当四半期連結累計期間における、前事業年度の有価証券報告書「事業等のリスク」からの重要な変更は以下の通りです。本項に含まれている将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において判断したものです。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」の項目番号に対応するものです。
2.業務面に関するリスク
①システムリスクの顕在化による悪影響
当社グループは、勘定系・決済系等の巨大なコンピュータシステムを保有しており、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムとグローバルなネットワークで接続されています。
当社グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、重要なシステムについては、原則としてバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。
しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大なシステム障害が発生し、こうした対策が有効に機能しない可能性があります。システムリスクが顕在化した場合には、情報の流出、誤作動、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下、「マネロン対策」という。)の重要性が急速に高まる中、我が国のマネロン対策に関する法規制の遵守状況及び対策の実効性を審査するFATF第4次対日相互審査が2019年に実施されます。かかる審査も踏まえ、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」が本邦金融当局から発出されるなど、金融機関のマネロン対策の強化が課題となっています。当社グループは、国内外において事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用及びそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けており、当社グループでは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
しかしながら、マネロン対策が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2020年3月期第1四半期における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりと分析しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
1.財政状態及び経営成績の状況
[総論]
①連結業務純益
・当第1四半期連結累計期間の連結粗利益は、顧客・市場部門ともに堅調に推移したこと等により、前年同期比459億円増加し、5,217億円となりました。
・営業経費は、前年同期比266億円減少し、3,284億円となりました。
・これらの結果、連結業務純益は、前年同期比746億円増加し、1,882億円となりました。
なお、連結業務純益に銀行単体合算ベースのETF関係損益とみずほ証券連結の営業有価証券等損益を加えた連結業務純益+ETF関係損益等は、連結業務純益の増加等により、前年同期比488億円増加し、1,918億円となりました。
②親会社株主に帰属する四半期純利益
・与信関係費用は、前年同期比241億円増加し、16億円の費用計上となりました。
・株式等関係損益は、前年同期比521億円減少し、282億円の利益となりました。
・これらの結果、経常利益は、前年同期比107億円増加し、2,198億円となりました。
・特別損益は、前年同期比96億円減少し、24億円の損失となりました。
・税金関係費用は、前年同期比22億円増加し、512億円となりました。
・以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比14億円増加し、1,624億円となりました。これは、年度計画4,700億円に対し34%の進捗率となっております。
[損益の状況]
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における損益状況は以下のとおりです。
(図表1)
|
|
前第1四半期 連結累計期間 (自 2018年 4月1日 至 2018年 6月30日) |
当第1四半期 連結累計期間 (自 2019年 4月1日 至 2019年 6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
連結粗利益 |
① |
4,757 |
5,217 |
459 |
資金利益 |
|
1,954 |
1,799 |
△154 |
信託報酬 |
|
114 |
140 |
25 |
うち信託勘定与信関係費用 |
①' |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
|
1,261 |
1,344 |
83 |
特定取引利益 |
|
744 |
902 |
157 |
その他業務利益 |
|
682 |
1,030 |
348 |
営業経費 |
② |
△3,550 |
△3,284 |
266 |
不良債権処理額 (含:一般貸倒引当金純繰入額) |
③ |
△133 |
△52 |
80 |
貸倒引当金戻入益等 |
④ |
359 |
36 |
△322 |
株式等関係損益 |
⑤ |
803 |
282 |
△521 |
持分法による投資損益 |
⑥ |
42 |
114 |
72 |
その他 |
⑦ |
△186 |
△114 |
