネスモデルの強化

貯蓄から投資への対応

リサーチ&コンサルティング機能の強化

FinTechへの対応

エリアOne MIZUHO戦略

 

〔財務戦略〕

バランスシートコントロール戦略とコスト構造改革

政策保有株式の削減

 

経営基盤

⑧ 次期システムの完遂

⑨ 人事運営の抜本的改革

⑩ 強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取組み

* 同一地域における銀行・信託・証券一体でのOne MIZUHO戦略。営業拠点がエリア戦略を主体的に考え実行。

 

 また、本中期経営計画では、以下の項目を財務面の目標の達成状況を測定する指標として掲げております。

 One MIZUHO戦略などの競争優位性を活かしながら、事業の選択と集中を図り、「オペレーショナルエクセレンス」の追求等を通じて一層の収益力向上と効率性・品質向上及び経費削減に取り組み、競争環境の変化にも耐えられる強靭な財務基盤の構築を目指します。

 資本政策については、安定的な自己資本の充実と着実な株主還元の最適なバランスを引き続き追求いたします。

 ・普通株式等Tier1(CET1)比率*1

 ・連結ROE*2

 ・親会社株主に帰属する当期純利益RORA

 ・グループ経費率*3

 ・政策保有株式削減額*4

 *1 バーゼルⅢ完全施行ベース(現行規制を前提)、その他有価証券評価差額金を除く

 *2 その他有価証券評価差額金を除く

 *3 当行、みずほ信託銀行、みずほ証券、アセットマネジメントOne、及び、持株会社の主要子会社を合算

   した粗利経費率

 *4 国内上場株式、取得原価ベース、平成27年度から平成30年度の累計額

 

(2)経営環境

 当期の経済情勢を顧みますと、世界経済は、一部には弱さもみられましたが、全体としては緩やかな回復が続きました。先行きは、米国を中心に引き続き回復が期待されますが、下振れリスクは残存しており、米国新大統領の政策運営や欧州の政治情勢、中国経済の動向、地政学的リスクの高まりなどには注視を要する状況となっております。

 米国経済は、雇用環境が総じて良好に推移し、底堅い個人消費や輸出の伸びにも支えられて回復基調が継続しました。米国新大統領による政策の後押しもあり、今後も緩やかな拡大基調が続くと見込まれますが、新政権下での為替・通商政策を通じた先行きの不透明感の高まりといった懸念材料には留意する必要があります。

 欧州経済は、個人消費の回復や輸出の持ち直しなどから、緩やかな回復が続きました。今後もこうした基調は維持される見通しですが、英国のEU離脱交渉や欧州各国での選挙、南欧諸国での不良債権問題等、欧州の政治動向には一層の注意を払う必要があります。

 アジアでは、中国経済が政策の下支えもあり安定的に推移しました。今後についても、インフラ投資や減税など財政政策による下支えが続き、当面は横ばい圏の動きにとどまるとみられます。新興国経済については、中国経済の底堅さや資源価格の上昇などから、持ち直している状況です。先行きは、新興国通貨安や資本流出圧力の増大といった懸念材料もあるなかで、景気拡大は緩やかなペースにとどまるとみられます。

 日本経済は、海外経済の改善を受けて、輸出や設備投資を中心に緩やかな回復が続きました。今後も、輸出環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、海外経済の不確実性の高まりには引き続き留意する必要があります。

 

(3)対処すべき課題

 中期経営計画の2年目となる平成29年度は、「総合金融コンサルティンググループ」という目指す姿の実現に向けて、「顧客本位の業務運営と生産性の抜本的向上によるOne MIZUHO戦略の“加速”」を当グループの運営方針として取り組んでまいります。

 中期経営計画における5つの基本方針等を踏まえ、以下の事項に重点を置いて、取り組みを進めてまいります。

 

(カンパニー制運営の高度化)

 「お客さま第一」を徹底し、銀行・信託・証券等グループ一体運営をさらに進化させるべく、カンパニー制運営の高度化に取り組んでまいります。現場力のさらなる強化、意思決定の迅速化、グループ経営の効率化等を進め、お客さまの課題解決を通じたグループ一体での非金利ビジネスの強化に取り組んでまいります。

 

(事業の選択と集中)

 明確化した注力分野と縮退分野を踏まえ、縮退分野から注力分野へのメリハリの効いた経営資源の再配分を進めてまいります。限られた経営資源を効果的に活用し、収益力を向上させてまいります。

 

(強靭な財務体質の確立)

 事業環境の変化の予兆を捉え、能動的かつ機動的にリスクアセットや流動性をコントロールし、リスク・リターンを適正化するため、バランスシートコントロールを強化してまいります。また、「オペレーショナルエクセレンス」を追求し、グループ一体となって、現場が抱える課題や従来の仕事の進め方を徹底的に見直すことにより、生産性の向上とともに、コスト構造改革を進めてまいります。

 

(イノベーションへの積極的取り組み)

 当グループにおけるデジタルイノベーションの牽引役として、専担のCDIO(チーフ・デジタル・イノベーション・オフィサー)を設置した新しい推進体制のもと、人工知能・ビッグデータ等のデジタルテクノロジーへの取り組みを加速し、次世代ビジネスの実用化と、業務プロセスの効率化・高度化を進めてまいります。

* 市販されているデータベース管理ツールや従来のデータ処理アプリケーションで処理することが困難なほど巨  大で複雑なデータ集合の集積物を表す用語

 

(人材の活躍促進とカルチャーの確立)

 人事運営改革の浸透と主体的行動を促すカルチャーの醸成に取り組んでまいります。

 人事運営の抜本的改革については、社員エンゲージメント(社員と会社がお互いの成長に貢献し合う関係性)を高め、人材の面から競争優位を確立すべく、引き続き取り組んでまいります。また、すべての社員が能力を最大限に発揮しながら長く活躍することができるよう「健康経営」の取り組みを推進していくとともに、多様かつ柔軟な働き方を可能とする「働き方改革」を一層推進し、社員一人ひとりの活躍を促進してまいります。

