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CEOメッセージ

取締役 執行役社長 グループCEO 坂井 辰史

来るべき時代において、「お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ」を目指します

みなさまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

2018年4月から、みずほフィナンシャルグループの執行役社長 グループCEOに就任いたしました。

<みずほ>は、これまでの長い歴史のなかで国内外における顧客基盤やネットワーク、そして各種のプレゼンスといった特色や強みを培ってきました。これらを最大限に発揮するとともに、経済・社会や生活様式が変化しお客さまのニーズも大きく変わりゆくなかで、お客さまが新たに必要とする分野で圧倒的な強みを確立することを通じ、来るべき時代において、「お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ」を目指してまいります。

ステークホルダーのみなさまには、今後ともより一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申しあげます。

私どもを取り巻く環境
~経済・社会の構造変化と循環要因~

新グループCEOとして<みずほ>が目指す方向性についてご説明する前に、まずは現在の私どもを取り巻く環境について、中長期的な観点でどのように捉えているか、いくつかの視点からお話したいと思います。

まずは、経済・社会の構造変化についてです。

ご案内の通り、世界の枠組みは転換期にあります。

戦後何十年もの間、世界の経済成長を支えてきた資本主義のあり方が、反グローバリゼーションや社会的分断の動き等もあり、さまざまな形で揺らいできています。

一方、経済の面では、依然として海外の成長が日本を上回り、なかでも、向こう30年程度アジアが引き続き世界の経済成長を牽引していくことが予想されており、アジアの重要性はますます拡大していきます。

従って、国際秩序の「揺らぎ」に留意しながらも、世界経済の成長、特にアジアを中心とした海外の成長をどうビルトインするかが、重要になっています。

次に日本です。

日本は、2008年をピークに人口減少社会へ突入しました。2018年1月時点の日本の人口は約1億2,700万人ですが、50年後には約3割減少すると予想されています。出生率の低下により、生産年齢人口が約4割減少すると同時に、65歳以上の高齢者人口がほぼ横ばいで推移し、「少子高齢化」の社会構造になっていきます。

一方で、高度成長期から蓄積されたわが国の個人金融資産残高は、GDPの3倍を超える約1,880兆円に上り、今後とも増加することが見込まれています。

世界でも一二を争う高齢化のなかで、この莫大な個人金融資産を、投資を通じて今後の成長分野に供給することで、日本や世界の産業の発展に貢献するとともに、国民の安定的な資産形成を促進していくことが、今後の日本経済の持続的成長のために、極めて大きな役割を果たします。

また、テクノロジーの進展により、生産性が飛躍的に向上するとともに、新たな産業が勃興してきており、産業の再編もグローバルに活発化しつつあります。個人の生活様式も、スマートフォンの普及等により、大きく変化しており、これらによって金融のあり方も大きく変わりつつあります。

次に、大きなトレンドという意味での、循環要因についてお話しします。

国際通貨基金(IMF)の調査では、2017年の世界経済の成長率は3.8%と2011年以降で最高の水準を記録しました。2018年と2019年も3.9%の成長が見込まれている等、テクノロジーの進化による構造的な需要の拡大もあって、世界経済そのものは極めて順調に推移しています。

一方で、これまで概ね10年ごとに金融危機が発生しており、前回危機から10年余りを経て、私どもが今クレジットサイクルのどこにいるのかについては、常にアンテナを張っておく必要があります。

リーマンショック後の各国の超金融緩和政策による過剰流動性もあり、株・債券・不動産等の資産価格が高騰している一方、米欧で金融緩和からの出口戦略が始まるなか、一部では資産価格調整の動きも見られます。

このような調整が一時的なものに留まるのか、あるいは次の危機の始まりなのかは分からない一方で、競争はますます激化しており、金融機関にとっては簡単には収益が上がりづらい局面となっています。

以上のような変化を踏まえ、注意深く市場動向を見極めつつ、来し方行く末を考えながら、適切なリスクテイクができるか、まさに金融機関としての真価が問われる、そういう状況に今、私どもはいると考えております。

