該当ありません。
平成27年3月期第1四半期における当社グループの財政状態及び経営成績は以下のとおりと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.業績の状況
(金融経済環境)
当第1四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は、一部になお弱さがみられるものの全体としては緩やかな回復が続きました。先行きは、先進国を中心に引き続き回復が期待されますが、地政学的リスクの高まりには注視を要する状況が続きました。
米国経済は景気回復が続いており、雇用環境の改善や個人消費の持ち直しがみられました。先行きは、金融緩和縮小による影響には引き続き留意する必要があるものの、財政面からの下押し圧力が和らいでいくなか、雇用・所得環境の改善に伴い、回復テンポが高まっていくことも期待できるようになりました。
欧州経済は、堅調な回復が続く英国に加え、ユーロ圏においても企業業況の改善が続くなど、景気は回復基調で推移しました。債務問題の帰趨や高水準の失業率の動向には留意する必要があるものの、全体としては今後も回復軌道を辿る見通しとなりました。
アジアでは、中国経済は安定的に拡大しているものの、一頃と比べると幾分低い成長率で推移しました。先行きは、過剰生産能力の問題や不動産市況の弱含みなどが重石となり、景気が下振れするリスクも意識されるようになりました。アジア経済全体としては、先進国向け輸出の減少や一部地域での政情不安などもあり成長率が総じて減速しました。先行きは、アジア以外の地域を含めて一部では通貨安やインフレ懸念などを背景に引き締め的な金融政策がとられやすいこともあり、成長に勢いを欠く状況が長引く懸念はあるものの、全体としては輸出の持ち直し等により緩やかな経済成長を維持する見通しとなりました。
日本経済は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動から一時的に落ち込んだものの、基調的には緩やかな回復が続きました。先行きは、駆け込み需要の反動が薄れていくなかで、雇用・所得環境の改善や個人消費の回復などを通じて次第に持ち直していくことが見込まれるようになりました。
(財政状態及び経営成績の分析)
(1)総論
[収益状況]
①連結業務純益
・当第1四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比123億円減少し、5,042億円となりました。
・みずほ銀行及びみずほ信託銀行2行合算ベース(以下、「銀・信」という(※))の業務粗利益は、前年同期比153億円減少し、3,705億円となりました。顧客部門は、好調であった前年同期比では国内の非金利収支が減少となりましたが、海外が引き続き増加となり、全体で前年同期とほぼ同水準となりました。市場部門等は135億円減少となりました。
・みずほ証券連結ベース(以下、「証」という。)の純営業収益は、前年同期比35億円減少し、808億円となりました。
・「銀・信」の経費は、コスト構造改革等の経費削減努力は継続するも、粗利益増強のための戦略経費や消費税増税等の増加要因により、前年同期比71億円増加し、2,182億円となりました。
・以上の結果、連結業務純益は前年同期比287億円減少し、1,768億円となりました。
(※)平成25年7月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行は合併しております。みずほ銀行(「銀」)の過去計数は、合併前のみずほ銀行及びみずほコーポレート銀行の計数を単純合算しております。
②連結四半期純利益
・連結与信関係費用は、313億円の戻り益となりました。
・連結株式等関係損益は、前年同期比114億円減少し、157億円の利益となりました。
・「証」の連結四半期純利益は、前年同期比では110億円減少し、62億円となりましたが、前四半期比では22億円の増加となりました。
・以上の結果、連結四半期純利益は前年同期比932億円減少し、1,547億円となりました。これは、年度計画5,500億円に対し、28%の順調な進捗となっております。
[自己資本の状況]
・当社グループは、「安定的な自己資本の充実」と「着実な株主還元」の最適なバランスを図る「規律ある資本政策」を遂行しております。
・バーゼルⅢに対しては、中期経営計画の最終年度(平成27年度)末において、普通株式等Tier1比率8%(完全施行ベース(※1)、第十一回第十一種優先株式を含む(※2))を安定的に確保することを目指しております。
・具体的には、中期経営計画の各種施策の着実な実行等を通じ、収益の蓄積による内部留保の積上げや資産の効率的な運用等を図ることにより、自己資本の積上げと財務基盤の更なる強化に努めます。
・中長期的には、平成30年度末にかけての段階的導入を見据え、時間軸も考慮しながら、十分なレベルの普通株式等Tier1資本を積上げてまいります。