 社員一人ひとりの主体的行動を促すカルチャーの醸成については、各部拠点がそれぞれ目指すべき姿をまとめた「自部店ビジョン」の実現に向けた取り組み等、今後とも各種取り組みを継続・強化してまいります。

 

(次期システムの完遂)

 最重要・最大規模のシステムプロジェクトとして、万全の態勢のもと、「安全・着実」に完遂するべく取り組んでまいります。

 

 また、平成29年3月に公表しております通り、持株会社は、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社、株式会社りそな銀行、第一生命保険株式会社との間で、資産管理サービス信託銀行株式会社と日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社との経営統合に向けた、詳細な検討及び協議を開始すべく、基本合意書を締結いたしました。これは、資産管理業務に係る両社の経営資源・ノウハウを結集させることにより、規模のメリットを追求するとともに、安定的かつ高品質なオペレーションを実現し、国内証券決済市場のさらなる発展並びに本邦のインベストメント・チェーンの高度化に貢献することを目的としております。統合会社は、お客さまのあらゆるニーズに幅広くお応えする国内トップの資産管理専門信託銀行を目指してまいります。

 なお、当行とみずほ信託銀行株式会社の統合の可能性につきましても、引き続き検討してまいります。

* 持株会社の連結子会社

 

 

 これらの取り組みに加え、規制強化等の外部環境変化を踏まえ、以下の取り組みについても進めてまいります。

 

(リスクアペタイト・フレームワークの高度化)

 持株会社は、事業戦略・財務戦略とリスク管理の一体運営を通じて企業価値の向上を実現する観点から、リスクアペタイト・フレームワークを導入しております。戦略を実現するために、どのようなリスクをどの程度取るかを明確にしたうえで経営資源の配分や収益計画を決定し、運営状況のモニタリング等を通じリスク・リターンの最適化に取り組んでおります。

 また、持株会社及び当行は、リスクに向き合う際に共有すべき価値観・行動軸の実現に向けた「リスクに関する行動指針」を制定し、研修等を通じてすべての役員及び社員への浸透を深めております。これらの取り組みを通じて健全なリスクカルチャーを醸成し、持株会社のリスクアペタイト・フレームワークを実効的なものとするよう、引き続き取り組んでまいります。

 

(グループベースでのコーポレート・ガバナンスの強化)

 当行、みずほ信託銀行株式会社、みずほ証券株式会社は、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。

 取締役会による監督機能の高度化と意思決定の迅速化の実現を図り、カンパニー制のもとで各社がそれぞれの役割をより実効性高く発揮できるよう、グループベースでのガバナンスのさらなる高度化を進めてまいります。

 

(フィデューシャリー・デューティーの実践)

 当グループは、中長期的なパートナーとして、最も信頼されるグループであり続けるべく、資産運用関連業務におけるフィデューシャリー・デューティーの実践に向けたグループの取組方針、グループ各社毎のアクションプランを定めております。当該方針・アクションプランに従って、適切な動機付けの枠組みを構築するとともに、すべての役員と社員がフィデューシャリー・デューティー遵守の意識を共有し、実践を行う企業文化を定着させてまいります。

* 他者の信認に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広いさまざまな役割・責任の総称

 

(政策保有株式の削減)

 当グループは、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載の通り、上場政策保有株式については、「保有の意義が認められる場合を除き、保有しない」ことを基本方針としております。株価変動に伴う財務影響を軽減し、ストレス時においても金融仲介機能を十分に発揮できるよう、引き続き政策保有株式の削減に努めてまいります。

 

(強固なブランドの確立)

 当グループは、中期経営計画をブランド構築のアクションプランと位置付け、目指す姿である、お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナーとしての「総合金融コンサルティンググループ」の実現を通じて、強固なブランドを確立してまいります。中期経営計画の達成とともに、ブランドコミュニケーションの実践等、今後とも一層のブランド価値向上に向けた取り組みを進めてまいります。

 

[事業戦略]

 当グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループ運営を行っております。

 各カンパニー・ユニットの事業戦略は次の通りです。

 

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(リテール・事業法人カンパニー)

 リテール・事業法人カンパニーは、個人・中小企業・中堅企業のお客さまに向けた業務を担当しており、お客さまとともに成長する「総合金融コンサルティングカンパニー」を目指してまいります。

 個人のお客さまには、資産運用、資産承継等のコンサルティング提供力の向上に努めていくとともに、先進的な技術の活用・他社との提携等による、利便性の高いサービスの開発・提供に取り組んでまいります。

 中小企業・中堅企業のお客さまには、コンサルティングを起点とした成長戦略支援を通じて、事業の拡大・承継、海外展開等のニーズや、企業オーナー等の資産承継・運用等のニーズに対し、最適なソリューションをグループ一体で提供してまいります。

 

(大企業・金融・公共法人カンパニー)

 大企業・金融・公共法人カンパニーは、国内の大企業法人・金融法人・公共法人のお客さまに向けた業務を担当しており、お客さまから最も信頼されるパートナーになることを目指してまいります。

 大企業法人のお客さまには、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、シンジケートローンや社債引受、M&A等、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションを提供してまいります。

 金融法人のお客さまには、財務戦略等に関する助言や各種運用商品の提案、公共法人のお客さまには、公共債の受託、引受を通じた資金調達支援、指定金融機関業務等、グループ横断的に最適な金融サービスを提供してまいります。加えて、日本経済の重要課題である、地方創生に向けた取り組みにも注力してまいります。

 

(グローバルコーポレートカンパニー)

 グローバルコーポレートカンパニーは、海外進出日系企業及び非日系企業等のお客さまに向けた業務を担当しており、大きく変わる世界の経済動向・規制動向のなかで、持続的に成長するカンパニーを目指してまいります。

 お客さまの事業への深い理解と、貸出、社債引受等のコーポレートファイナンスの分野での強みを活かし、さまざまなソリューションを提供してまいります。

 

