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グローバルマーケッツカンパニー(統合報告書2017)

グローバルマーケッツカンパニー長 加藤 純一

顧客セグメントごとのプロダクツ提供力を強化することを通じ、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレーヤーを目指します。

カンパニーの中長期戦略

世界経済は、緩やかな回復が継続するも、ポピュリズムの台頭や地政学リスクへの懸念等を背景に不透明感が高まっています。また、米国を中心に金融政策が正常化のステージへ移行していることに伴い、長短金利差の縮小が見られる等、金利環境に変化の兆しが見られる一方、AI等の技術革新に伴う市場構造の変化も予想されます。このような不確実性の高い経済・市場環境が継続する可能性があるなか、お客さまの「貯蓄から投資・資産形成へ」の進展が見られるとともに、リスクヘッジや運用、クロスボーダー取引へのニーズがますます高まっており、<みずほ>には、技術革新に伴う市場構造の変化にも対応しつつ、そのニーズに応える社会的責任があります。

当カンパニーは、お客さまにソリューションを提供するセールス&トレーディング業務と、運用・調達を行うALM・投資業務を行っています。

セールス&トレーディング業務における当カンパニーの強みは、OneMIZUHO戦略のもと、お客さまのニーズに対する深い理解や金融市場動向の詳細な分析と予測、各種金融商品に対する高度な知識・経験・専門性を活かしたプロダクツ・ソリューション提供力にあります。当カンパニーは、顧客セグメント・個社ニーズに応じたきめ細かな運営体制を採用することを通じてこの強みを一層強化し、多様化するニーズに対し最適なプロダクツ・ソリューションの提供を行い、お客さまの持続的な成長に貢献していきます。さらに、グローバルな金融のプロフェッショナルとして、市場流動性の提供や業界団体への積極的な参画等を通じ、金融市場の健全な発展に向けた取り組みを継続していきます。

ALM・投資業務における当カンパニーの強みは、市場環境の変化を早期に察知する「予兆管理」とそれに基づく迅速な意思決定や的確なアロケーションを行う効率的なポートフォリオ運営に努めていることです。当カンパニーは、今後も効率的なポートフォリオ運営を徹底することで、ポートフォリオの健全性を維持しつつ安定的な収益の確保に努めていきます。

一方で、グローバルに運用ニーズが高まるなか、さらなる拡大余地のあるグローバルな投資家のお客さまとのビジネスについては、取扱プロダクツの拡大等、さらなる体制整備を行うことでニーズに応えていきます。また、中長期的には、先進的なテクノロジーの活用を含め、グローバルレベルのインフラを構築し、お客さまの利便性の向上や業務の効率化・高度化等の「オペレーショナルエクセレンス」を進めることで、競争力を高めていきます。

こうした取り組みを通じ、お客さまニーズへの的確な対応と安定的な高水準収益を両立する、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレーヤーを目指していきます。

  • Asset Liability Management:資産・負債総合管理

2016年度の成果と今後の対応

2016年度は、マイナス金利政策の影響や下期の米国債金利の急騰等、難しい局面が続きましたが、当カンパニーは、3,150億円の業務純益(除くETF※1関係損益)をあげ、当該年度計画を達成しました。

セールス&トレーディング業務では、金融市場が大きく変動するなか、お客さまのヘッジ・運用ニーズをもとにしたデリバティブや為替、債券、株式をはじめとしたフロービジネスの獲得や機動的なポジション運営等により、計画を大きく上回る収益を計上しました。また、金融市場におけるお客さまの<みずほ>に対する評価の着実な向上等、金融法人への営業の強化をはじめとした銀行・証券の連携による効果が現れてきています。

ALM・投資業務では、Brexitをはじめとするグローバルな不透明感の高まりや国内長期金利のマイナス幅の拡大とその後の反転・上昇、米国大統領選挙後の米国債金利の急騰等、難しい投資環境でしたが、予兆管理の徹底等に基づいた市場環境の変化に応じた機動的なポジション運営が奏功し、ポートフォリオの健全性を維持しつつ、概ね計画通りの収益を達成しました。

2017年度は、欧米の政治情勢等について不確実性の高い環境が継続することが予想されます。また、IRRBB※2等、各種金融規制の施行が予定されているなか、規制への対応力が競争力の差異として顕在化するステージに入るものと認識しています。

こうした環境下、当カンパニーは、セールス&トレーディング業務に重点的に経営資源を投入し、機動的なリスクテイクとプロダクツ提供力の強化を進めていきます。具体的には、各種規制への対応を着実に進めつつ、米州・欧州・アジアにおけるデリバティブビジネスの運営体制の見直しを行い、実質一体運営による効率化、グローバルなお客さまへの訴求力の強化等により収益力の向上を図っていきます。また、将来的にバーゼル規制のなかで導入が予定されているCVA※3管理の高度化については、2017年4月より邦銀初のCVA室を設置し、対応を加速していきます。