71 |
経常利益(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦) |
⑧ |
2,091 |
2,198 |
107 |
特別損益 |
⑨ |
72 |
△24 |
△96 |
税金等調整前四半期純利益(⑧+⑨) |
⑩ |
2,163 |
2,173 |
10 |
税金関係費用 |
⑪ |
△489 |
△512 |
△22 |
四半期純利益(⑩+⑪) |
⑫ |
1,673 |
1,661 |
△12 |
非支配株主に帰属する四半期純損益 |
⑬ |
△63 |
△36 |
26 |
親会社株主に帰属する四半期純利益(⑫+⑬) |
⑭ |
1,610 |
1,624 |
14 |
|
|
|
|
|
四半期包括利益 |
⑮ |
1,717 |
943 |
△774 |
|
|
|
|
|
与信関係費用(①’+③+④) |
⑯ |
225 |
△16 |
△241 |
(注) 費用項目は△表記しております。 |
||||
(参考)連結業務純益 |
|
1,136 |
1,882 |
746 |
(参考)連結業務純益+ETF関係損益等 |
|
1,429 |
1,918 |
488 |
*連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整 |
||||
*ETF関係損益等=銀行単体合算ベースのETF関係損益+みずほ証券連結の営業有価証券等損益 |
① 連結粗利益
当第1四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比459億円増加し、5,217億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。
(資金利益)
資金利益は、預金利息や売現先利息の増加等により、前年同期比154億円減少し、1,799億円となりました。
(信託報酬)
信託報酬は、前年同期比25億円増加し、140億円となりました。
(役務取引等利益)
役務取引等利益は、ソリューション関連の手数料の増加等により、前年同期比83億円増加し、1,344億円となりました。
(特定取引利益・その他業務利益)
特定取引利益は、特定金融派生商品収益の増加等により、前年同期比157億円増加し、902億円となりました。また、その他業務利益は、国債等債券売却損益の増加等により、前年同期比348億円増加し、1,030億円となりました。
② 営業経費
営業経費は、数理計算上の差異の償却負担減少に加え、IT関連の減価償却費が減少したこと等により、前年同期比266億円減少し、3,284億円となりました。
③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)
不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、
前年同期比241億円増加し、16億円の費用計上となりました。
⑤ 株式等関係損益
株式等関係損益は、ETF関係損益等の減少等により、前年同期比521億円減少し、282億円の利益となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前年同期比72億円増加し、114億円の利益となりました。
⑦ その他
その他は、114億円の損失となりました。
⑧ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前年同期比107億円増加し、2,198億円となりました。
⑨ 特別損益
特別損益は、退職給付信託返還益の剥落等により、前年同期比96億円減少し、24億円の損失となりました。
⑩ 税金等調整前四半期純利益
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、前年同期比10億円増加し、2,173億円となりました。
⑪ 税金関係費用
税金関係費用は、前年同期比22億円増加し、512億円(損失)となりました。
⑫ 四半期純利益
四半期純利益は、前年同期比12億円減少し、1,661億円となりました。
⑬ 非支配株主に帰属する四半期純損益
非支配株主に帰属する四半期純損益(利益)は、前年同期比26億円減少し、36億円となりました。
⑭ 親会社株主に帰属する四半期純利益(⑮四半期包括利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比14億円増加し、1,624億円となりました。また、四半期包括利益は、前年同期比774億円減少し、943億円となりました。
-参考-
(図表2)損益状況 (銀行単体合算ベース)
|
前第1四半期 累計期間 (自 2018年 4月1日 至 2018年 6月30日) |
当第1四半期 累計期間 (自 2019年 4月1日 至 2019年 6月30日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
業務粗利益 |
3,283 |
3,849 |
565 |
資金利益 |
1,724 |
1,629 |
△94 |
信託報酬 |
112 |
140 |
28 |
うち一般合同信託報酬 |
- |
11 |
11 |
うち信託勘定与信関係費用 |
- |
- |
- |
役務取引等利益 |
806 |
938 |
132 |
特定取引利益 |
180 |
347 |
167 |
その他業務利益 |
460 |
791 |
330 |
経費(除:臨時処理分) |
△2,365 |
△2,211 |
154 |
実質業務純益(除:信託勘定与信関係費用) |
918 |
1,637 |
719 |
臨時損益等(含:一般貸倒引当金純繰入額) |
832 |
235 |
△597 |