(グローバルマーケッツカンパニー)

 グローバルマーケッツカンパニーは、株式・債券等への投資業務に加え、セールス&トレーディング業務として、個人から機関投資家まで幅広いお客さまのリスクヘッジ・運用ニーズに対して、マーケット商品全般を提供してまいります。

 銀行・信託・証券連携による幅広いプロダクツ提供力を活かし、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレイヤーを目指してまいります。

 

(アセットマネジメントカンパニー)

 アセットマネジメントカンパニーは、個人から機関投資家まで幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供してまいります。

 フィデューシャリー・デューティーを全うし、個人のお客さまの資産形成に資する運用商品の提供や、年金等のお客さまの多様化する運用ニーズにお応えするコンサルティング機能の提供等を通じ、お客さまニーズを実現していくことで、国内金融資産の活性化に貢献することを目指してまいります。

* 他者の信認に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広いさまざまな役割・責任の総称

 

(グローバルプロダクツユニット)

 グローバルプロダクツユニットは、各カンパニーと連携し、あらゆるお客さまに対して、高度な専門性を駆使し、事業・財務戦略アドバイス、資金調達サポート、国内外為替・決済等のソリューションを提供することを通じて、〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」をプロダクツの面から支えることを目指してまいります。

 

(リサーチ&コンサルティングユニット)

 リサーチ&コンサルティングユニットは、産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略からITまで幅広い分野に亘るコンサルティング機能を、「Oneシンクタンク」としてシームレスに連携させることで、包括的なソリューションを提供してまいります。

 民間から公的セクターまでのあらゆるお客さまが抱える顕在的・潜在的な課題に対し、各カンパニーと連携して、マクロ・ミクロ両面からのアプローチで解決に取り組む専門家集団を目指してまいります。

 

 

 当行は、当グループにおける各カンパニー・ユニットに対応した組織として、部門・ユニットを設置しており、上記の事業戦略を踏まえ、業務運営を行っております。当行は、国内最大級の顧客基盤や国内外の拠点ネットワークを有するリーディングバンクとして、信託・証券に加え、資産運用会社やシンクタンクとも連携を強化し、グループの総力を結集したコンサルティング機能を発揮することで、幅広いお客さまに最適な金融ソリューションを提供してまいります。

 

 

 当グループは、反社会的勢力との取引遮断をはじめとする法令遵守態勢及びガバナンス態勢の強化に引き続き努めてまいります。

 また、社会の持続可能な発展にグループの総力を挙げて貢献するとともに、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当行及び当グループの事業等において、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。本項に含まれている将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
 なお、各種リスクの管理態勢等につきましては、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 6.コーポレートガバナンスの状況等」をご覧ください。

1.財務面に関するリスク

(1) 不良債権処理等に係るリスク

① 与信関係費用の増加等による追加的損失の発生

当行及び当グループは、多くの与信先についてメインバンクとなっているとともに、相当程度大口の与信先があります。また、与信先の業種については分散に努めておりますが、製造業、金融・保険業、不動産業向けの与信の割合が相対的に高い状況にあります。

当行及び当グループは、個々の与信先の信用状態や再建計画の進捗状況を継続的にモニタリングするとともに、個別企業、企業グループや特定業種への与信集中状況等を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を実施しているほか、クレジットデリバティブの活用によるヘッジ及び信用リスクの減殺を行っております。また、与信先から差入れを受けている担保や保証の価値についても定期的に検証しております。

しかしながら、国内外の景気動向、特定の業界における経営環境変化等によっては、想定を超える新たな不良債権の発生、メインバンク先や大口与信先の信用状態の急激な悪化、特定の業界の与信先の信用状態の悪化、担保・保証の価値下落等が生じる可能性があります。こうした事象によって、与信関係費用が増加する等追加的損失が発生し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 貸倒引当金の状況

当行及び当グループは、自己査定基準、償却・引当基準に基づき、与信先の状況、差入れられた担保の価値及び経済動向を考慮した上で、貸倒引当金を計上しております。

 償却・引当の計上にあたっては、貸出資産を適正に評価し、市場売却を想定した厳正な担保評価を行っておりますが、国内外の経済情勢の悪化、与信先の業況の悪化、担保価値の下落等により、多くの与信先で貸倒引当金及び貸倒償却等の与信関係費用や不良債権残高が増加する可能性があり、その結果、当行及び当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 保有資産等の価格変動等に係るリスク

① 株価下落による追加的損失の発生

当行及び当グループは、国内上場企業の普通株式を中心に、市場性のある株式を大量に保有しております。当行及び当グループでは、「上場株式の政策保有に関する方針」を掲げ、株価変動リスクが財務状況に大きな影響を与えうることに鑑み、その保有の意義が認められる場合を除き、上場株式を政策保有しないことを基本方針としており、売却を計画的に進めております。また、必要に応じて部分的にヘッジを行うことによりリスク削減にも努めております。しかしながら、これらの保有株式の株価が下落した場合には評価損や売却損が発生する可能性があります。

また、当行及び当グループの自己資本比率の計算においては、自己資本の算出にあたり、保有株式の含み損益を勘案していることから、株価が下落した場合には、自己資本比率が低下する可能性があります。

その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

「上場株式の政策保有に関する方針」及び政策保有株式の保有意義検証等の概要については、株式会社みずほフィナンシャルグループの「コーポレートガバナンスに関する報告書」をご覧ください。

https://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/governance/pdf/g_report.pdf

② 金利の変動による追加的損失の発生

当行及び当グループは、投資等を目的として国債をはじめとする市場性のある債券等を大量に保有しているため、金利上昇に伴う価格の下落により、評価損や売却損が発生する可能性があります。また、当行及び当グループの金融資産と負債の間では満期等に違いがあるため、金利変動により損失が発生する可能性があります。当行及び当グループは、厳格なリスク管理体制の下、必要に応じて債券の売却や銘柄の入れ替え、デリバティブ取引等によるヘッジを行う等、適切な管理を行っておりますが、金融政策の変更や、財政悪化等によるソブリンリスク顕在化、その他市場動向等により大幅に金利が変動した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 外国為替相場の変動による追加的損失の発生

