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医療分野への取り組み

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地域医療の将来を担う医療機関の再編プロジェクトを支援

“医療と介護のあるべき姿”に向けて、医療機関の機能分化や地域連携が課題に

高齢化にともなう社会保障費の上昇は、日本の財政事情悪化の大きな要因のひとつとなっています。こうしたなか、政府は超高齢社会における社会保障制度の持続性を確保するため、2011年6月に「社会保障と税の一体改革案」を公表し、団塊世代が75歳以上となる「2025年」に向けた医療・介護のあるべき姿(いわゆる「2025年モデル」)を提示しました。

「2025年モデル」は、「入院医療の機能分化・強化」、「医療機関間および医療と介護の連携」、「在宅医療の充実」を進めることで、限りある医療資源(人材、財源、機器等)の最適活用を図り、より効果的・効率的な医療・介護サービスの提供体制を構築していくための方向性を示しています。

2012年度の診療報酬改定では、他の医療機関や介護施設との連携に取り組む医療機関や、在宅医療分野に注力する医療機関など、「2025年モデル」に沿った経営に取り組む医療機関に財源が厚く配分されました。2025年に向けて、日本の各医療機関は、自らが担うべき機能の明確化はもちろん、一層の機能強化や機能転換、さらには地域の他医療機関や介護事業者との連携強化などの対応が迫られています。

社会保障・税一体改革が目指す医療・介護機能再編の将来像(2025年モデル)
社会保障・税一体改革が目指す医療・介護機能再編の将来像(2025年モデル)のイメージ図

(出所)厚生労働省資料よりみずほ銀行産業調査部作成

グループの総合力を駆使して医療機関の経営課題解決を支援

<みずほ>では、医療・介護を中心としたヘルスケア産業を今後の日本社会を支える重要な成長産業のひとつに位置づけ、グループの総合力を駆使して、「2025年モデル」の実現に向けた全国の医療機関の経営課題解決を支援しています。

みずほ銀行では、産業調査部ヘルスケア・特定法人チーム(現 法人マーケティング部特定法人チーム)に病院専門の担当者を配置しています。病院担当者は支店と連携し、医療機関の経営者のみなさまのお話をうかがいながら課題解決のお手伝いをさせていただいています。具体的には、政策・業界動向に関する最新情報の提供や、課題解決策の検討、資金ニーズへの対応等を実施しています。また、みずほ総合研究所みずほ情報総研と連携し、医療機関が抱えるそれぞれの課題に関するコンサルティングサービスを提供しています。

栃木市の地域医療センターの統合再編を支援

医療機関の経営課題解決に向けた<みずほ>の取り組みのひとつに、医師不足等により地域医療体制の維持が課題となっていた栃木県の南部地区で進められている、地域医療再編事業(以下、本事業)へのサポートがあります。

本事業は、限りある医療資源を有効に活用し、質の高い医療を実現するために、栃木市の病床数上位の3病院 —栃木県厚生農業協同組合連合会下都賀総合病院(467床)、医療法人陽気会とちの木病院(165床、介護老人保健施設50床併設)、社団法人下都賀郡市医師会附属下都賀郡市医師会病院(112床))— を統合・再編し、地域社会の幅広い医療・介護ニーズに対応できる総合的なメディカルセンターを設立するという大規模なものです。具体的には、既存病棟の建て替えや増改築、新規用地確保などによって、地域の拠点病院としての役割を担う2病院(急性期・亜急性期・二次救急医療センター、回復期・慢性期医療センター)に加えて、介護老人保健施設と検診や在宅ケア支援を担う総合保健医療支援センターを整備します。本事業は、規模が大きい点に加え、地域医療再生臨時特例交付金をはじめ、国や栃木県、栃木市からの交付金や補助金など、合計88億円の資金投入が予定されており、公共性が高い点も特徴です。