うち一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額 |
△125 |
△43 |
81 |
うち貸倒引当金戻入益等 |
372 |
12 |
△359 |
うち株式等関係損益 |
726 |
242 |
△484 |
経常利益 |
1,750 |
1,872 |
121 |
特別損益 |
72 |
△24 |
△96 |
四半期純利益 |
1,302 |
1,384 |
81 |
|
|
|
|
与信関係費用 |
247 |
△30 |
△278 |
与信関係費用=一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額+貸倒引当金戻入益等+信託勘定与信関係費用 |
[セグメント情報]
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。
なお、詳細につきましては、第4 経理の状況、1. 四半期連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。
(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益+ETF関係損益等及び業務純益+ETF関係損益等の金額に関する情報
|
前第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) |
当第1四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年6月30日) |
比較 |
|||
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
||||
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
業務粗利益 +ETF関係 損益等 |
業務純益 +ETF関係 損益等 |
|
リテール・事業法人 カンパニー |
1,646 |
△148 |
1,516 |
△108 |
△129 |
40 |
大企業・金融・公共法人 カンパニー |
1,033 |
514 |
1,068 |
571 |
34 |
57 |
グローバルコーポレート カンパニー |
872 |
339 |
1,037 |
481 |
165 |
141 |
グローバルマーケッツ カンパニー |
1,196 |
671 |
1,352 |
835 |
156 |
163 |
アセットマネジメント カンパニー |
124 |
39 |
115 |
28 |
△8 |
△11 |
その他 |
178 |
13 |
161 |
110 |
△16 |
97 |
みずほフィナンシャル グループ(連結) |
5,050 |
1,429 |
5,252 |
1,918 |
201 |
488 |
*業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。
[財政状態の分析]
前連結会計年度及び当第1四半期連結会計期間の末日における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。
(図表4)
|
前連結会計年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
資産の部 |
2,007,922 |
2,027,671 |
19,748 |
うち有価証券 |
297,744 |
295,331 |
△2,413 |
うち貸出金 |
784,569 |
790,496 |
5,927 |
負債の部 |
1,915,981 |
1,938,853 |
22,871 |
うち預金 |
1,243,110 |
1,218,526 |
△24,584 |
うち譲渡性預金 |
133,385 |
132,774 |
△610 |
純資産の部 |
91,940 |
88,817 |
△3,122 |
うち株主資本合計 |
73,030 |
73,700 |
670 |
うちその他の包括利益累計額合計 |
14,457 |
13,734 |
△723 |
うち非支配株主持分 |
4,445 |
1,380 |
△3,064 |
[資産の部]
① 有価証券
(図表5)
|
|
前連結会計年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
有価証券 |
|
297,744 |
295,331 |
△2,413 |
国債 |
|
130,160 |
124,350 |
△5,810 |
地方債 |
|
2,098 |
2,228 |
129 |
社債・短期社債 |
|
26,810 |
26,882 |
72 |
株式 |
|
35,632 |
34,217 |
△1,414 |
その他の証券 |
|
103,042 |
107,652 |
4,609 |
有価証券は29兆5,331億円と、国債(日本国債)の減少を主因に、前年度末比2,413億円減少しました。
② 貸出金
(図表6)
|
|
前連結会計年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
貸出金 |
|
784,569 |
790,496 |
5,927 |
貸出金は、前年度末比5,927億円増加し、79兆496億円となりました。
[負債の部]
預金
(図表7)
|
|
前連結会計年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
預金 |
|
1,243,110 |
1,218,526 |
△24,584 |
譲渡性預金 |
|
133,385 |
132,774 |
△610 |
預金は121兆8,526億円と、前年度末比2兆4,584億円減少しました。