当行及び当グループは、資産及び負債の一部を米ドル等の外貨建てで有しております。外貨建ての資産と負債が通貨毎に同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について、為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。当行及び当グループでは、必要に応じ適切なヘッジを行っておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 保有資産の市場流動性低下による追加的損失の発生

当行及び当グループは、市場で取引される様々な資産を保有しておりますが、金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があります。グローバルな金融市場混乱や経済・金融環境の悪化等により、保有資産の市場流動性が著しく低下した場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 退職給付債務等の変動による追加的損失の発生

当行及び当グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、株式相場並びに金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当行及び当グループの退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 繰延税金資産に係る財務上の影響

繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ ヘッジ目的等の金融取引に係る財務上の影響

ヘッジ目的等で利用するクレジットデリバティブや株式関連デリバティブ等の金融取引については、ヘッジ対象資産と会計上の取扱いや評価方法が異なる場合があります。そのため、市場の変動等により、ある特定の期間において、ヘッジ対象資産の評価が上昇しても、当該金融取引から損失のみが発生する場合があり、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 自己資本比率に係るリスク

① 各種リスクの顕在化や自己資本比率規制の変更による自己資本比率への悪影響

当行及び当グループは、事業戦略と一体となったリスクアセット運用計画、資本の効率性ならびに本項に示した各種リスクの状況等を踏まえ、適正かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めておりますが、本項に示した各種リスクの顕在化や自己資本比率算出における計測手法の変更等により自己資本比率が低下する可能性があります。なお、自己資本比率規制において、のれん及びその他の無形固定資産、繰延税金資産、金融機関等の資本調達手段の保有等、調整項目については所定の要件のもとで自己資本から控除されます。かかる規制等により、株式会社みずほフィナンシャルグループや当行を含む当グループの銀行子会社の自己資本の額が減少し、自己資本比率が低下する可能性があります。

また、日本の銀行の自己資本比率規制はバーゼル銀行監督委員会が設定した枠組みに基づいておりますが、当該枠組みの内容が変更された場合、もしくは金融庁による日本の銀行への規制内容が変更された場合に、その結果として自己資本比率が要求される水準を充足できなくなる可能性があります。例えば、平成22年12月にバーゼル銀行監督委員会は、金融庁が新たに定める自己資本比率規制等の基となるバーゼルⅢテキスト(銀行の自己資本と流動性に係る国際的な基準の詳細を示すもの)を公表し、その枠組みに基づき、金融庁は平成24年3月に自己資本比率規制に関する告示を一部改正しました。この新たな規制は平成25年3月31日から段階的に適用されております。さらに当グループは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)として選定されており、より高い水準の自己資本比率が求められることとなります。G-SIBsのグループは年次で更新され、毎年11月に金融安定理事会(FSB)により公表されます。また、平成27年11月にFSBは、G-SIBsに対して、破綻時の総損失吸収力(TLAC)を求める最終文書を公表しており、平成28年4月には金融庁が本邦における当該規制に係る枠組みの整備の方針を公表しました。これにより当グループは、平成31年より当該規制の適用を受ける可能性があります。

仮に当行及び当グループの自己資本比率が一定基準を下回った場合には、自己資本比率の水準に応じて、金融庁から、資本の増強を含む改善計画や社外流出の制限、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部の業務の縮小等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当行を含む当グループの一部銀行子会社は、米国その他の事業を行う諸外国において、自己資本比率規制を受けており、当該規制に抵触した場合には、当行及び当グループの業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 格付に係るリスク

① 格付引き下げによる悪影響

株式会社みずほフィナンシャルグループや当行等、当グループの一部の会社は、格付機関から格付を取得しております。格付の水準は、当行及び当グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいています。また、日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等の影響も受けているため、常に格付機関による見直し・停止・取下げが行われる可能性があります。

仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や資金調達の困難化、市場関連取引における追加担保の提供、既存取引の解約等が発生する可能性があり、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、当行及び当グループのデリバティブ契約に基づき格下げによる追加担保の金額を試算すると、他の条件が不変であれば、平成29年3月末に1ノッチの格下げがあった場合は約55億円、2ノッチの格下げの場合は約80億円です。

(5) 資金調達に係るリスク

① 資金調達が困難となることによる追加的損失の発生

当行及び当グループの資金調達は、主に預金及び債券発行に依存しておりますが、市場からの調達も行っております。当行及び当グループでは、資金調達の安定性の観点から、市場からの調達上限額の設定や資金繰りの状況に応じた対応方針の策定等、厳格な管理を行っております。

しかしながら、当行及び当グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等が発生した場合、あるいは国内外の景気悪化、金融システム不安や金融市場の混乱等により資金調達市場そのものが縮小した場合には、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、あるいは必要な資金を市場から確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、資金調達コストが増加したり、外貨資金調達等に困難が生じたりすることにより、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

2.業務面等に関するリスク

(1) 業務面に関するリスク

① 当行及び当グループの戦略、施策が奏効しないリスク

当行及び当グループは、様々な戦略や施策を実行しております。平成28年5月、当グループは、平成28年度から平成30年度までの3年間を対象期間とする当グループの中期経営計画を発表しました。この中で、平成30年度末の数値目標についても併せて発表しております。

しかしながら、こうした戦略や施策が実行できない、あるいは、たとえ戦略や施策が実行できた場合でも当初想定した成果の実現に至らない可能性、本項に示した各種リスクの顕在化又は中期経営計画の前提となる経済環境の変化等により中期経営計画で発表した数値目標を達成できない可能性があります。

なお、当グループの中期経営計画の内容につきましては、有価証券報告書「第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご覧ください。