<みずほ>のビジネス変革の方向性
~成長性をビルトインした強靭な事業ポートフォリオの構築~

以上の環境認識を踏まえ、私が考える「<みずほ>のビジネス変革の方向性」についてお話します。

まず「一上場銘柄としての<みずほ>」という観点から投資家の目線に立って、私どもの収益や事業ポートフォリオについて見てみますと、高い流動性や配当への評価はあるものの、収益力や成長性への評価はまだまだ改善の余地がある銘柄として位置づけられているものと認識しています。

私は、投資家のみなさまの高い期待に応えていくためにも、そうした位置づけを覆していきたいと考えています。そのためには、基礎的収益力を向上させるとともに、私どもの事業ポートフォリオにしっかりと成長性をビルトインしていく必要があります。すなわち、「安定収益基盤」のうえに、「アップサイドポテンシャルの高い分野」を組みあわせるとともに、その双方に中長期的な成長性をビルトインすることで、強靭な事業ポートフォリオを構築してまいります。

この安定収益基盤としては、まず、日本国内のリテール事業をさらに強化していくことが、<みずほ>の持続的な成長のために最も重要と考えています。日本国内のリテール事業は、経済・社会のインフラとしての位置づけや、社会生活における<みずほ>の顔としてのプレゼンスだけでなく、小口分散の効いた安定的な収益基盤であり、固定費負担は大きいものの、金融機関にとって最も重要な流動性の源泉でもあります。また、資金収支やトランザクションビジネス等も安定収益基盤として重要です。

一方、大企業や投資家のお客さまに向けたホールセール事業は、グローバルな金融資本市場における<みずほ>の顔としてのプレゼンスだけでなく、収益の変動は大きいものの、アップサイドポテンシャルの高い分野だと認識しています。プロダクツや機能という観点で言えば、マーケット・投資銀行ビジネスが重要です。

リテール事業とホールセール事業は、事業ポートフォリオとして相互に補完性が高いというだけでなく、調達と運用、販売と引受といった面においても連関性が強く、相互のビジネスリテラシーの向上を図るとともに、連携を強化することで、シナジーを創出してまいります。

次に、この双方の分野について、今後どのような領域で成長性を高めていくのか、について述べたいと思います。

1つは、今後の成長余地が大きく、<みずほ>の差別化要素となる証券、信託、資産運用ビジネスの領域であり、今後これをさらに強化・拡大してまいります。その方策として、銀行が有する強固な顧客基盤や資本力等も最大限に活用していきます。

もう1つは、海外ビジネス、特に、アジアの成長を取り込んでまいります。リーマンショック後に比べると、欧米銀の復活により、邦銀のアドバンテージは相対的に低下し競争は激化していますが、世界第3位の経済大国である日本と、今後とも世界の成長を牽引するアジアにおける基盤を競争力の源泉として、欧米においても戦っていきます。

各事業分野の方向性

以上、事業ポートフォリオの考え方をご説明いたしましたが、それぞれの事業分野の方向性についてもお話します。

国内リテール分野

国内リテール分野の1点目は「個人金融資産の活性化」です。

過去20年間の個人金融資産の平均利回り(単利)は、米国の6.6%に対し、日本は0.8%にも満たない水準であり、「貯蓄から投資・資産形成へ」の流れを通じた個人金融資産の活性化は、日本経済の課題であるとともに、大きなビジネスチャンスでもあります。

<みずほ>が有する顧客基盤やネットワークの強みを活かしたうえで、ライフサイクルやライフイベントに伴うお客さまのニーズを捕捉し、銀行・信託・証券に加え、第4の柱であるアセットマネジメント、第5の柱であるリサーチ&コンサルティングを活用した最適なコンサルティングの提供を通じ、預かり資産ビジネスを抜本的に強化してまいります。

2点目は、「チャネル・決済サービスの変革」です。<みずほ>の店頭利用者数は、減少傾向が継続している一方、インターネットバンキングの利用者数は急増しており、その増分の大半がスマートフォンの利用によるものです。