また、譲渡性預金は13兆2,774億円と、前年度末比610億円減少しました。
[純資産の部]
(図表8)
|
|
前連結会計年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 連結会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
純資産の部合計 |
|
91,940 |
88,817 |
△3,122 |
株主資本合計 |
|
73,030 |
73,700 |
670 |
資本金 |
|
22,567 |
22,567 |
- |
資本剰余金 |
|
11,384 |
11,375 |
△8 |
利益剰余金 |
|
39,155 |
39,821 |
666 |
自己株式 |
|
△77 |
△64 |
12 |
その他の包括利益累計額合計 |
|
14,457 |
13,734 |
△723 |
その他有価証券評価差額金 |
|
11,864 |
10,792 |
△1,071 |
繰延ヘッジ損益 |
|
△222 |
341 |
564 |
土地再評価差額金 |
|
1,377 |
1,377 |
- |
為替換算調整勘定 |
|
△1,110 |
△1,221 |
△110 |
退職給付に係る調整累計額 |
|
2,549 |
2,443 |
△105 |
新株予約権 |
|
7 |
2 |
△4 |
非支配株主持分 |
|
4,445 |
1,380 |
△3,064 |
当第1四半期連結会計期間末の純資産の部合計は、前年度末比3,122億円減少し、8兆8,817億円となりました。主な変動は以下のとおりです。
株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前年度末比670億円増加し、7兆3,700億円となりました。
その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前年度末比723億円減少し、1兆3,734億円となりました。
非支配株主持分は、前年度末比3,064億円減少し、1,380億円となりました。
[不良債権に関する分析(銀行単体合算ベース)]
(図表9)金融再生法開示債権(銀行勘定+信託勘定)
|
|
前事業年度
(2019年3月31日) |
当第1四半期 会計期間 (2019年6月30日) |
比較 |
|
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
529 |
490 |
△39 |
|
危険債権 |
|
3,476 |
3,881 |
404 |
要管理債権 |
|
1,597 |
1,786 |
188 |
小計(要管理債権以下) |
(A) |
5,604 |
6,158 |
553 |
正常債権 |
|
892,368 |
897,744 |
5,376 |
合計 |
(B) |
897,972 |
903,902 |
5,930 |
(A)/(B)(%) |
|
0.62 |
0.68 |
0.05 |
当第1四半期会計期間末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前年度末比553億円増加し、6,158億円となりました。不良債権比率((A)/(B))は0.68%となっております。
2.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(1)経営方針
①企業理念
当社グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・ビジョン・みずほValueから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに<豊かな実り>をお届けしてまいります。
基本理念:〈みずほ〉の企業活動の根本的考え方
〈みずほ〉は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、
常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる 知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、
幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展に グループ一体となって貢献していく。
これらを通じ、〈みずほ〉は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、 お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。
|
ビジョン:〈みずほ〉のあるべき姿・将来像
|
|
|
|
『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、 グローバルで開かれた総合金融グループ』
|
|
|
1.信頼No.1の〈みずほ〉 2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉 3.グループ力No.1の〈みずほ〉
|
|
みずほValue:役職員が共有すべき価値観・行動軸
1.お客さま第一 ~未来に向けた中長期的なパートナー~ 2.変革への挑戦 ~先進的な視点と柔軟な発想~ 3.チームワーク ~多様な個性とグループ総合力~ 4.スピード ~鋭敏な感性と迅速な対応~ 5.情熱 ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~ |
②経営計画
当社グループは、2019年度からの5年間を計画期間とする「5ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」をスタートいたしました。