② 業務範囲の拡大等に伴う新たなリスクの発生による悪影響

当行及び当グループは、総合金融コンサルティンググループとして、銀行業・信託業・証券業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、ないしは規制緩和の進展等に応じた新たな業務分野への進出や各種業務提携、資本提携を実施しております。当行及び当グループは、こうした新たな業務等に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しております。しかしながら、想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 法令違反等の発生による悪影響

当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用、さらには金融当局の監督を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに金融当局の監督を受けております。

当行及び当グループは、法令諸規制が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底や法務リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。

今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 事務リスクの顕在化による悪影響

当行及び当グループは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、役職員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。

当行及び当グループは、各業務の事務取扱を明確に定めた事務手続を制定するとともに、事務処理状況の定期的な点検を行っており、さらに本部による事務指導の強化や管理者の育成、システム化等を推進しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ システムリスクの顕在化による悪影響

当行及び当グループは、勘定系・決済系等の巨大なコンピュータシステムを保有しており、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムとグローバルなネットワークで接続されています。当行及び当グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、重要なシステムについては、原則としてバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。また、近年はサイバー攻撃による脅威の高まりを踏まえ、不正送金・標的型攻撃等からお客さまや当行及び当グループを守るためのセキュリティ対策の強化やモニタリング、人材育成や訓練を通じた対応態勢の強化等に取り組んでおります。

しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大なシステム障害が発生し、こうした対策が有効に機能しない可能性があります。システムリスクの顕在化が発生した場合には、情報の流出、誤作動、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 個人情報等の漏洩等の発生による悪影響

当行及び当グループは、多数の法人・個人のお客さまの情報を保有しているほか、様々な内部情報を有しております。特に、個人情報については、情報の漏洩や不正なアクセスを防止するため、個人情報保護法の下で、より厳格な管理が要求されております。当行においても情報管理に関するポリシーや事務手続等を策定しており、役職員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行い、外部委託先についても同様に情報管理態勢を監督しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重要な情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 人事上のリスクの顕在化による悪影響

当行及び当グループは、多数の従業員を雇用しており、日頃より有能な人材の確保や育成等に努めております。しかしながら、十分な人材を確保・育成できない場合には、当行及び当グループの競争力や効率性が低下し、業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) その他のリスク

① 財務報告に係る内部統制の構築等に関するリスク

株式会社みずほフィナンシャルグループは、ニューヨーク証券取引所上場企業であり、当グループは、米国サーベンス・オクスリー法に準拠した開示体制及び内部統制の強化を行っております。同法により、同社経営者及び監査法人はそれぞれ同社の財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その評価結果をForm20-Fにより報告することが求められています。

 また、金融商品取引法においても、株式会社みずほフィナンシャルグループは、同社の経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価、及び経営者評価に対する監査法人の意見を内部統制報告書及び内部統制監査報告書により報告することが求められています。

 当行及び当グループは、上記に従い財務報告に係る内部統制の構築を行っており、評価の過程で発見された問題点は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、改善が間に合わない場合や、経営者が内部統制を適正と評価したとしても監査法人は不適正とする場合があり、その場合、当行及び当グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟に関するリスク

当行及び当グループは、国内外において銀行業務を中心に様々な金融業務を行っておりますが、こうした業務を行うにあたり、損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。

なお、当行海外連結子会社は、インドネシアにおいて、現地企業グループが過去に発行した社債の担保管理人に就任していたため、当該現地企業グループより社債権者等と共に訴訟の提起を受けております。これまでの担保管理に係る手続に問題はなく、本件訴訟は法的妥当性を全く欠く不当訴訟であるとの主張を裁判手続において行っておりますが、訴訟の動向によっては、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ リスク管理の方針及び手続が有効に機能しないリスク

当行及び当グループは、リスク管理の方針及び手続に則りリスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、リスクを特定・管理するための方針及び手続が、必ずしも有効に機能するとは限りません。また、当行及び当グループのリスク管理手法は、過去の市場動向に基づいている部分があることから、将来発生するリスクを正確に予測できるとは限りません。当行及び当グループのリスク管理の方針及び手続が有効に機能しない場合、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 米国国務省によりテロ支援国家と指定された国に所在する者との取引に関するリスク

米国法上、米国人は、米国国務省によりテロ支援国家と指定された国(イラン、スーダン、シリア。以下、「指定国」という。)と事業を行うことが一般的に禁止されており、当行及び当グループは、関係する米国法を遵守する態勢を整備しております。但し、米国外の拠点において、関係法令の遵守を前提に、顧客による輸出入取引に伴う貿易金融やコルレス口座の維持等、指定国に関連する業務を限定的に行っております。なお、イランには、駐在員事務所を設置しています。指定国に関係するこれらの業務は、当行及び当グループ全体の事業、業績及び財務状態に比し小規模であり、また、関係する日本及び米国の法令を遵守する態勢を整備しております。

指定国が関与する取引に関わる規制は今後強化もしくは改定されていく可能性があり、当行及び当グループの法令遵守態勢が米国における規制に十分対応できていないと米国政府に判断された場合には、当行及び当グループの業務運営に悪影響を及ぼすような、米国政府による何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。また、顧客や投資家を失う、ないしは当行及び当グループのレピュテーションが毀損することで、当行及び当グループの事業又は株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

3.金融諸環境等に関するリスク

① 金融経済環境の変化による悪影響

当行及び当グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジアなどの海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行及び当グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じる可能性があります。昨今、日銀の新たな金融政策の導入、英国のEU離脱に向けた交渉、米国新政権の発足などに伴って、金融経済環境は不透明な状況が続いておりますが、今後、各国の金融政策の変更、各種地政学的リスクの顕在化などの影響により経済状況の悪化や金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 法令諸規制の改正等による悪影響

当行及び当グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法、独占禁止法や会計基準等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、自己資本比率規制を含む銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用も受けております。

これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

現在バーゼル銀行監督委員会等において、自己資本比率算定における各種標準的手法や内部格付手法、資本フロアの見直し等が議論されております。当該見直しの結果として、自己資本比率算定上の分母が増加する場合には、当行及び当グループの自己資本比率が低下するリスクがあります。

