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2012年度ダイアログ

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ステークホルダーダイアログ2012 環境ビジネスへの取り組み

<みずほ>は、人類共通の重要な課題である地球環境問題と向かい合い、環境負荷低減につながるファイナンスやコンサルティングの提供など、「環境ビジネス」に積極的に取り組んでいます。ダイアログでは、有識者のみなさまと実際のビジネスを担う社員が参加し、<みずほ>のこれまでの取り組みを踏まえ、取り組みに対する評価と今後の期待について対話を行いました。

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ステークホルダーダイアログ風景

参加有識者のみなさま

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末吉 竹二郎氏
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI) アジア・太平洋地区 特別顧問

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後藤 敏彦氏
NPO法人サステナビリティ日本フォーラム 代表理事

<みずほ>からの参加者

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山田 大介
みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 執行役員 産業調査部長

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菅尾 睦
みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 事業法人業務部長

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冨田 克典
みずほフィナンシャルグループ コーポレート・コミュニケーション部長

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佐古 智明
みずほフィナンシャルグループ コーポレート・コミュニケーション部 CSR推進室長

ダイアログの冒頭では、有識者のみなさまに、みずほフィナンシャルグループ コーポレート・コミュニケーション部長の冨田克典から、環境ビジネスに対する基本的な考え方について説明しました。その後は、みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 産業調査部長の山田大介、みずほ銀行・みずほコーポレート銀行 事業法人業務部長の菅尾睦から、<みずほ>の具体的な取り組みを紹介しながらディスカッションしました。

<みずほ>の環境ビジネスに対する基本的な考え方

環境問題は人類共通の重要な課題であり、持続可能な発展のために、社会全体で環境負荷低減への取り組みを進めて行く必要があります。

<みずほ>は、自らの事業活動における環境負荷低減に努めることはもちろんのこと、数多くの企業と接点をもつ金融機関として、環境保全に貢献する商品・サービスの提供といった本業を通じてお客さまの環境経営を支援し、社会全体の環境負荷低減に貢献していくことが自らの重要な社会的役割であると考えています。また、これまで<みずほ>が蓄積してきた産業や環境、資源、エネルギーに関する高度な知見やノウハウを駆使して、環境エネルギー関連政策に対する提言や、お客さまの事業の進展に向けたコンサルティングというかたちでサポートしていくことも重要な責務だと考えています。

多くの企業と取引する金融機関として「環境」を切り口としたアプローチを重視

菅尾

金融機関には多くの企業とお取引があることを活かして、お客さまの環境経営への取り組みの拡大や進展を支援する、「環境」を切り口としたアプローチが求められています。みずほ銀行では、お客さまの環境経営を支援するため、2007年度から環境に配慮した経営や設備投資を推進するお客さまの資金ニーズに応える環境配慮型融資商品「みずほエコアシスト」を提供しています。

後藤

「多くの企業と取引がある点を活かして」とお話いただきましたが、私はその点が非常に重要だと思います。昨年、私が委員長を務めた環境省の「環境情報の利用促進に関する検討委員会」では、中堅・中小企業の環境経営への取り組み促進について議論しました。検討委員会では、金融機関と取引のない中堅・中小企業はないため、環境保全に資する設備投資資金の融資などは勿論、中堅・中小企業の全般的な環境経営への取り組み支援など、金融機関に対する期待は大きいという結論になりました。また、環境配慮型融資を実行するために基準を設けることは、とても重要である一方で、今の金融機関では環境経営に関する評価能力に限界があるのではないか、もっと強化するためにはどうするべきかという議論もありました。

菅尾

お客さまの「自社の環境への取り組みの客観的評価を知りたい」というニーズにきちんと応えていくためにも、評価能力は重要です。そこで、<みずほ>では環境に関するコンサルティングなどで実績があるみずほ情報総研が開発した「みずほエコグレード」という環境格付を活用しています。これは、お客さまの環境配慮型経営の状況や進捗度を評価し、格付けするもので、その結果に応じて融資条件を設定する「みずほエコアシスト<プラス>」も提供しています。2012年3月末現在で、これらの環境配慮型融資の実行件数は約700件、金額で1,000億円ほどの規模となっています。