キャッシュレス化の流れも、銀行業界におけるQRコードの統一化の動きもあり、今後いよいよ本格化していく見込みです。

取引全般のインターネット・スマートフォン化の進展を踏まえ、また、キャッシュレス化の流れを自ら創出しながら、「店舗・ATMからインターネット・スマートフォンへ」と戦略的に経営資源をシフトし、チャネルや決済サービスを変革していきます。一方で、店舗は本来果たすべき役割である金融コンサルティングの場にシフトしていくため、対面営業の付加価値の一段の向上に取り組んでまいります。

ホールセール分野

ホールセール分野では、これまで、私どもは産業や事業に対する知見を強みとして参りましたが、今後は「マーケット」と「グローバル化の強化」が重要です。

資本主義経済の根幹を成すのは資本市場であり、資本市場は、内外の政治・経済状況を反映しながら、金融全般に大きな影響をおよぼす金利・株価等の価格形成機能を担うとともに、流動性を供給しています。そして、各市場は、グローバルに相互に連関して日々変動をしています。

この機能を担うのは投資家ですが、今後、「貯蓄から投資・資産形成へ」のシフトが進むなかで、ますます投資家や資本市場の果たす役割が重要になります。私どもにとって、セールス&トレーディングビジネスは成長余地がまだまだ大きく、発行体向けビジネスにおいても、こういう流れのなかで一段とマーケットリテラシーを向上していくことが競争優位確立の鍵となります。

これまで、資金需要の捕捉という目線を中心に成長してきたコーポレートファイナンスにおいても、上場企業の約6割がすでに実質無借金であるなか、今後のさらなるステップアップのためには、マーケットリテラシーを一段と向上させる必要があります。加えて、アドバイザリーのような手数料ビジネスの追求に加え、私どもの強みである資本力も有効に活用し、マーケットに精通したうえで適切にリスクを取ることで、収益力を向上させてまいります。

また、私どものお客さまである事業会社は、技術力・資本力等を梃子に、グローバルに事業基盤を拡大しております。セグメント情報開示のある我が国上場企業の海外売上高比率はすでに約5割におよんでおり、日系企業のグローバル化への対応のレベルを一段と向上させてまいります。さらに、アジアをエッジとして、クロスリージョナルにソリューションを提供することで、アジア企業に加えて欧米マルチナショナル企業等をサポートする体制もさらに追求してまいります。

以上、ホールセール分野については、私どもの強みである産業・事業に対する知見に加え、金融・資本市場に対するリテラシーを一段と高めるとともに、その双方についてグローバルな視点をさらに強化していきます。同時に、コーポレートファイナンスと投資家向けビジネスを従来以上に一体的、かつ、グローバルに展開してまいります。

事業ポートフォリオに対する考え方
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いかに競争優位を生み出すか
~顧客ドリブンとテクノロジードリブン~

次に、各事業分野において、いかにして競合他社に対する競争優位を生み出していくか、について2点述べたいと思います。

1点目として、顧客ドリブンな運営により、更にOne MIZUHO戦略を徹底してまいります。

<みずほ>は、日本において、唯一、自前でフルラインの銀行・信託・証券機能を持つ金融グループであり、これらをお客さまのニーズに応じて縦横無尽に活用し、グループ一体でOne MIZUHO戦略を展開できることが大きな強みです。

この強みをさらに強化していくためには、単にグループ内の連携を強化するだけではなく、銀行・信託・証券・アセットマネジメント等がそれぞれの業界において「一騎当千」となることが必要不可欠です。

「グループ連携」と「一騎当千」、この双方によって、他社の追随を許さないレベルにまでOne MIZUHO戦略を高度化してまいります。

そして、One MIZUHO戦略を高度化するために、グループ横断でのビジネスリテラシーを一段と高め、また、戦略・施策を可視化・定量化のうえ、地に足を着けて等身大で物事を把握することを徹底していきたいと考えています。