・これにより、G-SIFIs(グローバルにシステム上重要な金融機関)の選定を含む新たな資本規制への対応は十分可能なものと考えております。
(※1)平成30年度末のバーゼルⅢの完全施行時の規制に従い算出するものです。
(※2)バーゼルⅢ上、優先株式は普通株式等Tier1資本には含まれませんが、第十一回第十一種優先株式(平成28年7月強制転換)を普通株式等Tier1資本に含むものとした上で算出するものです。なお、第十一回第十一種優先株式の平成26年6月末の残高(自己株式を除く)は、3,107億円となりました(当初発行総額9,437億円のうち、67.0%が転換済)。
(2)経営成績の分析
[損益の状況]
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における損益状況は以下のとおりです。
(図表1)
|
|
前第1四半期 (自 平成25年 4月1日 至 平成25年 6月30日) |
当第1四半期 (自 平成26年 4月1日 至 平成26年 6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結粗利益 |
① |
5,166 |
5,042 |
△123 |
資金利益 |
|
2,749 |
2,639 |
△110 |
信託報酬 |
|
106 |
105 |
△0 |
うち信託勘定与信関係費用 |
①’ |
― |
― |
― |
役務取引等利益 |
|
1,211 |
1,121 |
△89 |
特定取引利益 |
|
500 |
612 |
112 |
その他業務利益 |
|
598 |
562 |
△35 |
営業経費 |
② |
△3,034 |
△3,187 |
△152 |
不良債権処理額 |
③ |
△88 |
△50 |
38 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
485 |
363 |
△121 |
株式等関係損益 |
⑤ |
272 |
157 |
△114 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
44 |
41 |
△2 |
その他 |
⑦ |
45 |
△67 |
△113 |
経常利益(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
2,891 |
2,300 |
△590 |
特別損益 |
⑨ |
△10 |
△15 |
△4 |
税金等調整前四半期純利益(⑧+⑨) |
⑩ |
2,880 |
2,285 |
△595 |
税金関係費用 |
⑪ |
△191 |
△531 |
△340 |
少数株主損益調整前四半期純利益(⑩+⑪) |
⑫ |
2,689 |
1,753 |
△936 |
少数株主損益 |
⑬ |
△210 |
△206 |
3 |
四半期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
2,479 |
1,547 |
△932 |
四半期包括利益 |
⑮ |
601 |
3,789 |
3,187 |
与信関係費用(①’+③+④) |
⑯ |
397 |
313 |
△83 |
(注) 費用項目は△表記しております。
(参考)連結業務純益 |
|
2,055 |
1,768 |
△287 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整
① 連結粗利益
当第1四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比123億円減少し、5,042億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、有価証券利息配当金の減少等により、前年同期比110億円減少し、2,639億円となりました。
(信託報酬)
信託報酬は、105億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、証券関連業務手数料の減少等により、前年同期比89億円減少し、1,121億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、特定金融派生商品収益の増加等により、前年同期比112億円増加し、612億円となりました。また、その他業務利益は、前年同期比35億円減少し、562億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、前年同期比152億円増加し、3,187億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、313億円の戻り益となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却益の減少等により、前年同期比114億円減少し、157億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前年同期比2億円減少し、41億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、67億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前年同期比590億円減少し、2,300億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、15億円の損失となりました。