3病院の統合が発表された2011年から、みずほ銀行栃木支店は、産業調査部(現 法人マーケティング部)病院担当やみずほ総合研究所の医療機関経営を担当するコンサルタントとともに、栃木市や取引先である医療法人陽気会のニーズを把握し、支援を続けてきました。具体的には、栃木市の地域医療対策室に周辺医療環境等のマーケティング情報を提供しつつ、病院経営改善にかかるパートナー企業の紹介等の経営支援策を提案。また、みずほ総合研究所からは医療経営支援プランを提案するなど、<みずほ>グループとして地域医療の確保に向けたサポートを実施しました。

その結果、2012年6月、みずほ総合研究所は、「財団法人栃木地区メディカルセンター(仮称)設立準備委員会」(以下、設立準備委員会)から本事業に関するコンサルティング業務を受託し、それ以降、新病院建設の基本計画の立案やメディカルセンターの組織・人事などの諸制度の整備、新法人としての各種実務体制の整備、新法人の設立実務、経営戦略の策定などの支援に取り組みました。事業を進めるにあたり、特に留意したのは透明性の確保と、地域医療の確保に向けた強固な基盤づくりです。

たとえば、新病院建築の設計業者選定時には、設立準備委員会と相談のうえ「公開プロポーザル」方式を採用することで、透明性を確保しました。これは、建築実績などから絞り込んだ複数の設計会社が、本事業関係者に対して直接プレゼンテーションを実施、その場で採点のうえ即日結果を発表するというオープンな手法です。

また、統合・再編にあたっては、医療人材不足という課題に対応するとともに、急性期に対応する病院、介護老人保健施設、検診を中心とした総合保健医療支援センターなど、施設の機能により医療スタッフの業務内容や勤務時間といった就業条件が異なるなか、一人ひとりの医療スタッフが能力を最大限に発揮できる環境を整える必要がありました。

そこで、みずほ総合研究所は、統合・再編後、医療スタッフ全員が新しく設立される「一般財団法人とちぎメディカルセンター」に所属するという組織・人事制度を提案しました。この提案が採用されたことにより、各自の能力や経験、年齢、体力、家庭事情などに応じて、複数の医療施設の間でフレキシブルに異動できる組織・人事制度が構築されました。また、目標管理と評価制度の導入により、医療スタッフを含む職員のモチベーションを引き出し、実績を適切に評価できる仕組みも整備されました。

このように、多様な職場が用意されるとともに医療スタッフが長く働き続けられる環境が整えられたことにより、地域医療サービスのさらなる充実が期待されます。さらに、地域の他病院や診療所ともカルテの相互共有を実現する「地域医療情報システム」を構築し、栃木県南部地区における医療連携、医療・介護連携の強化を図る計画も進められています。

また、業務機能についても、法人本部に、企画、人事、経理・財務、調達の機能の集約化を図り、法人として一体感のある動きと、効率化、業務品質の向上を図ることができる環境が整備されました。

<みずほ>は、これら経営体制の支援とともに、立ち上げ後間もない新法人の運転資金を地域金融機関と協調して支援したほか、今後の新病院建設や施設運営にともなう資金需要に対しても、地域金融機関と連携してシンジケートローンの組成を検討中であり、引き続きサポートしていく予定です。

新病院イメージ(基本設計前段階、株式会社山下設計 作成)のイメージ図

新病院イメージ(基本設計前段階、株式会社山下設計 作成)

社員の声

みずほ総合研究所 コンサルティング部 経営戦略チーム 上席主任コンサルタント 渡邊 裕一の写真

みずほ総合研究所
コンサルティング部
経営戦略チーム 上席主任コンサルタント
渡邊 裕一

このプロジェクトのように、公的病院と民間病院を統合して地域医療の中核となる大規模な医療センターを構築する事例は、全国でも非常に珍しく、今後の地域医療再編の方向性を示すモデルケースとして高く注目されています。

医療機関には、高い医療品質とともにそれを支える経営の力が求められています。日本の地域医療の体制強化に向け、今後もみずほ総合研究所は、みずほ銀行等と連携して、医療機関の経営課題解決を支援していきます。

<みずほ>のネットワーク

統合報告書

CSR動画「社会とともに、未来を描く」

CSRマネジメント

産業育成を通じたビジネス機会創出への取り組み

東京学芸大学との共同研究

グループ会社

ブランド戦略

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