後藤

委員会では、中堅・中小企業のもう一つの環境経営促進策として、サプライチェーンの中でCSR調達が連鎖的につながるよう、調達ガイドラインの作成を考えました。

菅尾

<みずほ>では、一般的な環境知識と<みずほ>の環境関連商品・サービスを掲載した「環境ハンドブック」を作成し、活用しています。これは、お客さまへの提案ツールであると同時に、営業担当者向けの啓発資料でもあります。このようなツールを使いながら、提案型営業を地道に継続することで、中堅・中小企業のオーナーの環境経営に取り組む必要性を少しでも意識づけして行きたいと考えています。

末吉

私もかねてから、グリーンな金融機関が取引先にもグリーンを求める、グリーンな取引先がグリーンな金融機関を選ぶ、そうした関係を築いた企業こそがこれから生き残っていくべきだと考えています。そういう意味で、<みずほ>には、これまで確立された企業評価の手法を、多くの貸出先に適用していただきたいと思います。

菅尾

震災以降、中堅・中小企業でも省エネに関する関心は高まっており、そのような資金ニーズに、積極的に対応していきたいと思います。また、グリーンの輪を広げていくために、<みずほ>ではお客さまの環境改善ニーズに合わせてお取引先を紹介する環境ビジネスマッチングを推進しています。お取引先の中で環境改善に資する高度なソリューションを持つ環境装置メーカーなど約60社とビジネスマッチング契約を締結してコンソーシアム(連合)を形成し、お客さまの環境改善ニーズに応えています。

末吉

金融機関ならではの取り組みだと思います。それらに加えて、厳しい要求かもしれませんが、<みずほ>全体のローンポートフォリオの中で、そうした環境配慮の融資をどのように位置付けて行くのかが、私は非常に重要だと思っています。ポートフォリオ全体を考えることで、個々の融資が変わり、部分から全体に波及していく。そうすることで、<みずほ>全体のあり方、さらには社会にも、大きな変化、好ましい変化をもたらしていくはずです。

冨田

ご指摘のとおり、金融機関にはお金の流れを通じて社会の仕組みを持続可能なものに変えていく役割がある、そのような自覚がグループ全体に求められていると思います。

後藤

金融機関の自覚と市場の広がりという点では、昨年、末吉さんが発起人となった「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」に、<みずほ>をはじめ180以上の金融機関が署名したことは大きな成果でした。

末吉

<みずほ>にも起草委員として参画してもらいました。

後藤

原則の中には「地域振興」や「中小企業の環境配慮」も含まれています。<みずほ>のみなさんは率先してこの原則に基づいた取り組みを行い、「地域振興」や「中小企業の環境配慮」も進めていっていただきたいと思います。

「スマートシティ」の実現性を高める新たなビジネスモデルの構築に挑戦

山田

次に、スマートシティの実証事業について紹介させていただきます。<みずほ>は、ハワイやインド、中国でスマートシティプロジェクトに積極的に参画しています。その一つ、ハワイのマウイ島で大手重電メーカーとともに推進している実証事業では、金融機関という、いわば文系の立場から、さまざまな企業とともにコンソーシアムを組織し、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。

後藤

文系を含めたコンソーシアムとなっている点がポイントですね。日本企業は個別技術については多くの特許をもっていますが、この20年間で市場シェアがどんどん落ちている。これは、個別の要素技術について個々の企業がマーケティングし、プロジェクトとして集約されていないため、大規模な入札案件などでは他国に後塵を拝すケースが多いのではないかと思います。さまざまな環境コンソーシアムに金融機関ならではの視点を入れていただき、是非、実現性、実効性の高いビジネスモデルをつくっていただきたいと思います。