2点目は、テクノロジードリブンな運営です。

テクノロジーの活用による金融業の潜在的な成長力には大きなものがあります。

金融はすべての人々の生活や内外経済活動の結節点であり、私どもが日々接しているデータ・情報資源の利活用には高いポテンシャルがあります。テクノロジーを活用してお客さまに対する利便性や付加価値を高めるとともに、どう具体的なビジネスと結びつけてマネタイズをしていくかが重要になっています。

また、伝統的な金融業の大きな構成要素であるオペレーション・店舗・人員の効率性向上に向けても、テクノロジーの活用が鍵となります。

<みずほ>では、大手ベンダーやFinTech企業と連携することにより、新規ビジネスの創出やこれまで以上にお客さまに寄り添った利便性の高いサービスの提供を目指し、積極的に取り組みを進めています。

今後も、テクノロジーを事業戦略のなかに取り入れ、1つの柱に育てるために、ビジネスサイドがITリテラシーを高め、また同時に、ITサイドもビジネスリテラシーを高めることで、取り組みを加速させたいと考えています。

テクノロジーの分野での戦いは始まったばかりです。「お客さまが新たに必要とする分野で圧倒的な強みを確立する」ためにも、テクノロジードリブンに、より利便性が高く効果的で効率的な新しい金融のあり方を、スピーディーかつ徹底的に追求していきます。

抜本的構造改革に向けて

2017年度の振り返り

次に、こうしたビジネス変革の方向性を実現するために、私どもが取り組むべき課題について、お話します。

まず、足許の状況について、2017年度を振り返りますと、日銀のマイナス金利政策の継続や、米国の利上げフェーズの長期化等、厳しい事業環境が続きましたが、顧客部門で手数料関連収益(非金利収支)が増加したことに加え、与信関係費用の戻入益や政策保有株式の売却に伴う売却益等の計上もあり、親会社株主純利益は5,765億円となり、年度計画5,500億円を達成することができました。一方で、連結業務純益が減益となる等、収益力の強化については引き続き課題が残っていると認識しています。

こうした厳しい収益環境や、前述した経済・社会の大きな構造変化を踏まえ、2017年11月には、10年後を見据えたグループの持続的成長と将来の競争優位性確保に向けた、抜本的構造改革の原案を公表いたしました。テクノロジーのめざましい進展をオープンイノベーションの考えのもとで活用し、金融の枠を超えた他社との協働による新たなビジネス機会の創出も含めたトップライン収益の増強を図るとともに、組織・人員の最適化やチャネルの再構築等にも取り組み、コスト競争力の強化や生産性の向上を図ることで、One MIZUHO戦略のさらなる進化を目指してまいります。

私は、抜本的構造改革は、人員・店舗の削減等を通じた経費の削減自体を目的とするのではなく、基礎的収益力を強化するための取り組みでなければならないと考えています。抜本的構造改革を通じて、私どもがどのような金融グループになっていくのか、すなわち、抜本的構造改革の先にある<みずほ>の「あるべき姿」に対して、お客さま・投資家・従業員等のステークホルダーの理解と支持を得られるよう、具体的な姿を描き、共有していくことがなにより重要であると考えています。

すでに2017年度中に、国内の本部から現場への人員シフトやリスクテイク領域の拡大等の取り組みを開始した結果、下期以降、顧客部門を中心に前年同期比の業績が改善する等、その効果が見え始めています。この流れを確固たるものとすべく、具体的な施策や定量目標を中期経営計画や各年度の業務計画に反映し、着実に実行してまいります。

2018年度の取り組み

2018年度は抜本的構造改革の実質的な初年度であり、着手可能なものから着実に実行してまいります。

「組織・人員の最適化」については、海外を含む本部やグループ会社を中心に、1,300人程度を効率化します。そのうち600人程度をフロント等へシフトするとともに、中長期的な観点を踏まえた採用数のコントロール等により700人程度を削減していきます。