新しい経営計画では、新たな時代の顧客ニーズに対応して、顧客との新たなパートナーシップを構築していく『次世代金融への転換』を実現し、『来るべき時代において、お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ』を形作ってまいります。
(2)経営環境
当第1四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は、全体として緩やかな回復が続きました。一方、米中貿易摩擦の影響などからグローバルに製造業の景況感が下振れるなど、不透明感が高まりました。
米国経済は、失業率は低水準が継続し、賃金の伸びはやや加速するなど良好な雇用環境が消費を下支えし、景気拡大が続きました。ただし、中国などとの貿易摩擦の影響などから製造業の景況感の下振れが続きました。FRB(連邦準備制度理事会)は不確実性の高まりに対応し緩和方向に方針を転じております。
欧州経済は低迷が続きました。企業の景況感は製造業を中心に下振れが顕著となりました。景気やインフレ期待の下振れに加え、Brexit*など不透明感が高まるなか、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁は追加緩和の可能性を示唆しております。
アジアでは、中国景気の減速が続きました。米中貿易摩擦の影響などから、中国では輸出や投資、消費の伸びが鈍化しております。新興国経済においても輸出の伸びが鈍化しております。FRBが金融緩和方向に方針を転じる中、インドやマレーシアなどでは利下げが行われました。
日本経済は海外経済の弱含みから輸出が減少し、生産は力強さに欠ける状況が続きました。雇用環境が良好ななか、個人消費は緩やかな回復傾向を維持しました。日本銀行は物価目標2%達成に向け、長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策を継続しておりますが、2021年度末までの物価目標達成は困難との見方が示されております。
先行きについては、世界経済は引き続き回復が期待されますが、米通商政策や欧州の政治情勢、中国・新興国の経済・市場動向、中東での地政学リスクなどの不確実性の高まりに注意を要する状況です。日本経済についても当面力強さを欠く状況が続く見通しです。
* 英国のEU(欧州連合)離脱
(3)対処すべき課題
デジタル化や少子高齢化、グローバル化等の経済・産業・社会の構造変化を受けて、顧客ニーズや金融業界の構造的変化が急速に進んでいます。グローバルな景気減速懸念やクレジットサイクル*変調の兆しなど、事業環境の不透明感が増大していることも踏まえ、これらの構造的変化に速やかに対応していく必要があります。
当社グループは、2019年度からスタートした「5ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」に取り組むことで、こうした環境・課題に対処してまいります。
* 金融市場における信用の拡大や縮小が一定の周期で循環すること
新しい経営計画の概要
(基本方針)
「前に進むための構造改革」をビジネス・財務・経営基盤の三位一体で推進することにより、人員や店舗などの経営資源配分等のミスマッチを解消し、新たな顧客ニーズに対応することで、『次世代金融への転換』を図ってまいります。
経営計画の5年間は2つのフェーズで構成されており、フェーズ1(2019年度からの3年間)では、構造改革への本格的取り組みと次世代金融への確かな布石づくりを進め、フェーズ2(2022年度からの2年間)では、成果の刈取りと更なる成長の加速を実現してまいります。
(基本戦略)
『次世代金融への転換』に向けて、「金融そのものの価値」を越えて、非金融を含めた「金融を巡る新たな価値」を創造することで、お客さまとの新たなパートナーシップを構築してまいります。
<お客さまとの新たなパートナーシップ>
個人 :新たな社会におけるライフデザインのパートナー 法人 :産業構造の変化の中での事業展開の戦略的パートナー 市場参加者:多様な仲介機能を発揮する市場に精通したパートナー |
そのために、これまで培った当社グループの強みを最大限に発揮するとともに、デジタライゼーションへの取り組みや、外部との積極的な協働を加速してまいります。
<当社グループの強み>
① 顧客基盤・ネットワークと信頼・安心感 ② 金融機能・市場プレゼンスと非金融領域への対応力 ③ グループ一体的なビジネス推進体制 等 |
また、『オープン&コネクト』と『熱意と専門性』を行動軸として取り組んでまいります。
『オープン&コネクト』
● 「顧客」「地域」「機能」等を縦横無尽に組み合わせ、金融を巡る新たなバリューチェーン*をより ● 当社グループ各社はもとより、外部とも積極的に協働 『熱意と専門性』 ● お客さまの夢や希望をもとに、社員一人ひとりが想いをもってお客さまに向き合う ● 高い専門性に裏打ちされた強みを発揮し、顧客ニーズを先取りして、「考え・動き、そして実現する」 |
* 顧客に価値が届けられるまでの各プロセスで付加される価値のつながり
(財務目標)
資本対比で見た収益力指標として連結ROE、また基礎的収益力を測る指標として連結業務純益を、夫々財務目標として設定しております。
<財務目標>
連結ROE*1 |
2023年度 7%~8%程度 |
連結業務純益*2 |
2023年度 9,000億円程度 |
*1 その他有価証券評価差額金を除く
*2 連結業務純益+ETF関係損益(株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社合算)+営業有価証券等損益
(みずほ証券株式会社連結)
<その他主要計数>
普通株式等Tier1(CET1)比率の目指す水準*1 |