ALM・投資業務では、バランスシートマネジメントの高度化により安定的な外貨調達に努めるとともに、予兆管理・投資分散の徹底、迅速な意思決定によるポートフォリオ運営の効率性向上を追求し、債券ポートフォリオの再構築の時機を見極めていきます。さらに、業務の効率化・高度化に向けた先進的テクノロジーの活用への取り組みを加速させていきます。

今後も当カンパニーは、こうした取り組みの着実な実行を通じて、お客さまの持続的な成長や金融市場の健全な発展に貢献していきます。

  • ※1Exchange Traded Funds:上場投資信託
  • ※2Interest Rate Risk on Banking Book:バーゼル自己資本規制の一環で、銀行勘定の金利リスクの開示基準が強化されるもの
  • ※3Credit Valuation Adjustment:デリバティブの取引相手の信用リスクを時価に反映させる手法

1.現状分析

外部環境

経済・規制・競合
  • グローバルな政治的不透明感の高まり・ボラティリティの上昇
  • 長短金利差の縮小・金利環境の変化の兆し
  • 金融規制の厳格化への対応力が問われるステージ
お客さま
  • 「貯蓄から投資・資産形成へ」の進展
  • さまざまなリスクヘッジ・運用ニーズの高まり
  • クロスボーダー取引の増加
社会
  • AI等、技術革新に伴う市場構造の変化

内部環境

強み
  • 銀行・信託・証券の連携による高度なプロダクツ・ソリューション提供力
  • 顧客セグメント・個社ニーズに応じた運営体制
  • 予兆管理の徹底や的確なアロケーション等、効率的なポートフォリオ運営体制
弱み
  • プロダクツ提供力のさらなる強化
  • 投資家ニーズへの対応力強化
  • グローバル水準のインフラの構築
  • ポートフォリオ運営の一層の高度化

2.提供する価値

「お客さま」に提供する価値

  • お客さまのさまざまなリスクヘッジニーズ、運用ニーズに対する、市場プロダクツを用いた最適なソリューションの提供
  • グローバルな情報収集・分析能力を活用した市場動向に関する情報提供

「社会」に提供する価値

  • 金融のグローバルプロフェッショナルとして、さまざまな市場プロダクツの流動性を継続的に供給
  • 各種規制への着実な対応、業界団体への参画等を通じた金融市場の健全な発展への貢献

3.今後の業務計画

リスクアペタイトの方向感

  • セールス&トレーディング業務に重点的に資源投下のうえ、機動的なリスクテイクとプロダクツ提供力を強化
  • バランスシート運営の高度化に加え、的確なアロケーションと効率性追求を徹底
  • 債券ポートフォリオの再構築の時機を見極め

アクションプラン

  • プロダクツ提供力のさらなる強化
  • デリバティブビジネスのグローバル運営体制の見直しによる実質一体運営の深化
  • バランスシート運営の高度化
  • 予兆管理・投資分散の徹底と迅速な意思決定によるポートフォリオ運営効率性向上の追求
  • 業務効率化や高度化に向けた先進的テクノロジーの活用

2017年中間期の業績

業務純益の実績・計画のグラフ

  • 2016年度実績を2017年度管理会計ルールに組み替えて算出。2016年度実績(3,150億円:除くETF関係損益)対比

セールス&トレーディング業務関連収益のグラフ

  • 当カンパニー管理ベース

日本株(順位、シェア)のグラフ

  • 20社中
    出典:Greenwich Global Japanese Cash Equities Commission–Weighted Trading Share

為替(順位、スコア)のグラフ

  • 35社中
    出典:Greenwich Quality Index Asia ex Japan FX

「お客さま・社会」の持続的成長を支える課題解決に向けて

円金利デリバティブ取引のクリアリングサービスの提供・業界団体への積極的な参画

<みずほ>は、日本証券クリアリング機構(JSCC)のクリアリングサービスを提供しており、みずほ銀行が2015年に続き、円金利デリバティブのクリアリングサービス提供社数においてトップシェアを獲得する等、多くのお客さまのリスク削減に貢献しています。また、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)等の業界団体にも継続的に参画し、お客さまの規制対応へのサポートや金融市場の健全な発展に貢献しています。

国際スワップデリバティブ協会(ISDA)でのイメージ写真

邦銀初のCVA室設置

リーマンショック以降、デリバティブ取引にかかわる取引相手の信用リスク管理の重要性が高まっています。CVA(Credit Valuation Adjustment)とは、デリバティブの取引相手の信用リスクをデリバティブ取引の時価に反映させる手法であり、バーゼル委員会はCVA管理の枠組みを高度化することを求めています。
<みずほ>は、2017年4月に邦銀初となるCVA室を設置する等、CVAリスクの適切なコントロールを通じ、デリバティブ市場の健全な発展とお客さまのニーズの充足に貢献していきます。

みずほ銀行本店のディーリングルーム

みずほ銀行本店のディーリングルーム

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