さらに、その他にも多くの金融規制見直しの議論が続けられており、例えば、長期安定調達比率(NSFR)等の流動性規制や、レバレッジ比率規制が今後適用・変更された場合には、当行及び当グループのビジネスにおける一定の制約要因となる惧れや、追加でのシステム開発負担等につながる惧れがあります。

③ 金融業界の競争激化による悪影響

当行及び当グループは、国内外の大手金融機関やノンバンク等との激しい競争環境に晒されています。また、昨今は様々なテクノロジー(いわゆるFinTech)の進展により業種の垣根を越えて多くの企業による金融領域への新規参入が相次ぐなど、当行及び当グループを取り巻く競争環境はますます激化する可能性があります。さらに、先の金融危機以降進められてきた金融規制改革により、競合他社との戦略の差別化が難しくなり、特定のビジネスにおける競争環境が激化していく惧れもあります。当行及び当グループが、競争に十分対応することができない場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競争激化等に伴い、金融業界において金融機関の再編が進み、当行及び当グループの競争力や株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 災害等の発生による悪影響

当行及び当グループは、国内外において店舗、事務所や電算センター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害や犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行により、当行及び当グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行及び当グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、バックアップオフィスの構築等、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行及び当グループの業務の一部が停止する等、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、平成23年3月に発生した東日本大震災のような大規模な災害に起因して、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行及び当グループの不良債権及び与信関係費用が増加したり、保有株式や金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行及び当グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 風説・風評の発生による悪影響

当行及び当グループの事業は預金者等のお客さまや市場関係者からの信用に大きく依存しております。そのため、当行及び当グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客さまや市場関係者が当行及び当グループについて事実と異なる理解・認識をされる可能性があります。当行及び当グループは、こうした風説・風評の早期発見に努めるとともに、その影響度・拡散度等の観点から適時かつ適切に対応することで、影響の極小化を図るよう努めておりますが、悪質な風説・風評が拡散した場合には、当行及び当グループの業務運営や、業績及び財務状況、ないしは株式会社みずほフィナンシャルグループの株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当行は、ユーシーカード株式会社、株式会社クレディセゾン及び株式会社キュービタスとの間で、クレジットカード業界の環境変化等を踏まえ、各社が競争力をもって事業成長を図るべく、平成16年12月24日に締結した包括的業務提携基本契約書を見直し、平成29年1月26日に包括的業務提携基本契約等変更契約を締結いたしました。

 

6【研究開発活動】

 該当ありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 平成28年度における当行及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりと分析しております。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。

1.業績の状況

(財政状態及び経営成績の分析)

(1)総論

 みずほフィナンシャルグループの収益状況は、連結経常利益が前連結会計年度比2,600億円減少して7,375億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同673億円減少して6,035億円となりました。当行及び連結子会社につきましては以下のとおりです。

 

[損益状況]

連結経常収益は、資金運用収益の増加を主因に前連結会計年度比989億円増加し、2兆5,803億円となりました。連結経常費用は、主として資金調達費用が増加したこと等により、前連結会計年度比3,493億円増加し、1兆9,967億円となりました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比2,504億円減少の5,835億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1,512億円減少の4,085億円となりました。

 

[金利・非金利収支の状況]

①金利収支の状況

資金利益は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比1,228億円減少し、8,365億円となりました。

 

②非金利収支の状況

役務取引等利益は、前連結会計年度比9億円増加し、3,862億円となりました。

また、特定取引利益は、主として商品有価証券収益の増加等により、前連結会計年度比85億円増加し、1,192億円となりました。その他業務利益は、前連結会計年度比18億円増加し、1,811億円となりました。

 

(2)経営成績の分析

[損益の状況]

 前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下のとおりです。

(図表1)

 

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

連結粗利益

16,347

15,232

△1,115

資金利益

 

9,594

8,365

△1,228

役務取引等利益

 

3,853

3,862

9

特定取引利益

 

1,106

1,192

85

その他業務利益

 

1,793

1,811

18

営業経費

△9,024

△10,180

△1,156

不良債権処理額

△493

△813

△319

(含:一般貸倒引当金純繰入額)

貸倒引当金戻入益等

172

326

153

株式等関係損益

1,850

2,077

226

持分法による投資損益

238

190

△48

その他

△752

△997

△245

経常利益

(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦)

8,340

5,835

△2,504

特別損益

△12

△50

△37

税金等調整前当期純利益

(⑧+⑨)

8,327

5,785

△2,542

税金関係費用

△2,255

△1,331

924

当期純利益(⑩+⑪)

6,071

4,453

△1,617

非支配株主に帰属する当期純損益

△473

△368

104

親会社株主に帰属する当期純利益(⑫+⑬)

5,597

4,085

△1,512

 

包括利益

2,573

3,324

751

 

与信関係費用(③+④)

△320

△486

△166

(注)費用項目は△表記しております。

 

① 連結粗利益

 連結粗利益は前連結会計年度比1,115億円減少し、1兆5,232億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。

(資金利益)

 資金利益は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比1,228億円減少し、8,365億円となりました。

(役務取引等利益)

 役務取引等利益は、前連結会計年度比9億円増加し、3,862億円となりました。

(特定取引利益・その他業務利益)

 特定取引利益は、主として商品有価証券収益の増加等により、前連結会計年度比85億円増加し、1,192億円となりました。その他業務利益は、前連結会計年度比18億円増加し、1,811億円となりました。

② 営業経費

 営業経費は、前連結会計年度比1,156億円増加し、1兆180億円となりました。

③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)

 一般貸倒引当金純繰入額を加えた不良債権処理額に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、486億円の費用計上となりました。