9%台前半 |
政策保有株式削減の取組み*2 |
2021年度末まで 3,000億円削減 |
*1 バーゼル3新規制(規制最終化)完全適用ベース。その他有価証券評価差額金を除く
*2 取得原価ベース
<株主還元方針>
当面は現状の配当水準を維持しつつ、資本基盤の一層の強化を進め早期の株主還元拡充を目指す |
(重点取り組み領域)
① ビジネス構造の改革
経済・産業・社会の構造変化に対応し、当社グループの強みを活かしつつ、以下の取り組みを中心にビジネス
構造を改革してまいります。
● 新たな社会におけるライフデザインのパートナー
▶ 人生100年時代のライフデザインをサポートする資産形成とそれを支える人材育成
▶ 事業承継ニーズに対する高度なソリューション提供と経営人材確保ニーズへの対応
▶ コンサルティング中心のリアル店舗とデジタルチャネルを融合した次世代店舗展開
▶ テクノロジー活用やオープンな協業を通じた新たな顧客層の開拓や需要の創出
● 産業構造の変化の中での事業展開の戦略的パートナー
▶ イノベーション企業への成長資金供給、産官学連携など成長加速へのオープンな協働
▶ 産業知見等を活用し、事業リスクをシェアする新たなパートナーシップの構築
▶ グローバルな顧客の事業展開を支援すべく、アジアの顧客基盤やネットワークを活用
● 多様な仲介機能を発揮する市場に精通したパートナー
▶ グローバルネットワークとプロダクト提供体制の最適化により、投資家と投資家、発行体と投資家を繋ぐ
多様な仲介機能発揮
▶ 実現益と評価損益のバランスを重視しつつ、機動的なアセットアロケーションも活用した、ALM・
ポートフォリオ運営の高度化
② 財務構造の改革
以下の取り組みにより財務構造を改革し、事業環境・競争環境の変化に対応した柔軟な事業・収益構造への転換を実現いたします。
● 事業・収益構造の課題を、以下の4つの視点でビジネス領域ごとに可視化
①リスクリターン(粗利ROE)、②コストリターン(経費率)、③成長性、④安定性
● 上記に基づいた、効率化分野から成長分野への集中的な経営資源再配分
● 安定収益基盤を確立した上で、機動的にアップサイド収益を追求する収益構造へ転換
③ 経営基盤の改革
ビジネスの持続的な優位性を支える経営基盤を強化すべく、以下の取り組みを行ってまいります。
● 新たな業務スタイルへの変革
▶ 人材・職場、IT・デジタル、チャネル、グループ会社を重点分野として取り組み
▶ 人事については、「社員の成長ややりたい仕事」を軸とする考え方に基づき人事制度を改定し、「社内外で
通用する人材バリュー」を最大化する新たな人事戦略を推進
● グループガバナンスの強化
▶ 持株会社とグループ各社間の役員兼職拡大等により、銀行・信託・証券以外のグループ会社も含めた一体運営
を更に強化し、重要戦略や構造改革を着実に遂行
● コミュニケーションを軸とした新たなカルチャーヘの変革
(サステナビリティへの取り組み)
新しい経営計画における取り組みを通じ、ステークホルダーへの新たな価値を創出してまいります。
● 顧客:「金融を巡る新たな価値」を創造し、利便性向上と事業成長を実現
● 株主:構造課題の一掃と成長の加速による企業価値の向上
● 社員:顧客満足を伴う、働き甲斐ある職場の実現
以上を踏まえ、「当社グループの持続的かつ安定的な成長、及びそれを通じた内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄」を、当社グループにおける「サステナビリティ」と定めます。ステークホルダーからの期待・要請に対し、当社グループの戦略における重要性や親和性、中長期的な企業価値への影響を踏まえて「サステナビリティ重点項目」を特定し、SDGs(持続可能な開発目標)*達成に向けて積極的に取り組んでまいります。
* 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から
2030年までの国際目標
(2019年度運営方針)
新しい経営計画の初年度として、「前に進むための構造改革」に前倒しで取り組んでまいります。グループ一体で構造改革を加速させるとともに、グループが一致団結して様々な業務運営の見直しを進めることで、顧客との新たなパートナーシップを構築し、様々な価値を創造するための起点を作ってまいります。
[カンパニー・ユニットの取り組み]
当社グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループを運営しております。
各カンパニー・ユニットの今後の取り組み方針(対処すべき課題)は次の通りです。
リテール・事業法人カンパニー
個人・中小企業・中堅企業の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券等グループ一体となったコンサルティング営業や、先進的な技術の活用や他社との提携等を通じた利便性の高い金融サービスの提供等に取り組んでおります。
(今後の取り組み方針)
デジタル化や少子高齢化の一層の進展等を背景としたお客さまニーズの構造的変化を踏まえて、店舗も含めた営業チャネルの最適化や新規事業領域の拡大に取り組み、個人のお客さまの想い・希望や法人のお客さまの持続的成長を実現してまいります。
その達成に向けて、広範な顧客基盤や信頼・安心感、コンサルティング力などの当社グループの強みを活かしつつ、社内外とオープンに協働し、個人のお客さまのライフデザインや法人のお客さまの成長戦略・事業承継のパートナーとして、非金融を含めた新たな価値の提供に取り組んでまいります。
なお、2019年5月27日に設立いたしましたLINE Bank設立準備株式会社では、「LINE」とリンクした、親しみやすく利用しやすい"スマホ銀行"を提供することで、銀行をより身近な存在へと変化させ、利用者の皆様に寄り添い、日常的にご利用いただける新銀行の2020年度中の設立を目指して、準備を進めてまいります。