⑩ 税金等調整前四半期純利益
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、前年同期比595億円減少し、2,285億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、531億円(損失)となりました。
⑫ 少数株主損益調整前四半期純利益
少数株主損益調整前四半期純利益は、前年同期比936億円減少し、1,753億円となりました。
⑬ 少数株主損益
少数株主損益(利益)は、前年同期比3億円減少し、206億円となりました。
⑭ 四半期純利益(⑮四半期包括利益)
以上の結果、四半期純利益は、前年同期比932億円減少し、1,547億円となりました。また、四半期包括利益は、前年同期比3,187億円増加し、3,789億円となりました。
-参考-
(図表2)損益状況 (銀行単体合算ベース)
|
前第1四半期 (自 平成25年 4月1日 至 平成25年 6月30日) |
当第1四半期 (自 平成26年 4月1日 至 平成26年 6月30日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
業務粗利益 |
3,858 |
3,705 |
△153 |
資金利益 |
2,417 |
2,279 |
△138 |
信託報酬 |
104 |
104 |
△0 |
うち一般合同信託報酬 |
― |
― |
― |
うち信託勘定与信関係費用 |
― |
― |
― |
役務取引等利益 |
753 |
767 |
14 |
特定取引利益 |
92 |
166 |
74 |
その他業務利益 |
490 |
387 |
△103 |
経費(除:臨時処理分) |
△2,110 |
△2,182 |
△71 |
実質業務純益(除:信託勘定与信関係費用) |
1,748 |
1,523 |
△225 |
臨時損益等(含:一般貸倒引当金純繰入額) |
604 |
288 |
△315 |
うち一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額 |
△68 |
△35 |
32 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
466 |
347 |
△118 |
うち株式等関係損益 |
208 |
117 |
△90 |
経常利益 |
2,353 |
1,812 |
△540 |
特別損益 |
△10 |
△10 |
△0 |
四半期純利益 |
2,204 |
1,350 |
△854 |
与信関係費用 |
397 |
312 |
△85 |
与信関係費用=一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額+貸倒引当金戻入益等+信託勘定与信関係費用
[セグメント情報]
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第4 経理の状況、1.四半期連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益及び業務純益の金額に関する情報
|
前第1四半期連結累計期間 至 平成25年6月30日) |
当第1四半期連結累計期間 至 平成26年6月30日) |
比較 |
||||
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|||||
業務粗利益 |
業務純益 |
業務粗利益 |
業務純益 |
業務粗利益 |
業務純益 |
||
みずほ銀行(連結) |
3,946 |
1,727 |
3,855 |
1,575 |
△91 |
△152 |
|
|
みずほ銀行(単体) |
3,582 |
1,657 |
3,416 |
1,420 |
△165 |
△237 |
その他 |
364 |
70 |
438 |
155 |
73 |
84 |
|
みずほ信託銀行(連結) |
330 |
94 |
344 |
106 |
14 |
12 |
|
みずほ証券(連結) |
760 |
172 |
690 |
74 |
△70 |
△97 |
|
その他 |