⑤ 株式等関係損益

 株式等関係損益は、株式等売却益の増加等により、2,077億円の利益となりました。

⑥ 持分法による投資損益

 持分法による投資損益は、190億円の利益となりました。

⑦ その他

 その他は、997億円の損失となりました。

⑧ 経常利益

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比2,504億円減少し、5,835億円となりました。

⑨ 特別損益

 特別損益は、50億円の損失となりました。

⑩ 税金等調整前当期純利益

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比2,542億円減少し、5,785億円となりました。

⑪ 税金関係費用

 税金関係費用は、1,331億円となりました。

⑫ 当期純利益

 当期純利益は、前連結会計年度比1,617億円減少し、4,453億円となりました。

⑬ 非支配株主に帰属する当期純損益

 非支配株主に帰属する当期純損益(利益)は、前連結会計年度比104億円減少し、368億円となりました。

⑭ 親会社株主に帰属する当期純利益(⑮包括利益)

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1,512億円減少し、4,085億円となりました。また、包括利益は、前連結会計年度比751億円増加し、3,324億円となりました。

 

    -参考-

    (図表2)損益状況(単体)

 

 

 

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

比較

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

業務粗利益

14,638

13,203

△1,434

資金利益

8,300

7,197

△1,102

役務取引等利益

3,863

3,762

△100

特定取引利益

944

804

△140

その他業務利益

1,530

1,439

△90

経費(除く臨時処理分)

△8,333

△8,665

△332

業務純益(一般貸倒引当金純繰入前)

6,305

4,538

△1,766

  臨時損益等

727

511

△216

うち不良債権処理額

△446

△360

85

うち貸倒引当金戻入益等

158

310

151

うち株式等関係損益

1,783

1,802

19

経常利益

7,040

4,597

△2,442

特別損益

△11

△48

△36

当期純利益

4,902

3,425

△1,476

 

与信関係費用

△279

△501

△222

(注)費用項目は△表記しております。

[セグメント情報]

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。

 なお、詳細につきましては、第5経理の状況、1.連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。

 

(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益及び業務純益の金額に関する情報

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

比較

 

 金額(億円)

 金額(億円)

 金額(億円)

 

業務粗利益

業務純益

業務粗利益

業務純益

業務粗利益

業務純益

リテール・事業法人

部門

5,047

105

4,690

△376

△357

△481

大企業・金融・公共法人部門

3,421

2,082

3,493

2,131

72

49

グローバルコーポレート部門

3,951

1,709

3,766

1,471

△185

△238

グローバルマーケッツ

部門

4,224

3,332

3,706

2,678

△518

△654

アセットマネジメント

部門

△4

△4

△16

△16

△12

△12

その他

△291

△130

△406

△569

△115

△439

みずほ銀行(連結)

16,347

7,093

15,232

5,318

△1,115

△1,775

業務純益は、一般貸倒引当金繰入前の計数であります。

*平成28年4月より当グループが顧客セグメント別のカンパニー制を導入したことに伴い、前連結会計年度につきましては、当該変更を反映させるための組替えを行っております。

 

(3)財政状態の分析

 前連結会計年度及び当連結会計年度における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。

(図表4)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

資産の部

1,616,978

1,704,005

87,026

うち有価証券

375,223

306,875

△68,347

うち貸出金

710,688

716,119

5,431

負債の部

1,529,280

1,621,188

91,908

うち預金

うち譲渡性預金

1,020,530

109,784

1,095,798

98,036

75,268

△11,748

純資産の部

87,698

82,817

△4,881

株主資本合計

61,665

62,510

844

その他の包括利益累計額合計

14,888

13,779

△1,108

非支配株主持分

11,145

6,527

△4,618

 

[資産の部]

① 有価証券

(図表5)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

有価証券

375,223

306,875

△68,347

国債

189,109

128,259

△60,849

地方債

2,375

2,815

439

社債

25,376

24,395

△980

株式

35,785

36,557

772

その他の証券

122,577

114,847

△7,730

 

 有価証券は30兆6,875億円と、国債(日本国債)及びその他の証券が減少したことを主因として、前連結会計年度末比6兆8,347億円減少しております。

② 貸出金

(図表6)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

貸出金

710,688

716,119

5,431

 

(単体)

 

前事業年度

(平成28年3月31日)

当事業年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

貸出金

703,743

712,628

8,884

国内店分

511,590

521,405

9,815

中小企業等貸出金*1

 うち居住用住宅ローン

306,570

98,272

303,639

93,936

△2,931

△4,336

海外店貸出金残高*2

192,153

191,222

△930

*1 中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の企業等であります。

*2 海外店貸出金残高には、特別国際金融取引勘定を含んでおります。

 貸出金は71兆6,119億円と、前連結会計年度末比5,431億円増加しております。

 また、当行の貸出金残高は71兆2,628億円と前事業年度末比8,884億円増加しております。国内店貸出金は9,815億円増加しております。海外店貸出金は930億円減少しております。

 なお、当行の中小企業等貸出金残高は、前事業年度末比2,931億円減少し30兆3,639億円、うち居住用住宅ローンは、同4,336億円減少して9兆3,936億円となっております。

 貸出金のうち、連結ベースのリスク管理債権額は以下のとおりです。

(図表7)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破綻先債権

242

332

90

延滞債権

3,907

4,233

325

3ヵ月以上延滞債権

9

78

69

貸出条件緩和債権

4,552

4,069

△482

合計

8,711

8,714

3

 

 

 

 

貸出金に対する割合(%)

1.22

1.21

△0.00

 

 当連結会計年度末の連結ベースのリスク管理債権残高は、延滞債権が前連結会計年度末比325億円増加し、貸出条件緩和債権が同482億円減少しております。その結果、リスク管理債権残高は、前連結会計年度末比3億円増加し、8,714億円となりました。

 また、貸出金に対するリスク管理債権の割合は、1.21%となっております。

 なお、不良債権(当行単体)に関しては、後段(4)で詳細を分析しております。

[負債の部]

① 預金

(図表8)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

預金 *1

1,130,315

1,193,835

63,520

流動性預金 *2

598,097

672,655

74,557

定期性預金

364,437

368,446

4,008

譲渡性預金

109,784

98,036

△11,748

その他

57,994

54,696

△3,298

*1 預金には、譲渡性預金を含んでおります。

*2 流動性預金は、当座預金、普通預金、貯蓄預金、通知預金の合計であります。

(単体)