大企業・金融・公共法人カンパニー
国内の大企業法人・金融法人・公共法人の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションを、グループ横断的に提供しております。
(今後の取り組み方針)
社会・産業構造の変化を受けたお客さまニーズの変化を踏まえて、お客さまとの新たな関係の構築と価値共創・協営を実現してまいります。
その達成に向けて、お客さまの事業展開の戦略的パートナーとして、高度な産業知見や目利き力を活かして、お客さまのビジネス機会の創出や、その事業リスクシェアに、多様な仲介機能を発揮してオープンに取り組んでまいります。
なお、興銀リース株式会社は、株式会社みずほ銀行との資本業務提携による協業を推進し、提携の効果を早期に発現していくため、2019年10月1日にみずほリース株式会社に商号を変更する予定です。
グローバルコーポレートカンパニー
海外進出日系企業及び非日系企業等の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、お客さまの事業への深い理解と、貸出・社債引受等のコーポレートファイナンスやトランザクション分野での強みを活かし、様々なソリューションを提供しております。
(今後の取り組み方針)
将来的な規制変更や外貨調達力といった今後の成長への制約に備えて、事業ポートフォリオを最適化するとともに、お客さまのグローバルな事業展開への協働を通じて、地域を超えたバリューチェーンの活性化を実現してまいります。
その達成に向けて、事業展開をグローバルに支える戦略的パートナーとして、成長著しいアジア経済圏におけるネットワークと肥沃な米国資本市場におけるプレゼンスを活かしつつ、アジアをフランチャイズとして各地域のお客さまや機能を繋いでまいります。
グローバルマーケッツカンパニー
市場に関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券連携による幅広い商品提供力を活かし、個人から機関投資家まで幅広いお客さまのリスクヘッジ・運用ニーズに対して、マーケット商品全般を提供するセールス&トレーディング業務と、株式・債券等への投資業務を行っております。
(今後の取り組み方針)
投資業務における安定的な収益構造や、メリハリのあるセールス&トレーディング業務運営を実現し、市場を通じた様々な仲介機能の発揮とお客さまへの多様な価値創造を実現してまいります。
その達成に向けて、市場に精通したパートナーとして、投資対象とする資産の配分や商品のラインナップを最適化し安定収益基盤の確立に取り組むとともに、リスクに対する選好が異なる投資家のお客さまに最適な投資機会を提供してまいります。
アセットマネジメントカンパニー
アセットマネジメントに関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券及びアセットマネジメントOne株式会社が一体となって、個人から機関投資家まで、幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供しております。
(今後の取り組み方針)
資産運用ビジネス本来の高い資本効率への構造転換に取り組むとともに、お客さまの中長期志向の資産形成をサポートすることで、国内金融資産の活性化に貢献してまいります。
その達成に向けて、運用力・ソリューション提供力を強化し、アセットマネジメント機能の付加価値を高め、変化するお客さまニーズにグループ一体となって応えるとともに、イノベーションや業務プロセスの改革等を通じて、効率性や先進性を追求してまいります。
グローバルプロダクツユニット
投資銀行分野とトランザクション分野において、個人・法人・投資家等の幅広い顧客セグメントに対するソリューション提供を担当するユニットとして、M&Aや不動産、プロジェクトファイナンスから、国内外決済、資金管理、証券代行まで、幅広いソリューションを取り扱っております。
(今後の取り組み方針)
お客さまや社会を取り巻く環境がますます不確実性を増していく中で、変化するお客さまのニーズに徹底的に寄り添い、高度な専門性・知見に基づく最適なソリューションを提供してまいります。
また、プロダクトごとの経営資源配分の最適化を進め、グループ横断のバリューチェーンを効果的に繋ぐことにより、各カンパニーの戦略遂行を支え、当社グループの安定収益の増強に貢献してまいります。
なお、資産管理サービス信託銀行株式会社は、規模のメリットの追求による安定的かつ高品質なオペレーションの実現を目的として、日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社との共同株式移転によりJTCホールディングス株式会社を設立しており、次の段階として、2021年を目処に3社合併による統合銀行*の発足に向けて準備を進めてまいります。
* 社名を株式会社日本カストディ銀行とすることに決定
リサーチ&コンサルティングユニット
リサーチ業務とコンサルティング業務を担当するユニットとして、産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略等の幅広い分野にわたるコンサルティング機能に、IT・デジタル知見を掛け合わせた多様なソリューションを提供しております。
(今後の取り組み方針)
少子高齢化・デジタル化・グローバル化等、経済・社会環境が著しく変化する中、お客さまニーズの構造変化に対応した産業知見等の専門性を発揮し、グループ横断のバリューチェーンの起点となって、お客さまや社会に対する新たな価値の創造に貢献してまいります。
その実現に向け、リサーチ高度化、コンサルティング拡充、IT・デジタル活性化等に取り組んでまいります。
該当ありません。