ページの先頭です

Building the future with you

リスク管理 川北 泉

新たなリスクヘッジ手法を確立

銀行はさまざまな企業に対して融資を行いますが、資金需要の高い企業へ融資が集中すると、結果的に特定の企業への与信が過大となったり、一部の業界に融資が偏ってしまう可能性があります。マーケットの変動等により、将来的にそれらの会社・業界を取り巻く景況が悪化した際には、銀行が過大なリスクを抱えることにも繋がりかねません。

そうしたリスクを回避するために、融資全体のポートフォリオ構成を地域・国・業種・企業グループ・企業単体とさまざまな切り口でモニタリング、信用リスクを定量化したうえで、債権売却・ヘッジ等の手法を活用することでポートフォリオ構成を調整し、自己資本に見合った適切なリスクを持つポートフォリオへとコントロールすることこそが、リスク管理の目的です。まさに銀行の経営そのものと密接に関わりあう業務であると言えるでしょう。

私が入社して数年間は、金融機関を取り巻く環境が激変した時期でした。お客さまの資金ニーズは旺盛で、それに応えるために銀行の融資が拡大、一部の業界向けに貸出債権が集中しつつあるという状況を踏まえ、どのように集中したリスクを分散させ、リスクアセットを軽減するかが銀行の経営上の重要課題のひとつとなっていたのです。

当時、入社4年目の私は、まだ世の中にヘッジ手法の確立していない新たなアセットに対して、ヘッジ商品を一から作り上げるというプロジェクトのリーダーとして指名されました。自らチームアップしプロジェクトを進めることになりましたが、過去に前例がなく、大きなプレッシャーを感じました。銀行が保有する特定の業界向けのリスクをどのような手法を用いて軽減するかを徹底的に検証し、CLO(資産担保証券)やCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)といった商品の開発や新たなスキームの組成に取り組みました。

貸出債権を裏付けとしたCLOのような証券化商品を組成して販売する場合、資産を取得する側の機関投資家のニーズを見極めることが重要です。そこで私は、みずほ証券と連携して国内外の機関投資家のニーズをヒアリングし、資産規模・レート・期間など条件面で投資家のニーズと合致する市場性のより高い商品を組成し、本来の主旨である「リスクアセットの軽減」を実現可能性の高いものとするように心掛けました。当然、どのようなスキームを導入するかを同時並行で検証し、経営会議での決裁を経て、新たなCLO商品を導入することが実現できました。

  • 写真

<みずほ>の経営の根幹を支える業務

案件がクロージングした時はまさにチームの力なくしては成り立たない仕事であることを実感するとともに、過去に誰も経験したことのない仕事を成功に導くことができたことに、大きな嬉しさと手応えを得ることができました。何よりも、このスキームが導入されたことによって集中していたリスクを分散することが可能となり、「経済・社会を支える」という銀行本来の使命に貢献できたことに、かつてないやりがいを感じたことを今でも鮮明に覚えています。苦労も多くありましたが、案件を通じてグループ内さまざまな関連セクションと連携して“組織の動かし方”を学ぶことができたことも、将来のキャリアを描く上で非常に大きな財産となりました。

金融商品が高度化・複雑化する中で、リスク管理はより重要性が増しています。銀行の資本を有効に活用し、ポートフォリオの維持・拡大を図ると同時に、いかにリスクに見合った適切なリターンを得るか。またバーゼル3完全適用を見据え、Tier1(中核的自己資本)比率をどのように向上するかなどは、まさに銀行経営を支える根幹の業務と言えるでしょう。高度な専門的知識が要求されるのはもちろんのこと、膨大なデータを分析し、マクロな視野でポートフォリオ全体を俯瞰、そこからブレイクダウンしてリスクを計量化し、対策を講じることが求められる仕事です。それゆえに予め定められたルーティンは存在せず、自ら考え分析することが常となりますから、まさに自分自身の能力をダイレクトに発揮できるフィールドです。私はそこに大きな魅力とやりがいを感じています。

PAGE TOP
Copyright (c) Mizuho Financial Group, Inc. All Rights Reserved.