128 |
61 |
152 |
11 |
24 |
△50 |
|
みずほフィナンシャル グループ(連結) |
5,166 |
2,055 |
5,042 |
1,768 |
△123 |
△287 |
*業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
*平成25年7月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行は合併しております。前第1四半期連結累計期間における「みずほ銀行(連結)」、「みずほ銀行(単体)」は合併前のみずほ銀行及びみずほコーポレート銀行の計数を単純合算しております。
(3)財政状態の分析
前連結会計年度及び当第1四半期連結会計期間における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
(図表4)
|
前連結会計年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
資産の部 |
1,758,228 |
1,817,516 |
59,287 |
うち有価証券 |
439,975 |
454,383 |
14,408 |
うち貸出金 |
693,014 |
687,082 |
△5,931 |
負債の部 |
1,675,183 |
1,733,809 |
58,625 |
うち預金 |
890,555 |
888,690 |
△1,864 |
うち譲渡性預金 |
127,557 |
158,219 |
30,661 |
純資産の部 |
83,045 |
83,706 |
661 |
うち株主資本合計 |
56,762 |
57,601 |
839 |
うちその他の包括利益累計額合計 |
7,810 |
9,865 |
2,054 |
うち少数株主持分 |
18,440 |
16,219 |
△2,220 |
[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
|
|
前連結会計年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
有価証券 |
|
439,975 |
454,383 |
14,408 |
国債 |
|
260,975 |
267,424 |
6,448 |
地方債 |
|
2,446 |
2,441 |
△5 |
社債・短期社債 |
|
27,925 |
27,216 |
△709 |
株式 |
|
35,250 |
36,942 |
1,691 |
その他の証券 |
|
113,376 |
120,359 |
6,983 |
有価証券は45兆4,383億円と、国債(日本国債)及びその他の証券を主因に前年度末比1兆4,408億円増加しました。
② 貸出金
(図表6)
|
|
前連結会計年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
|
693,014 |
687,082 |
△5,931 |
貸出金は、前年度末比5,931億円減少し、68兆7,082億円となりました。
[負債の部]
① 預金
(図表7)
|
|
前連結会計年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金 |
|
890,555 |
888,690 |
△1,864 |
譲渡性預金 |
|
127,557 |
158,219 |
30,661 |
預金は88兆8,690億円と、前年度末比1,864億円減少しました。
また、譲渡性預金は15兆8,219億円と、前年度末比3兆661億円増加しました。
[純資産の部]
(図表8)
|
|
前連結会計年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
純資産の部合計 |
|
83,045 |
83,706 |
661 |
株主資本合計 |
|
56,762 |
57,601 |
839 |
資本金 |
|
22,549 |
22,554 |
4 |
資本剰余金 |
|
11,095 |
11,099 |
4 |
利益剰余金 |
|
23,156 |
23,984 |
828 |
自己株式 |
|
△38 |
△36 |
1 |
その他の包括利益累計額合計 |
|
7,810 |
9,865 |
2,054 |
その他有価証券評価差額金 |
|
7,335 |
9,148 |
1,813 |
繰延ヘッジ損益 |
|
△66 |
163 |
230 |
土地再評価差額金 |
|
1,407 |
1,407 |
― |
為替換算調整勘定 |
|
△635 |
△659 |
△24 |
退職給付に係る調整累計額 |
|
△229 |
△194 |
35 |
新株予約権 |
|
31 |
20 |
△10 |
少数株主持分 |
|
18,440 |