 

前事業年度

(平成28年3月31日)

当事業年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

預金(国内)

850,289

893,708

43,419

個人

391,639

403,756

12,117

一般法人

393,889

426,003

32,114

金融機関・政府公金

64,761

63,948

△812

*海外店及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。

 預金は119兆3,835億円と、流動性預金が増加したこと等により、前連結会計年度末比6兆3,520億円増加しております。

 なお、当行の預金者別預金残高は、前事業年度末比一般法人が3兆2,114億円増加し、個人は1兆2,117億円増加しております。

[純資産の部]

(図表9)

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

純資産の部合計

87,698

82,817

△4,881

株主資本合計

61,665

62,510

844

資本金

14,040

14,040

資本剰余金

22,600

22,116

△483

利益剰余金

25,023

26,352

1,328

その他の包括利益累計額合計

14,888

13,779

△1,108

その他有価証券評価差額金

11,316

11,181

△134

繰延ヘッジ損益

1,634

85

△1,549

土地再評価差額金

1,484

1,456

△28

為替換算調整勘定

△247

△381

△134

退職給付に係る調整累計額

699

1,438

739

非支配株主持分

11,145

6,527

△4,618

 

 当連結会計年度末の純資産の部合計は、前連結会計年度末比4,881億円減少し、8兆2,817億円となりました。主な変動は以下のとおりです。

 株主資本合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末比844億円増加し、6兆2,510億円となりました。その他の包括利益累計額合計は、繰延ヘッジ損益の減少等により、前連結会計年度末比1,108億円減少し、1兆3,779億円となりました。非支配株主持分は、前連結会計年度末比4,618億円減少し、6,527億円となりました。

(4)不良債権に関する分析(単体)

① 残高に関する分析

金融再生法開示債権

(図表10)

 

 

前事業年度

(平成28年3月31日)

当事業年度

(平成29年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

670

815

145

危険債権

 

3,459

3,840

380

要管理債権

 

3,919

3,607

△312

小計(要管理債権以下)

(A)

8,049

8,262

213

正常債権

 

774,676

793,649

18,973

合計

(B)

782,725

801,912

19,186

(A)/(B)

 

1.02%

1.03%

0.00%

 

当事業年度末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前事業年度末比213億円増加し、8,262億円となりました。債権区分では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が145億円、危険債権が380億円、それぞれ増加し、要管理債権が312億円減少しております。不良債権比率((A)/(B))は1.03%となっております。

② 保全に関する分析

 前事業年度末及び当事業年度末における金融再生法開示債権(要管理債権以下)の保全及び引当は以下の通りであります。

(図表11)

 

 

前事業年度

(平成28年3月31日)

当事業年度

(平成29年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

(A)

670

815

145

うち担保・保証

(B)

595

755

159

うち引当金

(C)

74

60

△14

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

100.0%

100.0%

保全率

((B)+(C))/(A)

100.0%

100.0%

危険債権

(A)

3,459

3,840

380

うち担保・保証

(B)

1,722

1,776

53

うち引当金

(C)

1,147

1,295

147

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

66.0%

62.7%

△3.2%

保全率

((B)+(C))/(A)

82.9%

79.9%

△2.9%

要管理債権

(A)

3,919

3,607

△312

うち担保・保証

(B)

1,545

1,402

△142

うち引当金

(C)

978

949

△29

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

41.2%

43.0%

1.8%

保全率

((B)+(C))/(A)

64.3%

65.1%

0.8%

 

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権については、担保・保証が前事業年度末比159億円増加し、引当金が同14億円減少しております。信用部分全額を個別貸倒引当金として計上、ないしは直接償却を実施しており、その結果、信用部分に対する引当率、保全率ともに100%となっております。

 危険債権については、担保・保証が53億円、引当金が147億円、それぞれ前事業年度末比増加しております。また、信用部分に対する引当率は3.2ポイント低下し62.7%に、保全率は2.9ポイント低下し79.9%となっております。

 要管理債権については、担保・保証が142億円、引当金が29億円、それぞれ前事業年度末比減少しております。また、信用部分に対する引当率は1.8ポイント上昇し43.0%に、保全率は0.8ポイント上昇し65.1%となっております。

上記債権以外の債権に対する引当率は、以下の通りであります。

(図表12)

 

 

前事業年度

(平成28年3月31日)

当事業年度

(平成29年3月31日)

比較

要管理先債権以外の要注意債権(%)

 

3.69

6.73

3.04

正常先債権(%)

 

0.07

0.06

△0.00

 

(5)自己資本比率に関する分析

(図表13)連結自己資本比率(国際統一基準)

 

 

前連結会計年度

(平成28年3月31日)

当連結会計年度

(平成29年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

連結総自己資本比率(④/⑦)

15.46%

16.20%

0.74%

連結Tier1比率(⑤/⑦)

12.75%

13.34%

0.59%

連結普通株式等Tier1比率(⑥/⑦)

10.81%

11.16%

0.35%

連結における総自己資本の額

87,802

91,485

3,682

連結におけるTier1資本の額

72,436

75,357

2,920

連結における普通株式等Tier1資本の額

61,422

63,040

1,617

リスク・アセットの額

567,710

564,617

△3,092

連結総所要自己資本額

45,416

45,169

△247

 

 

 総自己資本の額は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比3,682億円増加し、9兆1,485億円となりました。一方、リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比3,092億円減少し、56兆4,617億円となりました。この結果、連結総自己資本比率は前連結会計年度末比0.74ポイント上昇し、16.20%となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(図表14)

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

13,039

34,140

21,101

投資活動によるキャッシュ・フロー

34,659

53,340

18,680

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,926

△1,442

2,484

営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により3兆4,140億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得・売却・償還等の結果5兆3,340億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、優先出資証券の償還等により1,442億円の支出となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、37兆8,613億円となりました。