取締役会の実効性向上に向けた取り組み
取締役会の実効性評価
当社では、改革の進捗と成果を確認し今後の課題を認識するために、取締役会全体としての実効性評価を2014年度から毎年度実施しています。
当社は、2019年12月に、取締役会の実効性に関する評価※を実施しました。
- ※評価対象期間は、2018年4月から2019年6月
1. 評価の枠組み
当社の「コーポレート・ガバナンスガイドライン」をベースとし、評価しました。
なお、評価にあたり事前アンケートの項目は、「取締役会構成」「取締役会運営」「討議」「昨年度課題に対する対応」「各委員会」の5つに区分しました(全36項目の質問事項は、絶対評価、昨年度比の相対評価(改善度)および記述式で実施)。
記述式質問は、「当社の社外取締役に必要な資質」、「今後取り上げるべきと考える議題・テーマ」、「取締役会における各取締役の貢献」、「5ヵ年経営計画策定における議論の充実度と各取締役の貢献度」等とし、重点的に確認しました。
2. 評価手法
評価にあたっては、第三者機関の外部コンサルタントを活用し、全取締役とカンパニー長を対象に、アンケートを実施しています。その上で、2019年12月の取締役会において、取締役会の実効性および今後に向けた取り組みを議論し、自己評価を実施しました。
3. 評価結果の概要
評価結果の概要は以下の通りです。
評価
取締役会構成
- 取締役会構成は極めて適切
- —人数、社外取締役の比率、専門性のバランスは適切
- —現在の社外取締役の経験・スキル・能力は十分
取締役会運営
- 運営は概ね適切であるものの、説明資料に改善の余地あり
- —取締役会の開催数と所要時間の効率化が進行
- —社外取締役への情報提供、議案選定、議事進行は適切
討議
- 各取締役の貢献と本質的議論の充実度合は十分
- —討議は、各取締役の専門性とステークホルダーの視点を踏まえた発言により、十分な内容
昨年度課題への対応
- 昨年度抽出された課題は、概ね改善
- —監督と執行の役割分担明確化、議論の質向上は改善
- —監督と執行間の危機感とスピード感の認識ギャップは縮小も、さらなる改善の余地あり
各委員会
- 各委員会の構成、運営、議論は概ね適切
- —昨年度に引き続き、十分な機能を発揮
- —各委員会の役割や位置づけを踏まえた効果的な運営に向けた取り組みを継続
更なる改善に向けた取り組み
- 取締役会における本質的議論の充実に向けた改善
- 重要課題等への対応状況を継続的にモニタリング
具体的対応策
- 議案説明や資料における一層の簡潔化と論点の明確化
- 5ヵ年経営計画の進捗および対応状況のタイムリーなモニタリング
- 議論の質向上に向けた監督・執行間のコミュニケーションの継続(経営状況オフサイトミーティングの活用)
4. 総括
取締役会の機能およびコーポレート・ガバナンスについては、昨年度に引き続き、高い水準で企業統治態勢が維持されていることを確認しました。昨年度指摘された課題に対しては、真摯な取り組みにより、改善されていることが確認され、また5ヵ年経営計画の策定においては、構造改革について、社内・社外の取締役の問題意識と認識が共有されるなど、取締役会の機能が十分に発揮されました。これらを踏まえ、取締役会全体としての実効性は、着実に前進し、確保していると評価しました。一方、当社の取締役会の更なる実効性向上の観点から、以下の2点について取り組んでいきます。
- (1)取締役会における本質的議論の拡充に向けた改善
- (2)重要課題等への対応状況を継続的にモニタリング
本実効性評価を踏まえ、取締役会が監督機能を最大限発揮するために必要なさらなる工夫を継続的に実施・検討していきます。
経営状況オフサイトミーティング
経営状況オフサイトミーティングは、取締役会を補完する役割として重要な機能を担っています。
社外取締役が、執行とのコミュニケーションの充実を図り、執行の実態を十分理解した上で、取締役会の質の高い議論につなげるために、経営上のトピックス等をテーマとして、社外取締役が参加のもとで、開催しています。
2019年度の取り組み内容および開催回数
内容 | 開催回数 |
---|---|
5ヵ年経営計画の概要、政策保有株の削減計画、人員数コントロール、新人事戦略、RBCおよびRCUの取り組み、各海外地域での足許の状況と今後の取り組み等 | 14回 |
社外取締役による中核3社の国内営業店訪問
2019年12月に、次期システムMINORIリリース後の営業店現場の状況について、社外取締役が複数の営業店の視察を行いました。
営業店では、各業務の見学や拠点長との面談に加え、社外取締役が現場の若手とフリーディスカッションを実施しました。
現場視察を終えた社外取締役からは、以下の率直な発言がありました。
社外取締役からの声
- MINORIの移行は、現場に負担を掛けていたので心配したが、勘定の日締めが旧システムと比較し早くなる等 業務の生産性が向上した、と聞いて安心した
- BK、TB、SC各エンティティの垣根がなくなってきており、銀信証の一体運営が定着していたことを実感した
- 次世代店舗化への職員の不安も払拭されつつある
- 他社との競争に勝ち抜く上で、業務効率化を継続的に検討していく必要性がある
社外取締役からは、様々な現場社員の声を聞く貴重な機会になったとの意見もあり、今後も取締役会の実効性向上に向けた取り組みを実施していきます。