16,219 |
△2,220 |
当第1四半期連結会計期間末の純資産の部合計は、前年度末比661億円増加し、8兆3,706億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
株主資本合計は、四半期純利益の計上等により、前年度末比839億円増加し、5兆7,601億円となりました。
その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の増加等により、前年度末比2,054億円増加し、9,865億円となりました。
少数株主持分は、前年度末比2,220億円減少し、1兆6,219億円となりました。
(4)不良債権に関する分析(銀行単体合算ベース)
(図表9)金融再生法開示債権(銀行勘定+信託勘定)
|
|
前事業年度
(平成26年3月31日) |
当第1四半期 会計期間 (平成26年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
|
672 |
657 |
△15 |
危険債権 |
|
4,720 |
4,438 |
△282 |
要管理債権 |
|
4,121 |
4,013 |
△108 |
小計(要管理債権以下) |
(A) |
9,514 |
9,108 |
△405 |
正常債権 |
|
775,325 |
768,414 |
△6,910 |
合計 |
(B) |
784,839 |
777,522 |
△7,316 |
(A)/(B)(%) |
|
1.21 |
1.17 |
△0.04 |
当第1四半期会計期間末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前年度末比405億円減少し、9,108億円となりました。不良債権比率((A)/(B))は1.17%となっております。
2.事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、平成25年度より3年間を計画期間とする新しい中期経営計画『One MIZUHO New Frontier プラン ~みずほの挑戦~』をスタートしております。この計画は、内外経済・社会の構造変化や規制環境の変化等に対応し、新しい時代の新しい金融の姿を目指す新生〈みずほ〉に向けた積極的な取組策であり、その中で、〈みずほ〉のあるべき姿・将来像としてのビジョン、新しい金融に必要な要素や〈みずほ〉の現状分析を踏まえた対応の方向感も反映した「5つの基本方針」、さらに、この方針を具体化した事業戦略、経営管理・経営基盤等における戦略軸としての「10の戦略軸」を、以下の通り設定しております。
中期経営計画2年目である平成26年度も、中期経営計画を着実に遂行してまいります。また、One MIZUHOの更
なる進化に向け、「銀行・信託・証券」一体戦略の更なる加速と、One MIZUHOを支える基盤の進化に向け、
グループガバナンスを強化するとともに、強固なコーポレートカルチャーの確立に向けた取組を引き続き
推進してまいります。
[〈みずほ〉のビジョン(あるべき姿)]
|
|
|
|
『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、グローバルで開かれた総合金融グループ』 |
|
|
1.信頼No.1の〈みずほ〉 2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉 3.グループ力No.1の〈みずほ〉 |
|
[5つの基本方針]
1. 多様な顧客ニーズに応える、グループベースでのセグメント別戦略展開 |
[10の戦略軸]
〔事業戦略〕 ① 個人・法人のきめ細かなセグメントに応じた、「銀・信・証」一体による総合金融サービス強化 ② フォワード・ルッキングな視点と産業・業種知見を活用した、コンサルティング機能の発揮 ③ 日本の個人金融資産の形成支援と活性化 ④ 成長産業・企業への積極的なリスクテイク能力の強化 ⑤ 日本そして世界でのアジア関連ビジネスの強化・拡大 ⑥ 加速するグローバルな資金流・商流の捕捉による重層的な取引深耕 |
〔経営管理・経営基盤等〕 ⑦ 潤沢な流動性と適切な資本水準を背景とした安定的な財務基盤の強化 ⑧ 事業戦略を支える最適な経営基盤(人材、業務インフラ)の確立 ⑨ 自律的なガバナンスとリスク管理の更なる強化 ⑩ グループ共通のカルチャー確立に向けた新たな『〈みずほ〉の企業理念』の浸透と「サービス提供力No.1」に向けた取り組み |
[〈みずほ〉のグループストラクチャー及びグループ運営体制]
当社グループは、先進的グループ経営体制の構築に向けて、銀行・信託・証券その他の主要グループ会社を当社の直下に設置する新たなグループ資本ストラクチャーに移行しております。