「システム構造改革」については、次期システムへの移行に、万全の態勢のもと取り組みます。次期システムの導入により、3つの国内勘定系システムを一元化しITシステムのスリム化・効率化を図ること、業務・機能別にシステムを構成し直すことで移行後の開発期間やコストを削減すること、最先端の勘定系システムを構築することにより処理スピードを向上すること、等が可能となります。2018年度は8回にわたるオンラインサービスの休止を予定しており、お客さまにはご迷惑をおかけすることとなりますが、次期システムは抜本的構造改革の起点ともなりうる重要な経営基盤であり、最重要の経営課題と位置づけて、高い緊張感をもって取り組んでまいります。また、次期システム以外の分野におきましても、システムの一元化・集約化やシステム開発におけるプロセス改革に取り組み、効率化を図ってまいります。

「チャネルの再構築」については、8拠点の削減を計画し、2017年度までに実施した11拠点を含め、抜本的構造改革で取り組む100拠点に対し合計19拠点、約2割となる削減を実施します。

「収益力の強化」については、縮退分野からリスク・アセットをシフトし、注力分野に1兆8千億円のリスク・アセットを投下する計画です。世界経済の変調の兆しには十分に留意しつつも、積極果敢かつ適切にリスクを取ってまいります。また、テクノロジーやデータ活用についても、業務プロセスの高度化による生産性向上と、新規ビジネス創造のそれぞれについて、外部との協働も含めた取り組みを推進し、将来を見据えた施策についても、具体化を進めます。

こうした抜本的構造改革に向けた取り組みを進めるとともに、最終年度を迎える中期経営計画で掲げた方針をやり遂げてまいります。今後の経営の安定性を確保し、「反転攻勢」を仕掛けるうえでも重要な基礎として、財務健全性に係る指標である連結普通株式等Tier1比率(CET1比率)と政策保有株式の削減について、掲げた目標をやりきる計画としております。一方で、残念ながら、当初見込んだ以上の環境要因の変化もあり、グループ経費率等一部の財務目標の達成は難しい状況にあり、基礎的収益力の着実な強化に取り組んでまいります。

抜本的構造改革への着手・実行(2018年度)
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  • ※1.2017~2018年度累計
  • ※2.プリンシパル・インベストメント
  • ※3.非投資適格
  • ※4.セールス&トレーディング

カルチャー革新の必要性

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抜本的構造改革を成功させ、「あるべき姿」に到達するためには、私どもが、それにふさわしい集団となっていかなければなりません。

ひるがえって、金融業界は、規制業種であること、あるいは、守りを重視せざるを得なかった厳しい経営環境を経てきたこともあって、ともすれば物事を現状の延長で考え、結果として形式主義・減点主義に陥りがちであることは否めません。

また、現在は、大きな構造変化と競争激化のなかで、リスクを取らなければ収益機会を維持できない難しい局面にあります。自らのリテラシーと情報感度を高め、金融機関として取るべきリスクを見極めつつ、適切なリスクを、胆力を持って取りに行く必要があり、このような意味においても、社員一人ひとりのマインドセット、カルチャーというものを革新していくことが、競争を勝ち抜いていくためには必要不可欠です。

こうした背景を踏まえ、今後、<みずほ>の「あるべき姿」に向けて、私どもグループの一人ひとりが、持ち場持ち場で、来るべき時代に「自らが果たすべき役割」について思いを巡らし想像を逞しくするとともに、その「役割」を果たすべく、情熱を持って取り組んでいくような集団にしていきたいと考えています。時代の変化に対して、一人ひとりが前向き・能動的に意欲と情熱を持ってチャレンジし、また、チャレンジする人を周囲がサポートするカルチャーの醸成を目指してまいります。

その際に重要となるのは、コミュニケーションです。どんなに大きな組織であっても、常日頃から、それぞれの領域を超えて必要な人たちと建設的な議論や腹蔵の無い意見を交わすことができる。また、そのような日々の関わりのなかで、互いに気心が知れている。そうした組織こそが強い組織なのだと思います。

「個」を尊重する人事運営、女性や外国人をはじめとした多様な人材の活躍促進、多様かつ柔軟な働き方を可能とする「働き方改革」等、これまで進めてきた「人事運営の抜本的改革」のさらなる定着・浸透を図るとともに、社員のチャレンジを促す意識改革等、カルチャーの革新に向けた取り組みを強い意志を持って進めてまいります。