末吉

「個」と「全体」について環境融資でもお話しましたが、こうしたプロジェクトでも、個々のメーカーが考える「個別の製品やサービスの売り方」と同時に、街全体をスマートにしていくための「全体の最適なシステム」を考える必要があります。その意味で、<みずほ>が参加したことで「全体最適」という観点が生まれるのではないかと期待しています。また、このようなプロジェクトを進めるにあたり、世界の視点で考えることが重要です。日本の先端技術がコアになるとしても、海外の視点を入れることで日本のプロジェクトにも応用できる新しいインプットがあると思います。

山田

ご指摘いただいたように、エネルギーや水、廃棄物、交通網など、社会課題を個別に追っていくと、都市計画、すなわちスマートシティに収斂していきます。そうしたニーズに個別技術で対応していくだけでなく、誰かがコーディネーターとしての役割を発揮していく必要がある。そこで我々が果たす役割も多いのではないかと思います。現地のニーズに的確に対応するために、コンソーシアムは、日本企業だけでなく、グローバルな視点で組織することが重要であり、実際に海外の企業とも協働しています。プロジェクトに関わる各ステークホルダーに一定のメリットを確保し、実効性の高いビジネスモデルの構築は難しい課題だと思いますが、日本の環境技術の活用とスマートな世界の実現に向け、挑戦し続けていきたいと思います。

産業振興、雇用創出などさまざまな面から注目される「洋上風力発電」

山田

コンソーシアム関連の取り組みをもう一つ紹介させていただきます。今、我々は福島県で再生可能エネルギーを中心とした震災後の新たな産業振興・雇用創出などの観点から、洋上風力発電の実証コンソーシアムに参加しています。風車は構造上、自動車と同様に多数の部品が必要なことから、福島に風車の完成工場をつくることで多くの部品メーカーが集積し、持続的な雇用も期待できるなど、<みずほ>が目指す環境配慮と地域社会の発展が両立する、自立した環境配慮型社会の実現に貢献できると考えています。

後藤

地域の雇用と産業振興という観点は世界的にも重視されています。イギリスでも風車工場の建設と一体となったプロジェクトが進んでいます。

末吉

イギリスでは、全家庭に洋上風力の電気を供給するため、6,000から7,000基くらいの洋上風力をつくる総額10兆円のプロジェクトが始まっています。また、フランスやデンマークでも同様のプロジェクトが始まっています。一方で、日本の洋上風力は現状で十数基しかありません。今回、福島沖で実験が始まりますが、欧州に比べて出遅れていることは事実です。

山田

日本では石油ショックでエネルギーの多様化に注目が集まった際、風力はまだ技術的に未成熟で太陽光に力を入れてきた経緯があります。その後、世界で風力の開発が進んだのですが、日本では電力の安定供給が実現していたために、風力発電を取り入れるのが遅くなったという経緯があります。

後藤

その他に、漁業権の問題もあります。関係する方々との対話の重要性は一層増していると思いますし、一方で、解決策として新たな技術、たとえば風車が設置式の場合、土台の部分に鉄鋼スラグを用いた漁礁などを設置するという案もあり、その有効性も実証されています。

山田

ご指摘の通りだと思います。一朝一夕には進まないのが現実ですが、ご提案のあった新技術や政策的な対応等も含め、検討していく必要があると思います。

末吉

そうした課題も含めて、日本が洋上風力に出遅れたのはなぜか、海外の動向を含めて今後どうしていけばいいのか、<みずほ>にはいろいろな知見が集積しているのですから、プロジェクトを成功させるとともに、是非そうした問題についても自治体や政府と情報共有し、有効な政策提言を実施していただけたらと思います。

