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インドネシア・タングーLNGプロジェクト

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自然環境と地域社会に配慮した開発プロジェクトへの協調融資

ニューギニア島西端に位置するインドネシア西パプア州は、豊富な天然ガスの埋蔵量を誇っており、近年の液化天然ガス(LNG)需要の世界的な高まりを背景に、その開発に世界的な注目が集まっています。その一方で、大規模プロジェクトが及ぼす環境社会リスクへの視線が厳しくなるなか、開発にあたっては同地の自然環境や地域社会に対する慎重な配慮が求められています。

みずほコーポレート銀行は同地で進められるLNG開発プロジェクトに、複数の国際的金融機関とともに融資を実施しており、このプロジェクトが自然環境や地域社会への適切な配慮のもとに実施されていることをエクエーター原則採択銀行として確認しています。

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タングーLNGプラント概観

注目を集めるタングーLNGプロジェクト

タングーLNGプロジェクトは、インドネシア西パプア州ビントゥニ湾において、確認埋蔵量14.4兆立方フィートに及ぶガス田から、年産760万トンのLNGを供給するプラントを建設・運営する大規模な開発プロジェクトです。

英国の石油メジャー、BP社(正式名:BP p.l.c)のインドネシア現地法人をオペレーター(運営会社)とするこのプロジェクトは、近年のLNG需要の高まりを背景に、世界中から大きな注目を集めています。特に、世界最大のLNG 輸入国である日本の関心は高く、複数の日本企業がプロジェクトに参画しています。

みずほコーポレート銀行は、同プロジェクトに対し、国際協力銀行(JBIC)やアジア開発銀行(ADB)など国際的な金融機関との協調のもとに融資を実施しました。融資は2006年8月と2007年11月の2度にわたって実施され、融資総額は35億米ドルに達します。プラントは2009年3月に操業を開始し、LNGを積んだファーストカーゴ(第一船) が2009年の7月に韓国に向けて出航しました。

融資にあたり、みずほコーポレート銀行はエクエーター原則採択銀行として、同プロジェクトが現地に及ぼす環境側面、社会的側面での影響を確認するアセスメントを実施しました。

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自然環境の維持・保全に向けて

環境側面では、プラントやガス田におけるポリューションコントロール(汚染状況の管理)が現地の法律やIFC(*1) の定める環境基準に則して行われているか、現地の自然環境の維持・保全に向けて適切な対策が講じられているか、などを確認しました。

なかでも重視したのが、岸辺に生息するマングローブ林の保護でした。なぜなら、マングローブは現地近海漁の主産物であるエビの生育に適した環境を構成しており、生物多様性への配慮はもちろん、現地社会の経済基盤を支える上でも、その保全が重要な課題となっていたからです。

オペレーターであるBP社は、こうした自然環境への配慮を徹底するため、「バイオダイバーシティ(生物多様性)・アクションプラン」を策定するほか、生態系保護のためのきめ細かな対策を実施しました。たとえば、海底のガス田と陸上のLNGプラントをつなぐパイプラインの敷設にあたっては、岸辺の動植物の生息環境への影響を最低限に抑えるため、最先端の工法を導入。陸上と海底の両方からパイプラインサイズの海底トンネルを水平方向に掘削、貫通させておき、海底側から押し入れたパイプラインを陸上側から引き上げました。これにより、パイプライン埋設のために岸辺のマングローブ林の地面を切り開く必要がなく、マングローブ林を維持できました。

  1. *1IFC:国際金融公社(International Finance Corporation)の略称。世界銀行グループで民間プロジェクトへの投融資を担当する機関。

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現地のマングローブ林

現地社会の独自性に配慮した取り組み

ビントゥニ湾周辺には、多様な言語と価値観をもつ民族が、広域にわたって多数の村落を形成しています。社会的側面では、プラントの建設地に位置するために丸ごと移転する必要がある村落(127世帯*)をはじめ、現地社会といかに共存共栄を果たしていくかが大きなテーマでした。

事業会社はプロジェクトの実施に先立ち、現地社会に対するきめ細かなアセスメントを実施。その結果、現地の価値観では、「ビントゥニ湾の産物から得られる利益は湾岸近隣の村々で分配されるべき」という考えがあることがわかりました。そこで、移転する必要があった村落への補償だけでなく、周辺の村落に対しても配慮をしていくことを判断しました。

具体的には、移転する村落に対しては、「土地取得および住民移転のためのアクションプラン」を策定し、「移転に際する補償は、住民の生活環境が従来よりも改善されるように実施するべき」というIFC基準の主旨に沿って、住居やインフラも含めたきめ細かな補償を実施。さらに、周辺の村落も含めた現地社会全体に向けて、持続的な発展をサポートするための「総合社会プログラム」を策定し、農業や食品加工などの技術指導を含む雇用創出支援をはじめ、衛生面や教育面など多方面からの支援を実施しています。

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移転した村落に提供した住居

異なるガイドラインをもつ金融機関との共同アセスメント

みずほコーポレート銀行は同プロジェクトに融資する銀行団の一員として、事業会社におけるアクションプランの実施状況を継続的にモニタリングしています。2007年から2009年にかけて、毎年、現地に赴いて視察を実施するとともに、第三者的な立場にある環境コンサルタントが年2回作成するレポートをチェックしています。こうしたプロジェクトへのアセスメントは、協調融資した金融機関との連携のもとに実施しています。ただし、政府系金融機関であるJBICや、国際開発金融機関であるADBは、エクエーター原則とは異なる独自の環境ガイドラインを有しており、アセスメントの実施にはさまざまな調整が必要となりました。

今回のプロジェクトは、それぞれのガイドラインの主旨をくみ取りながらお互いに協議を重ねて共同アセスメントを実施することで、事業会社に対して総合的かつ長期的な視点から環境・社会に配慮したプロジェクトの実施を促したという点で、先駆的かつ画期的な事例となりました。

今回の経験を活かし、みずほコーポレート銀行は今後もエクエーター原則採択銀行として、社会と環境に配慮した融資を実施していきます。

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現地視察

担当者の声

幹事銀行としてやりがいを感じています

本プロジェクトは、環境や地域社会への影響にも重点を置いたプロジェクトであり、幹事銀行としてその一端を担っていることを嬉しく思うとともに、大変やりがいを感じています。今後も完済まで、プロジェクトが円滑に進むよう借入人様や銀行団をサポートしていければと思っています。

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みずほコーポレート銀行
グローバルストラクチャードファイナンス営業部 総括チーム
神山愛奈

<みずほ>のネットワーク

統合報告書

CSR動画「社会とともに、未来を描く」

CSRマネジメント

産業育成を通じたビジネス機会創出への取り組み

東京学芸大学との共同研究

グループ会社

ブランド戦略

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