また、平成25年4月より、銀行・信託・証券やその他の事業分野にわたるグループ横断的なビジネス戦略を推進し、当社が戦略・施策の立案や業務計画の策定を行う、新たなグループ運営体制に移行しております。具体的には、銀行の頭取、信託・証券の社長を当社の経営会議の常任メンバー化いたしました。また、当社に銀行・信託・証券等横断的に戦略・施策の立案等を行う10の「ユニット」及び業務本部を設置するとともに、複数のユニット間で、グループのビジネス戦略上重要な事項を審議する場として、リテール(個人)、ホールセール(法人)、インターナショナル(海外)、アセットマネジメント、マーケッツ(市場)における戦略に係る5つの「グループ戦略会議」を設置しております。
さらに、平成26年4月より、当社の戦略企画推進機能及びグループガバナンスの更なる強化の観点より、複数ユニット等を担当する統括役員の配置や企画・管理部門の兼職体制の見直し等を実施しております。
当社グループは、引き続き最も有効かつ先進的なグループ経営体制を構築してまいります。
なお、みずほ銀行とみずほ信託銀行の統合の可能性につきましても、引き続き検討してまいります。
[事業戦略]
中期経営計画における「10の戦略軸」に基づき、当社グループは個人・法人のきめ細かなセグメントに応じた、「銀行・信託・証券」一体による総合金融サービスを強化してまいります。
個人のお客さまにつきましては、お客さまのライフサイクル・希望に応じた運用・調達にわたる幅広い金融商品を提供してまいります。また、先進的かつ「簡単・便利・快適」な次世代リテールサービスを構築し、お客さまに親しみやすい優しい金融サービスの提供に努めてまいります。企業オーナー等のお客さまにつきましても、事業・資産双方について、法人・個人両面からのサービスを提供してまいります。
法人のお客さまにつきましては、お客さまの経営課題としての事業戦略・資本政策のアドバイスを提供するとともに、個別プロダクツの枠に捉われない、最適な金融ソリューションをグループ横断的に提供してまいります。また、グローバルな業種知見をベースとした提案や成長に向けた資金供給を行うとともに、お客さまの海外展開サポートにも注力してまいります。さらに、地域活性化に向けて地域金融機関のお客さまのエリアパートナーとして、協働してまいります。
海外のお客さまにつきましては、アジア・日本を起点とする高度で幅広い金融サービスをシームレスに展開してまいります。また、ローンのみならず、産業知見やグループのプロダクツ提供力に裏付けられたお客さまとの中長期的な関係を築いてまいります。さらに、加速するグローバルな資金流・商流に対応するトランザクションビジネスを強化し、特にアジアにおける特徴ある決済サービスを提供してまいります。
[経営管理・経営基盤等]
事業戦略と表裏一体をなす経営管理・経営基盤の強化についても、しっかりと取り組んでまいります。
グローバルに展開する金融グループの一員としての社会的役割を果たすべく、ビジネスモデルの進化の更なる加速とともに、グループガバナンスの更なる高度化及び危機対応力の強化に取り組んでまいります。その取組の一環として、平成26年6月、当社は委員会設置会社へ移行しております。この委員会設置会社への移行によるガバナンス強化のポイントとしましては、監督と経営の分離を徹底することにより、取締役会が経営の監督に最大限専念し、ガバナンスの実効性を確保することや、取締役会が経営を担う執行役に対し業務執行の決定を最大限委任することにより、迅速かつ機動的な意思決定を可能とし、スピード感のある企業経営を実現することがあげられます。また、社外取締役を中心とした委員会等の活用により、意思決定プロセスの透明性・公正性と経営に対する監督の実効性を確保いたします。さらに、取締役会議長を原則として社外取締役とするなど、ガバナンスに関しグローバルレベルで推奨されている運営・慣行を積極的に採用しております。また、危機対応力の強化については、新たに設置した専担組織を通じ、有事や緊急事態への対応力の強化に加え、危機の予兆や前兆を正確に捉え、引き続き適切な対応を行っていく態勢を整備してまいります。あわせて、グローバルな規制動向も踏まえ、引き続きリスクガバナンスの高度化に向けた取組を進めてまいります。
さらに、強固なグループガバナンスを支える強固なコーポレートカルチャーの確立に向けて、引き続き取り組んでまいります。
当社グループは、法令遵守態勢及びガバナンス態勢の強化に引き続き努めるとともに、ブランドスローガンに込めた〈みずほ〉の決意を全役職員が共有し「One MIZUHO」の旗印のもと、グループ戦略を着実に遂行してまいります。また、CSRへの取組を推進し、社会の持続可能な発展にグループ一体となって貢献するとともに、企業価値の更なる向上に邁進してまいります。
3.主要な設備
[当第1四半期連結累計期間における主要な設備の新設]
みずほ銀行は、平成26年5月7日付で予定どおり本店の移転を実施いたしました。
本店所在地は、東京都千代田区丸の内一丁目3番3号から東京都千代田区大手町一丁目5番5号に変更しました。