住宅のCO2削減

山田

次に環境政策への提言という側面から、家庭分野でのCO2削減について、<みずほ>の考えをお話しさせていただきます。現在、産業界での温暖化対策が進む一方で、家庭分野のCO2排出は、まだまだ削減余地があるといわれています。こうしたなか、住宅各社では断熱材などを工夫した省エネ住宅や太陽光パネルを設置した住まいを開発・提供しています。しかし、各種の規制でアイディアが実現できないケースもあります。例えば、熱効率の良い魔法瓶のような住宅をつくれば従来よりも圧倒的に少ないエネルギーで暖かい家、涼しい家ができますが、現在の法・規制などを考慮すると困難な面があり、規制緩和が必要です。一方で、規制強化によって実現するCO2削減もあります。例えば、省エネ基準の引上げや適合義務化等、ある程度老朽化した住宅やビルに一定の規制を設けることで、建て替えを促すメカニズムを作ることもできます。さらに、建て替え時に規制緩和の恩恵を受け、魔法瓶のような高効率な建物をつくれば、CO2削減効果は更に増大します。こうした考えをもとに、私ども産業調査部では、住宅をはじめとした社会インフラの更新について、規制緩和と規制強化の双方の推進等により、前倒しかつCO2排出量を削減しながら実現していくような政策提言を行っています。

後藤

ご説明いただいた政策提言はもっともです。以前、私が審議会委員を務めていた時にも同様の提言をしたことがあります。当時は、今ほど環境意識が高まっておらず採用には至りませんでした。今は国を挙げて環境問題に取り組むべき時代であり、是非、提言活動を強化していただきたいです。

末吉

今、国内の住宅は4千数百万戸あり、例えば30年で全部建て替えるとなると、これは大変な内需産業の振興策となります。規制強化と規制緩和を上手に活用すれば、景気活性化の起爆剤になります。

山田

まさにその通りで、環境対応と同時に内需を創出する、すなわち日本の新たな成長戦略の一つとしていくという狙いもあります。今後もこのような政策提言をしていければと考えています。

末吉

さきほどの洋上風力発電で日本と世界の認識と取り組みの差についてお話しましたが、本日述べてきた部分と全体という観点から考えると、これは、<みずほ>のビジネスと日本の政策の整合性をどう図っていくかという問題でもあります。さらに言えば、日本の政策を部分と考えれば、世界のエネルギー政策という全体との整合性も図っていかなければなりません。とりわけ世界の動きは早く、私は相当の危機感をもっています。改めて申しますが、こうした世界の動向を踏まえ、国内外の企業との取引を通じて産業界や国際情勢への知見をもつ<みずほ>の政策提言能力に期待したいと思います。
また、<みずほ>のように、日本のみならず世界を代表する金融機関は、「個」という観点から、自らのビジネス、取引先をグリーンにしていくのと同時に、「全体」、つまり日本を、アジアを、世界をどうするべきかという観点でいろいろなことに、是非、取り組んでいただきたいと思います。そうした情報発信が世界をより良い方向に変えていくと信じています。

佐古

本日はいろいろと貴重なご指摘・ご意見をありがとうございました。頂戴したご指摘・ご意見を踏まえて、今後の取り組みに活かしていければと思っています。本日はありがとうございました。

2012年度ダイアログで頂戴した課題と主な取り組み

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課題 2012年度の主な取り組み 掲載ページ
環境配慮融資の拡大
  • 環境関連ファイナンス実績が前年度比件数・残高ともに増加
  • 再生可能エネルギー発電事業参入企業の支援
  • 「エクエーター原則」(2013年版)の受諾に向けた検討*
スマートシティプロジェクトに対し、金融機関の視点を生かしたビジネスモデルの構築
  • 実行性の高いビジネスモデル構築に向け、継続的に取り組み
政策提言の実施
  • レポート等による情報発信や各種提言の実施
環境配慮促進に向けたリーダーシップの発揮
  • エクエーター原則改定に際し、改定が検討されたテーマごとに設けられた各種タスクフォースに参加し、内容確定に貢献
  • 生物多様性への配慮を強化
地域振興への取り組み推進
  • 東日本大震災の被災地復興支援を中心に取り組み
  • *2013年6月5日、みずほ銀行(旧みずほコーポレート銀行)は「エクエーター原則」(2013年版)を受諾しました。
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