実効的なコーポレート・ガバナンスの不断の追求

加えて、さまざまなステークホルダーの期待に応え、持続的な企業価値向上を実現していくためには、コーポレート・ガバナンスの実効性を不断に追求していくことが極めて重要です。

<みずほ>は、2014年度に指名委員会等設置会社に移行し、監督と執行の分離を通じた意思決定の迅速化や、社外取締役を中心とする委員会等を活用した経営陣の任免・処遇等の意思決定プロセスの透明性・公正性と経営に対する監督の実効性の向上に取り組んでまいりました。2017年度には、取締役会の議長および法定3委員会の委員長をすべて社外取締役としたほか、中核3社が監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する等、ガバナンス体制のさらなる高度化に努めております。

引き続き、グローバルに展開する金融グループとして、国内はもとより、グローバルレベルで推奨されている運営・慣行も積極的に取り入れる等、実効的なコーポレート・ガバナンスの不断の追求に努めてまいります。

社会の持続可能な発展に向けて

<みずほ>は、企業活動の根本的考え方である基本理念において、「いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける」ことを掲げています。

この基本理念は2013年に制定したものですが、策定にあたり<みずほ>の歴史、社内外の声、これからの金融に必要な要素等を見つめ直すなかで、「近代以降の日本の産業振興・育成、経済・社会の健全な発展に貢献してきた歴史」は、<みずほ>のかけがえのない財産であることを再認識いたしました。基本理念には、その歴史を踏まえ、これからも内外の経済・社会の健全な発展に貢献していきたいという強い想いが込められています。

また、毎年実施している従業員意識調査においても、<みずほ>の企業文化として「社会性・公共性を重視する」という項目を選択する社員の割合は非常に高く、多くの社員のなかでそうした意識が共有されていると感じています。

冒頭でも申しあげました通り、経済・社会の構造変化が進み、さまざまな社会課題が顕在化しています。日本国内では、人口減少社会への対応や地域経済の活性化等が、国際的には、気候変動への対応や人権の尊重等が、喫緊の課題となっています。こうしたなか、国連では、持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、各国政府のみならず企業・投資家にも取り組みを呼びかけているほか、投資家の間でもESG(環境・社会・ガバナンス)を巡る課題への関心が高まる等、企業には、社会の持続可能な発展への貢献に向けた取り組みが、これまで以上に強く求められています。

こうした取り組みの方向性は、<みずほ>が掲げる基本理念の方向性と軌を一にするものです。経済・社会を取り巻く変化を中長期的なリスクと機会の観点から捉え、自らの事業特性を活かした社会課題解決への積極的な貢献と人権・環境に配慮した責任ある事業活動を行うことを通じ、企業価値向上につなげてまいります。

これまでの取り組みを通じ、複数のサステナビリティインデックスに選定される等、外部からも一定の評価をいただいておりますが、金融というビジネスそのものが、SDGs等の社会課題の解決と密接につながっているということを十分に意識し、これらを事業戦略に一層取り込むことで、社会の持続可能な発展に積極的に貢献していきたいと考えています。

  • 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標

最後に

<みずほ>は、これまで100年を上回る長い歴史のなかで、内外の経済・社会の発展に貢献し、ともに歩んでまいりました。社員一人ひとりが、こうした歴史、そして、これから来るべき時代において、<みずほ>が果たすべき役割をしっかりと胸に刻み、最高水準の金融サービスの提供に努めることで、幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展にグループ一体となって貢献してまいります。

そして、株主の皆さまやお客さま、地域社会等さまざまなステークホルダーの皆さまから、私どもの目指す姿やその取り組みが理解や共感を得られ、また「信頼でき、頼りがいがある」と感じていただける存在になれるよう、「強力で強靭な金融グループ」をつくりあげてまいります。

皆さまにおかれましては、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2018年7月
株式会社みずほフィナンシャルグループ
取締役
執行役社長 グループCEO

坂井 辰史

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